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在留カードが期限切れになったら?在留期間の経過と有効期間切れの違い

在留カードの「期限切れ」は、どちらの期限が切れたかで意味がまったく違います。就労ビザや配偶者ビザのように在留期間がある人は、カードの有効期限が在留期間の満了日と同じなので、期限切れは在留期間の経過、つまり不法残留を意味し、すぐに入管へ出頭して出国命令などの手続を取る必要があります。永住者と高度専門職2号の人は、カードの有効期間だけが別に定められているため、期限が切れてもカードが効力を失うだけで在留資格は残り、罰則の対象になる手続違反として扱われます。

まず確認する:切れたのは「在留期間」か「カードの有効期間」か

在留カードの表面右下には「このカードは 年 月 日まで有効です。」という有効期限が印字されています。この日付が何を意味するかは、入管法19条の5が在留資格ごとに定めています。

在留資格 カードの有効期間 期限切れが意味するもの
永住者(18歳以上) 2026年6月14日以降の交付:交付日後の10回目の誕生日まで(それ以前の交付:交付日から7年) カードの失効のみ。在留資格は存続
永住者(18歳未満) 交付日後の5回目の誕生日まで 同上
高度専門職2号 永住者と同じ 同上
上記以外(技術・人文知識・国際業務、特定技能、留学、日本人の配偶者等、定住者など) 在留期間の満了日まで 在留期間の経過(不法残留)

永住者のカードの有効期間は、2026年6月14日施行の改正で「7年」から「10回目の誕生日まで」に変わりました。詳しくは永住権の更新は必要?在留カードの有効期間更新の手続きと費用【2026年6月改正】で扱っています。

2つの期限の違いを一言で言えば、在留期間とは日本にいてよい期間で、カードの有効期間とは身分証明書としてのカードの期限です。在留期間のある人はこの2つが一致しているため、「カードの期限切れ」と「オーバーステイ」は同じ出来事の別の呼び方になります。自分や自社の社員がどちらに当たるかは、表面の在留資格欄と在留期間欄で分かります。在留期間欄に「(満了日)」の日付があればその日付が、「永住者」や「無期限」の人はカードの有効期限だけが問題になります。

在留期間の満了日を過ぎた場合|1日でも不法残留になる

在留期間のある人が、満了日までに在留期間更新や在留資格変更の申請をしないまま満了日を過ぎると、その翌日から不法残留です。入管法24条4号ロの退去強制事由に当たり、刑事罰としては同法70条1項5号により3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象になります。

日数の長短は、不法残留かどうかの判断には関係しません。1日の超過でも、法律上は1年の超過と同じ不法残留です。違いが出るのは、その後にどの手続で解消できるかの段階です。

気づいたらすぐ出頭する|出国命令の要件

満了日を過ぎたことに気づいたら、できるだけ早く地方出入国在留管理官署に自ら出頭します。入管法24条の3は、次のすべてを満たす人を「出国命令対象者」とし、収容せずに出国させる手続を定めています。

  1. 違反調査の開始前に、速やかに出国する意思をもって自ら出頭したこと(違反調査の開始後、一定の通知を受ける前に出国の意思を表明した場合を含む)
  2. 不法残留など一定の事由以外の退去強制事由に当たらないこと
  3. 入国後に窃盗などの一定の罪で拘禁刑に処せられていないこと
  4. 過去に退去強制や出国命令による出国の歴がないこと
  5. 速やかに出国することが確実と見込まれること

出国命令で出国した場合、日本に再び上陸できない期間は出国の日から1年です(入管法5条1項9号ホ)。摘発されて退去強制になれば原則5年ですから、自分から動くかどうかで再来日までの期間が大きく変わります。出国命令・退去強制・在留特別許可の比較は不法滞在(オーバーステイ)とは?罰則と発覚後の手続き・解消方法で整理しています。

日本での在留を続けたい場合

日本人と結婚している、日本で生まれ育った子どもがいるなど、帰国できない事情がある場合は、出国命令ではなく在留特別許可を求めることになります。2024年6月10日施行の改正入管法で、在留特別許可は本人が申請できる制度になりました(入管法50条2項)。出入国在留管理庁は、自ら出頭申告したことを在留特別許可の判断で積極的に評価される要素の一つとしています。

満了日を過ぎてから更新申請はできるか

在留期間更新許可申請は、在留期間の満了日までに行うものです。満了日を過ぎてから申請しても、原則として受け付けられません。

実務では、病気や災害など本人に責任のないやむを得ない事情で満了日までに申請できなかった場合に、事情を説明したうえで申請を受け付けてもらえる扱い(いわゆる「特別受理」)があると言われています。しかし、出入国在留管理庁はこの扱いの基準や要件を公表していません(公式資料では未確認)。うっかり忘れていたという理由で受け付けられる保証はないため、これを前提に行動するのは危険です。満了日を過ぎたと気づいた時点で、まず入管に相談し、指示に従うことが先決です。

更新申請中に満了日を過ぎた場合|特例期間で適法に在留できる

満了日までに在留期間の更新や在留資格の変更を申請していれば、審査が続いている間に満了日を過ぎても不法残留にはなりません。入管法20条6項(21条4項で準用)により、処分がされる時か、従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日が終了する時の、いずれか早い時まで、従前の在留資格のまま適法に在留できるからです。これを特例期間と呼びます。

在留カードの有効期間も、この特例期間に合わせて延びます。入管法19条の5第2項は、特例期間で在留できることになった場合、カードの有効期間は特例期間の終了の時までとすると定めています。券面に印字された日付を過ぎていても、カードは失効していないということです。

