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定住者告示とは?1号〜8号の対象者一覧と号ごとの立証資料・告示外定住との違い

定住者告示とは、海外から在留資格「定住者」で呼び寄せることができる人の範囲を、法務大臣があらかじめ列挙した告示です。正式には平成2年法務省告示第132号といい、最近の改正は令和3年10月28日法務省告示第220号です。現在は1号から8号までのうち2号が削除されており、第三国定住難民、日系人、日系人の配偶者、未成年で未婚の実子、6歳未満の養子、中国残留邦人等の7つの号が残っています。告示に載っていない事情で認められる定住者は「告示外定住」と呼ばれ、原則として日本国内での在留資格変更でしか取得できません。

定住者告示は「海外から呼べる定住者」の範囲を決めている

入管法別表第2は、定住者を「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」と定めています。この文言だけでは、誰が対象なのかがわかりません。

そこで入管法7条1項2号は、上陸審査の条件として、定住者については「法務大臣があらかじめ告示をもって定めるもの」に当たることを求めています。ここでいう定住者告示とは、この「あらかじめ定める地位」を具体的に列挙した告示を指します。

この仕組みから、次の関係が導かれます。海外にいる人が在留資格認定証明書の交付を受けて定住者として上陸するには、告示のいずれかの号に当たる必要があります。告示に当たらない人は、上陸審査の段階で定住者の条件を満たせません。一方、日本にすでに在留している人が他の在留資格から定住者に変更する場面では、入管法20条の「相当の理由」で判断されるため、告示に当たらなくても許可される余地があります。これが告示外定住です。

定住者という在留資格そのものの全体像、在留期間や永住への特例は定住者ビザとは?告示定住と告示外定住の違い・要件・在留期間と手数料で扱っています。本記事は告示の条文の読み方と、号ごとの立証に絞ります。

定住者告示1号〜8号の対象者一覧

告示の各号を平易に言い換えると、次のとおりです(出入国在留管理庁が掲載する告示本文による)。

号 条文の骨子(平易な言い換え) 典型例 素行善良の明記
1号 アジアの21か国に一時滞在し、UNHCRが保護を推薦した難民で、日本社会への適応能力と就職の見込みがある人とその家族、先に来日した人の親族 第三国定住難民 なし
2号 削除 ― ―
3号 日本人の子として出生した者の実子 日系2世(一世の国籍喪失後の出生)、日系3世 あり
4号 日本人の子として出生し、かつて日本に本籍があった者の孫 日系3世 あり
5号 日系2世(日本人の配偶者等)の配偶者、1年以上の在留期間を持つ定住者の配偶者、日系3世など3号・4号の定住者の配偶者 日系人の配偶者 ハのみあり
6号 日本人・永住者・特別永住者・定住者・日本人の配偶者等などに扶養される未成年で未婚の実子 連れ子、日系3世の子(日系4世) ハのみあり
7号 日本人・永住者・1年以上の定住者・特別永住者に扶養される6歳未満の養子 幼い養子 なし
8号 中国残留邦人とその配偶者・子・一定の親族、幼少期から同居・扶養された養子や配偶者の連れ子 中国残留邦人の家族 なし

表の右端に「素行善良の明記」を置いたのは、号によって扱いが違うからです。3号・4号、5号ハ、6号ハには「素行が善良であるもの」と書かれ、日系人本人とその家族について犯罪歴などが明文で審査されます。それ以外の号でも、上陸拒否事由や在留状況は当然に見られますが、告示の文言に素行要件が入っているかどうかで、本国の犯罪経歴証明書の提出が求められるかが変わってきます。

号ごとの条文の読み方

1号:第三国定住難民

1号は、インド、インドネシア、カンボジア、タイ、マレーシア、ミャンマーなどアジア地域の21か国に一時滞在している人で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が国際的な保護が必要と認め、日本に保護を推薦した人を対象にしています。イは日本社会への適応能力があり、生活できる職に就く見込みがある本人と、その配偶者・子・父母・未婚の兄弟姉妹です。ロは、イで先に来日した人の親族で、一時滞在国に残っていて相互扶助が可能な人です。政府の第三国定住事業として受け入れる枠組みで、企業や個人が申請する場面はほとんどありません。

3号・4号:日系人本人

3号は「日本人の子として出生した者の実子」、4号は「日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子」です。3号は親の出生時点で親が日本人の子だったかを見る規定、4号は祖父母(一世)の本籍を起点に孫を見る規定と整理すると読みやすくなります。

3号の文言は二世にも三世にも当てはまります。一世が移住先で帰化した後に生まれた二世は、生まれたときに親が日本人ではないため「日本人の配偶者等」の対象にならず、3号の定住者として受け入れられます。一世が日本国籍を持っている間に生まれた二世は「日本人の子として出生した者」に当たるので、その子(三世)も3号の対象です。二世が国籍喪失後の出生で「日本人の子として出生した者」に当たらない場合でも、一世がかつて日本に本籍を持っていれば、三世は4号で拾われます。世代ごとの具体的な当てはめは日系三世とは?定住者ビザの対象範囲と日系二世・四世との違いを家系図で確認で家系図にしています。

