本文へ移動
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室
保利国際法務事務所の外国人採用・就労ビザLPへ 電話で無料相談 050-5526-5506 いますぐ無料相談フォームへ
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室

外国人採用の費用はいくら?在留資格別の採用コストと2026年10月手数料改定

外国人を1人採用する費用は、在留資格と採用ルート(海外から呼ぶか、国内で採るか)で決まり、「総額いくら」という一つの相場はありません。確実に言えるのは、費用が2種類に分かれることです。入管に納める手数料や査証手数料のように法令で額が決まる費用と、人材紹介料・申請書類の作成報酬・特定技能の支援委託費のように市場で決まる費用です。前者は2026年10月1日の手数料改定で大きく変わり、在留資格変更・期間更新の手数料は、許可される在留期間に応じて窓口10,000円から75,000円になります。本記事では、公的な数字で押さえられる部分を先に確定させ、そのうえで在留資格別に費用の組み立て方を示します。

外国人採用の費用は「法令で決まる費用」と「市場で決まる費用」に分かれる

採用の見積りで最初にやるべきことは、費目を2つに仕分けることです。

法令で決まる費用とは、出入国在留管理庁に納める在留手続の手数料、外務省の査証手数料、特定技能の分野によって加入が必要な団体の会費など、制度上の額が公表されている費用を指します。会社が交渉しても変わらず、見積りの中で唯一「確定値」として扱える部分です。

市場で決まる費用とは、人材紹介会社への紹介料、行政書士への申請報酬、登録支援機関への支援委託費、海外の送出機関に払う費用、渡航費や住居の準備費用などを指します。会社ごと・国ごとに額が違い、選び方で大きく変わります。

民間の記事に並ぶ「総額80万〜150万円」といった数字は、この2つを足し合わせたものです。そのまま予算にすると、実際の見積りとずれる原因になります。筆者は、法令で決まる費用を確定させ、市場で決まる費用は複数の見積りを取って比べる、という順番で予算を組むことを勧めます。

法令で決まる費用|2026年10月1日の入管手数料改定

在留資格認定証明書は手数料なし、変更・更新は許可期間に応じた額

海外から外国人を呼ぶときに会社が申請する在留資格認定証明書の交付申請には、手数料がかかりません。これは改定後も同じです。費用が発生するのは、国内で在留資格を変える「在留資格変更許可」と、在留期間を延ばす「在留期間更新許可」です。

2026年10月1日から、変更・更新の手数料は許可される在留期間に応じた額になりました(入管法施行令25条1項、出入国在留管理庁リーフレット)。

許可される在留期間 窓口 オンライン
3月以下 10,000円 10,000円
3月超6月以下 18,000円 15,000円
6月超1年未満 25,000円 21,000円
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円

改定前は、在留期間にかかわらず窓口6,000円・オンライン5,500円でした。2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月以降になっても改定前の額が適用されます。本記事の公開日である9月29日時点では、翌30日の受付が旧額の最終日です。金額と企業負担の考え方は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?で解説しています。

改定で変わったのは、採用後のランニングコストの見え方です。技術・人文知識・国際業務(技人国)の社員が在留期間1年で更新を続ける場合、改定前は1回6,000円でしたが、改定後は1回33,000円です。5年間で見ると、30,000円程度だった更新手数料が165,000円程度になります。逆に、在留期間5年が出る社員であれば、5年に1回75,000円で済みます。在留期間が長く出る会社(所属機関のカテゴリーが上位の会社)ほど、1年当たりの手数料負担は軽くなるという構造です。

査証手数料は2026年7月1日から一次約15,000円

海外在住者を採用する場合、本人が在外の日本大使館・総領事館で査証を受けます。外務省は2026年7月1日から査証手数料を改定し、一次有効査証を約15,000円、数次有効査証を約30,000円としました(2026年6月24日掲載)。現地通貨での額は国ごとに定められ、フィリピン国籍者の短期滞在査証のように手数料が免除されている国・査証の種類もあります。査証手数料は本人が窓口で払う費用ですが、会社が後で精算する扱いにすることもできます。

