本文へ移動
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室
保利国際法務事務所の外国人採用・就労ビザLPへ 電話で無料相談 050-5526-5506 いますぐ無料相談フォームへ
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室

定住者の就労制限はある?在留カード「定住者」の外国人を雇うときの確認と届出

在留資格「定住者」には就労制限がありません。職種、業種、労働時間、正社員かパートか派遣かを問わず、日本人と同じ条件で働くことができ、資格外活動許可も要りません。一方で、定住者は永住者と違って在留期間が決まっている在留資格なので、雇う企業には在留期限の管理と、ハローワークへの外国人雇用状況の届出が残ります。「就労制限なし」と書かれた在留カードを見て安心したあと、何を確認し続ければよいのかを企業の実務に沿って整理します。

定住者に就労制限がないのは「活動」ではなく「地位」の在留資格だから

入管法の在留資格は、別表第一と別表第二に分かれています。別表第一は「技術・人文知識・国際業務」や「留学」のように、日本で行う活動を基礎にした在留資格で、許される活動の範囲がそれぞれ決まっています。別表第二は「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4つで、日本での身分や地位を基礎にした在留資格です。

入管法19条1項は、別表第一の在留資格を持つ人について、許された活動に属しない収入を伴う活動を原則として禁じています。別表第二の在留資格はこの規定の対象になっていないため、定住者は就労の範囲を入管法上縛られません。単純作業と呼ばれる工場のライン作業、飲食店のホール、倉庫の仕分け、建設現場の作業、介護の補助など、技人国では認められない仕事にも就けます。

ここでいう「就労制限なし」とは、入管法が働き方の範囲を限定していないという意味です。医師や薬剤師のような業務独占資格、運転免許、風俗営業に関する年齢制限などの規制は、日本人と同じように適用されます。

定住者に当たる人は、日系2世・3世、日系人や定住者の配偶者、日本人や永住者に扶養される未成年の実子、日本人と離婚・死別した後も日本で暮らす人などです。どのような人が定住者になるかは定住者ビザとは?告示定住と告示外定住の違い・要件・在留期間と手数料と、告示の各号を整理した定住者告示とは?1号〜8号の対象者一覧と号ごとの立証資料・告示外定住との違いで扱っています。雇用の場面では、本人がどの類型で定住者になったかによって働ける範囲が変わることはありません。

在留カード「定住者」で確認する欄

採用時に見るのは在留カードの原本です。表面で確認する欄は次の4つです。

欄 定住者の場合の記載 確認すること
在留資格 定住者 「特定活動」「家族滞在」と見間違えていないか
就労制限の有無 就労制限なし この表記であること
在留期間(満了日) 5年・3年・1年・6月など 満了日が過ぎていないか、何年の許可か
在留カードの有効期間 在留期間の満了日と同じ日 更新後の新しいカードか

在留資格欄と就労制限欄をセットで見るのは、就労制限欄だけで判断すると取り違えが起きるからです。たとえば家族滞在の子どもが日本の高校を卒業して「特定活動」に変更した場合、カードには就労が可能な旨の記載がありますが、在留資格は特定活動で、指定書で活動の範囲が決まります。「就労制限なし」と書かれるのは主に別表第二の4つの在留資格なので、在留資格欄に「定住者」とあることを先に確かめます。

裏面の資格外活動許可欄は空欄で問題ありません。資格外活動許可は、就労が制限された在留資格の人が例外的に働くための許可なので、定住者には関係がないからです。

カードの写しだけでは偽造を見抜けません。出入国在留管理庁の在留カード等読取アプリケーションでICチップの情報を読み取るか、在留カード等番号失効情報照会で番号が有効かを確かめます。照会の手順は在留カード等番号失効情報照会の使い方|採用時に有効性を確認する方法、表面・裏面の見方は在留カードとは?表面・裏面の見方と記載事項|採用時に確認すべき欄で解説しています。

在留期間は6月から5年まで

定住者の在留期間は、入管法施行規則別表第二で決まっています。告示に当たる定住者(告示定住)は5年、3年、1年、6月のいずれか、告示に当たらない定住者(告示外定住)は5年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間です。初めて定住者になった人は1年が多く、更新を重ねて3年、5年と長くなっていくのが一般的な経過です。

企業にとってこの数字が意味を持つのは、在留期間が短いほど更新の回数が増え、期限管理の負担が大きくなるからです。在留カードに「1年」とあれば、毎年一度、更新の時期が来ます。

