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介護ビザへの変更|留学・特定技能・技能実習から「介護」に切り替える手順と時期

介護ビザ(在留資格「介護」)への変更は、介護福祉士の登録証が交付された後に、在留資格変更許可申請で行います。国家試験の合格だけでは足りず、提出書類に登録証の写しが求められるため、合格発表から登録証が届くまでの間をどの在留資格で過ごすかが、切替えの実務で最も大きな論点になります。留学生はこの間を「特定活動」で働きながら待つことができ、特定技能・技能実習の人は元の在留資格のまま待つのが基本です。

本稿では、出入国在留管理庁の在留資格「介護」のページと、留学生向けの2つの取扱い(国家試験合格者・養成施設卒業者)の案内をもとに、出身の在留資格ごとの手順と、申請のタイミングを整理します。在留資格「介護」そのものの要件は在留資格「介護」とは?介護福祉士の要件と養成施設・実務経験ルート、変更後の更新は介護ビザの更新|必要書類と勤務実態・介護福祉士登録で見られる点で扱っています。

変更の前提は「登録証の交付」

入管法別表第一の二の表は、在留資格「介護」の活動を「本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動」と定めています。ここでいう介護福祉士の資格を有する者とは、社会福祉士及び介護福祉士法に基づいて登録を受けた人を指します。国家試験は資格を得るための条件で、登録を受けて初めて介護福祉士になります。

出入国在留管理庁が変更許可申請の提出書類として挙げるのは、次のとおりです。

  • 在留資格変更許可申請書、写真(1歳未満は不要)
  • 旅券・在留カードの提示
  • 介護福祉士登録証の写し
  • 労働基準法15条1項と同法施行規則5条に基づく労働条件を明示する文書
  • 派遣で就労する場合は、派遣先での活動内容を明らかにする資料
  • 受入れ機関(招へい機関)の概要を明らかにする資料
  • 所属機関の代表者に関する申告書(2026年4月15日以降の申請から必要)
  • 技能実習の在留資格で在留したことがある人は、技能移転に係る申告書

登録証の写しが必須書類に入っている以上、合格通知だけで「介護」への変更を申請することは想定されていません。介護福祉士国家試験は例年1月下旬に筆記試験があり、3月下旬に合格発表が行われます。合格後に公益財団法人社会福祉振興・試験センターへ登録を申請し、登録証が届くまでには一定の期間がかかります。4月1日から新しい職場で働く予定を組むと、この数週間から数か月の空白に必ず直面します。

出身の在留資格で変わる「空白期間」の過ごし方

空白期間の扱いは、変更前の在留資格によって3つに分かれます。

変更前 合格発表〜登録証交付までの在留 登録証交付後
留学(養成施設・福祉系高校など) 「特定活動」に変更して、4月1日から介護業務に従事できる 「特定活動」から「介護」へ変更
特定技能1号(介護) 特定技能1号のまま、同じ受入れ機関で働き続ける 「特定技能」から「介護」へ変更
技能実習(介護) 技能実習のまま実習を続ける 「技能実習」から「介護」へ変更(技能移転に係る申告書を添付)
EPA介護福祉士候補者 合格後は「特定活動」(EPA介護福祉士)で就労を続けられる 希望すれば「介護」へ変更

留学生だけに特別な特定活動が用意されているのは、留学の在留資格では卒業後にフルタイムで働くことができず、4月1日の就職と登録証の交付の間を埋める手段がないからです。特定技能や技能実習の人は、すでに就労できる在留資格を持っているため、元の資格の在留期間が残っている限り、そのまま待てば足ります。

留学から「介護」へ|2つの特定活動の使い分け

出入国在留管理庁は、留学生について2つの取扱いを公表しています。どちらも、登録証が交付されるまでの間、「特定活動」の在留資格で介護等の業務に従事することを認めるものです。

国家試験に合格した留学生の取扱い

1つ目は、実務経験ルートまたは福祉系高校ルートで国家試験に合格した留学生が対象です。国家試験に合格した年の翌年度の4月1日から、介護福祉士登録証が交付されるまでの間、特定活動で介護施設等で働くことができます。

条件は、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること、雇用契約で労働条件と業務内容が明示されていること、就労先が介護施設・事業所としての許可や指定を受けていることです。提出書類として、在留資格変更許可申請書、写真、旅券・在留カードに加えて、受験票の写し、合格通知書の写し、雇用契約書の写し、施設・事業所の許可や指定の年月日が分かる資料が挙げられています。

