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在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?申請期限と標準処理期間を解説

ここでいう申請期限とは、在留期限の3ヶ月前を起点とする、在留期間更新許可申請が受理される期間を指します。この3ヶ月前という起算点を正しく理解しているかどうかが、更新手続き全体の余裕を左右します。

在留カードにまだ期限が1ヶ月以上残っていることを理由に対応を後回しにすると、審査が長引いた場合に在留期限を超えてしまうという事態が起こり得ます。在留期限までに適法に申請さえしていれば、結果が出るまでの猶予(特例期間)は用意されていますが、申請そのものが遅れてしまえばこの猶予は使えません。期限ぎりぎりまで待つのではなく、3ヶ月前を迎えた時点で動き始める、という判断が安全です。

この記事では、在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請それぞれの申請可能なタイミング、標準処理期間の目安、そして申請が遅れた場合のリスクを整理します。

この記事でわかること

  • 在留期間更新許可申請ができるタイミング(3ヶ月前ルール)
  • 在留資格変更許可申請のタイミングの考え方
  • 標準処理期間の目安(1〜2ヶ月程度)と実際にかかる期間の傾向
  • 在留期限までに結果が出なかった場合の特例期間
  • 申請が遅れて在留期限を過ぎた場合のリスク(オーバーステイ)

在留期間更新許可申請はいつから出せるのか

在留期間更新許可申請は、在留期限の3ヶ月前から受け付けられます。在留期限が2027年3月31日であれば、2026年12月31日以降に申請が可能になる、という計算です。逆に言えば、3ヶ月より前の時点では、原則として申請自体を受理してもらえません。早めに動きたいという理由だけで期限の半年前に窓口に行っても、手続きとしては成立しません。

在留期限までの期間 状態
4ヶ月以上前 原則として更新許可申請は受け付けられない(書類準備の期間にあてる)
3ヶ月前〜在留期限まで 更新許可申請が可能な期間(できるだけ早く申請するのが望ましい)
在留期限後 申請自体が期限に間に合っておらず、オーバーステイのリスクが生じる

ここで重要なのは、「3ヶ月前になったらすぐ出せる書類を準備しておく」という発想です。3ヶ月前を迎えてから書類を集め始めると、雇用契約書や決算書類、卒業証明書のように取得に時間がかかる書類でつまずき、結局申請自体が期限ぎりぎりになってしまいます。3ヶ月半〜4ヶ月前の時点で必要書類のリストアップを終わらせ、3ヶ月に入った瞬間に申請できる状態にしておくのが理想的な進め方です。

在留資格変更許可申請のタイミング

在留資格変更許可申請は、更新と異なり「3ヶ月前から」という明確なルールを持ちません。変更事由(転職、留学から就労への切替、結婚など)が発生した時点で申請するのが基本です。ただし、現在の在留期限との関係で、実務上は次のような考え方をします。

  • 留学から技人国への変更:内定が決まり次第、できるだけ早く準備を始める。入社日から逆算して、標準処理期間(1〜2ヶ月程度)を見込んでおく
  • 転職に伴う変更(業務内容が変わる場合):転職先での就労開始前、できれば内定〜入社の間に申請を済ませておく
  • 結婚等による変更:婚姻届出後、必要書類(婚姻証明書等)が揃い次第、速やかに申請する

変更許可申請の場合、現在の在留期限が迫っているケースも珍しくありません。この場合は「変更」と「更新」のどちらの申請をすべきか迷うことがありますが、業務内容や身分関係に変更がある場合は変更許可申請、変更がなく単に期間を延ばしたいだけなら更新許可申請、という整理になります。判断に迷う場合は、早めに専門家に確認しておくべきです。留学生を新卒採用する場合の具体的な進め方は留学から技術・人文知識・国際業務への在留資格変更ガイドで詳しく解説しています。

標準処理期間の目安

出入国在留管理庁が公表している標準処理期間は、在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請とも、おおむね1〜2ヶ月程度とされています。これはあくまで「標準的なケース」の目安であり、実際にはこれより短く終わることもあれば、長くかかることもあります。

