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教育ビザとは|ALT・インターナショナルスクール教員の要件と派遣ALTの注意点

教育ビザ(在留資格「教育」)は、日本の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校、各種学校、これらに準ずる教育機関で、語学教育などを行う外国人のための在留資格です。上陸許可基準を読むと、要件は勤務先と職によって2通りに分かれ、小中高校などで「教員」として働く人には学歴要件がなく、ALT(外国語指導助手)や各種学校の教員には「大学卒業等」と「その外国語で12年以上の教育を受けたこと」が求められます。

この記事では、ALTを受け入れる自治体・派遣会社、インターナショナルスクールを運営する法人の担当者に向けて、該当性と基準を条文から整理し、派遣ALTで所属機関をどう考えるかまで扱います。

教育ビザの対象は「学校」で教える活動

入管法別表第一の二の表は、「教育」の活動を「本邦の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動」と定めています。

ここでいう教育機関とは、学校教育法上の学校(小学校から高校まで、特別支援学校)と、専修学校・各種学校、それに設備や編制の面で各種学校に準ずる教育機関を指します。入管庁の在留資格「教育」のページでも、該当例は「中学校・高等学校等の語学教師等」とされています。教える科目は語学に限られず、「その他の教育」として数学や理科、音楽などを教える場合も含まれます。

逆に、次の場所で教える人は「教育」に当たりません。

  • 大学・大学院・短期大学・高等専門学校:在留資格「教授」
  • 民間の英会話スクール、企業内研修、学習塾:原則として「技術・人文知識・国際業務」(語学の指導)
  • 幼稚園:別表の列挙に幼稚園が含まれていないため、「教育」は使えません

英会話スクールが「教育」に当たらないのは、別表が教える場所を学校と各種学校等に限定しているためです。株式会社が運営する語学教室は、各種学校の認可を受けていない限り「学校」ではありません。この線引きの詳細は研究職・大学・学校の先生は技人国か|「教授」「研究」「教育」との線引きで整理しています。

技人国の別表は、括弧書きで「教育」の項の活動を除いています。学校で教える活動は技人国ではなく「教育」で許可を受けるという整理で、同じ英語の授業でも、教える場所によって在留資格が変わります。

要件は2通りに分かれる|常勤の「教員」には学歴要件がない

「教育」の上陸許可基準(上陸基準省令)は、次のように組み立てられています。

1号(学歴・経歴の要件)がかかるのは、次のどちらかの場合です。

  • 各種学校、または設備及び編制に関して各種学校に準ずる教育機関で教育をする場合
  • それ以外の教育機関(小中高校など)で、教員以外の職について教育をする場合

2号(報酬の要件)は全員にかかり、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが求められます。

言い換えると、小学校・中学校・高校などで「教員」として採用される人は1号の対象外で、基準上は報酬要件だけになります。日本の教員免許を持って常勤教員として採用される外国人がこれに当たります。一方、ALTは教員免許を持つ教諭の授業を補助する立場で、学校教育法上の「教員」として任用されるわけではないため、1号の対象になります。

1号の中身|学歴と外国語12年

1号は、イとロの両方を満たすことを求めています。

イは、次のいずれか1つです。

  1. 大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと
  2. 行おうとする教育に必要な技術・知識に係る科目を専攻して、日本の専修学校の専門課程等を修了したこと(告示の要件に当たる場合に限る)
  3. 行おうとする教育に係る免許を有していること

ロは、外国語を教える場合は「当該外国語により十二年以上の教育を受けていること」、それ以外の科目を教える場合は「教育機関において当該科目の教育について五年以上従事した実務経験を有していること」です。

12年の要件は、英語を教えるなら英語で授業を受けた期間が小学校から高校まで通算12年以上あることを意味します。英語圏の国で初等・中等教育を修了した人は通常満たしますが、非英語圏出身で英語を教える人は、英語で教育を受けた期間を証明できないと基準に合いません。フィリピンのように英語で授業を行う学校が多い国の出身者は、在学した学校の授業言語を証明する書類を用意することになります。

インターナショナルスクールの特例

1号には、外交・公用・家族滞在の在留資格で日本にいる子どもに対し、外国語で初等・中等教育を行う目的で設立された各種学校等で教える場合は「イに該当すること」で足りるというただし書があります。いわゆるインターナショナルスクールや外国人学校の教員は、大学卒業などイの要件を満たせば、12年の外国語教育の要件(ロ)は問われません。

注意したいのは、このただし書が使えるのは各種学校か、設備・編制が各種学校に準ずる教育機関に限られる点です。認可外のインターナショナルスクールで、校舎や教員組織が各種学校の水準に達していない場合、「準ずる教育機関」と認められるかは個別に判断されます。認められなければ「教育」は使えず、技人国での申請を検討することになります。

ALTを派遣会社から受け入れる場合の所属機関

ALTの採用ルートは、自治体が直接任用するルート(JETプログラムを含む)と、民間の派遣会社や請負会社が雇用して学校に送るルートに分かれます。後者で問題になるのが、在留資格上の所属機関をどこと考えるかです。

「教育」の別表の文言は、技人国と違い「本邦の公私の機関との契約に基づいて」という要件を置いていません。求められているのは、学校等で教育をする活動を行っていることです。そのため、雇用主が派遣会社であっても、実際に教える場所が小中高校であれば、活動は「教育」に当たります。入管庁の提出書類の案内でも、カテゴリーは雇用主の種類ではなく、勤務先の学校の種類と常勤・非常勤で分けられています。