分野によって必要になる団体の会費

特定技能の建設分野では、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が受入れの要件で、直接の賛助会員として加入すると年会費24万円、受け入れる外国人1人ごとに月額12,500円の受入負担金がかかります。他の分野でも、分野別の協議会への加入が必要です。協議会の加入時期と会費の有無は分野ごとに異なるため、分野別の運用要領で確認します。

市場で決まる費用|公的な統計で分かる範囲

市場で決まる費用には公的な料金表がありませんが、公的機関や業界団体が集計した数字がいくつかあります。相場記事の数字より母数がはっきりしているので、見積りの妥当性を確かめる基準として使えます。

申請書類の作成報酬:就労資格の認定申請は平均約12万円

日本行政書士会連合会の令和7年度報酬額統計調査(2026年1月実施、税込・立替金を含まない)によれば、行政書士の報酬の平均は次のとおりです。

  • 在留資格認定証明書交付申請(就労資格):回答194、平均120,174円、最頻値110,000円
  • 在留資格変更許可申請(就労資格):回答187、平均103,167円、最頻値110,000円
  • 在留期間更新許可申請(就労資格):平均56,204円

認定申請の分布を見ると、10万円以上12.5万円未満が35.6%で最も多く、20万円以上は6.2%でした。この報酬には入管の手数料は含まれません。変更・更新の場合は、報酬に加えて前の節の手数料がかかります。報酬の内訳と依頼先の選び方は在留資格申請を行政書士に依頼する費用の相場は?で解説しています。

人材紹介料:料率も支払の有無も採用ルート次第

有料職業紹介事業者が求人者(会社)から受け取る手数料は、職業安定法に基づき、厚生労働省令で定める上限の範囲内か、厚生労働大臣に届け出た手数料表に従うことになっています。求職者(外国人本人)から手数料を取ることは、一部の職種を除いて認められていません。民間の紹介会社の多くは、届け出た手数料表で「理論年収の〇%」という成功報酬を定めており、料率は会社ごとに違います。

特定技能については、出入国在留管理庁が2022年に行った調査の結果が公表されています。受入れ機関が採用に使った媒体への1人当たりの支払額は、「支払っていない」が40.9%で最も多く、支払った場合は「10万円以上30万円未満」が26.7%で最多でした。技能実習から特定技能に移行する自社の人材であれば、紹介料はかかりません。

特定技能の支援委託費:平均月28,386円

特定技能1号の外国人には、受入れ機関が生活オリエンテーションや定期面談などの支援を行う義務があり、登録支援機関に委託すると委託費がかかります。同じ入管庁の調査では、支援委託費の平均は月28,386円で、全体の約90%が月3万円以下でした。2022年時点の数字で、その後の物価や人件費の上昇は反映されていません。支援費用は外国人本人に直接・間接に負担させることが禁止されている点も、費用設計の前提になります。登録支援機関の選び方は登録支援機関とは?選び方・費用相場・自社支援との違いで扱っています。

在留資格別の費用の組み立て方

ここからは、在留資格と採用ルートの組み合わせごとに、費用の構成を示します。金額は、法令で決まる費用は2026年10月1日以降の額、市場で決まる費用は前の節の統計値を置いたもので、紹介料と渡航費は会社ごとの差が大きいため「仮定」と明記しています。

技人国:海外在住者を採用する場合

海外の大学を卒業した人材を、技人国で直接呼び寄せるパターンです。

  • 在留資格認定証明書の交付申請:手数料0円
  • 申請書類の作成を行政書士に依頼する場合:約12万円(統計の平均)
  • 査証手数料:約15,000円(本人が払い、会社が精算する場合)
  • 渡航費:国と時期により数万円〜十数万円(仮定)
  • 紹介料:紹介会社を使う場合は料率×理論年収(仮定。直接採用なら0円)
  • 住居の初期費用:社宅を用意するか、本人が借りるかで変わる

たとえば理論年収360万円の人材を、料率30%の紹介会社経由で採用し(仮定)、申請を行政書士に依頼する場合、紹介料108万円、申請報酬約12万円、査証約1.5万円、渡航費を10万円と置くと、採用時点で約131.5万円になります。紹介会社を使わず、海外の大学との連携や自社サイト経由で直接採用すれば、同じ条件で約23.5万円まで下がります。採用コストの大部分は紹介料が占めるということです。

