資格外活動許可は在留申請オンラインシステムで申請できますが、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得許可申請のいずれかと同時に出す場合に限られます(出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」手続案内、2026年9月29日確認)。資格外活動許可だけを単独で申し込みたいときは、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口に出向く必要があります。一方、これから来日する留学生は、到着した空港で上陸許可に続けて申請し、その場で許可を受けられます。どの経路を選ぶかは「いつ」「何と一緒に」申請するかで決まり、この記事ではオンライン・空港・窓口の3つを比べながら、審査期間と受け取り方の違いを整理します。
資格外活動許可のオンライン申請は「同時申請」に限られる
入管庁の手続案内は、オンライン申請について次のように書いています。
資格外活動許可申請は、オンラインで申請できます(ただし、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請又は在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限ります。)
同じ条件は、「オンライン申請における資格外活動許可の郵送での交付について」のページでも繰り返されています。オンラインで資格外活動許可を出せるのは、たとえば次のような場面です。
- 留学生が在留期間の更新を申請するときに、あわせて包括許可を申請する
- 就職が決まらず、留学から就職活動の特定活動へ在留資格を変更するときに、アルバイトを続けるための資格外活動許可を同時に申請する
- 技人国の社員の家族が、家族滞在の在留期間を更新するときに、パートのための資格外活動許可を同時に申請する
- 日本で生まれた子が在留資格取得の申請をするときに、同時に申請する(実際に使う場面は少ない)
裏を返せば、「今の在留資格のまま、在留期限まではまだ間があるが、アルバイトを始めたい」という最も多い相談には、オンラインは使えません。家族滞在で来日した配偶者が、来日数か月後にパートを始めたくなった場合などが典型です。この場合は窓口で単独申請することになります。
筆者は、単独申請をオンラインから外している理由を入管庁が明示しているのを見たことがありません。在留カードの記載を更新する手続(変更・更新・取得)と一緒でないと、オンラインのまま在留カード裏面の記載を完結させにくい、という仕組み上の事情があるのではないかと考えています。
オンライン・空港・窓口の3つの経路を比べる
3つの経路を、申請できる人と場面、受け取り方で比べると次のようになります。
| 経路 | 申請できる場面 | 受け取り方 | 審査期間の目安 |
|---|---|---|---|
| オンライン | 変更・更新・取得の申請と同時に行う場合のみ | 窓口で証印シール、または郵送で資格外活動許可書 | 同時に出した変更・更新の結果と一緒に出る |
| 空港(出入国港) | 「留学」などで新規に上陸許可を受けた直後 | その場で許可 | 当日 |
| 窓口(住居地の地方官署) | いつでも(単独申請はこれのみ) | 窓口で証印シール、在留カード裏面に記載 | 2週間〜2か月(標準処理期間) |
手数料はどの経路でも無料です(入管庁手続案内、2026年9月29日確認)。2026年10月1日から変更・更新などの手数料が改定されますが、資格外活動許可を同時に申請しても、そのぶんの手数料が上乗せされることはありません。
空港での申請|新規入国の留学生が対象
入管庁の「資格外活動許可について」のページによると、「留学」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「技能」の在留資格を決定されて新しく上陸の許可を受けた人(在留期間「3月」の人を除く)は、上陸許可に続けて資格外活動許可を申請し、上陸した出入国港で許可を受けられます。
ただし、4つの在留資格のうち「教育」「技人国」「技能」は、地方公共団体などに雇用されて週28時間以内で別の活動をする場合(たとえば自治体に雇われた外国語指導助手が、別の自治体の事業で働く場合)に限られます。一般の企業にとって関係するのは、ほぼ「留学」の新規入国者だけと考えてよいでしょう。留学生の場合は、週28時間以内で風俗営業等の場所で働かないことを条件とする包括許可が、その場で出ます。
