留学ビザ(在留資格「留学」)の更新は、在留期限の3か月前から、在留期間更新許可申請書に在学証明書、出席証明書、成績証明書を付けて申請するのが基本の形です。ただし、在籍する学校が「適正校」かどうか、前回の更新で資格外活動(アルバイト)について指導を受けたかどうかで、アルバイト収入や仕送りの証明書類が追加されます。審査で見られるのは、学校にきちんと通っているか(出席と成績)、アルバイトが週28時間の範囲に収まっているか、学費と生活費をどう賄っているかの3点です。2026年10月1日受付分からは手数料も大きく変わります。
留学ビザの更新とは|在留期間と申請できる時期
在留資格「留学」の在留期間は、入管法施行規則別表第二で「4年3月を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」と定められています。実際には、課程の修業年限や学校の在籍管理の状況に応じて、1年、1年3月、2年、2年3月などが指定されます。日本語学校の学生であれば、1年3月などで入国し、課程の途中で1回更新するのが典型です。
在留期間更新許可申請は、在留期限のおおむね3か月前から申請できます。出入国在留管理庁が示す標準処理期間は2週間から1か月です。申請が在留期限までに受け付けられていれば、結果が出るまでの間、期限後も最長2か月は従前の在留資格のまま日本にいられます(入管法20条6項の特例期間)。申請期限の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?で整理しています。
更新の申請ができるのは、今と同じ学校、または同じ区分の進学先で「留学」の活動を続ける場合です。日本語学校から専門学校や大学へ進学する場合も、在留資格は「留学」のままなので、在留期間更新許可申請で手続をします。卒業して就職する場合は在留資格変更許可申請になり、手続が別になります。
留学ビザの更新に必要な書類
出入国在留管理庁は、学校の種類と適正校の区分ごとに「提出書類一覧表(更新用)」を公表しています。全員に共通するのは次の書類です。
- 在留期間更新許可申請書(申請人等作成用と所属機関等作成用)
- 写真1葉(縦4cm×横3cm。2026年6月14日以降に交付される在留カードからは1歳以上の全員に必要)
- パスポートと在留カード(提示)
- 在学証明書(進学予定の場合は入学許可書)
- 出席証明書、成績証明書及び卒業証明書(直近の在留諸申請の時以降に在籍したすべての教育機関のもの)
大学等の一覧表では出席証明書に「発行可能な場合」という注記があり、日本語教育機関の一覧表ではこの注記がありません。日本語学校の学生は、出席証明書が必ず求められると考えてください。日本で発行された証明書は、発行日から3か月以内のものを出します。申請書の書き方は公式案内をご確認ください。
条件次第で追加される書類
追加の書類が求められるかどうかは、主に「直近の在留期間更新許可申請の時に、資格外活動許可に係る指導を受けているか」で分かれます。前回の更新でアルバイトの時間などについて入管から指導を受けた人は、次の書類の提出が必要になります。
| 区分 | 追加される書類 |
|---|---|
| 生活費の説明 | 滞在費支弁に関する申告書(参考様式) |
| アルバイト収入で生活費を賄っている場合 | 住民税の課税(非課税)証明書と納税証明書(アルバイト1年以上)、給与明細書の写し(1年未満)。通帳の写しでも可 |
| 本人が支弁する場合 | 本国での収入又は資産の額を証明する資料 |
| 仕送りで賄っている場合 | 送金証明書、現金を持ち込んだ人の身分を証する資料、日本在住の支弁者の収入証明 |
このほか、支弁者が前回の申請から変わった場合は支弁者との関係を示す資料、新たに奨学金の給付を受ける場合は奨学金の給付に関する証明書、18歳未満で単身生活をしている場合は学校が生活支援の体制を確認した資料が加わります。
適正校の通知を受けていない日本語教育機関では、扱いがさらに厳しくなります。別表に掲げる国・地域以外の国籍の人は、指導歴の有無にかかわらず、滞在費支弁に関する申告書、本国での収入・資産の証明、送金証明書などの提出が求められます。在籍する学校がどの区分かは、学校の留学生担当に確認すれば分かります。
「滞在費支弁に関する申告書」で書くこと
滞在費支弁に関する申告書は、前回申請以降の生活費の出入りを一覧にする3ページの書式です。書く項目は、学納金の年額、家賃、その他の生活費の月額、前回申請以降の本国からの送金額と時期、持ち込んだ現金の額と持ち込んだ人、すべてのアルバイト先の名称・期間・週の勤務時間・時給、奨学金、学則に定められた過去1年の長期休暇の時期です。
アルバイト先は、前回申請以前から続けているものも含めてすべて書くことになっており、欄は5つあります。同居する家族滞在の家族のアルバイトも書きます。長期休暇の時期を書かせるのは、休暇中の「1日8時間」の勤務と授業期間中の「週28時間」の勤務を区別して確認するためと考えられます。
審査で見られる3つの点|出席率・アルバイト時間・経費支弁
留学の更新で見られることは、提出書類の構成を見れば分かります。出席証明書と成績証明書は「教育を受ける活動」を実際にしているか、滞在費支弁に関する申告書と課税証明書は「アルバイトが許可の範囲内か」と「生活費を無理なく賄えているか」を確かめる資料です。
出席率|公表された基準はないが、低ければ説明を求められる
個々の留学生について「出席率が何割以上なら更新できる」という基準は公表されていません。「8割」などの数字がよく語られますが、これは学校や専門家の経験から広まった目安で、入管の公表資料には出てきません。
