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特定技能「資源循環」とは?中間処理業者に限る要件・優良機関認証と開始時期

特定技能「資源循環」は、廃棄物の中間処理(選別、破砕、焼却、中和など)の現場に外国人を受け入れる新しい分野で、2026年1月23日の閣議決定でリネンサプライ、物流倉庫とともに特定技能の対象に加わりました。受け入れられるのは、廃棄物処理法の処分業の許可などを持ち中間処理を行う事業者に限られ、収集運搬だけを行う事業者は対象外です。2026年7月30日に公布・適用された環境省告示第36号は、許可業者であることに加えて、分野の協議会に加入し、協議会の「優良機関認証」を受けることを要件にしました。本稿執筆時点(2026年9月)では評価試験の実施団体と日程は準備中で、環境省の支援サイトは、試験を2026年度内に始め、実際の受入れを2027年度中に可能にすることを目指すとしています。

特定技能「資源循環」の概要|新設の3分野の1つ

資源循環分野は、2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針で新たに設けられた分野で、所管は環境省です。同じ日に追加されたリネンサプライ分野、物流倉庫分野と合わせて、特定技能の対象は19分野になりました。

受入れ見込数は、分野別運用方針で次のとおり定められています。

制度 受入れ見込数 期間
特定技能1号 900人 令和8年度から3年間
育成就労 3,600人 令和9年度から2年間
合計 4,500人 令和10年度まで

特定技能1号の900人は、林業と並んで19分野の中で最も小さい枠です。受入れ見込数は分野ごとに在留する外国人の上限として運用されます。インターネット上には「1.4万人」といった数字を紹介する記事もありますが、閣議決定された方針の数字は上の表のとおりで、筆者は、特定技能の枠が小さく育成就労の枠が大きいという配分に、この分野の性格が出ていると見ています。即戦力を外から採るより、2027年4月に始まる育成就労で3年かけて育て、特定技能1号へ移行させる道筋が制度の中心に置かれているからです。

資源循環分野には特定技能2号がありません。1号の通算5年の上限を前提に計画を立てる必要があります。

対象になる業務|廃棄物処分業(中間処理)に限る

業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1つだけです。分野別運用方針によると、家庭や事業活動から排出される廃棄物の中間処理が対象で、工程としては受入れ、選別、処分、搬出が含まれます。破砕・中和・焼却などの設備の操作や、燃え殻の集約作業も業務に入ります。

ここでいう中間処理とは、収集された廃棄物を最終処分(埋立て)や再生利用の前に、選別・破砕・圧縮・焼却・中和などで減量化・安定化・資源化する工程を指します。産業廃棄物だけでなく一般廃棄物の中間処理も対象です。

収集運搬だけの事業者は受け入れられない

環境省の「資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト」のよくある質問は、収集運搬のみを行う事業者は資源循環分野で外国人を受け入れることはできないと明記しています。中間処理と収集運搬の両方を営む事業者でも、特定技能外国人の主な業務は中間処理の工程になります。収集運搬車の運転を主な業務にさせることはできません。

廃棄物を運ぶトラックの運転手として外国人を雇いたい場合は、資源循環分野でなく、自動車運送業分野(トラック運転者)の要件を満たす必要があります。自動車運送業分野では、緑ナンバーの事業用自動車であることが前提で、白ナンバーでの廃棄物運搬は対象外とされています。分野の選び方を誤ると申請の前提から崩れるので、自社の業務のどこに人が足りないのかを先に切り分けておく必要があります。

受入れ事業者の要件|環境省告示第36号

資源循環分野の受入れ事業者の要件は、2026年7月30日公布・同日適用の「資源循環分野に特有の事情に鑑みて定める基準」(環境省告示第36号)で定められました。2条の基準の骨格は次のとおりです。

  1. 廃棄物処理法などに基づく許可・認定を受けた者であること(1号)
  2. 協議会の構成員であること(2号)
  3. 協議会による優良機関認証を受けた者であること(3号)
  4. 協議会で協議が調った事項への対応、協議会と環境省への必要な協力を行うこと(4号〜6号)
  5. 登録支援機関に委託する場合は、協議会の構成員である登録支援機関に委託すること(7号)
  6. 外国人に実務経験の証明書を交付すること(8号)