採用後は、在留期間の更新ごとに手数料がかかります。初回の在留期間が1年なら更新1回33,000円(窓口)で、在留期間が3年になれば64,000円、5年なら75,000円です。

技人国:国内の留学生・転職者を採用する場合

日本の大学や専門学校を卒業する留学生を採用する場合は、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可が必要です。手数料は許可される在留期間に応じて決まり、1年なら33,000円(窓口)です。行政書士に依頼すると報酬は平均約10万円(就労資格の変更の平均103,167円)です。渡航費はかからず、紹介料は新卒採用の媒体・紹介会社の料金体系によります。変更申請の流れは留学から技術・人文知識・国際業務への在留資格変更ガイドで解説しています。

すでに技人国を持っている人の中途採用では、仕事の内容が今の在留資格の範囲に収まっていれば、転職の時点で入管への許可申請は必要ありません。かかるのは本人の届出(14日以内)と、会社側の外国人雇用状況の届出で、どちらも手数料はかかりません。次の更新時に、新しい会社での審査を受けることになります。転職先で問題がないかを事前に確かめたい場合は、就労資格証明書の交付を申請する方法もあります。

特定技能1号:海外採用・国内採用・技能実習からの移行

特定技能の費用は、初期費用よりも、毎月の支援委託費が5年間積み上がる点に特徴があります。

国内の技能実習2号修了者を自社で移行させる場合、紹介料は0円、在留資格変更の手数料は許可期間1年なら33,000円(窓口)です。支援を登録支援機関に委託すると、平均月28,386円×60か月で約170万円、更新を1年ごとに4回行えば手数料は132,000円(33,000円×4回)です。2025年9月30日から特定技能1号の在留期間は「3年を超えない範囲」で指定されるようになっており、長い期間が出れば更新回数は減ります。

海外から採用する場合は、ここに送出機関への費用、渡航費、紹介料が加わります。送出機関の費用は国と機関ごとに違い、ミャンマーのように認定送出機関の利用が必須の国もあります。特定技能の費用の詳しい計算例は特定技能の費用はいくら?受入れ費用の内訳・毎月の費用と5年間の計算例で示しています。

技能実習・育成就労

技能実習は、監理団体に払う監理費が毎月かかり、入国後講習の費用や帰国旅費の負担も受入れ側に生じます。福岡県の最低賃金で筆者が試算した3年間の総額は、賃金・社会保険料を含めて約947.6万円、そのうち賃金以外の上乗せは約171.9万円でした(技能実習生の受け入れ費用はいくら?初期費用・監理費の内訳と3年間の総額試算)。2027年4月1日から始まる育成就労では、送出機関に本人が払う費用の上限(月給の2か月分)を超える部分を受入れ側が負担する仕組みになり、同じ条件で筆者が試算した上乗せは約200万円です。

在留資格別の比較

以上を、採用時点と採用後に分けて整理します。

在留資格・ルート 採用時点の主な費用 採用後に続く費用
技人国(海外採用) 認定申請0円+申請報酬+査証・渡航費+紹介料 更新手数料(1年33,000円〜5年75,000円)
技人国(留学生の新卒採用) 変更手数料+申請報酬+採用媒体・紹介料 更新手数料
技人国(中途採用) 紹介料・採用媒体(入管手続は届出のみ) 次回更新時の手数料
特定技能1号(技能実習から移行) 変更手数料+申請報酬 支援委託費(平均月28,386円)+更新手数料+協議会費
特定技能1号(海外採用) 上記+送出機関費用+紹介料+渡航費 同上
技能実習・育成就労 監理団体・監理支援機関の初期費用、送出費用、講習費 監理費・監理支援費(毎月)

誰が負担するか|本人に払わせてよい費用と、いけない費用

費用の額と同じくらい問題になるのが、会社と外国人本人のどちらが払うかです。

在留手続の手数料は、法律上は申請人が納めるものです。更新手数料を本人負担とする会社も、会社負担とする会社もあり、どちらも違法ではありません。ただし2026年10月の改定で1回の額が数万円になったため、会社負担にするか、本人負担なら雇用契約や就業規則で明示しておくことが、後のトラブルを避ける条件になります。