養成施設を卒業した留学生の取扱い

2つ目は、令和8年度(2027年3月31日)までに介護福祉士養成施設を卒業する留学生が対象です。この人たちには、社会福祉士及び介護福祉士法の附則による経過措置があり、国家試験に合格していなくても、卒業後に介護福祉士となる資格を得られます。出入国在留管理庁は、この経過措置の適用を受ける卒業生について、卒業した年度の翌年度の4月1日から登録証を受領するまでの間、特定活動で介護等の業務に従事することを認めています。

経過措置の登録は、卒業した年度の翌年度から5年間の期限付きです。5年のうちに国家試験に合格するか、5年間継続して介護等の業務に従事すれば、6年目以降も登録が続きます。社会福祉振興・試験センターの案内では、令和9年(2027年)4月1日以降に卒業する人は、5年以内の試験合格が必須とされ、業務従事による継続は使えなくなります。

令和9年度以降に卒業し、国家試験に合格できなかった留学生の在留資格の扱いは、出入国在留管理庁の現在の案内には書かれていません(公式資料では未確認)。この世代の留学生を採用予定の施設は、卒業年度の国家試験の結果が出る3月下旬の時点で、別の在留資格(特定技能1号など)への切替えを検討できるよう準備しておく必要があります。

申請の時期|4月1日より前に出す

どちらの特定活動も、就労を始める4月1日より前に、住居地を管轄する地方出入国在留管理局へ変更許可申請を出すよう案内されています。在留資格変更許可の標準処理期間は1か月から2か月とされているため、合格発表の直後に書類を揃えて申請するのが現実的です。

留学の在留期間が卒業後まで残っていない場合でも、在留期間の満了前に変更許可申請をしていれば、処分が出るまで、または満了日から2か月を経過する日まで、元の在留資格で在留できます(入管法20条6項)。ただし、この特例期間は「留学」のままなので、特定活動の許可が出る前にフルタイムで働くことはできません。卒業後は資格外活動許可によるアルバイトもできなくなる点に注意してください(入管法施行規則19条5項1号のかっこ書は、留学生の包括許可を教育機関に在籍している間に限っています)。

登録証が届いたら、特定活動から「介護」への変更許可申請を行います。家族(配偶者・子)が留学生の家族として在留している場合は、本人の特定活動にあわせて、家族も特定活動への変更が認められることがあります。

特定技能1号から「介護」へ|通算5年との競争

特定技能1号(介護)から在留資格「介護」への変更は、介護分野で5年を超えて働き続けるための基本の道筋です。介護分野には特定技能2号がないため、特定技能1号の通算在留期間5年に達する前に介護福祉士の登録まで終えることが目標になります。

実務経験ルートで受験するには、介護等の業務に3年以上(従業期間3年以上かつ従事日数540日以上)従事し、実務者研修を修了していることが必要です。特定技能1号で入国した人は、最短で3年目の年度の国家試験から受験できる計算になります。受験のチャンスは年1回なので、5年の上限までに受けられる回数は多くて2〜3回です。

厚生労働省は、特定技能1号の5年目(通算在留期間の上限に達する前の最終年度)の国家試験で、合格基準点の8割以上の得点を取り、かつ1パート以上に合格した人について、通算在留期間を延長する措置を設けています。確認依頼は受入れ機関がとりまとめて厚生労働省に郵送し、その後に地方出入国在留管理局へ延長の申請を行う流れです。令和8年度の案内では確認依頼の期限が令和8年4月30日(消印有効)とされており、毎年の期限は厚生労働省のページで確認する必要があります。

合格した後の手順は、登録申請、登録証の受領、変更許可申請の順です。登録証が届くまでは特定技能1号のまま働き続けますが、特定技能の在留期限や通算5年の上限が近い人は、登録証の到着を待つ間に期限が来ないか、合格発表の時点で逆算してください。在留期限が先に来る場合は、特定技能1号の更新を先に行う必要があります。

受入れ機関にとっても、この変更には利点があります。特定技能「介護」の受入れ人数は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限とされており、この「日本人等」には在留資格「介護」の人が含まれます。特定技能1号の職員が「介護」に移ると、特定技能の枠を1人分空けると同時に、上限を計算する側の人数が1人増えることになります。変更後は1号特定技能外国人支援計画の実施義務もなくなります。

技能実習から「介護」へ|技能移転に係る申告書

技能実習(介護)から在留資格「介護」に移る場合も、実務経験ルートで国家試験に合格し、登録を受けることが前提です。受験に必要な実務経験3年を満たすには、技能実習2号までの3年間の実習期間が必要になり、実習の最終盤か、3号に移行した後に受験する形が多くなります。