一方で、出入国在留管理庁が2024年4月に策定した「『著しく不適切な受入体制』の考え方」は、学校の受入体制を判断する例として「全ての留学生の6か月間出席率の平均が7割を下回ること」を挙げています。学校単位の基準ですが、入管が出席率を7割という線で見ていることを示す公表資料です。同じ資料は「授業に出席せずアルバイトを行っている者」を、教育を受ける活動を適正に行っていない留学生の例として挙げています。
出席率が低い場合は、病気や家庭の事情など理由を説明できる資料(診断書、学校の指導記録など)を添えて、今後どう改善するかを示します。出席率が低く理由も説明できない状態では、「留学」の活動を続けているとは評価されにくく、更新が認められないことがあります。
成績も同じ考え方で見られます。単位の取得状況が極端に悪い、同じ学年を何度も繰り返している、といった状況は、学業を続ける意思と能力に疑問を持たれる原因になります。出入国在留管理庁が公表している不許可事例には、専門学校を卒業した後、同じ学校の同じ課程でもう一度学びたいとして更新を申請し、在学状況に問題はなかったものの「同一校の同一課程で再度教育を受ける活動を行うことに合理的理由は認められず」不許可になった例があります。
アルバイト時間|週28時間は「どの7日間でも」
留学生の資格外活動の包括許可は、1週28時間以内(学則で定める長期休業期間中は1日8時間以内)です。この「1週」は、どの曜日から数えても7日間の合計が28時間以内でなければならないという意味で、月曜始まりで区切れば収まっているシフトでも、木曜から翌水曜までの7日間で超えていれば違反になります。数え方の詳細は留学生アルバイト週28時間の数え方|掛け持ち・長期休暇の1日8時間と証明方法で扱います。
更新の審査では、課税証明書に記載された前年の総収入と、申告書に書いた勤務時間・時給が照らし合わされます。時給1,200円で1年52週すべて週28時間働くと、収入は約175万円です。長期休暇中に1日8時間働く分を加味しても、課税証明書の総収入がこの水準を大きく上回っていれば、28時間を超えて働いていたことが数字から推測されます。
2026年4月からは、日本語教育機関が3か月に1度、在籍する留学生の資格外活動の許可の有無、活動先、活動内容、活動時間を確認することになりました。指導しても改善しない場合や、「雇用主が週28時間を超える勤務を強いている」という申告があった場合は、学校が入管に報告し、入管が内容に応じて調査して在留審査に反映させるとされています。複数の勤務先で働く留学生については、ハローワークへの外国人雇用状況届出の情報も入管から学校に提供されます。アルバイトの超過は、更新の申請書類だけでなく、学校経由の情報でも把握される仕組みになったということです。見直しの全体像は【2026年1月決定】外国人受入れの総合的対応策で在留審査はどう変わる?で解説しています。
経費支弁|学費の納付と生活費の釣り合い
3つ目は、学費と生活費をどう賄っているかです。学費を滞納している、家賃と生活費の合計に対して送金とアルバイト収入が明らかに足りない、逆にアルバイト収入だけで生活費と学費をすべて賄っている、といった状況は、いずれも説明を求められます。アルバイト収入だけで学費と生活費を賄えるほど働いているなら、週28時間を超えている疑いが生じるからです。
仕送りを受けている人は、送金の記録を残しておくことが大切です。現金の手渡しや知人経由の持ち込みは、誰がいつ持ち込んだかを証明できないと、支弁の事実として扱われにくくなります。
2026年10月1日からの更新手数料
在留期間更新の手数料は、2026年10月1日から入管法施行令25条1項の改正により、許可される在留期間の長さに応じた額に変わります。2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の額(窓口6,000円、オンライン5,500円)です。
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
留学生に多い「1年3月」や「2年」の許可は「1年超3年未満」に当たり、窓口で48,000円、オンラインで42,000円です。手数料は許可の時に納めるので、申請の時点では額が確定しない点に注意が必要です。オンライン申請はコンビニ決済か銀行決済のみで、収入印紙は使えず、別途決済手数料がかかります。
生活に困窮し人道上の配慮が必要な人については、減額のガイドラインが設けられています。留学生であることだけを理由に減額されるわけではありません。改定の背景と新旧の比較は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?で扱っています。
更新が不許可になったとき
更新が不許可になると、在留期限(特例期間中であればその終了日)までに出国するか、出国準備のための「特定活動」への変更を受けることになります。不許可の通知を受けたら、入管の窓口で不許可の理由を確認できます。
理由が出席不良やアルバイトの超過であれば、同じ状態のまま再申請しても結論は変わりません。一方、書類の不足や説明不足が原因であれば、理由を補って再申請する余地があります。どちらに当たるかは個別の事情で判断が変わるため、通知を受けた時点で学校の担当者か専門家に相談してください。不許可の理由の類型は在留資格の更新が不許可になる理由とは?で扱っています。
よくある質問
留学ビザの更新で資格外活動許可はどうなりますか?
