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在留カードとは?表面・裏面の見方と記載事項|採用時に確認すべき欄

在留カードは、日本に3か月を超えて在留する外国人(中長期在留者)に出入国在留管理庁が交付するカードで、採用の場面では「就労制限の有無」「在留期間の満了日」「裏面の資格外活動許可欄」の3か所を見れば、その人をどの仕事に就かせてよいかの大半が判断できます。記載事項は入管法19条の4に列挙されており、券面の各欄はこの条文の各号にそのまま対応しています。2026年6月14日から交付が始まった新様式では「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」の4項目が券面から消え、ICチップだけに記録されるようになりました。

在留カードとは何か|交付される人・されない人

入管法19条の3は、在留資格をもって日本に在留する外国人のうち、一定の人を除いた者を「中長期在留者」と定義し、出入国在留管理庁長官がこの中長期在留者に在留カードを交付すると定めています。除かれるのは次の人です。

  • 3月以下の在留期間が決定された人
  • 「短期滞在」の在留資格が決定された人
  • 「外交」または「公用」の在留資格が決定された人
  • これらに準ずる者として法務省令で定める人

観光や短期商用で来日した人、在留期間3月の許可を受けた人には在留カードがありません。特別永住者には在留カードの代わりに特別永住者証明書が交付されます(入管特例法)。採用面接で「在留カードを持っていない」と言われたときは、まずこの区分のどれに当たるのかを確認することになります。

カードが交付される場面は3つあります。新規入国時に成田・羽田・関西・中部・新千歳・広島・福岡などの主要空港で上陸許可と同時に交付される場合、在留資格の変更・在留期間の更新などの許可を受けた場合、そして記載事項の変更や紛失による再交付の場合です。地方空港から入国した人は、住居地の届出をした後に郵送で受け取ります。

表面の記載事項は入管法19条の4の各号に対応している

表面の欄を上から読むより、条文の号と対応させて読むほうが、何のための欄なのかが分かります。19条の4第1項が定める記載事項と、券面の欄の関係を整理すると次の表になります。

入管法19条の4第1項 券面の欄 採用時の意味
1号 氏名・生年月日・性別・国籍・地域 氏名、生年月日、性別、国籍・地域 旅券・履歴書との一致を確認
2号 住居地 住居地(表面)/住居地記載欄(裏面) 届出どおりの住所かを確認
3号 在留資格・在留期間の満了の日 在留資格、在留期間(満了日) 業務内容との適合、雇用できる期限
4号 在留カードの番号・有効期間の満了の日 番号(右上)、有効期限(下部) 失効照会、カード自体の期限
5号 就労制限の有無 就労制限の有無 働けるかどうかの第一判断
6号 資格外活動許可を受けているときはその旨 資格外活動許可欄(裏面) 就労不可の人がアルバイトできる範囲
7号 その他法務省令で定める事項 写真など 本人確認

ここで押さえておきたいのは、在留カードには「在留期間」(たとえば「3年」)と「在留期間の満了日」(たとえば「2029年4月1日」)という似た2つの情報がある点です。条文上、券面に記載するのは3号の「満了の日」で、期間の長さそのものは19条の4第5項1号の電磁的記録事項(ICチップへの記録)に分類されています。従来の様式では両方が券面に印字されていましたが、新様式からは満了日だけが印字されます。

写真は、交付日に法務省令で定める年齢に満たない場合を除いて表示されます(19条の4第3項)。出入国在留管理庁の案内では、2026年6月13日以前の交付分は16歳以上、6月14日以降の交付分は1歳以上が写真表示の対象です。

採用担当が確認する順番|まず「就労制限の有無」から

採用の可否は、次の順で見ていくと迷いません。

1. 就労制限の有無

表面中ほどの「就労制限の有無」欄には、次のいずれかが記載されています。

  • 「就労制限なし」:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者。業種・職種を問わず雇用できます
  • 「在留資格に基づく就労活動のみ可」:技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能など。在留資格の範囲内の業務に限ります
  • 「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書により指定された就労活動のみ可」:特定技能、高度専門職、特定活動など。旅券に添付された指定書で、勤務先や活動内容を確認します
  • 「就労不可」:留学、家族滞在、文化活動、短期滞在など。裏面の資格外活動許可がなければ雇用できません

