在留カード等番号失効情報照会は、出入国在留管理庁が無料で公開しているウェブサイトで、在留カードの番号と有効期間の満了日を入力すると、その番号が失効していないかを確認できます。ただし、出入国在留管理庁自身が「確認結果は、在留カード等の有効性を証明するものではありません」と明記しているとおり、「失効していません」と表示されても、目の前のカードが本物であることまでは分かりません。実在する番号を使った偽造カードがあるためです。採用時の確認としては、この照会に、在留カード等読取アプリによるICチップの読み取りと、就労制限欄・資格外活動許可欄の確認を組み合わせて初めて意味を持ちます。
在留カード等番号失効情報照会とは
在留カード等番号失効情報照会(以下「失効情報照会」)は、在留カードと特別永住者証明書(以下「在留カード等」)の番号が、現在も有効な番号として登録されているかを確認するための出入国在留管理庁のサイトです。
照会できるのは、番号が失効しているかどうかという1点です。出入国在留管理庁の案内資料「在留カード等番号失効情報照会について」によれば、在留カードの番号は発行のたびに変わるため、新しい在留カードの交付を受けると以前の番号は失効します。このほか、紛失による再交付、出国済み、中長期在留者でない在留資格への変更、在留資格の取消しなど、失効する理由はさまざまだと説明されています。
照会サイトのURLは、2026年1月5日から次のアドレスに変わりました(出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」)。
- https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html
古いURLをブックマークしている場合は、更新しておく必要があります。「在留カード 確認 サイト」と検索すると民間の解説ページも多く表示されますが、照会を実行できるのはこの出入国在留管理庁のサイトと、後述の読取アプリだけです。
照会の手順
照会の手順は3段階です。
- 失効情報照会のサイトを開き、セキュリティチェックを完了する
- 在留カードの表面右上にある在留カード番号(英字2桁・数字8桁・英字2桁の12桁)と、表面下部の「このカードは○年○月○日まで有効です」の日付(有効期間の満了日)を入力する
- 照会を実行し、表示された結果を確認する
入力するのは有効期間の満了日で、在留期間の満了日とは限りません。永住者や高度専門職2号の人は在留期間に期限がないため、カードの有効期間(2026年6月13日までの交付分は交付から7年、6月14日以降の交付分は交付日後の10回目の誕生日まで)の満了日を入れます。16歳未満の人のカードも、16歳の誕生日が有効期間の満了日になっている場合があります。
結果の見方
番号が有効であれば「失効していません。」と表示されます。失効していれば、その旨が表示されます。
結果を読むときに押さえておくべき点が3つあります。いずれも出入国在留管理庁の案内資料に書かれている留意事項です。
1つ目は、当日交付された在留カードの情報は、その日の夜間にデータが更新されるため、交付の翌日以降でなければ反映されないことです。更新許可を受けて新しいカードを受け取った当日に照会すると、新しい番号はまだ有効と表示されない可能性があります。
2つ目は、在留期間の更新や変更を申請して審査を待っている間は、券面の在留期間の満了日が過ぎていても「失効していません。」と表示されることです。申請中は、処分の時か在留期間の満了日から2か月を経過する時のいずれか早い時まで、それまでの在留資格で在留できる(入管法20条6項・21条4項の特例期間)ためです。
3つ目は、海外のIPアドレスからはアクセスできないことです。日本国内からでも、VPNなどで海外のIPアドレスが設定されていると照会できません。海外拠点の人事担当者が日本の採用候補者を確認する場合は、日本国内の担当者が照会する必要があります。
「失効していません」でも偽造を否定できない理由
失効情報照会の限界は、照会の仕組みそのものにあります。照会で確認しているのは「入力された番号と有効期間の組み合わせが、出入国在留管理庁のデータベース上で有効か」であって、「目の前のカードが出入国在留管理庁の発行した本物か」ではありません。
実在する他人の在留カードの番号と有効期間をそのまま使い、氏名や写真、在留資格、就労制限の欄だけを書き換えた偽造カードであれば、失効情報照会には「失効していません。」と表示されます。出入国在留管理庁は、雇用主向けのリーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」で、「確認結果は、在留カード等の有効性を証明するものではありません。昨今、実在する在留カード等の番号を悪用した偽造在留カード等も存在する」と注意を促しています。
在留カード等読取アプリの導入目的の説明でも、出入国在留管理庁は「近年、券面の偽造技術の精巧化、有効な在留カード番号を使用した偽変造在留カード作成事案が発生するなど、これまで以上に偽変造在留カード対策が必要」としています。番号照会は、偽造対策の入口であって、それだけで確認が完了するものではないというのが、出入国在留管理庁自身の立場です。
在留カード等読取アプリとの併用
偽造を見抜くために出入国在留管理庁が用意しているのが、在留カード等読取アプリケーション(以下「読取アプリ」)です。在留カードに埋め込まれたICチップの情報を読み取り、カードが真正なものであることを認証したうえで、ICチップ内の氏名、顔写真、在留資格などを画面に表示します。券面の記載とICチップの情報を見比べれば、券面だけを書き換えた偽造は見分けられます。
読取アプリは、Windows、macOS、Android、iOSの各版が無料で配布されています。スマホであればNFC Type B対応の端末、パソコンであれば非接触型ICカードリーダライタ(拡張APDU対応機種)が必要です。iPadには対応していません。