状況 処理期間の傾向
書類に不備がなく、業務内容も明確な場合 標準処理期間内、あるいはそれより短く終わることもある
追加資料の提出を求められた場合 標準処理期間を超えて長引く傾向がある
申請が集中する時期(3〜4月等) 窓口・審査ともに混み合い、通常より時間がかかりやすい

追加資料の提出、いわゆる「追加立証」を求められると、そこから資料を準備して再提出するまでの期間がまるまる上乗せされます。雇用理由書や指揮命令系統図の追加提出を求められるケースでは、社内で資料を作る時間も必要になるため、標準処理期間の2倍近くかかることも珍しくありません。在留期限ぎりぎりに申請するのではなく、3ヶ月前の時点で申請しておく余裕が、こうした場面で生きてきます。

3ヶ月より前の時点で誤って申請書を提出してしまった場合、窓口で受理されずに書類一式が返却される、あるいは日付を確認した上で預かってもらえるといった対応になりますが、いずれにしても正式な受理日にはならないことが多いです。早く出しておけば安心という話ではなく、3ヶ月前という起算日を正しく数えることが重要です。カレンダーで3ヶ月前の日付を先に確定させ、そこから逆算してスケジュールを組む、という順番で考えるとミスが起きにくくなります。

実務でよくある相談
技人国の更新申請で、入管から対象者の1日のタイムスケジュールや指揮命令系統図の提出を求められることがあります。専門業務が主業務になっているか、他社の指揮命令下に実質的に置かれていないかを確認するための資料です。こうした追加資料の提出が発生すると、その分だけ処理期間は延びるため、余裕を持った申請タイミングがより重要になります。

※上記は当事務所で取り扱った実際の相談内容をもとにしていますが、個別の状況により結果は異なります。同様の結果を保証するものではありません。

企業のカテゴリーによっても処理期間は変わる

技人国や特定技能の審査は、受入企業の規模・実績に応じたカテゴリー区分(カテゴリー1〜4)によって、提出書類の量が変わります。書類の量が変われば、審査にかかる時間の傾向も変わってきます。

区分 処理期間の傾向
カテゴリー1・2 簡易書類で済むため、標準処理期間内で終わることが多い
カテゴリー3・4 決算書類や雇用理由書等の確認事項が増え、標準処理期間を超えやすい

創業間もない企業や小規模企業(カテゴリー4)に属する外国人社員の更新申請は、大企業のケースより余裕を持ったスケジュールを組んでおく必要があります。前回はすぐ終わったからという理由だけで今回も同じ期間を見込んでいると、会社の決算状況が変わっていて追加の説明資料を求められる、という事態も起こり得ます。カテゴリー区分の詳しい内容は技術・人文知識・国際業務ビザの更新で解説しています。

在留期限までに結果が出なかった場合の「特例期間」

在留期限までに適法に更新・変更の申請をしていれば、審査結果が出るまでの間、それまでと同じ在留資格・活動内容のまま日本に滞在できます。これを特例期間といい、在留期限から起算して最長2ヶ月間認められています。標準処理期間が1〜2ヶ月程度であることを踏まえると、多くのケースはこの特例期間内に結果が出ることになります。

重要なのは、特例期間が使えるのは「在留期限までに適法に申請していた場合」に限られるという点です。申請日が在留期限の翌日以降になってしまうと、この特例は一切使えません。審査に時間がかかっているだけという状態と、そもそも申請自体が期限に間に合っていない状態は、まったく別のものとして区別する必要があります。

「在留期限」と「在留カードの有効期間」は別物

ここで混同されがちなのが、「在留期限」と「在留カードそのものの有効期間」の違いです。技人国や特定技能のような期間更新型の在留資格では、この2つはほぼ同じタイミングで一致するため、あまり意識しなくても問題になりません。ところが永住者の場合、在留資格自体には期限がないのに、在留カードのカード面の有効期間は16歳以上で7年ごとに切れる、という仕組みになっています。

永住者を雇用している企業から「在留カードの更新はいつまでにすればいいのか」と相談を受けることがありますが、これは在留資格の更新ではなく、単なる在留カードの更新(カードの切替)です。手続きとしては別物であり、永住者社員に在留資格の更新が必要だと混同すべきではありません。ただし、カードの有効期間が切れたまま放置すると実務上さまざまな不便が生じるため、こちらも早めの更新を勧めておく必要があります。