1号|どの許可・認定が対象になるか

告示1号が挙げる許可・認定は幅があります。廃棄物処理法7条6項の許可(一般廃棄物処分業)、同法9条の8第1項・15条の4の2第1項の認定(再生利用の認定)、同法9条の9第1項の認定(広域的処理の認定)などに加えて、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、小型家電リサイクル法、プラスチック資源循環促進法、再資源化事業等高度化法に基づく許可・認定を受けた者が並んでいます。産業廃棄物の処分業の許可を持つ中間処理業者も対象です。

自社がどの号に当たるかは、許可証・認定書の根拠条文で確認できます。複数の許可を持つ事業者は、特定技能外国人を配置する事業場の業務がどの許可に基づくものかを整理しておくと、協議会への入会や在留資格の申請で説明しやすくなります。

3号|協議会の優良機関認証

他の分野にない要件が、協議会による「優良機関認証」です。環境省のページによると、協議会は受入れを希望する機関に対して、書面と実地による確認を行います。この確認は受入れの前だけでなく、受入れ後も定期的に行われ、認証されなかった場合は受入れの要件を満たさないことになります。支援サイトのよくある質問も、協議会への入会には中間処理を行う許可業者であることに加えて、入会時に優良機関認証を受ける必要があるとしています。

つまり、一度認証を受ければ終わりではなく、受入れ中に認証を失えば、在籍している特定技能外国人の在留にも影響が及びうる仕組みです。認証の具体的な審査項目(行政処分歴、安全衛生の体制、処理施設の管理状況など)と申請の窓口・時期は、本稿執筆時点で支援サイトに示されていません(公式資料では未確認)。廃棄物処理法の行政処分を受けたことがある事業者は、認証の基準が公表された段階で、自社が該当するかを最初に確認する必要があります。

協議会の名称は「資源循環分野 特定技能・育成就労協議会」で、支援サイトによると第1回の協議会は2026年8月27日に開かれました。協議会の一般的な位置づけは特定技能の協議会とは?加入のタイミング・分野ごとの窓口と加入しないリスクで解説しています。

8号|実務経験証明書の交付

告示8号は、受入れ機関に外国人への実務経験証明書の交付を義務づけています。外国人が転職したり、在留資格を変更したりする際に、中間処理の現場で何をしてきたかを示す書類になります。退職時にあわてて作るのでは内容があいまいになるので、配置した工程と期間を在籍中から記録しておくことを勧めます。

直接雇用に限る

雇用形態は直接雇用に限られ、派遣による受入れはできません(分野別運用方針)。人材派遣会社を通じて中間処理施設で外国人に働いてもらう、という形はとれません。

外国人本人の要件|評価試験と日本語

特定技能1号の人材基準は、「資源循環分野特定技能1号評価試験」の合格と、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上の日本語能力です。日本語は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験N4以上の合格で証明します。

評価試験は新しく作られる試験で、環境省のページと支援サイトでは、実施団体・日程とも「準備中」「詳細決まり次第お知らせします」の段階です。支援サイトのよくある質問は、特定技能1号の技能評価試験を令和8年度(2026年度)内に始める予定としています。試験の出題範囲、実施国、CBTかどうかは、公表を待つ必要があります(公式資料では未確認)。

技能実習には廃棄物処理の職種がないため、技能実習2号の修了者が試験免除で資源循環分野の特定技能に移る道は、現時点では想定しにくいと筆者は見ています。他の職種の技能実習2号修了者について日本語試験の免除が認められるかどうかは、運用要領の公表を待って確認する必要があります(公式資料では未確認)。

いつから受け入れられるか|2026年9月時点の到達点

受入れ開始までの手続の到達点を時系列で並べると、次のようになります。

  • 2026年1月23日:分野別運用方針の閣議決定(資源循環分野の追加)
  • 2026年6月30日:環境省が「資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト」を開設
  • 2026年7月30日:環境省告示第36号(特定技能)・第37号(育成就労)の公布・適用
  • 2026年8月27日:第1回 資源循環分野 特定技能・育成就労協議会の開催
  • 2026年度内:特定技能1号の評価試験の実施開始(予定)
  • 2027年4月:育成就労制度の運用開始(予定)

