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在留カードを紛失したら?14日以内の再交付申請と遺失届・会社の対応

在留カードを紛失したら、まず警察に遺失届を出し、そのうえで紛失に気づいた日から14日以内に、住居地を管轄する地方出入国在留管理局で再交付を申請します。期限は入管法19条の12が定めており、手数料はかかりません。新しいカードは原則として申請した日に交付されます。14日を過ぎても申請しないと刑事罰の対象になり、拘禁刑に処せられれば退去強制事由にも当たるため、「そのうち行こう」と後回しにしてよい手続ではありません。

在留カードを紛失したら「14日以内に再交付申請」

入管法19条の12第1項は、在留カードの交付を受けた中長期在留者が、紛失、盗難、滅失その他の事由により在留カードの所持を失ったときは、その事実を知った日から14日以内に、出入国在留管理庁長官に対して在留カードの再交付を申請しなければならないと定めています。

ここでいう「所持を失った」とは、手元に在留カードがなくなった状態を広く指します。落とした場合(紛失)、盗まれた場合(盗難)、火事や水害で燃えたり流されたりした場合(滅失)のいずれも同じ手続です。カードが手元にあるものの、割れた、文字が読めない、ICチップが読み取れないといった場合は、19条の13の「汚損等による再交付」という別の手続になります。こちらは公式案内をご確認ください。

期限の起算点は「その事実を知った日」です。財布ごと落としたことに数日後に気づいた場合は、気づいた日から14日を数えます。海外にいる間に紛失に気づいた場合は、その後最初に日本に入国した日から14日以内です。

再交付までの流れ

手続は、警察への届出と入管への申請の2段階です。

1. 警察に遺失届・盗難届を出す

最寄りの警察署か交番で、在留カードをなくしたことを届け出ます。紛失なら遺失届、盗まれたなら盗難届(被害届)です。オンラインで遺失届を受け付けている都道府県警察もあります。

入管の再交付申請では、紛失・盗難の事実を示す資料として、遺失届出の受理番号や盗難届出の受理番号を申告します。受理番号は届出の際に警察から伝えられるので、必ず控えておきます。遺失届出証明書などの書面の交付を受けておけば、なおよいでしょう。火災や災害で失った場合は、消防署や市区町村が発行する罹災証明書などを用意します。

2. 入管で再交付を申請する

申請先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。福岡県内に住んでいる人なら、福岡出入国在留管理局またはその出張所が窓口になります。受付時間は、平日の午前9時から12時、午後1時から4時が基本です(官署により異なります)。

出入国在留管理庁の手続案内が示す必要書類は次のとおりです。

  • 在留カード再交付申請書
  • 写真1葉(縦4cm×横3cm。16歳未満の人は不要)
  • 在留カードの所持を失ったことを証する資料(遺失届出の受理番号、盗難届出の受理番号、罹災証明書など)
  • 旅券(パスポート)または在留資格証明書(提示)

申請は原則として本人が行います。本人が16歳未満の場合や病気などで出頭できない場合は、同居の親族などが代わりに申請できます。また、地方出入国在留管理局長に申請取次の承認を受けた所属機関の職員や、届出をした弁護士・行政書士も、申請を取り次ぐことができます。

3. 新しい在留カードを受け取る

標準処理期間は原則として即日で、多くの場合は申請したその日に新しい在留カードを受け取れます。混雑している日や、写真の不備などがある場合は時間がかかることがあります。

新しいカードの在留カード番号は、紛失したカードとは別の番号になります。紛失したカードは、新しいカードの交付を受けた時点で効力を失います(入管法19条の14第5号)。

再交付の手数料は無料

紛失・盗難・滅失による再交付の手数料は、出入国在留管理庁の手続案内で「なし」とされています(2026年9月29日確認)。

2026年10月1日から在留許可手数料の額が改定されましたが、改定の対象は在留資格の変更許可、在留期間の更新許可、永住許可などの許可手数料です。紛失による在留カードの再交付の手数料は、改定後も手続案内上は無料のままです。

有料になるのは、カードに特に問題がないのに交換を希望する場合(19条の13第1項後段)で、手数料は1,900円(収入印紙)です。紛失の場合はこれに当たりません。在留資格の変更・更新の手数料の改定は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?で解説しています。

14日を過ぎたらどうなるか:罰則と退去強制

再交付申請をしなかった場合の罰則は、入管法71条の2第2号に定められています。19条の12第1項の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処するとされています。

問題はそれだけではありません。入管法24条4号の4は、中長期在留者で71条の2の罪により拘禁刑に処せられた者を、退去強制事由として挙げています。罰金で済めば退去強制事由には当たりませんが、在留期間の更新や永住申請の審査で、入管法上の義務を守っていなかった事実として消極的に評価されます。永住許可に関するガイドラインは、入管法に定める届出等の義務を適正に履行していることを求めています。

実際に14日を1日過ぎただけで直ちに刑事手続になるとは限りませんが、遅れた場合は遅れた理由を申請書や説明書で正直に説明し、できるだけ早く申請することが最善の対応です。

再交付を受けるまでの間に気をつけること

在留カードをなくしている間も、中長期在留者の在留カードの携帯義務(入管法23条2項)は続いています。カードを持てない間は、パスポートを携帯しておきます。23条1項は、在留カードを携帯しない場合には旅券の携帯を求めており、警察官などから提示を求められたときは、パスポートと、警察に遺失届を出したことを伝えて対応します。

