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在留カードと特別永住者証明書の違い|採用時の確認・有効期間と更新

特別永住者には在留カードは交付されず、代わりに「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(入管特例法)に基づく特別永住者証明書が交付されます。特別永住者証明書には在留資格・在留期間・就労制限の欄がなく、働ける仕事に制限はありません。常時携帯の義務はなく、会社が雇ったときの外国人雇用状況の届出も不要です。採用の現場で確認すべきことは、在留カードの場合よりずっと少なく、証明書が本物で有効期間内かどうかに絞られます。

在留カードと特別永住者証明書は根拠法が違う

在留カードは、入管法19条の3が定める中長期在留者(3か月を超える在留期間で日本に住む外国人)に交付されるカードです。永住者も中長期在留者に含まれるため、一般の永住者が持っているのは在留カードです。

これに対して特別永住者証明書は、入管特例法7条以下に基づいて特別永住者に交付される証明書です。ここでいう特別永住者とは、1952年の平和条約の発効により日本の国籍を離脱した朝鮮半島・台湾出身の人とその子孫で、入管特例法によって永住が認められている人を指します。出入国在留管理庁の統計では、2025年末の特別永住者は266,896人で、同時点の永住者(947,125人)とは別に数えられています。

名前が似ているため混同されやすいのですが、「永住者」は入管法上の在留資格の1つで、「特別永住者」は入管特例法上の地位です。特別永住者は入管法別表の在留資格を持っていないので、在留カードの制度の外にいる、と整理すると理解しやすくなります。

特別永住者証明書と在留カードの違い一覧

両者の違いを、採用・雇用管理で関わる項目に絞って比べると次のとおりです。

項目 在留カード 特別永住者証明書
根拠法 入管法19条の3以下 入管特例法7条以下
券面の記載事項 氏名・生年月日・性別・国籍等、住居地、在留資格、在留期間(満了日)、許可の種類・年月日、就労制限の有無、カード番号・有効期間 氏名・生年月日・性別・国籍等、住居地、証明書番号・有効期間の満了日(8条)
就労制限 在留資格によって異なる なし
常時携帯義務 あり(入管法23条) なし(特例法17条4項)。提示義務はある
更新の窓口 地方出入国在留管理局 住居地の市区町村(特例法12条)
外国人雇用状況の届出 必要(外交・公用を除く) 不要
マイナンバーカードとの一体化 特定在留カード 特定特別永住者証明書

券面の違いで最も大きいのは、在留資格・在留期間・就労制限の欄がないことです。特別永住者証明書の記載事項は、入管特例法8条1項で、氏名・生年月日・性別・国籍等、住居地、証明書の番号と有効期間の満了の日などに限られています。在留期間という概念自体がないため、期限として書かれているのは証明書の有効期間だけです。

特別永住者証明書で働けるか|就労制限はない

特別永住者は、職種・勤務時間に関係なく働けます。在留カードの表面には「就労制限の有無」欄があり、就労不可や指定書による制限が書かれていることがありますが、特別永住者証明書にはその欄がありません。

雇う企業から見ると、特別永住者を雇うことで不法就労助長罪(入管法73条の2)の問題が生じることはありません。不法就労助長罪は、就労できない外国人や、許可された範囲を超えて働かせた場合に問われる罪で、就労制限のない特別永住者は対象外です。在留カードの確認を怠った場合の企業の責任は不法就労助長罪とは?で解説しています。

同じく就労制限がない在留資格には、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者がありますが、こちらは在留カードを持つ中長期在留者なので、在留期間や雇用状況の届出の管理が別に必要です。

携帯義務はないが、提示義務はある

在留カードは常時携帯が義務で、携帯していないと20万円以下の罰金の対象になります(入管法23条、75条の3)。一方、入管特例法17条は、特別永住者に証明書の受領と、入国審査官・警察官などの職員が職務で求めたときの提示を義務づけていますが、常時携帯は求めていません。同条4項は、旅券等の携帯義務を定めた入管法23条1項本文を特別永住者には適用しないとしています。

