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特定活動と特定技能の違い|名前が似た2つの在留資格の就労範囲と見分け方

特定技能と特定活動の違いは、特定技能が「人手不足の特定産業分野で一定の技能を要する業務に従事する」という一つの目的のための就労資格であるのに対し、特定活動は法務大臣が一人ひとりに活動を指定する、中身が号ごとにまったく違う在留資格だという点にあります。働ける範囲は、特定技能なら指定書に書かれた所属機関と特定産業分野で決まり、特定活動なら指定書に書かれた活動の文言で決まります。名前は似ていますが、特定活動の中には特定技能へ移るための「準備」の号がいくつもあり、両者の関係を知らないと在留カードを見ても働ける範囲を読み違えます。

入管法上の位置づけの違い

両者の違いは、入管法別表のどこに置かれているかを見ると分かりやすくなります。

  • 特定技能:別表第一の二の表。1号は「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を要する業務、2号は「熟練した技能」を要する業務に従事する活動
  • 特定活動:別表第一の五の表。「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」

特定技能は、活動の内容が法律で決まっている在留資格です。分野と業務区分は分野別運用方針と上乗せの告示で定められ、受入れ機関の基準、支援の義務、試験の合格といった要件が制度として組み立てられています。制度の全体像は特定技能とは?で解説しています。

特定活動は、他の在留資格に当てはまらない活動を受け止めるための在留資格です。ワーキング・ホリデー、インターンシップ、日本の大学卒業者の就労(46号)、卒業後の就職活動、難民認定申請中の在留など、目的も就労の可否も異なる活動が、同じ「特定活動」という名前でまとめられています。活動の中身は、法務大臣があらかじめ告示で定めたもの(告示特定活動)と、告示にない活動を個別に認めるもの(告示外特定活動)に分かれます。

比較表:在留期間・就労範囲・家族

項目 特定技能 特定活動
目的 人手不足分野での就労 号ごとに異なる(就労・研修・就職活動・待機・家族など)
就労の可否 可(指定された分野の業務) 号による。就労可の号と就労不可の号がある
働ける範囲の決まり方 指定書の所属機関と特定産業分野 指定書に書かれた活動の文言
在留期間 1号:3年を超えない範囲で個別指定(通算5年まで)/2号:3年・2年・1年・6月 号ごとに5年以内で個別指定
家族帯同 1号:原則不可/2号:配偶者・子は可 号による(46号の家族は告示47号など)
転職 在留資格変更許可が必要 指定された機関が変わる場合は在留資格変更許可が必要

特定技能1号の在留期間は、2025年9月30日施行の施行規則改正(令和7年法務省令第47号)で「1年を超えない範囲」から「3年を超えない範囲」に延びました。

表のうち、企業の人事担当者が最も注意すべきなのは「働ける範囲の決まり方」の行です。どちらも指定書が交付されますが、意味が違います。特定技能の指定書は、入管法施行規則の別記第31号の4様式で、雇用する機関の名称・所在地と特定産業分野を指定します(特定技能の指定書とは?)。特定活動の指定書は、その人に認められた活動そのものを文章で書いたもので、就労の可否もその文言次第です。

特定技能とつながる4つの特定活動

「特定活動 特定技能」で検索する人の多くは、両者を比べたいというより、特定技能に関係する特定活動の扱いを知りたいはずです。特定技能に隣接する特定活動は、主に次の4つです。

特定技能1号への移行準備(6か月・就労可)

特定技能1号への変更を希望する人が、在留期限までに必要書類をそろえられないなど、期限内の申請が難しい合理的な理由がある場合に認められる特定活動です。在留期間は6月(2024年1月9日以降の申請。従前は4月)で、受入れ予定の機関で同じ業務に就いて働けます。更新はやむを得ない事情がある場合に1回限りです。

この期間は特定技能1号の通算在留期間(5年)に含まれます(出入国在留管理庁)。報酬は特定技能1号で予定する額と同額で、日本人と同等額以上であること、技能試験と日本語試験に合格していること(技能実習2号の良好修了による免除を含む)が要件です。要件と申請書類の詳細は特定活動から特定技能へ|移行準備の特定活動(6か月・就労可)の要件と試験未合格時の扱いで扱います。

特定技能「自動車運送業」の準備(55号・通算に含まない)

特定活動告示の本則第55号に基づく「特定自動車運送業準備」は、トラック・タクシー・バスのドライバーが日本の運転免許を取り、タクシー・バスの場合は新任運転者研修を修了するための特定活動です。在留期間はトラック6月、タクシー・バス1年で更新できず、この期間は特定技能1号の通算在留期間に含まれません。移行準備の特定活動と比べると、運転業務はできないこと、通算期間に数えないことが大きな違いです。詳しくは特定活動55号とは|特定技能「自動車運送業」の運転免許取得準備と在留期間で扱っています。

就労継続支援の特定活動(1年)

特定技能外国人が、受入れ機関の倒産やハラスメント、内定取消しなど、やむを得ない事情で就労を続けられなくなり、3か月たっても新しい受入れ先が見つからないといった場合に、別の受入れ機関で働きながら試験合格を目指すための特定活動です。在留期間は1年で、2回まで更新でき、2回目の更新時にはいずれかの試験の合格が必要です(出入国在留管理庁)。受け入れる機関には、特定技能外国人を通算1年以上受け入れた実績が求められます。この期間が特定技能1号の通算在留期間に含まれるかは、公表資料で確認できず現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。