更新が許可されても、資格外活動許可が自動的に引き継がれるかどうかは許可の内容によります。資格外活動許可の期限は通常、在留期限と同じ日に設定されているため、更新が許可されると、新しい在留カードの裏面に資格外活動許可の記載があるかを確認してください。記載がなければ、更新と同時か更新後に改めて資格外活動許可を申請します。記載のない期間に働くと資格外活動違反になります。
留学ビザの更新にはどのくらいの期間がかかりますか?
出入国在留管理庁の標準処理期間は2週間から1か月です。3月・4月の進学期や9月・10月の入学期は申請が集中し、これより長くかかることがあります。在留期限の3か月前から申請できるので、学校から証明書が出たら早めに申請するのが安全です。
留学ビザの更新中にアルバイトはできますか?
在留期限までに更新を申請していれば、審査中でも、元の資格外活動許可の範囲(週28時間以内)でアルバイトを続けられます。特例期間に入った後も同じ扱いですが、資格外活動許可の期限が在留期限と同じ日になっている場合の扱いについては、申請の際に窓口で確認しておくと確実です(公式資料では未確認)。
日本語学校から専門学校に進学するときも更新ですか?
在留資格が「留学」のまま変わらないので、在留期間更新許可申請です。進学先の入学許可書を在学証明書の代わりに出し、日本語学校の出席証明書・成績証明書・卒業証明書を付けます。新しい学校では「各種確認書」の提出も必要になります。
更新の3か月前に確認しておくこと
留学ビザの更新で準備に時間がかかるのは、書類を集めることより、書類が示す中身を整えることです。出席率も、アルバイトの時間も、学費の納付も、申請の直前に直せるものではありません。
判断の軸は、提出書類一覧表のどの書類が自分に求められるかを先に確かめ、その書類が「学校に通っている」「28時間の範囲で働いている」「学費と生活費を賄えている」の3点を裏付けているかを点検することです。どれかに弱いところがあれば、診断書や送金記録などの説明資料を早めに用意します。留学生を雇っている企業にとっても、シフト管理の記録は本人の更新を支える資料になります。福岡出入国在留管理局への申請や、指導歴がある場合の書類の組み立てに迷う場合は、申請取次の行政書士に相談する方法もあります。
根拠資料
- 在留資格「留学」(出入国在留管理庁)
- 適正校(クラスⅠ又はクラスⅡ)の大学等 提出書類一覧表<更新用>(出入国在留管理庁)
- 適正校(クラスⅠ)の日本語教育機関 提出書類一覧表<更新用>(出入国在留管理庁)
- 適正校の通知を受けていない日本語教育機関 提出書類一覧表<更新用>(出入国在留管理庁)
- 滞在費支弁に関する申告書(参考様式)(出入国在留管理庁)
- 「著しく不適切な受入体制」の考え方(出入国在留管理庁・2024年4月策定)
- 在留資格「留学」に係る適正化について(出入国在留管理庁・2026年4月10日周知)
- 在留期間の更新許可申請及び在留資格の変更許可申請に係る不許可事例について(出入国在留管理庁)
- 2026年10月1日から外国人の在留手続に関する手数料が改定されます(出入国在留管理庁リーフレット)
- 出入国管理及び難民認定法施行規則 別表第二(e-Gov法令検索)
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