ただし、提示を求められたときに拒むと、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金の対象になります(特例法31条4号)。持ち歩かなくてよいことと、求められたら見せなければならないことは別の義務です。在留カードの携帯義務と、会社が預かってはいけない理由は在留カードの携帯義務と不携帯の罰則|会社が預かってはいけない理由と例外で扱っています。

有効期間と更新|18歳以上は10回目の誕生日まで

特別永住者証明書の有効期間は、入管特例法9条で次のように決まっています。

  • 届出・申請の日に18歳未満の人:届出・申請の日後の5回目の誕生日まで
  • 18歳以上の人:届出・申請の日後の10回目の誕生日まで

更新の申請で交付される場合は、旧証明書の有効期間の満了日を起点に数えます(同条)。券面の「有効期間」欄に満了日が書かれているので、採用時はそこを見れば足ります。

更新の申請ができるのは、有効期間の満了日の3か月前から満了日までです(特例法12条1項)。長期の出張や入院など、やむを得ない理由でこの期間に申請できない見込みの人は、期間前に申請することもできます(同条2項)。申請先は居住地の市区町村の窓口で、本人が出頭するのが原則です(特例法19条)。更新の手数料はかかりません。

更新を忘れて有効期間を過ぎると、証明書は効力を失い(特例法15条2号)、14日以内に返納しなければなりません(特例法16条1項)。更新の申請をしないことは、特例法31条2号で1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金の対象とされています。とはいえ、証明書が失効しても特別永住者の地位そのものが失われるわけではありません。失効に気づいたら、速やかに市区町村の窓口で手続をするよう本人に伝えてください。

一般の永住者の在留カードの有効期間・更新手続は永住権の更新は必要?在留カードの有効期間更新の手続きと費用【2026年6月改正】で解説しています。永住者の在留カードの更新先は地方出入国在留管理局で、特別永住者証明書とは窓口が違う点に注意が必要です。

特定特別永住者証明書とは

2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードを1枚にした「特定在留カード」の交付が始まり、特別永住者にも同じ趣旨の「特定特別永住者証明書」が設けられました(入管特例法16条の2)。住民基本台帳に記録されている特別永住者が、記載事項の変更届出、有効期間の更新、再交付の申請をするときに、併せて申請できます。窓口は住所地の市区町村です。

特定特別永住者証明書を持つ人は、1枚のカードが特別永住者証明書とマイナンバーカードの両方の機能を持つことになります。採用時に提示を受けたら、券面に特別永住者証明書であることが表示されているかを確認し、個人番号(マイナンバー)の取扱いは通常のマイナンバーの収集と同じルールで行います。仕組みの詳細は特定在留カードとは?在留カードとマイナンバーカード一体化の申請方法で解説しています。

採用時の確認手順と会社の手続

特別永住者を採用するときに会社がすることは、次の3つです。

  1. 特別永住者証明書の原本を確認し、写しを取る:券面の名称が「特別永住者証明書」であること、氏名・生年月日が本人と一致すること、有効期間内であることを見ます
  2. 証明書が有効かを確認する:出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」で、証明書の番号が失効していないかを確認できます。ICチップの読取りには「在留カード等読取アプリケーション」が使えます
  3. 雇用保険・社会保険・税の手続を日本人と同じように行う

外国人雇用状況の届出は必要ありません。厚生労働省の案内では、外国人雇用状況の届出は「外交」「公用」の在留資格の人と特別永住者を除く外国人が対象とされています。外国人雇用管理指針(厚生労働省告示)も、特別永住者を適用の対象から除いています。雇用保険の資格取得届に在留資格などを書く欄がありますが、特別永住者の場合は記入が不要です。雇用状況の届出の全体像は外国人雇用状況の届出とは?で整理しています。

確認の範囲にも配慮が必要です。特別永住者は就労制限がないため、在留資格を確かめる目的で証明書を何度も求めたり、国籍を理由に選考で扱いを変えたりする必要はありません。多くの特別永住者は日本名の通称を使って生活しています。通称は住民票に記載されますが、特別永住者証明書には載りません。社内の名簿を通称で作る場合でも、社会保険・税の手続は住民票に記載された氏名と照合できるよう、本名を記録しておくことをお勧めします。