家族滞在で来日する家族は、空港で資格外活動許可を受けられません。来日後に住居地の届出を済ませてから、窓口で申請します。この違いは、社員の家族を呼び寄せる企業が見落としやすいところです。
空港で申請できるのは、在留カードをその場で交付する空港(福岡空港を含む主要空港)と考えられますが、対象となる空港の一覧は手続案内のページには載っていません(公式資料では未確認)。留学生を受け入れる学校や、留学生を内定者として迎える企業は、入国前に本人へ「空港で資格外活動許可の申請をするように」と案内しておくと、来日後の窓口申請の手間を省けます。
窓口での申請|単独申請はここだけ
窓口での申請先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。受付時間は平日の午前9時から12時、午後1時から4時です。福岡県に住む人なら福岡出入国在留管理局(本局)や北九州出張所などが窓口になり、九州各県にも出張所があります。場所や混雑の傾向は福岡出入国在留管理局への行き方・予約方法にまとめています。
必要なものは、資格外活動許可申請書、活動の内容を明らかにする書類、在留カードと旅券の提示です。包括許可を申請する留学生は活動の内容を特定する書類が不要な一方、家族滞在や就労資格の人が特定の仕事をするための個別許可では、雇用契約書や業務内容の説明書などが必要になります。申請書の書き方は資格外活動許可申請書の書き方と記入例|留学・家族滞在の違いと入手先で解説しています。
オンライン申請で許可を受け取る方法
オンラインで同時申請した資格外活動許可の受け取り方は、2024年1月1日から2通りになりました。
1つは、従来どおり地方出入国在留管理官署の窓口で受け取る方法で、旅券に「資格外活動許可証印シール」が貼られ、在留カード裏面の資格外活動許可欄に記載されます。
もう1つは、オンライン申請の「受領方法」で「郵送」を選ぶ方法です。この場合、証印シールの代わりに「資格外活動許可書」(施行規則別記第29号様式)が交付されます。入管庁は、許可書は証印シールと同じ効力を持つとしたうえで、紛失を防ぐために旅券にホッチキスで留めておくなどの措置を勧めています。許可書から証印シールへの転記はできません。
郵送受取を選ぶと、窓口に出向かずに更新後の在留カードと資格外活動許可書が届くため、留学生や家族滞在の人にとっては1日仕事が省けます。一方、受け取った本人が許可書をなくしやすい、という面倒も生まれます。雇う企業の側では、許可書だけを見て判断せず、在留カード裏面の資格外活動許可欄を合わせて確認することが求められています。入管庁は雇用者向けに、在留カード等読取アプリケーションでICチップの記載を確かめる方法も案内しています。
審査期間と申請のタイミング
資格外活動許可の標準処理期間は2週間から2か月です(入管庁手続案内)。窓口の単独申請では、この範囲で結果が出るのが一般的です。オンラインの同時申請では、資格外活動許可だけが先に出ることはなく、同時に出した更新や変更の結果と一緒に出ます。更新の審査に1か月以上かかる時期なら、資格外活動許可もその分待つことになります。
ここで重要なのは、申請している最中は働けないという点です。資格外活動許可は、許可を受けて初めて活動できる仕組みで、申請を出しただけでアルバイトを始めることは認められていません。無許可で働けば本人は資格外活動違反になり、雇った企業は不法就労助長罪に問われる可能性があります。
働き始めたい日から逆算すると、窓口の単独申請なら少なくとも1か月前、できれば2か月前に申請しておくのが安全です。在留期限が近い人は、単独で先に出すよりも、更新申請と一緒にオンラインで出したほうが手間がかからない場合もあります。在留期限の3か月前から更新の申請ができるので、期限が3か月以内に迫っているなら、同時申請を検討する価値があります。申請時期の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?も参考にしてください。
更新の特例期間中の資格外活動許可