EPA介護福祉士候補者(特定活動)から特定技能「介護」へ

経済連携協定(EPA)に基づいてインドネシア、フィリピン、ベトナムから来日する介護福祉士候補者は、協定と告示に基づく「特定活動」で在留し、受入れ施設で就労しながら介護福祉士国家試験の合格を目指します。候補者のままでは介護業務の範囲も在留期間も協定の枠内に限られ、インドネシアについては2026年8月の改正日尼EPAの発効等で在留期間の上限が5年に延びています(厚生労働省)。

国家試験に合格すれば、在留資格「介護」への変更や、協定に基づく介護福祉士としての特定活動で在留を続ける道があります。合格に至らなかった候補者でも、EPA候補者として4年間の就労・研修に適切に従事した人は、特定技能「介護」の技能試験と日本語試験が免除され、特定技能1号へ移行できるとされています。免除の条件となる国家試験の得点の基準は、本記事では一次資料で確認できていないため現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。介護分野の受入れは特定技能「介護」とは?で解説しています。

46号と特定技能はどちらを選ぶか

特定技能と比べられることが多いのが、特定活動46号(本邦大学卒業者)です。46号は、日本の大学を卒業し(大学院を含む)、日本語能力試験N1またはBJT480点以上の日本語能力を持つ人が、日本語を使った円滑な意思疎通を要する業務に常勤で従事するための特定活動です。飲食店や小売店の接客のように、技術・人文知識・国際業務では認められにくい現場業務を含められるのが特徴です(特定活動46号とは?)。

同じ飲食・小売の現場で考えると、両者の違いは次のとおりです。

  • 対象者:46号は日本の大学卒業とN1相当が必要。特定技能は学歴を問わず、分野の試験と日本語試験(多くの分野でA2.2相当以上)の合格が必要です
  • 業務:46号は分野の縛りがなく、日本語を使う業務であれば幅広く従事できます。特定技能は分野と業務区分の範囲内に限られます
  • 期間:46号は更新に回数の上限がありません。特定技能1号は通算5年までです
  • 会社の負担:特定技能1号は支援計画の実施や定期届出が必要です。46号にはその仕組みがありません

外食業分野では、2026年4月13日以降、特定技能1号の在留資格認定証明書の交付と他の在留資格からの変更が原則として止まっています(特定技能「外食業」の新規受入れ停止)。日本の大学を卒業した留学生を飲食店で採用するなら、現時点では46号を先に検討する場面が増えています。

在留カードでの見分け方

採用面接で在留カードを見るとき、特定技能と特定活動は次の手順で見分けます。

  1. 表面の「在留資格」欄を見る。「特定技能1号」「特定技能2号」か、「特定活動」か
  2. 表面の「就労制限の有無」欄を見る。特定活動の場合、就労できる号なら「指定書により指定された就労活動のみ可」、就労できない号なら「就労不可」と書かれます(出入国在留管理庁の事業主向けリーフレット)
  3. パスポートに添付された指定書を見る。特定技能なら所属機関と分野、特定活動なら活動の内容と、多くの場合は機関名が書かれています

特定技能は、在留カードに所属機関や分野は載りません。そのため、別の会社で特定技能として働いていた人を採用するときは、指定書に書かれている機関が前の会社のままであることを確認したうえで、在留資格変更許可を受けてから就労させる必要があります(特定技能の外国人は転職できる?)。

特定活動で「就労不可」と書かれた人(卒業後の就職活動中の人など)は、在留カード裏面の資格外活動許可欄に許可の記載があれば、その範囲でアルバイトができます。表面だけで判断しないことが、不法就労助長を避けるうえで基本になります。

よくある質問

在留カードで特定活動と特定技能の違いはどこで分かりますか?

表面の在留資格欄に「特定技能1号」「特定技能2号」または「特定活動」と書かれています。特定活動の場合は、就労制限の有無欄に「指定書により指定された就労活動のみ可」か「就労不可」かが書かれ、働ける範囲はパスポートの指定書で確認します。特定技能も、所属機関と分野は指定書で確認します。

特定活動から特定技能へ変更するにはどうすればいいですか?

特定技能1号の要件(技能試験・日本語試験の合格、受入れ機関の基準、支援計画など)を満たしたうえで、在留資格変更許可を申請します。移行準備の特定活動や55号で在留している人は、要件を満たした時点で速やかに変更申請をする必要があります。

特定技能の在留期間に特定活動の期間は含まれますか?

号によって違います。特定技能1号への移行準備の特定活動は通算在留期間に含まれ、自動車運送業の55号は含まれません。就労継続支援の特定活動の扱いは、公表資料で確認できていません。

特定活動46号と特定技能の違いは何ですか?

46号は日本の大学卒業とN1相当の日本語能力が条件で、分野の限定がなく、更新の上限もありません。特定技能は分野ごとの試験合格が条件で、分野と業務区分の範囲内で働き、1号は通算5年までです。支援の義務も特定技能だけにあります。

採用の場面で問うべきは「どの号か」

特定技能と特定活動の違いを一般論で覚えるより、目の前の候補者の在留資格が特定活動なら「どの号か」、特定技能なら「どの分野・どの機関で指定されているか」を確かめるほうが、採用の判断には直接役立ちます。特定活動は号によって就労できるかどうかが正反対になり、特定技能は分野と機関が変われば変更許可が必要になるからです。

実務では、次の3点を採用の前に確認することをお勧めします。1つは、在留カード表面の在留資格欄と就労制限欄。2つ目は、指定書に書かれた活動・機関・分野が、自社で予定する業務と一致するか。3つ目は、特定技能へ移る途中の特定活動であれば、その期間が通算5年に数えられるかと、変更申請をいつ出すか。個別の事情で判断が変わるため、号の読み方に迷う場合は採用前に専門家に指定書を見てもらうのが確実です。

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根拠資料


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