技能実習から移る場合に固有の書類が、技能移転に係る申告書です。技能実習は、日本で修得した技能を本国に移転することを目的とする制度です。実習を終えた人が日本で引き続き介護福祉士として働くことをどう考えているかを、本人が申告します。出入国在留管理庁は、この申告書を技能実習の在留資格で在留したことがある人に求めており、技能実習から直接変更する人だけでなく、技能実習の後に特定技能を経て「介護」に移る人も対象になります。

技能実習生が変更許可申請をする場合は、監理団体と実習実施者の間で、実習の終了や計画の扱いを先に整理しておく必要があります。実習の途中で在留資格を変えると、実習計画が中途で終わることになるため、監理団体を通じて技能実習機構への届出の要否を確認してください(公式資料では未確認)。なお、技能実習は2027年4月1日から育成就労制度に移行します。移行期の技能実習生の扱いは【2027年4月施行】育成就労制度とは?も参照してください。

変更の前に施設側で確認すること

在留資格「介護」の審査は、介護福祉士の資格と、日本人と同等額以上の報酬の2点が中心です。変更時に施設側が準備で気をつける点は、次の3つです。

第一に、報酬の設定です。変更後の労働条件通知書では、同じ施設の日本人の介護福祉士と比べて基本給・資格手当に差を付けていないかが見られます。特定技能1号のときの給与をそのまま据え置くと、資格手当の分だけ日本人の介護福祉士より低くなることがあります。報酬の比べ方は就労ビザの「日本人と同等額以上の報酬」とはで解説しています。

第二に、業務の内容です。在留資格「介護」の業務は介護または介護の指導です。変更を機に、施設長の業務や介護と関係のない事務に専ら就かせると、活動の範囲から外れるおそれがあります。

第三に、代表者に関する申告書です。2026年4月15日以降の申請では、所属機関の代表者に関する申告書が必要になりました。法人の代表者が交代している場合は、最新の代表者で作成します。

変更許可を受けるときは手数料がかかります。2026年10月1日以降、在留期間1年の許可は窓口33,000円、オンライン27,000円で、3年・5年の許可はさらに高くなります。手数料の一覧は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?を参照してください。

よくある質問

特定技能1号から介護ビザに切り替えるには?

実務経験3年以上と実務者研修の修了で介護福祉士国家試験を受験し、合格後に登録を申請して登録証を受け取ります。そのうえで、特定技能から「介護」への在留資格変更許可申請を行います。登録証が届くまでは特定技能1号のまま働き、在留期限が先に来る場合は特定技能の更新を先に済ませてください。

介護ビザの申請に必要な書類は?

変更許可申請では、申請書、写真、旅券・在留カード、介護福祉士登録証の写し、労働条件を明示する文書、受入れ機関の概要資料、所属機関の代表者に関する申告書が基本です。派遣で働く場合は派遣先の活動内容の資料、技能実習の経歴がある人は技能移転に係る申告書が加わります。

介護ビザはいつから申請できる?

登録証の写しを提出できるようになってからです。留学生は、合格発表の後、4月1日より前に、登録証が届くまでの「特定活動」への変更を先に申請できます。特定技能や技能実習の人は、登録証が届いた時点で「介護」への変更を申請します。

介護ビザで家族を呼べますか?

在留資格「介護」に変更すると、配偶者と子は「家族滞在」の対象になります。特定技能1号では家族の帯同が原則認められないため、家族を日本に呼びたい人にとっては、変更の大きな動機になります。扶養する本人の収入で家族の生活を支えられるかが審査で見られます。

介護ビザで永住権は取得できますか?

永住許可に関するガイドラインは、原則10年以上の在留のうち、就労資格または居住資格で5年以上の在留を求め、その就労資格から技能実習と特定技能1号を除いています。在留資格「介護」はこの5年に数えられるため、変更の時期が早いほど、永住の要件を満たす時期も早まります。

切替えは「合格発表の日」から逆算する

介護ビザへの変更で失敗が起きるのは、書類の不備よりも時期の読み違いです。国家試験は年1回で、合格発表は3月下旬、就職は4月1日、登録証の交付はその後という順番は、毎年変わりません。この順番の中に、元の在留資格の期限(留学なら卒業後の在留期限、特定技能なら通算5年と在留期限)を書き込んでみると、どこに空白ができるかが見えます。

筆者は、施設の人事担当者に、受験予定の職員ごとに「合格発表日」「元の在留資格の期限」「登録証の見込み時期」を並べた一覧を作ることを勧めています。留学生なら特定活動の申請を4月1日前に出す、特定技能なら期限が先に来る場合に更新を先に済ませる、という判断はこの一覧から自然に決まります。個別の経歴や期限の組み合わせで判断が変わるため、期限が重なる場合は早めに専門家に確認してください。

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根拠資料


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