留学生の包括許可は、在留期限と同じ日までの期限で出るのが通常です。更新申請中に在留期限を過ぎて特例期間に入った場合、アルバイトを続けられるかについては、入管庁の公表資料に明確な記載が見当たりません(公式資料では未確認)。更新と同時に資格外活動許可もオンラインで申請しておけば、更新の許可と一緒に新しい資格外活動許可が出るため、この問題を避けやすくなります。
オンライン申請を使える人
在留申請オンラインシステムを使えるのは、申請等取次者の承認を受けた所属機関の職員(企業や学校の職員など)、届出済みの弁護士・行政書士、承認を受けた登録支援機関・公益法人の職員、外国人本人、法定代理人、一定の場合の親族です(入管庁「在留申請のオンライン手続」)。外国人本人が使う場合は、中長期在留者であることが前提で、「短期滞在」や在留期間「3月」以下の人、15歳未満の人は利用できません。
留学生の更新と資格外活動許可の同時申請は、在籍する学校の職員が所属機関として取り次ぐことが多く、本人は学校の案内に従えば済む場合がほとんどです。企業が関わるのは、技人国などで雇っている社員の更新と家族の申請をまとめて行う場面です。社員本人の資格外活動許可(副業のためのもの)をオンラインで出すなら、社員の更新申請と同時に行うことになります。技人国の社員の副業については技術・人文知識・国際業務の外国人はアルバイト・副業できる?で解説しています。
よくある質問
資格外活動許可はどこで申請するのですか?
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口です。在留資格変更・在留期間更新・在留資格取得の申請と同時に行う場合は、在留申請オンラインシステムでも申請できます。新規入国の留学生は、上陸した空港でも申請できます。
資格外活動許可申請には何日くらいかかりますか?
標準処理期間は2週間から2か月です。オンラインで更新などと同時に申請した場合は、更新などの結果と一緒に許可が出ます。空港で申請した留学生は、その場で許可を受けられます。
資格外活動許可申請中ですが、バイトはできますか?
できません。資格外活動許可は、許可を受けて初めて報酬を受ける活動ができるようになる仕組みです。申請中に働くと資格外活動違反になり、その後の在留期間の更新で不利に扱われるおそれがあります。
資格外活動許可申請が不要なケースは?
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者は就労制限がないため不要です。また、就労資格の人が本来の業務に付随して受け取る謝金など、臨時の報酬として認められる範囲のものは許可を要しません。どこまでが許可不要の範囲かは個別の事情で判断が変わるため、迷うときは事前に確認してください。
資格外活動許可申請書はどこでもらえますか?
出入国在留管理庁のウェブサイトの「資格外活動許可申請」の手続案内ページから、PDFとExcelの様式をダウンロードできます。地方出入国在留管理官署の窓口にも置いてあります。
どの経路を選ぶかは「在留期限までの距離」で決まる
資格外活動許可の3つの経路は、便利さの順に並べるものではなく、本人がどの時点にいるかで自動的に決まります。来日の瞬間なら空港、在留期限まで3か月を切っていれば更新と同時のオンライン、それ以外は窓口。この整理を持っておけば、「オンラインで出せるはずなのにボタンが見つからない」という行き違いは起きません。
雇う企業の側で押さえておきたいのは、許可の証明が証印シールと資格外活動許可書の2種類になったことと、どちらの場合も在留カード裏面の記載と照らし合わせる必要があることです。留学生や家族滞在の人を採用するときは、許可の有無を確かめてから勤務を始めてもらう。当たり前の順番を守ることが、本人と会社の両方を守ります。資格外活動許可の包括許可・個別許可の違いは資格外活動許可とは?包括許可・個別許可の違いと企業の確認点で整理しています。
根拠資料
- 資格外活動許可申請(出入国在留管理庁、2026年9月29日確認)
- オンライン申請における資格外活動許可の郵送での交付について(出入国在留管理庁、2024年1月1日開始)
- 資格外活動許可について(出入国在留管理庁)
- 在留申請のオンライン手続(出入国在留管理庁)
- オンラインによる申請手続に関するQ&A(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法 第19条(e-Gov法令検索)
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