受入れの要件を定める告示はすでに適用されていますが、出入国在留管理庁の分野別運用要領の一覧(本稿執筆時点)には、資源循環分野の運用要領別冊がまだ掲載されていません。評価試験も始まっていないため、特定技能1号として実際に在留資格の申請ができるのは、試験の合格者が出て、運用要領が公表された後になります。支援サイトは、実際の外国人の受入れ開始が2027年度中に可能となることを目指すとしています。

先行したリネンサプライ分野は、2026年1月23日の閣議決定から約4か月後の6月1日に運用要領別冊が公表され、1号の申請が可能になりました(特定技能リネンサプライとは?2026年6月開始の対象業務・衛生基準認定と受入れ要件)。資源循環分野は試験の整備が残っているため、同じ速さで進むとは限りません。

中間処理業者が今から準備できること

評価試験がまだ始まっていない段階でも、事業者の側で進められる準備はあります。

  1. 自社の許可・認定の根拠条文を確認し、告示1号のどれに当たるかを整理する
  2. 外国人に担当させる工程(受入れ、選別、破砕、焼却設備の操作など)と配置する事業場を決める
  3. 過去の行政処分歴、安全衛生の体制、処理施設の管理記録を点検し、優良機関認証の書面・実地確認に備える
  4. 協議会への入会手続と優良機関認証の申請窓口が公表されたら、すぐ申請できるよう書類をそろえる
  5. 特定技能で即戦力を採るか、2027年4月からの育成就労で育てるかを決める

中間処理の現場は、破砕機や焼却炉、重機の周りでの作業が多く、労働災害の危険が高い職場です。日本語がN4程度の外国人を配置するなら、危険箇所の表示や合図を多言語・図示で統一し、設備ごとの作業手順書をやさしい日本語で整えておくことが、優良機関認証の実地確認でも評価されるはずだと筆者は考えています。

よくある質問

特定技能の資源循環分野はいつから始まりますか?

分野の追加は2026年1月23日の閣議決定、受入れ事業者の要件を定める環境省告示は2026年7月30日に公布・適用されました。評価試験は2026年度内に始まる予定で、環境省の支援サイトは実際の受入れ開始を2027年度中に可能とすることを目指すとしています。育成就労は2027年4月からの予定です。

産業廃棄物の収集運搬業のみですが、特定技能外国人を雇用できますか?

できません。資源循環分野の対象は廃棄物処分業(中間処理)で、収集運搬のみを行う事業者は受け入れられないと、環境省の支援サイトが明記しています。運転業務で外国人を雇う場合は、自動車運送業分野(トラック)の要件を検討することになります。

一般廃棄物処理業者でも受け入れられますか?

一般廃棄物の中間処理を行う事業者であれば対象になります。告示は廃棄物処理法7条6項の許可(一般廃棄物処分業)を受けた者を対象に含めています。協議会への加入と優良機関認証も必要です。

資源循環分野に特定技能2号はありますか?

ありません。資源循環分野は特定技能1号だけの分野で、通算5年が上限です。育成就労で3年働いた後に特定技能1号へ移る道筋が制度の中心に置かれています。

中間処理業者にとっての判断軸は「特定技能か、育成就労か」

資源循環分野は、要件の枠組み(許可業者・協議会・優良機関認証・直接雇用)が告示で固まり、試験と運用要領を待つ段階にあります。特定技能1号の枠は900人と小さく、2号もないため、長く働いてもらう人材を確保する手段としては、育成就労で育てて特定技能へつなぐ設計のほうが制度の配分に沿っています。一方、すでに国内にいる他分野の特定技能外国人や留学生を、試験に合格させて迎える道は、評価試験が始まり次第使えるようになります。

どちらを選ぶにしても、最初の関門は協議会の優良機関認証です。認証の基準が公表された時点ですぐ動けるよう、許可の整理と現場の安全衛生の点検を今のうちに済ませておくことが、受入れ開始を早める現実的な手段です。個別の事情で判断が変わるため、許可の当てはめや受入れ計画に迷う場合は専門家に相談してください。新設3分野を含む分野全体の状況は特定技能の分野・職種一覧【2026年最新】で確認できます。

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