「在留資格に基づく就労活動のみ可」の人を、その在留資格では認められない業務(たとえば技人国の社員を工場ラインの単純作業に専従させる)に就かせると、本人は資格外活動、会社は不法就労助長の問題になります。企業側の責任の範囲は不法就労助長罪とは?企業が問われる責任・罰則と防ぐための確認方法で詳しく扱っています。

2. 在留資格

「在留資格」欄の名称が、任せる予定の業務と合っているかを確認します。同じ「在留資格に基づく就労活動のみ可」でも、「技能」は熟練した調理や製造、「特定技能」は分野ごとに決められた業務、「技術・人文知識・国際業務」は専門的・技術的な業務と、できる仕事がまったく違います。特定技能と特定活動は在留資格名だけでは活動の範囲が分からないため、指定書の確認が欠かせません。

3. 在留期間の満了日

「在留期間(満了日)」は、この日までは現在の在留資格で在留できるという日付です。満了日を過ぎても更新・変更の許可を受けずに在留すると不法残留になり、その人を働かせ続けた会社も責任を問われる可能性があります。

入社日が満了日の直前・直後に来る場合は、更新申請のタイミングを本人と共有しておく必要があります。申請期限の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?申請期限と標準処理期間にまとめています。

4. 裏面の資格外活動許可欄

「就労不可」の人を採用できるかどうかは、裏面で決まります。次の章で詳しく扱います。

5. 在留カードの有効期限と番号

最後に、表面下部の「このカードは〇年〇月〇日まで有効です」という有効期限と、右上の在留カード番号を確認します。番号は出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」に入力すると、そのカードが失効していないかが分かります。

裏面の見方|3つの欄が意味するもの

裏面には、上から「住居地記載欄」「資格外活動許可欄」「在留期間更新等許可申請欄」の3つの欄があります。表面は許可を受けた時点の情報で、裏面はその後に起きた変化を書き足していく場所だと考えると理解しやすくなります。

住居地記載欄

引越しをして市区町村に転入届を出すと、窓口の職員が新しい住所と届出日を裏面に記載します。中長期在留者は、住居地を変更したら移転した日から14日以内に新住居地の市区町村に届け出なければなりません(入管法19条の9第1項)。表面の住所と履歴書の住所が違う場合、裏面に新住所が書かれていれば届出済み、書かれていなければ未届の可能性があります。

資格外活動許可欄

「就労不可」の人がアルバイトをするには、出入国在留管理庁長官の資格外活動許可(入管法19条2項)が必要です。許可を受けると、この欄に許可の内容が記載されます。留学生や家族滞在の人の包括許可では「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されるのが一般的です。

欄に何も書かれていなければ、許可を受けていないということです。この状態で雇用すると、会社は「知らなかった」では免責されません。入管法73条の2第2項は、外国人が資格外活動許可を受けていないことを知らなかったことを理由として処罰を免れることはできず、過失がないときに限って処罰されないと定めています。在留カードを見れば確認できた事項について、過失なしと認められるのは難しいと筆者は考えます。

週28時間の数え方や、技人国の社員が副業をする場合の個別許可については技術・人文知識・国際業務の外国人はアルバイト・副業できる?資格外活動許可を解説も参考にしてください。

在留期間更新等許可申請欄

在留期間の更新や在留資格の変更を申請すると、受付時にこの欄に「在留期間更新許可申請中」「在留資格変更許可申請中」といった記載がされます。

この記載は、在留期間の満了日を過ぎていても適法に在留している可能性を示すものです。満了日までに更新・変更の申請をした人は、その処分がされる時か、満了日から2か月を経過する日のいずれか早い時まで、従前の在留資格で在留できます(入管法20条6項、21条4項)。これを「特例期間」と呼びます。表面の満了日が過ぎていても裏面に申請中の記載があれば、特例期間中である可能性が高く、直ちに不法残留とは言えません。一方で、満了日から2か月を過ぎても結果が出ていない場合は、本人に通知書の有無を確認する必要があります。