申請が遅れて在留期限を過ぎた場合のリスク

在留期限までに申請すらできなかった場合、その翌日からオーバーステイ(不法残留)の状態になります。オーバーステイは本人にとって重いリスクですが、雇用していた企業にとっても他人事ではありません。

  • 本人:退去強制の対象になり得る。上陸拒否期間が設定され、その後一定期間日本に入国できなくなる
  • 企業:オーバーステイの状態と知りながら就労させ続けると、不法就労助長罪に問われるリスクがある

うっかり申請を忘れていたという説明は、入管に対しても、万一の労働紛争においても通用しません。会社としては、外国人社員の在留期限を人事側で一元管理し、期限の3〜4ヶ月前に自動でアラートが出るような仕組みを作っておくことを強く勧めます。社員任せにしていると、本人が制度を正確に理解していない場合に、期限が過ぎてから発覚するという最悪のパターンになりかねません。不法就労助長罪の詳しい内容は不法就労助長罪とはで解説しています。

審査期間中に海外出張・一時帰国をしても大丈夫か

更新許可申請の審査中に、海外出張や一時帰国の予定が入ることもあります。特例期間中であっても、みなし再入国許可を使って出国し、再入国すること自体は可能です。ただし、審査中に一度出国すると、その間の連絡や追加資料の提出依頼への対応が遅れることがあるため、出張の予定がある場合はあらかじめ申請窓口に一言伝えておくべきです。

海外出張中に審査結果が出て、在留カードの受け取りが必要になるケースもあります。本人が日本にいないと在留カードを受け取れないため、結果として在留期限をまたいでしまう事態も起こり得ます。長期の海外出張を予定している社員がいる場合は、更新申請のタイミングを出張前に前倒しできないか、早めに検討しておく必要があります。

申請が集中する時期は特に注意したい

4月入社・3月退職が多い日本の雇用慣行に合わせて、1〜3月は在留資格の変更・更新申請が集中しやすい時期です。窓口の混雑だけでなく、審査自体にも通常より時間がかかる傾向があります。手数料の改定や制度変更のタイミングが重なると、直前に駆け込みで申請が増えることもあるため、この時期に更新・変更を予定している場合は、標準処理期間よりも余裕を持ったスケジュールを組んでおく必要があります。

周囲が同じタイミングで申請するからという理由で3月ぎりぎりに合わせる判断は、この時期に限っては避けるべきです。申請が集中する時期は審査側のキャパシティも限られているため、後回しにするほど不利になります。

企業ができる在留期限管理の実務

採用担当者・人事担当者が複数の外国人社員を抱えている場合、一人ひとりの在留期限を記憶に頼って管理するのは現実的ではありません。次のような仕組み化を勧めます。

タイミング やること
在留期限の4〜5ヶ月前 更新か変更か、必要な手続きの種類を確認。必要書類のリストアップを開始
在留期限の3〜4ヶ月前 決算書類・雇用契約書等、時間がかかる書類の取得を進める
在留期限の3ヶ月前 申請書一式を整え、できるだけ早いタイミングで申請
申請後〜結果通知まで 追加資料の要請に備え、社内の担当者を明確にしておく

在留カードの管理台帳をExcel等で作り、在留期限のセルに条件付き書式で色をつけておくだけでも、見落としはかなり減ります。従業員数が多い企業であれば、社労士業務向けのクラウド労務ソフトに在留期限管理機能がついているものもあるため、そうしたツールを活用するのも一つの選択肢です。

もう一つ意識しておきたいのが、更新のたびに毎回同じ書類を一から作り直さない、という工夫です。雇用理由書や組織図のように、業務内容に大きな変更がない限り前回の内容を流用できる書類も多いため、前回申請時の控えを社内で保管しておくと、次回の準備がぐっと楽になります。逆に、担当者の異動などで前回の申請書類がどこにあるか分からなくなっている会社も少なくありません。外国人社員の在留資格に関する書類は、退職者データと同じように、一定期間まとめて保管しておく運用を勧めます。

