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技人国の在留期間5年・3年・1年はどう決まる?カテゴリーと審査要領の基準

技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留期間は、5年・3年・1年・3月のいずれかです。入国・在留審査要領は、5年を決定する条件を定めています(第12編(開示版)15-20)。まず、入管法上の届出義務を履行していること、学齢期の子がいれば学校に通っていること、就労予定期間が3年を超えることのすべてを満たす必要があります。そのうえで、契約機関がカテゴリー1又は2であるか、技人国で3年又は5年を決定されたことがあり引き続き5年以上技人国の活動をしていることを求めています。

1年になるのは、契約機関がカテゴリー4の場合、在留状況を1年に1度確認する必要がある場合、就労予定期間が1年未満の場合などです。一方で、審査要領は、在留資格の決定時や初回の更新であっても、1年後に確認しなければならない具体的な事情がない限り3年を決定するとしています。「初回は1年」という理解は、内部基準の書き方とは合いません。

この記事でわかること

  • 審査要領が定める5年・3年・1年の判断基準(15-20〜15-22)
  • カテゴリーと在留期間の関係、カテゴリー3の会社が5年を得る道筋
  • 初回でも3年が原則とされている記述と、1年になる具体的な事情
  • 届出義務・研修・派遣が在留期間に与える影響
  • 2026年10月1日からの在留期間ごとの手数料

審査要領の在留期間の表

審査要領は、技人国の在留期間ごとに、決定する場合の条件を表にしています(15-20〜15-21)。番号は審査要領の表記に合わせています。

期間 決定する場合
5年 次の①②⑤のすべてに該当し、かつ③④のいずれかに該当するもの
①入管法上の届出義務(住居地の届出、住居地の変更届出、住居地以外の在留カードの記載事項の変更届出、所属機関等に関する届出など)を履行している(上陸時には適用しない)
②学齢期の子を持つ親は、子が小学校・中学校・義務教育学校(インターナショナルスクール等を含む)に通学している(上陸時には適用しない)
③契約機関がカテゴリー1又は2に該当する
④③以外の場合は、技人国で3年又は5年の在留期間を決定されている者で、本邦で引き続き5年以上技人国の活動を行っている
⑤就労予定期間が3年を超える
3年 次のいずれかに該当するもの
①5年の項の①②のいずれにも該当し、かつ③④のいずれかに該当するもので、就労予定期間が1年以上3年以内
②5年を決定されていた者で、更新の際に5年の項の①②のいずれかを満たさず、かつ③④のいずれかに該当し、就労予定期間が1年以上
③5年、1年又は3月の項のいずれにも該当しないもの
1年 次のいずれかに該当するもの(3月の項に該当するものを除く)
①契約機関がカテゴリー4(カテゴリー1、2又は3のいずれにも該当しない団体・個人)
②3年又は1年を決定されていた者で、更新の際に5年の項の①②のいずれかを満たさない
③職務上の地位、活動実績、所属機関の活動実績等から、在留状況を1年に1度確認する必要がある
④就労予定期間が1年未満(契約期間が1年未満でも、活動実績等から契約期間の更新が見込まれるものを除く)
3月 開示版では判読できない(黒塗りの可能性)

表の読み方で押さえておきたいのは、3年の③です。5年にも1年にも3月にも当たらないものは3年になる、という受け皿の規定で、在留期間の中心は3年に置かれています。1年の項には「3月の項に該当するものを除く」とあり、3月の項が存在することはわかりますが、その中身は開示版では黒塗りとみられ、読むことができません。

カテゴリーは在留期間の入口を分ける

ここでいうカテゴリーとは、受入れ機関の規模や納税の実績に応じて、申請時の提出書類を4つに分ける区分を指します。在留期間の表では、カテゴリーが5年の条件(③)と1年の条件(①)の両方に出てきます。

区分 根拠資料で確認できる定義 在留期間の表での扱い
カテゴリー1 入管庁の区分表で確認【要確認】 5年の③に該当
カテゴリー2 源泉徴収税額1,000万円以上の機関、又はカテゴリー3の立証資料を出したうえでオンラインシステムの利用申出が承認された機関(就労資格Q&A Q11) 5年の③に該当
カテゴリー3 入管庁の区分表で確認【要確認】 5年は④の経路のみ。通常は3年の③
カテゴリー4 カテゴリー1、2又は3のいずれにも該当しない団体・個人(15-21) 1年の①に該当

カテゴリー1と3の具体的な区分基準は、この記事の根拠資料の範囲では確認できませんでした。申請の前に、出入国在留管理庁の技人国のページにある区分表で、自社がどれに当たるかを確認してください。