雇う企業に残る2つの義務

就労制限がなくても、定住者を雇う企業の義務がなくなるわけではありません。残るのは、ハローワークへの届出と、在留期限の管理の2つです。

外国人雇用状況の届出

労働施策総合推進法28条は、外国人を雇い入れたときと離職したときに、事業主がハローワークへ届け出ることを義務づけています。対象から外れるのは特別永住者と「外交」「公用」の在留資格の人だけで、定住者も永住者も届出の対象です。

届出の期限は、雇用保険の被保険者になる人は雇入れの翌月10日まで(雇用保険被保険者資格取得届の備考欄で兼ねる)、離職は離職日の翌日から10日以内です。雇用保険に入らない短時間のパートなどは、外国人雇用状況届出書(様式第3号)で、雇入れ・離職とも翌月末日までに届け出ます。届出を怠った場合や虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金の対象です。

届出事項には在留資格、在留期間、在留カード番号が含まれます。定住者の場合、資格外活動許可の有無の欄は記載不要です。この届出の情報は厚生労働省から出入国在留管理庁に提供され、在留審査でも使われます。仕組みの詳細は外国人雇用状況の届出とは?ハローワークへの届出が入管の在留審査でどう使われるかで解説しています。

なお、入管法19条の17が定める「所属機関による届出」(受入れの開始・終了を入管に届け出る努力義務)は、別表第一の在留資格を持つ人を受け入れる機関が対象で、しかもハローワークへ雇用状況の届出をする事業主は対象から除かれています。定住者を雇う企業が入管へ別途届け出る必要はありません。

在留期限の管理

定住者を雇う企業が最も気をつけるべきなのは、在留期間の満了日です。本人が更新を忘れて満了日を過ぎると、その日から不法残留になり、そのまま働かせ続けた企業は不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われるおそれがあります。法定刑は現行で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、2027年4月1日からは5年以下・500万円以下に引き上げられます。同条2項は、外国人が就労できない状態にあることを知らなかったとしても、過失がなければ別として処罰を免れないと定めています。企業側の責任の範囲は不法就労助長罪とは?企業が問われる責任・罰則と防ぐための確認方法で詳しく扱っています。

更新の申請は、在留期間の満了日のおおむね3か月前から受け付けられます。満了日までに申請していれば、審査中に満了日が来ても、処分の日か満了日から2か月を経過する日のいずれか早い日まで、従前の在留資格で在留できます(入管法20条6項、21条4項で準用)。この特例期間中も働き続けられますが、在留カードの裏面に申請中の旨が記載されているか、オンライン申請なら受付番号のお知らせメールで申請の事実を確認しておきます。申請の時期と標準処理期間は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?で整理しています。

実務では、在留カードの写しと満了日を社員台帳に載せ、満了日の3か月前と1か月前に本人へ声をかける運用で足ります。更新後は新しい在留カードを提示してもらい、台帳の満了日を書き換えます。

派遣・夜勤・掛け持ちも入管法上の制限はない

定住者は、派遣社員として働くことも、夜勤のある仕事に就くことも、複数の勤務先を掛け持ちすることもできます。いずれも入管法上の制限はありません。

派遣について補足すると、技人国などの就労資格では、派遣先での業務内容が在留資格に合っているかが審査されます。定住者はそもそも業務内容の審査を受けないので、派遣先が変わるたびに入管へ何かを出す必要もありません。派遣元の企業は、雇用主として外国人雇用状況の届出を行います。

夜勤や長時間労働を規制しているのは労働基準法です。18歳未満の人を午後10時から午前5時までの深夜に働かせることは、国籍を問わず原則として禁じられています(労働基準法61条)。定住者の中には、日本人や永住者に扶養される未成年の実子として来日した10代の人もいるため、年齢の確認は日本人の採用と同じように行います。

留学生のアルバイトのような週28時間の上限もありません。掛け持ちで働く場合の労働時間の通算、社会保険の加入要件の判定は、日本人と同じ基準で行います。

採用後に在留資格が変わる場面

定住者は、在籍中に在留資格が別のものに変わることがあります。企業が知っておくべき場面は次の3つです。

1つ目は永住者への変更です。永住許可に関するガイドラインは、定住者の在留資格で5年以上継続して日本に在留している人について、原則10年の在留要件を緩める特例を置いています。永住者になれば在留期間の更新はなくなります。ただし永住者も外国人雇用状況の届出の対象であることは変わりません。

