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在留カードの氏名表記の順番とミドルネーム|漢字氏名表記の申出と社内登録の合わせ方

在留カードの氏名は、入管法施行規則19条の6第1項によりローマ字で表記するのが原則で、旅券(パスポート)の記載をもとに、姓(Surname)、名(Given name)の順で書かれます。ミドルネームは、旅券で名の欄に含まれていれば名の一部として、名の後ろに続けて表記されます。中国・台湾・韓国など氏名に漢字を使う人は「在留カード漢字氏名表記申出書」を出せば漢字を併記できますが、使える字体は告示で決まっていて、一度表記した漢字は原則として変更できません。

在留カードの氏名はローマ字が原則、順番は旅券に合わせる

入管法19条の4第1項1号は在留カードの記載事項として「氏名」を挙げ、施行規則19条の6第1項は、その氏名を「ローマ字により表記するものとする」と定めています。条文が定めているのはローマ字で書くことまでで、順番やスペルは、在留カードを作るときの基本資料である旅券の記載に合わせて決まります。

実際の在留カードの表記は、次のようになっています【公式資料で確認:表記順・大文字表記の扱いを定めた入管庁の公表資料を確認できなかったため、券面の一般的な表記として記載】。

旅券の記載 在留カードの表記(例) ポイント
Surname: NGUYEN / Given names: VAN ANH NGUYEN VAN ANH 姓→名の順、大文字
Surname: SANTOS / Given names: MARIA LUISA SANTOS MARIA LUISA ミドルネームは名の一部として名の後ろに続く
Surname: WANG / Given names: JIALE WANG JIALE 中国の拼音表記がそのまま入る
Surname: (記載なし)/ Given names: SITI AMINAH SITI AMINAH 姓がない国籍の人は名のみ

ここでいう「ミドルネーム」とは、名(ファーストネーム)と姓の間に置かれる名前を指しますが、日本の在留カードに「ミドルネーム」という独立した欄はありません。旅券の名の欄に含まれていれば、そのまま名の一部として表記されます。欧米の書き方に慣れた人は「MARIA LUISA SANTOS」と名から書く習慣がありますが、在留カード上は姓が先に来るため、社内の書類とずれやすいところです。

旅券と在留カードの表記は一致しているのが前提です。旅券を更新してスペルが変わった、結婚で姓が変わったといった場合は、14日以内に住居地を管轄する入管へ「住居地以外の記載事項の変更届出」をしなければなりません(入管法19条の10第1項)。この届出をすると、新しい氏名が記載された在留カードが交付されます。

漢字氏名は「在留カード漢字氏名表記申出書」で併記できる

施行規則19条の7第1項は、氏名に漢字を使う中長期在留者から申出があったときは、ローマ字の氏名に併せて、漢字(または漢字と仮名)の氏名を表記できると定めています。漢字は「併記」であり、ローマ字が消えるわけではありません。

申出の方法は次のとおりです。

  • 申出書:在留カード漢字氏名表記申出書(出入国在留管理庁のページでPDF・Excelを配布)
  • 添付資料:氏名に漢字を使っていることを証する資料1通(施行規則19条の7第2項)。旅券に漢字の記載がなければ、家族関係証明書など漢字の記載がある公的書類
  • 申出のタイミング:単独ではできず、在留カードが交付される手続(在留資格の変更・更新、在留カードの記載事項変更の届出、再交付申請など)と併せて行う(同条3項)

3つ目のタイミングの制約が、実務上もっとも見落とされる点です。漢字を併記したいと思い立っても、次の更新まで待つか、交換希望による再交付(手数料1,900円)と併せて申し出る必要があります。施行規則19条の7第3項が列挙する手続には上陸時の在留カード交付が含まれていないため、新規入国の際に空港で交付されるカードには、漢字は併記されないと考えておくのが安全です(公式資料では未確認)。

申出書の書き方

申出書の記入欄は、国籍・地域、生年月日、氏名(英字表記)、漢字氏名、性別、代理人の情報です。漢字氏名欄には「大きく、はっきり書いてください」と注記があります。申出書には、漢字の範囲・用法は告示で定めるため、旅券や申請書に書いた漢字と異なるものになることがある、という注意書きと、それに同意するチェック欄があります。

使える漢字は告示で決まる(簡体字は正字に置き換わる)

施行規則19条の7第5項は、表記に用いる漢字の範囲や用法を出入国在留管理庁長官の告示で定めるとしています【公式資料で確認:告示の番号・日付】。中国の簡体字は、この告示に従って日本の正字(例:刘→劉、张→張)に置き換えて表記されるのが一般的な扱いです。本人が普段使っている字体と券面の字体が違う、という相談はここから生じます。

一度表記した漢字は原則として変えられない

施行規則19条の7第6項は、表記された漢字氏名は、19条の10第1項の記載事項変更の届出による場合を除き、変更(表記をやめることを含む)できないと定めています。ただし、出入国在留管理庁長官が相当と認める場合は例外です。結婚による改姓のように氏名そのものが変わる場合は届出で変わりますが、「字体が気に入らない」「漢字をやめたい」という理由では原則として変えられません。

例外として漢字だけで表記される場合

同条4項は、ローマ字で表記すると著しい不利益を被るおそれがあるなど特別の事情があると認めるときは、ローマ字に代えて漢字(または漢字と仮名)で表記できると定めています。日本で生まれ育った外国籍の人で、ローマ字表記では社会生活に支障があるような場合が想定されます。