よくある質問

Q. 在留期間更新許可申請は、在留期限の何ヶ月前から出せますか?

原則として在留期限の3ヶ月前から申請できます。それより前の時点では原則として受け付けてもらえないため、3ヶ月前になったらできるだけ早めに申請するのが安全です。

Q. 標準処理期間はどのくらいですか?

更新・変更どちらも、標準処理期間の目安は1〜2ヶ月程度とされています。追加資料の提出や審査の混雑状況によっては、これより長くかかることがあります。

Q. 在留期限までに結果が出なかった場合はどうなりますか?

在留期限までに適法に申請していれば、結果が出るまでの間、特例期間として在留期限から2ヶ月間はそれまでと同じ活動を継続できます。申請自体が期限より後になった場合はこの特例は使えません。

Q. 申請が遅れて在留期限を過ぎてしまったらどうすればいいですか?

できるだけ早く出入国在留管理庁に相談してください。事情によっては在留特別許可等の対象になる可能性もありますが、オーバーステイの状態が長引くほど不利になるので、早い段階での相談をおすすめします。

Q. 3ヶ月より前に申請書を提出してしまったらどうなりますか?

正式な受理日にはならず、窓口で書類が返却される、あるいは日付を確認した上で改めての提出を求められることが多いです。3ヶ月前という起算日を正しく数えたうえで申請するようにしてください。

オンライン申請と窓口申請でスケジュールは変わるか

近年、在留資格関係の申請はオンライン化が進んでおり、企業の人事担当者や取次者がオンラインシステムから直接申請できる範囲も広がっています。オンライン申請だからといって標準処理期間そのものが短くなるわけではありませんが、窓口に出向く手間や郵送のタイムラグがない分、書類さえ揃っていれば「3ヶ月前になった瞬間に申請する」というスケジュールを実現しやすくなります。

逆に、オンライン申請の環境が整っていない会社では、書類の印刷・押印・郵送や窓口への訪問といった社内フローに数日単位の時間がかかることがあります。これも含めて3ヶ月前から逆算しておかないと、実際に申請書が入管に届く日はもう少し後ろにずれてしまいます。オンライン申請を利用する予定がない企業ほど、社内の決裁・押印フローにかかる日数を見込んで、余裕を持ったスケジュールを組んでおく必要があります。

複数拠点・複数名を同時に更新する場合の注意点

支店や工場を複数抱えている企業で、外国人社員の在留期限がバラバラに設定されているケースもよくあります。この場合、今月は誰の更新もないから大丈夫だと考えていたら、実は3ヶ月後にまとまって5人分の更新期限が来ていた、ということが起こりがちです。個人ごとに期限を管理するだけでなく、全社の在留期限を一覧化して、四半期ごとに「次の3ヶ月で誰の手続きが必要か」を確認する運用にしておくと、こうした見落としを防ぎやすくなります。

複数名を同時期に申請する場合、決算書類や会社案内など会社側で用意する共通書類はまとめて準備できますが、雇用理由書や職務経歴の説明といった個人ごとの書類は結局一人ずつ作り込む必要があります。まとめてやれば早く終わるという見通しは楽観的すぎることが多く、人数分の作業時間がかかることを前提にスケジュールを組んでおくべきです。

まとめ

在留期間更新許可申請は在留期限の3ヶ月前から出せて、標準処理期間はおおむね1〜2ヶ月程度です。この2つの数字を覚えておくだけでも、いつ動き出せばいいかの見通しは立ちます。とはいえ、追加資料の提出や申請の集中する時期の混雑などで審査が長引くことは珍しくないため、「3ヶ月前になったらすぐ申請できる状態」を作っておくのが、企業としても本人としても最も安全な進め方です。

複数の外国人社員を雇用している企業ほど、在留期限の管理は属人的な記憶に頼らず、仕組みとして運用する必要があります。期限管理の仕組みさえできていれば、更新のたびに慌てることもなくなりますし、万が一書類に不備があって審査が長引いたとしても、余裕を持って対応できます。更新不許可のリスクについては在留資格の更新が不許可になる理由とはもあわせて確認しておくと、審査でどこが見られているかの理解がより深まります。