2つ目は、身分関係の変化です。定住者告示5号の「配偶者」として定住者になった人が離婚した場合、日本人の配偶者等とは違い、入管法22条の4第1項7号(配偶者としての活動を6か月以上行わない場合の取消し)の対象にはなりません。入管への離婚の届出義務(19条の16第3号)もありません。ただ、在留の基礎だった身分関係がなくなるため、次の更新で引き続き定住者として認められるかは、日本での在留期間、生計、子の養育の状況などで判断されることになります。個別の事情で判断が変わるため、本人から離婚の相談を受けたときは、早めに専門家へつなぐのが安全です。

3つ目は、就労資格への変更です。定住者の更新が難しくなった人が、技人国などの就労資格に変更することがあります。この場合は業務内容が在留資格に合っている必要があり、それまでの工場作業や接客の仕事を続けられなくなることがあります。在留資格欄が「定住者」から別のものに変わったら、就労制限欄と担当業務の関係を確認し直します。

定住者は、別表第一の在留資格と違い、活動を3か月以上行わないことによる取消し(22条の4第1項6号)の対象でもありません。退職して次の仕事を探している期間があっても、それだけで在留資格を失うことはありません。企業が退職者のその後を入管に報告する義務もなく、ハローワークへの離職の届出だけを行います。

定住者と永住者の違いは「期限があるかどうか」

採用の現場では、在留カードの「定住者」を「永住者」と読み違えるケースがあります。どちらも就労制限はありませんが、企業の管理の仕方は違います。

項目 定住者 永住者
就労制限 なし なし
在留期間 6月〜5年(更新あり) 無期限
在留カードの有効期間 在留期間の満了日まで 2026年6月14日以降の交付分は交付日後10回目の誕生日まで(18歳未満は5回目)、それより前の交付分は交付から7年
企業の期限管理 在留期間の満了日 カードの有効期間(在留資格は失われない)
外国人雇用状況の届出 必要 必要

永住者の場合、在留カードの有効期間が切れても在留資格そのものは失われませんが、定住者の場合は在留期間の満了日を過ぎると在留資格を失います。同じ「就労制限なし」でも、期限を過ぎたときの重さが違います。両者の違いは定住者と永住者の違い|在留期間・更新・在留カードの見分け方と雇用時の確認点で詳しく比べています。

よくある質問

定住者は就労制限なしですか?

就労制限はありません。在留カードの「就労制限の有無」欄には「就労制限なし」と記載され、職種・時間・雇用形態を問わず働けます。資格外活動許可も不要です。

在留資格「定住者」の就労時間に上限はありますか?

入管法上の上限はありません。留学生や家族滞在の人のような週28時間の制限は適用されず、労働時間は労働基準法の範囲で日本人と同じように決めます。18歳未満の人の深夜業の禁止など、年齢による規制は日本人と同じく適用されます。

在留カードで定住者かどうかを確認するには?

在留カード表面の在留資格欄が「定住者」、就労制限の有無欄が「就労制限なし」になっているかを原本で確認します。あわせて在留期間の満了日を見て、在留カード等読取アプリケーションや失効情報照会でカードの有効性を確かめます。

定住者を雇うとき、ハローワークへの届出は必要ですか?

必要です。外国人雇用状況の届出の対象から外れるのは特別永住者と外交・公用の人だけです。雇用保険に入る人は資格取得届で翌月10日まで、入らない人は様式第3号で翌月末日までに届け出ます。

定住者の在留期限が切れていたらどうなりますか?

満了日までに更新申請をしていなければ、満了日の翌日から不法残留になり、働かせることはできません。申請済みであれば、特例期間として処分の日か満了日から2か月を経過する日のいずれか早い日まで働けます。申請の有無は在留カード裏面の記載や受付番号のお知らせで確認します。

採用のハードルが低い分、期限の管理に手間をかける

定住者は、学歴や職歴を問われず、業務内容の審査もなく、入社日を入管の許可に合わせる必要もありません。技人国や特定技能と比べれば、採用の手続きはずっと簡単です。

その分、企業が手間をかけるべきなのは採用後の在留期限です。定住者の在留は、職場とは関係のない家族関係や生活の実態に基礎を置いているため、更新の準備は本人任せになりがちで、会社が満了日に気づかないまま過ぎてしまうことがあります。社員台帳に満了日を載せ、更新のたびに新しいカードを確認するという単純な運用を続けることが、定住者を安定して雇う条件になります。2026年10月1日からは更新の手数料が許可される在留期間に応じた額に変わるため、本人に更新の費用を案内する際は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?もあわせて確認してください。

関連するコラム

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。