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特定活動55号とは|特定技能「自動車運送業」の運転免許取得準備と在留期間

特定活動55号とは、特定活動告示の本則第55号に定められた活動で、特定技能1号「自動車運送業」分野のドライバーとして働く予定の外国人が、日本の運転免許を取得し、タクシー・バスの場合は新任運転者研修を修了するまでの準備期間に使う在留資格です。出入国在留管理庁は「特定活動」(特定自動車運送業準備)と呼んでいます。在留期間はトラック運転者が6か月、タクシー・バス運転者が1年で、更新はできず、この期間は特定技能1号の通算5年に数えません。期限内に免許を取れなければ特定技能に移れないため、企業にとっては入国前の段取りがすべてと言ってよい制度です。

特定活動55号ができた理由

特定技能「自動車運送業」は、2024年3月29日の閣議決定で特定技能の対象分野に加わりました。トラック、タクシー、バスの運転業務に就くには、評価試験と日本語試験の合格に加えて、日本の運転免許(トラックは第一種、タクシー・バスは第二種)が必要です。タクシー・バスはさらに、事業者が行う新任運転者研修を修了しなければ乗務できません。

ところが、海外にいる外国人は日本の運転免許を持っていません。外国の免許を日本の免許に切り替える手続(外免切替)には住民票の写しが必要で、日本に住所を持たない人は受けられません。一方、特定技能1号の在留資格は、運転業務に従事できる状態で申請するのが前提です。免許がなければ特定技能で入国できず、入国しなければ免許が取れない、という循環を解くために設けられたのが特定活動55号です。分野全体の要件は特定技能「自動車運送業」とは?トラック・タクシー・バスの要件と免許取得の特定活動で整理しています。

告示55号が認める活動

特定活動告示(最終改正 令和8年4月8日法務省告示第31号)の本則第55号は、法務大臣が指定する日本の機関と結ぶ雇用契約(告示は「特定自動車運送業準備雇用契約」と呼びます)に基づいて行う、次の活動を定めています。

  • 講習と指導を受ける活動。旅客自動車運送事業運輸規則に定める指導監督、特別な指導、適性診断を受けることを含みます(タクシー・バスの新任運転者研修に当たる部分)
  • 自動車運送業分野の業務に付随する業務に従事する活動
  • 告示別表第十七に掲げる免許を受けるために、自動車教習所で運転の教習を受ける活動

出入国在留管理庁の案内では、これを「運転免許の取得に係る諸手続(自動車教習所への通所を含む)」「新任運転者研修の受講(タクシー・バスの場合)」「車両の清掃等の関連業務」と言い換えています。

ここで重要なのは、運転業務そのものは55号の活動に含まれないという点です。55号で在留する間は、車両の清掃や点検の補助のような付随業務には就けますが、営業車両の運転はできません。免許を取った後でも、特定技能1号への変更許可を受けるまで運転業務には就けないと考えてください。

告示の同じ号は、本人が告示別表第十六の要件に該当することと、特定技能と同じ水準の支援計画に基づく支援を受けられることも求めています。別表第十六・第十七の個々の文言は、本記事では要旨にとどめます。

在留期間と「更新できない」ことの意味

在留期間は、トラック運転者が6月、タクシー運転者とバス運転者が1年です。出入国在留管理庁は、在留期間の更新はできないと明記しています。国土交通省も、期間中に日本の免許を取得できなかった場合は特定技能への移行も特定活動の延長もできないとしています。

区分 在留期間 取得すべき免許 研修 日本語
トラック運転者 6月(更新不可) 第一種(普通免許など) なし A2.2相当以上(JLPT N4等)
タクシー運転者 1年(更新不可) 第二種 新任運転者研修 B1相当以上(JLPT N3)。一定の措置でA2.2相当も可
バス運転者 1年(更新不可) 第二種 新任運転者研修 B1相当以上(JLPT N3)。一定の措置でA2.2相当も可

「更新できない」ことは、単に手続が一つ減るという話ではありません。特定技能1号の在留期間の更新であれば、審査中に期限が来ても特例期間で在留を続けられますが、55号には延長の道がそもそもないため、6か月・1年の中で外免切替や教習、研修の日程が遅れると、そのまま帰国になります。外免切替は2025年10月1日から厳しくなり、知識確認が10問から50問に増え、合格基準も50問中45問以上に上がりました(警視庁等の案内)。トラックの6か月は、この試験の準備と運転免許センターの予約待ちを含めた期間だと理解しておく必要があります。

もう一つの特徴が、55号で在留した期間は特定技能1号の通算在留期間(5年)に含まれない点です。特定技能への移行準備として使われる別の特定活動(特定技能1号への移行準備)は通算期間に数えられるため、同じ「準備のための特定活動」でも扱いが違います。移行準備の特定活動は特定活動から特定技能へ|移行準備の特定活動(6か月・就労可)の要件と試験未合格時の扱いで扱っています。特定技能1号の通算5年の数え方は特定技能1号の5年後はどうなる?で解説しています。

本人と受入れ企業の要件

出入国在留管理庁は、日本の運転免許の取得と新任運転者研修の修了を除き、それ以外は特定技能1号を申請するときと同じ要件を満たす必要があるとしています。つまり、次の要件は55号の申請時点で満たしておくことになります。