申請中であることは、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に「在留期間更新許可申請中」などの記載と申請日が入っていることで確認できます。会社の人事担当者は、表面の日付だけで「期限切れ」と判断せず、裏面のこの欄と、申請受付票の写しをあわせて確認してください。特例期間中は、従前の在留資格の範囲で働き続けられます。

注意が必要なのは、特例期間中に不許可の処分が出た場合です。処分の時点で特例期間は終わるため、その後は在留を続ける根拠がなくなります。この場合、出国の準備のための在留資格への変更を認められて出国するのが通例です。不許可の通知の見方と次の判断は入管から不許可のハガキが届いたら?で解説しています。

永住者のカードの有効期間が切れた場合|在留資格は残る

永住者と高度専門職2号の人は、カードの有効期間が満了する日の3か月前から満了日までに、有効期間の更新を申請しなければなりません(入管法19条の11第1項)。この手続を忘れたまま有効期限を過ぎると、在留カードは効力を失います(同法19条の14第2号)。

ただし、失効するのはカードで、永住者の在留資格は失われません。永住者には在留期間の定めがないため、不法残留になることもありません。気づいた時点で速やかに、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で有効期間更新の申請をします。遅れた理由を説明する書面を求められることがあります。

罰則は別にあります。19条の11第1項に違反した人は、入管法71条の2により1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金の対象になります。この罪で拘禁刑に処せられた中長期在留者は、24条4号の4の退去強制事由にも当たります。数日の遅れで刑事処分に至る例が多いとは考えにくいものの、刑罰で担保された義務であることは変わりません。

2027年4月1日からは、永住者の在留資格の取消事由に、入管法上の義務を故意に履行しないことなどが加わります。有効期間の更新を忘れただけで直ちに取り消されるとは説明されていませんが、繰り返し放置している場合の評価は変わりうるため、期限の管理は以前より重くなります。取消事由の範囲は、永住者の取消しを扱う別の記事で解説します。

海外にいる間にカードの期限が来る場合

みなし再入国許可で出国するには、有効な旅券と在留カードを持っていることが前提です。永住者のカードの有効期間が海外にいる間に切れる見込みなら、出国前に入管法19条の11第2項の手続(更新期間前の申請)で更新を済ませておくのが確実です。海外にいる間に期限が切れてしまった場合の再入国の扱いは、出国時の許可の種類によって変わるため、帰国前に日本の地方出入国在留管理官署や在外公館に確認してください。再入国許可の仕組みは再入国許可とみなし再入国許可の違いで扱っています。

雇っている外国人のカードが期限切れだったとき、会社がすること

社員の在留カードの期限が過ぎていることに気づいたら、会社は次の順で状況を確かめます。

  1. 在留資格欄を見る:永住者・高度専門職2号か、それ以外か
  2. 永住者・高度専門職2号なら:在留資格は残っているため就労は続けられます。本人に速やかに有効期間更新を申請してもらいます
  3. それ以外なら、裏面の申請欄を見る:「在留期間更新許可申請中」などの記載があり、満了日から2か月以内であれば特例期間中です。申請受付票の写しを受け取っておきます
  4. 申請の記載がなければ:不法残留の可能性が高いため、就労を止めてもらい、本人にすぐ入管へ出頭するよう促します

4に当たる状態で働かせ続けると、会社は不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われるおそれがあります。現在の法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられます。同条2項は、在留資格がないことを知らなかったとしても、過失がない場合を除いて処罰を免れないと定めています。

カードが本物か、失効していないかは、出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」で確認できます。期限切れを防ぐには、社員ごとの在留期間の満了日を台帳で管理し、満了日の3か月前には本人に更新の準備を促す運用が有効です。申請期限の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?にまとめています。

よくある質問

在留カードの期限が切れたら永住者はどうなるの?

カードは効力を失いますが、永住者の在留資格はそのまま残ります。有効期間更新の申請義務に違反した状態なので、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金の対象になりえます。気づいたらすぐに地方出入国在留管理官署で更新を申請してください。

在留カード更新期限切れで仕事はできますか?

在留資格によって違います。永住者・高度専門職2号はカードが失効しても在留資格が残るため働けます。それ以外の人は、満了日までに更新申請をしていれば特例期間中として働けますが、申請をしていなければ不法残留で、働くことはできません。

在留カード更新中に期限切れで出国したいのですが、可能でしょうか?

出国すること自体はできます。ただし、みなし再入国許可の有効期間は「出国の日から1年(在留期間の満了日がそれより前に来る場合は満了まで)」と定められており(入管法26条の2第2項)、特例期間中に出国した人がいつまでに戻る必要があるかは、特例期間の終了時までと扱われる可能性が高いと考えられます(公式資料では未確認)。戻れなければ在留資格を失い、結果の受け取りにも本人の出頭が必要になるため、出国前に申請先の入管に確認してください。

在留カードの期限が切れた場合、罰則は?

在留期間のある人が満了日を過ぎた場合は、不法残留として3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科(入管法70条1項5号)の対象です。永住者のカードの有効期間切れは、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金(同法71条の2)の対象です。

日付を見る前に、在留資格欄を見る

在留カードの期限切れで最初に判断を誤りやすいのは、券面の日付だけを見て、在留資格欄を見ないことです。同じ「期限切れ」でも、在留期間のある人なら不法残留という退去強制の問題になり、永住者ならカードの手続違反の問題にとどまります。さらに、更新申請中の人は、日付を過ぎていても特例期間で適法に在留しています。

判断の順番は、在留資格欄、裏面の申請欄、在留期間の満了日の3つです。不法残留に当たる場合は、日数が短いうちに本人が自ら出頭することが、その後の選択肢を最も広く残します。個別の事情で取れる手続が変わるため、判断に迷うときは、動く前に入管か専門家に相談してください。

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。