在留カードの確認とどこが違うか

在留カードの外国人を採用する場合は、在留資格と就労制限の有無、在留期間の満了日、裏面の資格外活動許可欄など、確認する欄が多くあります(在留カードの確認方法|採用時に見るべき表面・裏面の5か所と写しの保管)。特別永住者証明書では、これらの欄の確認が一切要らない代わりに、偽造でないことと有効期間の2点が確認の中心になります。在留カードを持っていない応募者がいた場合、まず特別永住者かどうか、次に短期滞在など在留カードが交付されない区分かどうかを確かめると、判断を誤りません。

特別永住者証明書の記載事項が変わったとき

特別永住者も、住居地や氏名などが変わったときは届出が必要です。住居地を変えたときは、新住居地に移った日から14日以内に、市区町村に証明書を提出して届け出ます(特例法10条2項)。住民票の転入届・転居届を証明書を提出して行えば、この届出をしたものとみなされます(同条5項)。氏名・生年月日・性別・国籍等が変わったときは、14日以内に市区町村を経由して届け出ます(特例法11条1項)。紛失したときは、紛失を知った日から14日以内の再交付申請が必要です(特例法13条1項)。

帰化して日本国籍を取得した場合は特別永住者でなくなるため、証明書は効力を失い(特例法15条1号)、14日以内に出入国在留管理庁長官に返納しなければなりません(特例法16条1項)。特別永住者の帰化申請の書類と手続は特別永住者の帰化申請|必要書類・期間と一般の外国人との違いで扱います。

海外出張と再入国|特別永住者は期間が長い

特別永住者を海外出張に出す場合の再入国の扱いも、一般の永住者と異なります。入管特例法23条により、特別永住者の再入国許可の有効期間は最長6年(一般の外国人は最長5年)で、出国の際に有効な旅券と特別永住者証明書を所持していれば、出国から2年以内に戻る場合は再入国許可を受けなくてよい「みなし再入国許可」の対象になります(一般の外国人は1年)。出国の際は特別永住者証明書を携帯していく必要がある点に注意してください。再入国許可の全体像は再入国許可とみなし再入国許可の違いで解説しています。

よくある質問

特別永住者証明書とは何ですか?

入管特例法に基づいて特別永住者に交付される証明書で、在留カードに代わるものです。氏名・生年月日・性別・国籍等、住居地、証明書番号と有効期間が記載され、在留資格・在留期間・就労制限の欄はありません。

特別永住者証明書を持っていても働けますか?

働けます。特別永住者には就労の制限がなく、職種や勤務時間に関係なく雇用できます。外国人雇用状況の届出も不要です。

特別永住者証明書の更新はどれくらいの頻度ですか?

18歳以上の人は、交付(更新)の届出・申請の日後10回目の誕生日まで有効なので、おおむね10年ごとです。18歳未満の人は5回目の誕生日までです。更新は満了日の3か月前から、居住地の市区町村の窓口で申請でき、手数料はかかりません。

特別永住者証明書は提示義務がありますか?

あります。常時携帯の義務はありませんが、入国審査官や警察官などの職員が職務で提示を求めたときは応じなければならず、拒むと罰則の対象になります(入管特例法17条2項・31条4号)。

特別永住者証明書の期限が切れたらどうなりますか?

証明書は効力を失いますが、特別永住者の地位は失われません。ただし更新の申請を怠ったことは罰則の対象になり得るため、気づいた時点で速やかに市区町村の窓口で手続をしてください。

確認の手間が少ないからこそ押さえておく点

特別永住者証明書は、在留カードと比べて確認すべき欄が少なく、雇用管理の手続もほぼ日本人と同じです。それでも会社が押さえておくべき点は2つあります。1つは、応募者が提示したカードが在留カードなのか特別永住者証明書なのかを券面の名称で見分けることです。一般の永住者の在留カードを特別永住者証明書と取り違えると、在留カードの有効期間や雇用状況の届出の管理が漏れます。もう1つは、証明書の有効期間を社内の記録に残し、期限が近づいたら本人に声をかけることです。更新の窓口が市区町村で手数料もかからないため、本人も更新の時期を忘れがちになります。

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