  • 本人:自動車運送業分野の評価試験と日本語試験に合格していること(トラックは技能実習2号を良好に修了していれば日本語試験のみ免除)
  • 雇用契約:特定技能と同じ基準の雇用契約。免許取得期間中も報酬の支払いが必要です
  • 支援:1号特定技能外国人と同じ内容の支援計画と、その実施体制
  • 受入れ企業:道路運送法の自動車運送事業(トラックは貨物自動車運送事業。第二種貨物利用運送事業を含む)を経営していること、自動車運送業分野特定技能協議会の構成員であること、働きやすい職場認証またはGマーク(トラックのみ)を取得していること、タクシー・バスは新任運転者研修を実施すること

白ナンバーの自家用車で運送している事業者や、軽貨物だけを扱う事業者は受け入れできません。協議会への加入は55号の申請前に済ませる必要があり、事務局の確認に1か月程度かかります(国土交通省)。協議会の一般的な位置づけは特定技能の協議会とは?で解説しています。

55号で受け入れた企業は「特定自動車運送業準備所属機関」として、雇用契約の締結・変更・終了、支援計画の変更、登録支援機関との委託契約の締結・変更・終了があったときに、地方出入国在留管理局へ報告します。報告の期限は入管庁の案内ページに記載がなく現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。

特定技能1号への移行手順

海外から受け入れる場合の流れは、次のとおりです。

  1. 企業が協議会に加入し、働きやすい職場認証またはGマークを取得する(未取得の場合)
  2. 本人が海外で評価試験と日本語試験に合格する
  3. 企業が特定活動(特定自動車運送業準備)の在留資格認定証明書を申請する
  4. 本人が入国し、14日以内に住居地を届け出る
  5. 外免切替、または教習所での教習により日本の免許を取得する(タクシー・バスは第二種免許を取得し、新任運転者研修を修了する)
  6. 免許取得・研修修了後、在留期間が残っていても速やかに「特定技能1号」への在留資格変更許可を申請する

6の「速やかに」は入管庁の案内の表現で、要件を満たした後も55号のまま在留を続けることは想定されていません。変更申請を在留期限内に出していれば、審査中に期限が過ぎても、処分の時か期限から2か月を経過する時のいずれか早い時まで特例期間として在留できます。申請の時期は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?も参考にしてください。

トラックの場合、55号の期間中に取るのは普通免許(または準中型免許)で、外国免許が大型相当であってもまず普通免許への切替を行う、と国土交通省は案内しています。中型・大型免許の教習は、特定技能1号への変更申請をした後の審査中に受けることは差し支えないとされています。大型トラックの運転要員として採用する計画でも、55号の期間内に大型免許まで取らせる前提は組めないということです。

日本にすでに住んでいる留学生などは、原則として55号を経由せず、在留中に日本の免許を取得してから特定技能1号への変更を申請します。住民票があれば外免切替を受けられるためです。

手数料と申請の実務

在留資格認定証明書の交付申請に手数料はかかりません。国内で他の在留資格から55号へ変更する場合や、55号から特定技能1号へ変更する場合は、許可時に手数料がかかります。2026年10月1日からの改定後は、在留期間1年の許可で窓口33,000円・オンライン27,000円、6か月超1年未満では窓口25,000円・オンライン21,000円などとなります(施行令25条1項、改定の全体は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?)。2026年9月30日までに受け付けた申請は旧額です。

55号の申請が在留申請オンラインシステムの対象かどうかは、民間の解説には「対象外」とするものがありますが、入管庁の案内ページでは確認できず現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。提出書類は、申請人に関する第1表、所属機関に関する第2表、分野に関する第3表で構成され、特定技能の書類一覧表と同じ組み立てになっています。

よくある質問

特定活動55号は何年いられますか?

トラック運転者は6か月、タクシー運転者とバス運転者は1年です。更新はできず、期間中に免許を取得できなければ特定技能1号へ変更することはできません。

特定活動55号の期間中に運転の仕事はできますか?

できません。告示55号が認めるのは、教習所での教習、新任運転者研修に当たる講習・指導、車両の清掃などの付随業務です。運転業務は特定技能1号への変更許可を受けた後になります。

特定活動55号の期間は、特定技能の5年に含まれますか?

含まれません。出入国在留管理庁が明記しています。特定技能1号の通算5年は、特定技能1号へ変更した時点から数えることになります。

免許取得中の給与は払わなければなりませんか?

払う必要があります。55号は雇用契約に基づく活動で、免許取得と研修の修了以外は特定技能1号と同じ要件を満たすことが求められます。報酬も日本人と同等額以上とし、支援計画に基づく支援も行います。

55号を使うかどうかの判断軸

特定活動55号は、海外にいる運転経験者を日本の運送現場に迎えるための入口ですが、6か月・1年の期限を延ばす手段がありません。制度の使い勝手は、本人の能力より、外免切替の予約状況や第二種免許の受験資格、研修の日程といった、入国後の段取りで決まります。

採用を検討する事業者は、入国前に次の3点を確認することをお勧めします。1つは、候補者の外国免許の取得時期と、その国で3か月以上滞在していた記録がそろうか。2つ目は、管轄の運転免許センターでの外免切替の予約待ちと、知識確認50問への準備期間。3つ目は、タクシー・バスなら第二種免許の受験資格を満たすための運転経歴と、自社の新任運転者研修の日程。この3点が6か月・1年の中に収まる見通しが立ってから、在留資格の申請に進むのが安全です。個別の事情で判断が変わるため、スケジュールに不安があれば申請前に専門家に相談してください。

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根拠資料


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