2025年11月14日からは、読取アプリから失効情報照会も利用できるようになりました。ICチップを読み取れば番号の入力が不要になり、アプリ上で照会結果まで確認できます。出入国在留管理庁は、アプリを使う場合も失効情報照会を併せて利用するよう求めています。
読取アプリの操作手順と、読み取れないときの対処は在留カード読み取りアプリの使い方|ICチップで偽造を見分ける手順と結果画面で扱います。券面の偽造防止の工夫(ホログラムや透かしなど)の見方は在留カードの偽造の見分け方|法務省が示すホログラム・透かし・MOJ文字の確認で説明しています。
2026年6月14日からの新様式カードで注意すること
2026年6月14日から、新様式の在留カードと、マイナンバーカードと一体化した特定在留カードの交付が始まりました。新様式のカードでは、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が券面に記載されなくなっています。
当初は、読取アプリで新様式のカードを読み取っても、これらの券面にない項目は表示されませんでした。2026年8月19日にリリースされたバージョンから、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」が表示されるようになっています(「交付年月日」は引き続き表示されない)。古いバージョンのアプリを使っている会社は、更新しておく必要があります。特定在留カードは、デジタル庁のマイナンバーカード対面確認アプリ(2026年8月時点でiOS版のみ)でも在留期間などを読み取れます。
不法就労助長罪の「知らなかった」と過失の関係
企業が在留カードの確認にこだわる理由は、不法就労助長罪にあります。入管法73条の2第1項は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者などを、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科に処すると定めています。法人の業務に関して従業員が行った場合は、両罰規定(76条の2)により法人も罰金刑の対象です。2027年4月1日からは、この法定刑が5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金に引き上げられます(令和6年法律第60号による改正)。
ここで重要なのは、同条第2項の規定です。
前項各号に該当する行為をした者は、次の各号のいずれかに該当することを知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。
同項が挙げるのは、外国人の活動が在留資格で認められない就労であること、資格外活動許可を受けていないこと、不法残留などの状態にあることです。つまり、雇った外国人が働けない人だったと「知らなかった」だけでは処罰を免れず、免れるのは知らなかったことに過失がない場合に限られます。
出入国在留管理庁のリーフレットは、この点を「当該外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には、処罰を免れません」と説明しています。
失効情報照会をしていれば過失がないといえるか
では、失効情報照会で「失効していません」と確認していれば、過失はないといえるのでしょうか。法律にも出入国在留管理庁の資料にも、何をすれば過失がないとされるかの基準は書かれていません。最終的には個別の事情を踏まえて判断されるものです。
そのうえで筆者は、失効情報照会だけでは過失がないと主張する材料として弱いと考えています。理由は2つあります。1つは、出入国在留管理庁が照会の結果を「有効性を証明するものではない」と明言し、読取アプリとの併用を推奨していることです。国が無料で配布している確認手段を使わなかった場合、その点が過失の判断で不利に働く可能性があります。もう1つは、失効情報照会では就労制限の有無や資格外活動許可の内容が分からないことです。番号が有効な本物のカードでも、「就労不可」の留学生を資格外活動許可なしで雇えば不法就労になります。
反対に、原本の提示を受け、券面の就労制限欄と裏面の資格外活動許可欄を確認し、読取アプリでICチップの情報と券面が一致することを確かめ、失効情報照会で番号が有効であることを確認し、その記録を残していれば、「知らなかったことに過失がない」と主張するための材料をそろえたことになります。確認を尽くしても見抜けないほど精巧な偽造であった場合に、はじめて過失の有無が争点になる、という順序で考えるのが実務的です。企業が問われる責任の全体像は不法就労助長罪とは?企業が問われる責任・罰則と防ぐための確認方法で解説しています。
採用時の確認手順|5つのステップ
以上を踏まえ、採用時の在留カード確認を手順に落とすと次のようになります。
- 原本の提示を受ける:写しや写真での確認はしない。本人の同意を得て提示を受ける
- 券面を確認する:氏名・生年月日・写真が本人と一致するか、在留資格、在留期間(新様式は読取アプリで確認)、表面の「就労制限の有無」欄、裏面の「資格外活動許可欄」
- 読取アプリでICチップを読み取る:券面とICチップの情報(特に顔写真・氏名・在留資格・就労制限)が一致するか
- 失効情報照会をする:読取アプリから照会するか、サイトに番号と有効期間満了日を入力する
- 記録を残す:確認日、確認者、照会結果、アプリの読取結果を記録し、本人の同意を得て在留カードの写しを保管する
2の就労制限欄で見るべき記載は、「就労制限なし」「在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書により指定された就労活動のみ可」「就労不可」のいずれかです。指定書がある在留資格(特定技能、特定活動など)は、パスポートに添付された指定書で就労できる機関や活動も確認します。