4号は括弧書きで「第三号に該当する者を除く」としており、3号に当たる人は3号で、当たらない人だけが4号で扱われます。どちらの号でも素行が善良であることが条件です。

5号:日系人などの配偶者

5号はイ・ロ・ハの3つに分かれます。

  • イ:日本人の配偶者等の在留資格で在留する日系2世(日本人の子として出生した者)の配偶者
  • ロ:1年以上の在留期間を持つ定住者の配偶者。ただし3号・4号の地位で許可を受けた定住者(日系3世など)はロから除かれ、ハで扱う
  • ハ:3号・4号の地位で許可を受け、1年以上の在留期間を持つ定住者の配偶者で、素行が善良なもの

ロとハの両方に「この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたもの」を除く括弧書きがあります。5号の配偶者として来日した人が離婚し、別の人と再婚した場合に、その再婚相手を5号で呼び寄せることはできないという意味です。配偶者の在留期間が6月の場合も「1年以上」を満たさないため、ロ・ハには当たりません。

6号:未成年で未婚の実子

6号は連れ子の呼び寄せで最も使われる号で、扶養者が誰かによってイからニに分かれます。

  • イ:日本人、永住者、特別永住者に扶養される、これらの人の未成年で未婚の実子
  • ロ:1年以上の在留期間を持つ定住者(日系3世などを除く)に扶養される実子
  • ハ:日系3世など3号・4号・5号ハの地位の定住者(1年以上)に扶養される実子で、素行が善良なもの
  • ニ:日本人・永住者・特別永住者・1年以上の定住者の配偶者で、日本人の配偶者等または永住者の配偶者等の在留資格を持つ人に扶養される、その人の未成年で未婚の実子

日本人と結婚した外国人配偶者が、前の配偶者との子を本国から呼び寄せる場合、子は日本人の実子ではないためイには当たらず、外国人配偶者(日本人の配偶者等)の実子としてニに当たります。検索で「定住者 告示6号」と調べる人の多くが想定しているのはこのニです。

「未成年」は、2022年4月1日の民法改正以後は18歳未満です。出入国在留管理庁は、6号で在留資格認定証明書の交付を受けた人に「18歳に達する前日までに入国してください」と案内しており、入国時に18歳に達していると、証明書の有効期限内でも同じ在留資格では入国できません。本国の手続きや査証の取得に時間がかかる国では、申請の時期を17歳の早い段階に置く必要があります。連れ子の呼び寄せで見られる扶養の実態と年齢の判断は連れ子ビザとは|定住者告示6号の要件と18歳の期限・高校生で厳しくなる扶養の判断で扱っています。

7号:6歳未満の養子

7号は、日本人、永住者、1年以上の在留期間を持つ定住者、特別永住者に扶養される6歳未満の養子です。6号と違い、扶養者に日本人の配偶者等・永住者の配偶者等が含まれていません。「6歳未満」をどの時点(縁組時、申請時、上陸時)で判断するかは告示の文言からは読み取れず(公式資料では未確認)、6歳の誕生日が近い子の縁組では、申請前に管轄の入管で確認しておく必要があります。6歳以上の養子は7号に当たらず、実子でもないため6号にも当たりません。

8号:中国残留邦人等とその家族

8号は、1945年8月9日以後の混乱で中国に残り、同年9月2日以前から中国に住み続けている元日本国民、その両親から中国で生まれた人、中国残留邦人支援法の対象者と、その配偶者、18歳未満の実子、扶養が必要な実子などを対象にしています。永住帰国した残留邦人の生活を支えるための家族の呼び寄せが中心です。

号ごとに必要な身分関係の立証資料

告示に当たるかどうかは、最終的に身分関係の書類で決まります。出入国在留管理庁が類型別に示している認定証明書交付申請の提出書類のうち、身分関係の立証に当たるものを整理すると次のとおりです(収入・住民票・身元保証書などの共通書類は除く)。

号 身分関係の立証に使う主な書類
3号・4号(日系3世) 祖父母の戸籍謄本または除籍謄本、祖父母・両親の婚姻届出受理証明書、申請人の出生届出受理証明書、祖父母・両親の死亡届出受理証明書、本国発行の祖父母・両親の結婚証明書、両親と申請人の出生証明書、認知証明書(該当者のみ)、祖父母・父母の実在を示す旅券や死亡証明書、本国発行の犯罪経歴証明書
5号イ(日系2世の配偶者) 婚姻届出受理証明書(日本で届け出ている場合)、本国発行の結婚証明書、質問書、夫婦間の交流を示す写真・通話記録など
6号ニ(日本人の配偶者が扶養する実子) 日本人配偶者の戸籍謄本、申請人の本国発行の出生証明書、認知証明書(該当者のみ)、扶養を受ける必要性を説明する理由書
7号(日本人が扶養する養子) 日本人扶養者の戸籍謄本(養子縁組の記載がない場合は養子縁組届出受理証明書も)、申請人の本国発行の出生証明書