カテゴリー3の会社に勤める人は、最初は3年の③で3年を得ることが想定されます。5年を得るには④、つまり技人国で3年又は5年を決定されたことがあり、日本で引き続き5年以上技人国の活動をしていることが必要です。会社の規模が変わらなくても、本人の在留実績が積み上がれば5年に届く設計になっています。カテゴリー4の会社は1年の①に当たるため、まず1年から始まります。

派遣の場合、提出資料のカテゴリーは、雇用契約を結んでいる派遣元の機関で決まります(1-9〜1-10)。なお、2025年12月1日から、日本の大学を卒業した留学生が技人国に変更する場合などにカテゴリー2と同じ書類の省略が使えるようになりました。ただし、これは提出書類の扱いで、在留期間の表の「契約機関がカテゴリー1又は2」に当たるとまでは書かれていません。

初回でも3年が原則

ここで重要なのは、1年の項の③に付された「なお書き」です。

審査要領ではこう書かれている(第12編 15-21)

「なお、在留資格決定時初回の在留期間更新許可申請であっても、1年後に確認しなければならない具体的な事情(下記注6参照)が存在しない限り、在留期間3年(5年に該当する場合は5年)を決定する。」

文面だけを読めば、初めて在留資格を決定するときも、初めての更新のときも、原則は3年です。1年にするには、1年後に確認しなければならない具体的な事情が要るとされています。ただし、その事情を説明した注6は、開示版では黒塗りとみられ、中身を読むことはできません。

就労予定期間の数え方にも柔軟さが書かれています。1年の④は、契約期間が1年未満でも、活動実績等から契約の更新が見込まれるものを除いています。さらに、更新の際に3年を希望し、同じ所属機関で契約が更新されているなど1年を超えて働くことが見込まれる場合は、柔軟に3年を付与するとされています(15-21)。1年ごとの有期契約を繰り返している会社でも、それだけで1年になるわけではありません。

出入国在留管理庁の就労資格Q&A(令和8年7月、Q8)は、在留期間は就労予定期間、活動実績、公的義務の履行状況、契約機関の規模・実績を総合して決めると答えています。表の各項目と同じ要素が並んでおり、公表資料も同じ枠組みで判断していることがわかります。

1年になる具体的な事情

審査要領と公表資料から読み取れる、1年又は短い期間になる事情を整理すると次のとおりです。

事情 扱い 出典
契約機関がカテゴリー4 1年 15-21
更新の際に届出義務の履行又は子の通学の条件を満たさない 3年・1年だった人は1年、5年だった人は3年 15-20〜15-21
実務研修期間が設けられている 決定時等は原則1年 15-22 注5、15-24
派遣形態 派遣契約期間に応じた期間 派遣形態の取扱い(令和8年7月)
納税をはじめとする公的義務の不履行 態様等を勘案し、在留の可否と許可する場合の期間を検討 15-21 注1
刑事処分を受けた 犯罪と処分の内容等を勘案し、在留の可否と期間を検討 15-21 注2

届出義務は、会社の人事担当者が見落としやすい項目です。引越しをした外国人社員が住居地の変更届出をしていない、転職の際に所属機関等に関する届出を出していない、という状態で更新を迎えると、5年の条件①を満たさないことになり、在留期間が短くなります。

実務研修については、研修を適切に修了して技人国の業務に移行したことを確認する必要があるため、決定時等には原則として1年とされています。研修の条件は入社後の現場研修は技人国でできる?審査要領が認める「採用当初の実務研修」の条件で扱っています。派遣の場合は、出入国在留管理庁が令和8年7月に更新した取扱いで、在留期間は派遣契約期間に応じたものを決定すると明記されました。派遣の手続は派遣社員として外国人を雇うときの就労ビザ|2026年3月から派遣先の確定が必須にで確認できます。

もう一つ、就労予定期間が残り3月未満になった人の扱いがあります。中長期在留者からの更新申請では、就労予定期間が残り3月未満でも、中長期在留者から外れないよう、原則として「3月」ではなく「1年」を決定するとされています(15-22 注4)。

2026年10月1日から手数料が在留期間で変わる

在留期間の長さは、手数料にも直結するようになります。令和8年10月1日に施行される改正入管法施行令で、在留資格の変更・更新の手数料は、許可される在留期間に応じた額になります。改定前は窓口6,000円・オンライン5,500円の一律でした。

許可される在留期間 窓口 オンライン
3月以下 10,000円 10,000円
1年 33,000円 27,000円
3年以上5年未満(技人国の3年) 64,000円 56,000円
5年以上(技人国の5年) 75,000円 65,000円