同じ理由で、再交付を受けるまでは出国の予定を入れないほうが安全です。みなし再入国許可で出国できるのは、有効な旅券と在留カードを持っている中長期在留者に限られます(入管法26条の2第1項)。在留カードがないまま出国すると、みなし再入国許可の対象にならず、再入国許可を別に受けていない限り、在留資格を失うおそれがあります。出国前に紛失に気づいたら、先に再交付を受けてください。出国と在留資格の関係は再入国許可とみなし再入国許可の違いで解説しています。

海外で在留カードを紛失した場合

一時帰国や出張の途中、海外で在留カードをなくした場合も、日本に戻ることはできます。みなし再入国許可または再入国許可は、出国の時点で有効に受けているためです。

帰国の際は、パスポートを提示して入国審査を受けます。空港の入国審査官に、在留カードを海外で紛失したことを伝えておくと手続が円滑です。再入国の際に空港で新しい在留カードが交付されるわけではないため、日本に入国した日から14日以内に、住居地を管轄する地方出入国在留管理局で再交付を申請します。

紛失・盗難の事実を示す資料としては、現地の警察に届け出た証明書などを用意します。現地で届出をしていない場合は、日本の警察に遺失届を出せるかを確認し、紛失の経緯を説明できるようにしておきます。

なくした在留カードが見つかったら

再交付を受けた後に、なくしたカードが見つかることがあります。この場合、古いカードはすでに効力を失っており、見つけた日から14日以内に出入国在留管理庁長官に返納しなければなりません(入管法19条の15第3項)。返納は地方出入国在留管理官署の窓口のほか、郵送でもできます。

再交付の申請前に見つかった場合は、再交付の必要はありません。警察に出した遺失届は、見つかった旨を警察に連絡しておきます。

古いカードを持ち続けたり、身分証として使ったりしてはいけません。在留カード番号で失効を確認できる仕組みがあるため、失効したカードは企業の採用時の確認でも問題になります。返納の方法は公式案内をご確認ください。

外国人社員が在留カードを紛失したときの会社の対応

企業の人事担当者が社員から紛失の報告を受けたときに、会社として押さえておくべき点は次のとおりです。

1つ目は、14日の期限を社員と共有することです。社員の中には、再交付の義務や期限を知らない人もいます。報告を受けた日を記録し、警察への届出と入管への申請の予定を確認します。入管の受付は平日の日中に限られるため、申請のための休暇や外出を認めることが、会社としてできる現実的な支援です。

2つ目は、会社が在留カードを預からないことです。紛失を防ぐためという理由でも、会社が在留カードを保管すると、本人が携帯義務を果たせなくなります。確認は写しで行い、原本は本人に持たせるのが原則です。

3つ目は、再交付後のカードの確認です。新しいカードは在留カード番号が変わるため、社内で保管している写しを差し替え、番号を記録し直します。在留資格や在留期間の記載に変わりがないことも確認しておきます。在留カードの記載事項の見方は在留カードの確認方法|採用時に見るべき表面・裏面の5か所と写しの保管で整理しています。

会社の職員が申請取次の承認を受けている場合は、社員に代わって再交付申請を取り次ぐこともできます。ただし、紛失の経緯や遺失届の受理番号は本人から正確に聞き取る必要があります。

よくある質問

在留カードを紛失したら罰金はありますか?

紛失したこと自体に罰則はありません。罰則の対象になるのは、紛失を知った日から14日以内に再交付を申請しなかった場合で、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です(入管法71条の2第2号)。期限内に申請すれば、罰則の問題は生じません。

在留カードを紛失したらどこに連絡すればいいですか?

最初に警察(最寄りの警察署・交番)に遺失届または盗難届を出し、受理番号を控えます。そのうえで、住居地を管轄する地方出入国在留管理局に再交付を申請します。手続が分からない場合は、出入国在留管理庁の電話相談窓口(外国人在留総合インフォメーションセンターなど)でも案内を受けられます。

再発行すると在留カードの番号は変わりますか?

変わります。再交付された在留カードは新しい番号になり、紛失したカードは新しいカードの交付を受けた時点で効力を失います。勤務先や銀行など、在留カード番号を届けている先には新しい番号を伝えてください。

在留カードの再発行にはいくらかかりますか?

紛失・盗難・滅失による再交付は無料です(2026年9月29日時点の出入国在留管理庁の手続案内)。有料になるのは、カードに問題がないのに交換を希望する場合で、1,900円です。写真代や交通費は別にかかります。

在留カードを紛失したまま出国できますか?

在留カードがないと、みなし再入国許可の対象になりません。そのまま出国すると在留資格を失うおそれがあるため、出国前に再交付を受けてください。すでに海外にいる間に紛失した場合は、日本に戻った日から14日以内に再交付を申請します。

紛失に気づいたら、まず日付を控える

在留カードの紛失で最も避けたいのは、手続の遅れが在留資格の審査に響くことです。再交付そのものは無料で即日に終わる手続なので、負担が大きいのは、仕事を休んで入管に行く時間を確保することだけです。

紛失に気づいたら、気づいた日を記録し、その日のうちに警察に届け出て受理番号を控えてください。14日の期限は、その日から数え始まります。永住申請や在留期間の更新を控えている人にとって、届出の遅れは後から説明が必要になる事情の一つになります。個別の事情で判断が変わるため、期限を過ぎてしまった場合は、申請前に専門家に相談することをお勧めします。

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。