在留カードの有効期間|2026年6月から永住者は「10回目の誕生日」まで

在留カードの有効期間と在留期間は、別のものです。有効期間は入管法19条の5が定めており、現行の条文は次のとおりです。

  • 永住者(18歳未満の人を除く)と高度専門職2号:交付の日後の10回目の誕生日まで
  • 永住者で交付の日に18歳未満の人:交付の日後の5回目の誕生日まで
  • それ以外の人:在留期間の満了の日まで

永住者と高度専門職2号は在留期間に期限がないため、カードの有効期間だけが定められています。この人たちは在留資格の更新は不要ですが、カードの有効期間の更新申請(19条の11)は必要です。有効期間の満了日を過ぎてもカードの更新をしていない永住者は、在留資格そのものは失いませんが、届出義務違反の状態になります。

出入国在留管理庁のQ&Aによれば、2026年6月14日より前に交付された在留カードは、施行後も記載された有効期限まで有効で、切り替えの手続は不要です。改正前の有効期間は、永住者などで16歳以上の人は交付の日から7年間でした。社内に新旧のカードが混在していても、どちらも有効なカードとして扱って問題ありません。

新様式の在留カードと特定在留カード

2026年6月14日から、在留カードの様式が変わり、マイナンバーカードと一体化した「特定在留カード」の交付も始まりました。採用担当にとっての影響は、券面から4項目が消えたことです。

新様式で券面に記載されなくなったのは「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」で、いずれも入管法19条の4第5項の電磁的記録事項としてICチップに記録されます。出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」は、2026年8月19日のリリース版から、この「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」を表示できるようになりました。特定在留カードは、デジタル庁のマイナンバーカード用「対面確認アプリ」(iOS版)でも読み取れると案内されています。

実務上の変化は2点です。1つは、「在留期間3年」「許可:在留期間更新許可」のような情報を目視で確認できなくなったこと。社内の管理台帳に在留期間の長さを記録している会社は、読取アプリで確認するか、本人に許可通知の写しをもらう運用に切り替える必要があります。もう1つは、特定在留カードの取得が任意であるため、同じ職場に「在留カードとマイナンバーカードの2枚持ち」の社員と「特定在留カード1枚」の社員が並ぶことです。どちらのカードでも、在留資格の証明としての効力は変わりません。

新様式の券面の違いと旧カードの見分け方は、在留カードの新様式とは?2026年6月からの変更点と旧カードの見分け方で詳しく取り上げます。

偽造カードを見抜くには|目視・失効照会・ICチップ

在留カードの偽造は後を絶ちません。入管法は在留カードの偽造・変造・行使を1年以上10年以下の拘禁刑(73条の3)、偽造カードの所持を5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(73条の4)と重く罰していますが、偽造カードを提示された会社が、偽物と気づかずに雇用した場合でも過失が問われる余地は残ります。

確認の手段は3段階あります。

  1. 目視:出入国在留管理庁が公表しているホログラム、透かし、角度で色が変わるインクなどを確認します
  2. 在留カード等番号失効情報照会:番号と有効期限を入力し、失効していないかを確認します。ただし、実在する番号を使った偽造カードはこの照会では見抜けません
  3. 在留カード等読取アプリケーション:ICチップの情報を読み取り、券面の情報と一致するかを確認します。スマートフォン(Android 12.0以降、iOS 16.0以降でNFC Type B対応の端末。Androidの12.0以降はサポートページの表記で、2026年5月7日のAndroid版操作マニュアル第1.10版は14.0以上としています)やパソコンとICカードリーダで使えます

この中で確実性が高いのは3つ目です。ICチップの記録は券面より改ざんが難しく、新様式では券面にない項目もチップにしか入っていないため、読取アプリでの確認は今後の標準的な手順になると筆者は見ています。読取アプリの具体的な手順は在留カード読み取りアプリの使い方|ICチップで偽造を見分ける手順と結果画面で解説します。