特定技能では、支援にかかる費用(登録支援機関への委託費を含む)を本人に負担させてはいけません。技能実習では、監理費を実習生に負担させることが禁止されています。職業紹介の手数料も、原則として求職者から取ることはできません。本人負担にしてよい費用と、してはいけない費用の線は制度ごとに決まっているため、「会社の持ち出しを減らす」目的で本人に転嫁すると、制度違反になるおそれがあります。

費用を抑える方法と、削ってはいけない費用

費用の中で最も大きいのは、多くの場合、紹介料と、特定技能の支援委託費です。削減の余地があるのもこの2つです。

紹介料は、採用ルートを変えることで大きく下がります。自社の技能実習生を特定技能に移行させる、日本の大学・専門学校と関係をつくって新卒の留学生を採る、社員紹介(リファラル)を使うといった方法です。支援委託費は、一定の要件を満たせば自社支援に切り替えることで外部への支払いを減らせますが、支援の実施体制を社内に用意する人件費がかかります。

一方で、削ってはいけない費用もあります。更新手数料の節約のために在留期間の短い申請を続けても意味はありません。在留期間は申請人が希望できても、決めるのは入管です。むしろ、届出を期限内に出し、社会保険や税を適正に処理して、在留期間が長く出る会社になることが、1年当たりの手数料を下げる確実な方法です。また、外国人社員の定着のための社内制度づくりには、厚生労働省の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)が使える場合があります。外国人を雇用しただけで支給されるものではなく、就業規則の多言語化などの措置を導入し、定着の実績を出したうえでの一度きりの助成です。

よくある質問

特定技能外国人の採用にかかる費用は?

国内の技能実習修了者を移行させる場合は、在留資格変更の手数料(許可期間1年なら窓口33,000円)と申請書類の作成費用が採用時点の中心です。海外から採用する場合は、送出機関への費用、紹介料、渡航費が加わります。採用後は、登録支援機関に委託すれば平均月28,386円(入管庁の2022年調査)の支援委託費と、更新ごとの手数料がかかります。

外国人採用のビザ費用はいくらですか?

海外から呼ぶ場合の在留資格認定証明書の交付申請は手数料0円で、本人が査証を受けるときに約15,000円(一次有効、2026年7月1日以降)がかかります。国内で在留資格を変える場合や更新する場合は、2026年10月1日以降は許可期間に応じて窓口10,000円〜75,000円です。書類作成を行政書士に依頼する場合は、就労資格の認定申請で平均約12万円の報酬がかかります。

外国人採用と日本人採用で、コストはどのくらい違いますか?

国内の中途採用で、すでに就労資格を持っている人を採る場合は、入管への許可申請が不要なことが多く、日本人の採用と大きく変わりません。違いが大きいのは、海外から呼ぶ場合(査証・渡航費・申請費用)と、特定技能・技能実習のように制度上の支援や監理の費用が毎月かかる場合です。採用後も在留期間の更新ごとに手数料がかかる点は、日本人の雇用にはないコストです。

外国人採用の窓口はどこに相談すればいいですか?

在留資格の手続そのものは、住居地を管轄する地方出入国在留管理局が窓口です(九州では福岡出入国在留管理局と各出張所)。採用のルートはハローワークの外国人雇用サービスコーナー、民間の職業紹介事業者、特定技能であれば登録支援機関、技能実習・育成就労であれば監理団体・監理支援機関が窓口になります。在留資格の選び方から相談したい場合は、申請取次の資格を持つ行政書士に相談する方法もあります。

見積りを取る前に、在留資格とルートを決める

外国人採用の費用が読みにくいのは、在留資格とルートを決める前に「総額」を知ろうとするからです。技人国で国内の中途採用をするなら費用は日本人の採用に近く、特定技能で海外から採るなら5年間の支援委託費まで含めて考える必要があります。同じ「外国人採用」でも、費用の構造がまったく違います。

順番としては、まず採用したい仕事の内容から在留資格を決め、次に国内採用か海外採用かを決めます。そのうえで、法令で決まる費用(2026年10月1日以降の手数料、査証手数料、協議会費)を確定させ、市場で決まる費用(紹介料、申請報酬、支援委託費)は複数の見積りを統計の平均と比べて判断します。在留期間の更新は採用後も続くため、初年度の費用だけでなく、在留期間の見通しを含めた5年間の費用で比べることを勧めます。

関連するコラム

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。