令和8年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料です。オンライン申請は収入印紙ではなくコンビニ決済か銀行決済で払い、別に決済手数料(330円、3年以上は550円)がかかります。出入国在留管理庁のQ&A(問5)は、在留期間ごとに額を変える理由として、長い在留期間を受ける人は一般的に在留状況が良好で、1年あたりの負担が低くなるように設定したと説明しています。

1年あたりに直すと、1年の33,000円に対して、3年は約21,300円、5年は15,000円です(いずれも窓口)。筆者は、1年の更新を繰り返す状態は、手数料の面でも会社と本人の固定費を押し上げると考えています。手数料の詳細は【2026年10月確定】在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?永住20万円・企業負担を解説で整理しています。

企業内転勤との違い

企業内転勤の在留期間も、技人国とほぼ同じ構成(5年・3年・1年・3月)です。ただし審査要領の文言では、3年の就労予定期間が「1年を超え3年以内」、1年が「1年以下」とされており、技人国の「1年以上3年以内」「1年未満」と区切りが異なります(16-5〜16-6)。企業内転勤の表は開示版のOCRが大きく崩れており、一部は判読できません。詳しくは企業内転勤の在留期間と更新|期間の定めと転勤計画の示し方で扱います。

よくある質問

Q. 技人国の初回の在留期間は、必ず1年になるのですか?

なりません。審査要領は、在留資格の決定時や初回の更新であっても、1年後に確認しなければならない具体的な事情がない限り、3年(5年に該当する場合は5年)を決定するとしています。契約機関がカテゴリー4の場合、実務研修期間がある場合、就労予定期間が1年未満の場合などは1年になります。

Q. 中小企業に勤めていても5年の在留期間はもらえますか?

もらえる可能性があります。5年の条件の一つは契約機関がカテゴリー1又は2であることですが、それ以外でも、技人国で3年又は5年の在留期間を決定されたことがあり、引き続き5年以上技人国の活動を行っていれば、この条件を満たします。あわせて、入管法上の届出義務の履行、学齢期の子の通学、就労予定期間が3年を超えることが必要です。

Q. 住居地の変更届を出し忘れると、在留期間に影響しますか?

影響します。5年と3年の在留期間の条件には、住居地の届出や所属機関等に関する届出などの入管法上の届出義務を履行していることが含まれています。3年又は1年の在留期間だった人が更新の際にこの条件を満たさない場合は1年、5年だった人は3年となるのが審査要領の整理です。

Q. 2026年10月から、在留期間によって更新の手数料は変わりますか?

変わります。令和8年10月1日から、変更・更新の手数料は許可される在留期間に応じた額になります。窓口では1年が33,000円、3年が64,000円、5年が75,000円です(オンラインは27,000円、56,000円、65,000円)。令和8年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降でも改定前の手数料です。

次の更新に向けて確認すること

外国人社員の在留期間を長くしたいなら、次の更新の前に三つを確認してください。一つ目は、本人が住居地や所属機関等に関する届出をすべて済ませているかで、これは5年・3年の共通の条件です。二つ目は、自社のカテゴリーがどれに当たるかと、カテゴリー3であれば本人が技人国で3年以上を決定されてから引き続き5年以上在留しているかです。三つ目は、雇用契約の期間と更新の見込みを、申請書と雇用契約書で示せるかです。有期契約を繰り返している場合は、同じ会社で契約が更新されてきた実績を示すことが3年につながります。

在留期間の更新の手続全体は技術・人文知識・国際業務ビザの更新|必要書類・カテゴリー別の注意点・2026年日本語要件を解説で確認できます。9月30日までに申請するかどうかの判断も含め、更新の時期が近い場合は早めにご相談ください。

根拠資料

  • 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第15節第1の6「在留期間」15-20〜15-22(3月の項、注3、注6以降は黒塗りの可能性)
  • 同 第15節第2「応用・資料編」1(4)「在留期間」15-24
  • 同 第16節「企業内転勤」6「在留期間」16-5〜16-6
  • 同 第1節第4「労働者派遣事業を営む企業等へ就職する外国人の取扱い」1-9〜1-10
  • 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)https://www.moj.go.jp/isa/content/001344550.pdf
  • 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)https://www.moj.go.jp/isa/content/001457164.pdf
  • 出入国在留管理庁「在留資格『留学』から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」https://www.moj.go.jp/isa/10_00240.html
  • 出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」https://www.moj.go.jp/isa/01_00644.html、Q&A https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/01_00650.html