携帯義務と「会社が預かる」ことの問題

中長期在留者は、在留カードを常に携帯しなければなりません(入管法23条2項)。16歳未満の人は携帯義務が免除されます(同条5項)。携帯していなかった場合は20万円以下の罰金(75条の3)、警察官などから提示を求められて拒んだ場合は1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金(75条の2第2号)の対象です。

採用時に会社がすべきことは、原本を見て確認し、両面の写しを取って保管することです。原本を会社が預かることは避けてください。本人が携帯義務を果たせなくなるうえ、転職や帰国を妨げる目的での保管と受け取られるおそれがあります。

確認した在留資格や在留期間は、雇用保険の被保険者資格取得届や外国人雇用状況届出書に記載してハローワークに届け出ることになります(労働施策総合推進法28条)。この届出の情報が入管の在留審査で使われる仕組みは、外国人雇用状況の届出とは?ハローワークへの届出が入管の在留審査でどう使われるかで解説しています。

よくある質問

在留カードは1年ごとに更新ですか?

在留期間が「1年」の人は、在留期間の更新許可を受けるたびに新しいカードが交付されるので、結果として1年ごとにカードが変わります。在留期間が3年・5年の人はその年数ごとです。永住者と高度専門職2号は在留期間の更新がなく、カードの有効期間の更新だけが必要で、2026年6月14日以降に交付されたカードは交付の日後の10回目の誕生日(18歳未満の永住者は5回目)までが有効期間です。

在留資格証明書と在留カードの違いは?

在留カードは中長期在留者全員に交付され、常に携帯する義務があるカードです。在留資格証明書は、本人の申請に基づいて出入国在留管理庁が現在の在留資格や在留期間を証明する書面で、在留カードが交付されない短期滞在の人などが在留状況を証明する必要があるときに使われることが多い書類です。採用時の確認に使うのは在留カードで、在留資格証明書は補助的な書類と考えてください。

在留カードが有効かどうか、ネットで確認できますか?

できます。出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」のページで、在留カード番号と有効期間の満了日を入力すると、そのカードが有効か失効しているかが表示されます。ただし、有効な番号を流用した偽造カードは判別できないため、読取アプリによるICチップの確認と組み合わせるのが確実です。

特別永住者は在留カードの更新が必要ですか?

特別永住者には在留カードではなく特別永住者証明書が交付されます。在留期間の更新はありませんが、証明書の有効期間の更新は必要です。特別永住者証明書には就労制限がなく、業種を問わず雇用できます。

在留カードとマイナンバーカードは一緒になったのですか?

2026年6月14日から、希望する人は両方を一体化した「特定在留カード」の交付を受けられるようになりました。取得は任意で、従来どおり在留カードとマイナンバーカードを別々に持つこともできます。出入国在留管理庁は、マイナンバーカードの取得が任意である以上、特定在留カードの取得も義務ではないと説明しています。

採用時に「どの欄を、どの順で、何で確認したか」を記録に残す

在留カードの確認で問われるのは、見たかどうかより、何を根拠に就労可能と判断したかです。入管法73条の2第2項が過失の有無で責任を分けている以上、会社にとっての防御は、確認の手順を決めて、その記録を残しておくことに尽きます。

具体的には、採用時のチェックシートに「就労制限の有無」「在留資格と業務の適合」「在留期間の満了日」「裏面の資格外活動許可と申請中の記載」「失効照会・読取アプリの結果」の5項目を設け、確認日と確認者を書き込んでおくことをお勧めします。新様式のカードでは券面から在留期間や許可の種類が消えたため、読取アプリでの確認結果を残す欄も加えておくと、後から説明を求められたときに役立ちます。

判断に迷うのは、指定書が付いた特定活動、申請中で満了日を過ぎているケース、資格外活動の個別許可のように、券面だけでは結論が出ない場面です。個別の事情で判断が変わるため、こうしたケースでは採用を決める前に専門家に相談してください。

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根拠資料


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