社会保険・銀行口座で表記がずれるとき、会社はどこに合わせるか

外国人社員の氏名は、同じ人なのに、在留カード(ローマ字・漢字併記)、住民票(ローマ字・漢字併記・通称)、社会保険(カナ)、銀行口座(カナ)で表記が分かれがちです。会社が迷ったときの原則は、在留カードと住民票の記載を基準に、各制度が求める形式へ変換することです。

住民票

外国人住民の住民票の氏名は、在留カードの記載と同じです。在留カードに漢字が併記されていれば、住民票にも併記されます。これとは別に、市区町村に申し出て通称(日本で社会生活上使っている名前)を記載できます(住民基本台帳法施行令30条の26)。

社会保険(健康保険・厚生年金)

資格取得届の氏名は住民票と同じ表記で書き、フリガナはカタカナで書きます。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人などは、資格取得届と同時に「ローマ字氏名届」を出し、在留カードや住民票のローマ字氏名を大文字で記入します(日本年金機構の記入例)。届出後も、通知書や資格確認書の氏名はカナ表記です(外国人の社会保険資格取得届の記入例|ローマ字氏名届とマイナンバーがない場合)。

カナの付け方に正解はありませんが、「SANTOS MARIA LUISA」を「サントス マリア ルイサ」とするように、在留カードの順番どおりにカナを当てておくと、後で照合するときに迷いません。

雇用保険・外国人雇用状況の届出

雇用保険の資格取得届には、ローマ字氏名、在留カードの番号、在留資格などの欄があります。ここは在留カードの表記をそのまま書き写すのが原則です。ハローワークへの届出が入管の審査でどう使われるかは外国人雇用状況の届出とは?で解説しています。

銀行口座・給与振込

銀行口座の名義は、口座開設時の本人確認書類(在留カード)に基づいて、銀行ごとのルールでカナ化されます。ミドルネームが長く、カナにすると口座名義の文字数上限を超える場合、銀行によっては一部を省略して登録することがあります。給与振込で名義不一致のエラーが出たら、社内の登録名ではなく、銀行に登録された口座名義に合わせて振込データを直すのが近道です。

社内の人事システム

社内システムに「姓」「名」「ミドルネーム」の3つの欄があるなら、在留カードの姓を「姓」欄に、名の最初の部分を「名」欄に、残りを「ミドルネーム」欄に入れ、在留カードの表記全体を別の欄(「在留カード上の氏名」など)にそのまま保存しておくと、どの制度の届出にも対応できます。在留カード番号と一緒に券面どおりの氏名を保存しておけば、更新時の照合もしやすくなります。在留カードの見方は在留カードとは?表面・裏面の見方と記載事項|採用時に確認すべき欄で整理しています。

氏名の表記が変わるのはどんなとき

在留カードの氏名表記が変わるのは、主に次の場面です。

  • 結婚・離婚などで氏名が変わり、旅券も変わった(19条の10の届出、14日以内)
  • 旅券の更新でスペルが変わった(同上)
  • 在留カードが交付される手続と併せて漢字氏名の併記を申し出た

いずれも新しい在留カードが交付されるので、会社は新しいカードの写しを取り、社会保険・雇用保険・社内システムの表記をそろえ直します。社会保険の氏名変更は、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている人なら原則として届出不要ですが、結びついていない人は氏名変更届が必要になります【公式資料で確認:外国人の氏名変更時に日本年金機構へ必要な届出の範囲】。

よくある質問

在留カードで外国人の氏名の表記順は?

姓(Surname)、名(Given name)の順です。ミドルネームは名の一部として名の後ろに続きます。旅券の記載をもとに表記されるため、旅券と在留カードの綴りは一致しているのが前提です。

在留カードの氏名はローマ字大文字ですか?

券面のローマ字氏名は大文字で表記されています。日本年金機構のローマ字氏名届でも、在留カード・住民票のローマ字氏名を大文字で記入するよう案内されています。

在留カードの漢字氏名表記はどうすればできますか?

在留資格の変更・更新、記載事項の変更届出、再交付申請など、在留カードが交付される手続と一緒に「在留カード漢字氏名表記申出書」と、漢字を使っていることを示す公的資料を出します。漢字の併記だけを単独で申し出ることはできません。

在留カードの氏名は漢字のみにできますか?

原則はローマ字で、漢字は併記です。ローマ字で表記すると著しい不利益を被るおそれがあるなど特別な事情があると入管が認めた場合に限り、漢字だけの表記が認められます(施行規則19条の7第4項)。

在留カードに氏名のフリガナは書けますか?

在留カードにフリガナの欄はありません。社会保険や銀行でのカナ表記は、それぞれの届出や口座開設のときに登録するもので、在留カードの記載とは別に管理されます。

表記の揺れは「基準となる1枚」を決めれば管理できる

外国人社員の氏名の揺れは、制度ごとに求める表記形式が違うことから生じるもので、誰かの間違いではありません。ローマ字の在留カード、漢字併記と通称の住民票、カナの社会保険と銀行口座。これをすべて同じ表記にそろえることはできませんが、在留カードの券面どおりの氏名を社内の基準として保存し、各制度にはそこから変換して登録する、という1本の線を引いておけば、照合で迷うことはなくなります。

漢字氏名の併記を希望する社員がいるなら、次の更新申請に申出書を同封するのが最も負担の少ない方法です。福岡出入国在留管理局での更新手続の流れは福岡出入国在留管理局への行き方・予約方法も参考にしてください。

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根拠資料


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