日系3世の書類が多いのは、一世から本人まで三代の身分関係を途切れなくつなぐ必要があるからです。祖父母の戸籍には一世が日本に本籍を持っていたことが、婚姻届出受理証明書や出生届出受理証明書には、一世・二世が現地で行った届出が日本側に記録されていることが表れます。現地の出生証明書と日本の戸籍で氏名の綴りや生年月日が食い違うことは珍しくなく、同一人物であることを旅券や身分証明書で補う作業が実務の大半を占めます。

6号ニでは、扶養者である外国人配偶者と子の親子関係を出生証明書で示し、子を実際に養える収入を、日本人配偶者を含む世帯の課税証明書や在職証明書で示します。子がこれまで本国で誰に育てられてきたか、なぜ今呼び寄せる必要があるかは書類だけでは伝わらないため、理由書の出来が結果を左右しやすい部分です。

日本で発行される証明書は、いずれの類型でも発行日から3か月以内のものを出します。外国語の書類には訳文を付けます。書類がそろわず不交付になった場合の考え方は在留資格認定証明書が不交付になる理由とは?で解説しています。

告示定住と告示外定住の違い

告示外定住とは、告示のどの号にも当たらないものの、個別の事情から法務大臣が定住者としての在留を認める場合を指します。違いは3点に整理できます。

1つ目は取得の経路です。告示定住は海外からの呼び寄せ(在留資格認定証明書)も国内での変更もできますが、告示外定住は原則として国内での在留資格変更、または在留特別許可などに限られます。

2つ目は要件の見え方です。告示定住は条文の文言が要件になり、書類で当てはまるかを判断できます。告示外定住には公表された要件がなく、出入国在留管理庁が「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」から「定住者」への変更が認められた事例・認められなかった事例(2012年7月公表、2017年3月改訂)を公表しているにとどまります。

3つ目は典型例です。告示外定住の代表は、日本人と離婚・死別した後も日本で暮らす人(離婚定住)、日本人の実子を監護・養育する外国人親、日本の学校を卒業して就職する家族滞在の子どもなどです。在留カードの表記はどちらも同じ「定住者」で、就労制限もどちらもありません。

どちらに当たるかで準備の方向が変わります。告示定住は身分書類の収集が中心になり、告示外定住は日本での生活の実態、子の養育、生計の見通しを説明する資料と理由書が中心になります。個別の事情で判断が変わるため、告示外の場合は変更申請の前に事情の整理から始めることをお勧めします。

よくある質問

「定住者」とはどのような人が対象となっていますか?

定住者告示に列挙された人(第三国定住難民、日系2世・3世、日系人や定住者の配偶者、日本人・永住者などに扶養される未成年・未婚の実子、6歳未満の養子、中国残留邦人等)と、告示にはないものの個別の事情で法務大臣が認める人(離婚・死別後も日本で暮らす人、日本人の実子を養育する親など)が対象です。

在留カードで定住者になれる人は?

在留カードに「定住者」と記載されるのは、告示定住・告示外定住のいずれかで許可を受けた人です。カードの表記から告示の何号で許可されたかはわかりません。雇用の場面では、就労制限がないこと、在留期間の満了日を確認すれば足ります。

定住者の配偶者の在留資格は何ですか?

配偶者が1年以上の在留期間を持つ定住者であれば、告示5号ロ(日系3世などの配偶者なら5号ハ)に当たり、配偶者も「定住者」になります。配偶者の在留期間が6月の場合は5号の要件を満たしません。

日系4世は定住者告示の対象ですか?

日系4世は3号・4号の対象になりません。日系3世の定住者に扶養される未成年・未婚の実子であれば6号ハで定住者になれます。それ以外の日系4世は「特定活動(日系四世)」の制度で受け入れられます。

告示の最新改正はいつですか?

出入国在留管理庁が掲載する告示本文では、最近改正は令和3年10月28日法務省告示第220号です。6号の「未成年」は告示の文言が変わらないまま、民法の成年年齢の引下げに連動して2022年4月1日から18歳未満になっています。

告示の号から逆算して準備を組み立てる

定住者の申請を考えるときに最初にすべきことは、自分や家族が告示のどの号に当たるかを特定することです。号が決まれば、扶養者は誰でなければならないか、素行要件が明記されているか、年齢の上限はいくつか、配偶者の在留期間は1年以上あるかといった確認事項が決まり、集める書類も決まります。

告示に当たらないとわかった場合でも、定住者の道が閉じるわけではありません。日本に在留している間であれば告示外定住として変更を申請する余地があり、その場合は条文ではなく生活の実態で説明することになります。どちらの場合も、定住者として在留した後は在留期間の更新があり、更新で見られる事情は在留期間更新の「相当の理由」とはで解説しています。2026年10月1日からは変更・更新の手数料が許可される在留期間に応じた額に変わるため、在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?もあわせて確認してください。

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根拠資料


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