「就労不可」の留学生や家族滞在の人を雇う場合は、裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されているか、または資格外活動許可書が交付されているかを確認します。
雇用した後は、ハローワークへの外国人雇用状況の届出で在留カード番号を記載する必要があり、この届出が入管の審査でどう使われるかは外国人雇用状況の届出とは?で解説しています。
在職中の社員にも照会すべきか
採用時だけでなく、在職中の社員の在留期間が更新されたときにも、新しいカードで同じ確認をしておくのが安全です。更新許可を受けると在留カードの番号が変わるため、古い番号を記録したままだと、その番号は失効と表示されます。
更新申請中の社員については、在留カードの裏面に「在留期間更新許可申請中」のスタンプがあるか、オンライン申請であれば申請受付番号が記載されたメールを確認し、失効情報照会で「失効していません」と表示されることを合わせて確認します。
照会結果が「失効」だったときの対応
照会で失効と表示された場合、直ちに不法就労や偽造と決めつける必要はありません。よくある原因は次のとおりです。
- 入力の誤り:番号の英字と数字の読み違い(Oと0、Iと1など)、有効期間満了日の入力ミス
- 古いカードの提示:更新や再交付で新しいカードを受け取った後、古いカードを提示している
- 交付当日のカード:新しいカードを受け取った当日で、データがまだ反映されていない
入力と提示されたカードを確認し直しても失効と表示される場合は、本人に事情を確認し、有効な在留カードが確認できるまで就労を開始させないことが原則です。偽変造が疑われる在留カードを見つけた場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署に問い合わせるよう、出入国在留管理庁は案内しています。
よくある質問
在留カード番号等失効情報照会とは?
出入国在留管理庁が無料で公開しているウェブサイトで、在留カードまたは特別永住者証明書の番号と有効期間の満了日を入力すると、その番号が失効していないかを確認できます。URLは2026年1月5日から https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html です。
在留カードの失効確認はどうやってする?
照会サイトで在留カード番号と有効期間の満了日を入力するか、在留カード等読取アプリでICチップを読み取り、アプリから照会します。アプリを使えば番号の入力は不要です。いずれの方法でも、結果が表示されるのは番号の有効・失効だけなので、就労制限の有無は券面やアプリで別に確認します。
「失効していません」と表示されたら在留カードは本物ですか?
本物であることの証明にはなりません。実在する番号を使った偽造カードでも「失効していません」と表示されます。出入国在留管理庁は、読取アプリでICチップの情報と券面を照合することを推奨しています。
在留期限が過ぎているのに「失効していません」と表示されるのはなぜですか?
在留期間の更新や変更の申請中で、特例期間に入っている可能性があります。申請中は在留期間の満了日を過ぎても、最長で満了日から2か月まで、それまでの在留資格で在留できます。在留カード裏面のスタンプや、オンライン申請の申請受付番号のメールで、申請中であることを確認してください。
照会したことは本人や入管に通知されますか?
出入国在留管理庁の案内資料には、照会したことを本人に通知するという記載はありません。読取アプリについては、ICチップから読み取った氏名や在留資格などの情報を出入国在留管理庁や第三者に送信しないと、プライバシーポリシーに明記されています。いずれの場合も、カードの提示を受ける際は本人の同意を得ることが前提です。
確認を「形式」で終わらせないために
失効情報照会は、入力に1分もかからず、無料で、誰でも使えます。その手軽さのために、照会を済ませたことで確認を終えたと考えてしまいがちです。しかし、照会が教えてくれるのは番号が生きているかどうかだけで、カードが本物か、その人がその仕事をしてよいかは教えてくれません。
採用の現場で実際に問われるのは、目の前の外国人が、その在留資格で、自社のその業務に就けるかどうかです。そのためには、券面の就労制限と在留資格の内容、読取アプリによるICチップとの照合、失効情報照会の3つを組み合わせ、確認した事実を記録として残すことが必要です。手順を社内の採用マニュアルに書き込み、担当者が替わっても同じ確認ができるようにしておけば、不法就労助長罪の「過失」を問われる場面を大きく減らせます。個別の雇用が適法かどうかは個別の事情で判断が変わるため、在留資格と業務内容の適合に迷う場合は、雇用契約の前に専門家に確認してください。
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根拠資料
- 在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ(出入国在留管理庁)
- 在留カード等番号失効情報照会について(出入国在留管理庁)
- 在留カード等読取アプリが便利になります(2025年11月14日から失効情報照会に対応)(出入国在留管理庁)
- 新様式の在留カードに係る在留期間の確認方法について(出入国在留管理庁・2026年8月19日時点)
- 外国人を雇用する事業主の皆様へ(出入国在留管理庁)
- 外国人の適正な雇用にご協力ください(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法 第73条の2・第76条の2(e-Gov法令検索)
- 出入国管理及び難民認定法 2027年4月1日施行版(e-Gov法令検索)
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