カテゴリー 該当する場合 認定証明書交付申請の主な追加書類
1 小学校・中学校・高校・中等教育学校・特別支援学校に常勤で勤務 原則不要
2 それ以外の教育機関(専修学校・各種学校など)に常勤で勤務 労働条件の明示文書、履歴書、学歴・職歴の証明、外国語12年以上の教育の証明(外国語を教える場合)、勤務先の案内書または登記事項証明書
3 非常勤で勤務 カテゴリー2の書類に加えて、決算文書の写し(新規事業は事業計画書)

派遣ALTで押さえたい点は3つあります。

1つ目は、所属機関に関する届出の考え方です。入管法19条の16は、「教育」を技人国と別の号に置いています。技人国は2号の「契約の相手方である本邦の公私の機関」についての届出(契約機関の届出)ですが、「教育」は1号で、「別表第一の下欄に掲げる活動を行う本邦の公私の機関」、つまり活動機関の名称・所在地の変更、消滅、離脱・移籍が生じたときに14日以内の届出が必要です。派遣ALTの場合、この活動機関を雇用主の派遣会社と考えるか、実際に教える学校(学校を設置する自治体)と考えるかで、派遣先の学校が変わったときに届出が必要かどうかが変わります。条文上どちらと読むかを明示した入管庁の公表資料は確認できなかったため(公式資料では未確認)とし、実務では派遣会社を移ったときと配置校が変わったときの双方について、届出の要否を地方出入国在留管理局に確認しておくのが安全です。

2つ目は、複数校を掛け持ちする場合の扱いです。1校あたりの授業時間が短く「非常勤」と評価される働き方では、カテゴリー3として派遣会社の決算書類の提出が求められます。報酬が日本人と同等額以上かどうかも、掛け持ち全体の報酬で説明する必要があります。

3つ目は、契約形態です。自治体と派遣会社の契約が請負契約なのに、学校の教員がALTに直接指示を出している場合、労働者派遣法上の偽装請負を指摘されることがあります。文部科学省は外国語指導助手の請負契約による活用について自治体に通知を出しています【公式資料で確認:通知の日付と現行版】。在留資格の審査で直接問われる論点ではありませんが、指揮命令の関係が契約書と一致しているかは、派遣会社と自治体の双方で確認しておくべき事項です。派遣一般の在留資格上の注意は派遣社員として外国人を雇うときの就労ビザで扱っています。

在留期間と更新

在留期間は5年、3年、1年、3月のいずれかです(入管法施行規則別表第二)。更新の書類は、カテゴリー1なら原則として申請書と写真だけで足ります。カテゴリー2・3では住民税の課税(非課税)証明書と納税証明書が加わり、カテゴリー3では契約書の写しと決算文書の提出も続きます。転職後初めての更新では、新しい勤務先の労働条件を示す文書と事業内容の資料が必要です。

年度単位の契約で働くALTは、契約更新のたびに在留期限と契約期間がずれやすい職種です。4月から翌3月の契約で在留期限が7月に来るといった状態では、次年度の契約が決まっていないと更新時に活動の継続性を説明しにくくなります。自治体・派遣会社は、在留期限の3か月前には次年度の配置の見込みを本人に伝え、更新申請に必要な契約書を用意できるようにしておくのが実務上の段取りです。申請の時期については在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?を参照してください。

教育ビザで副業・アルバイトはできるか

「教育」で許されるのは、学校等で教育をする活動と、それに付随する活動です。放課後に民間の英会話教室で教える、個人で家庭教師をする、飲食店でアルバイトをするといった活動は、「教育」の範囲外なので、資格外活動許可を受けなければできません。

語学を教える副業は技人国の「語学の指導」に当たる活動なので、資格外活動許可の対象になり得ます。一方、飲食店のホール業務のように専門性を要しない仕事は、就労系の在留資格で在留する人に対しては許可されにくいのが実情です。許可を受けずに働いた場合は資格外活動違反となり、雇った側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。考え方は技術・人文知識・国際業務の外国人はアルバイト・副業できる?と共通です。

技人国の語学講師との線引き

英語を教える外国人の在留資格は、実務上、次の順で判断すると迷いません。

  1. 教える場所は大学等か → 「教授」
  2. 教える場所は小中高校、専修学校、各種学校、これらに準ずる教育機関か → 「教育」
  3. それ以外(英会話スクール、企業研修、オンライン講座の運営会社など)→ 技人国の「語学の指導」

技人国で語学の指導を行う場合は、大学卒業または翻訳・通訳・語学の指導などの業務に3年以上の実務経験が必要で、大学を卒業した人が語学の指導に従事する場合は実務経験が不要です。2026年4月15日からは、技人国の通訳・翻訳・接客の業務の一部でCEFR B2相当の日本語能力が求められるようになりましたが、「教育」の基準省令にはそのような日本語要件はありません。英会話スクールから小学校のALTに転職する場合は、技人国から「教育」への在留資格変更許可申請が必要です。

よくある質問

教育ビザと教授ビザの違いは何ですか?

教える場所の違いです。大学・短大・高専などで研究の指導や教育をするのが「教授」、小中高校・専修学校・各種学校などで教育をするのが「教育」です。「教授」には上陸許可基準がなく、「教育」には学歴や報酬の基準があります。

在留資格「教育」で飲食店のアルバイトはできますか?

資格外活動許可がなければできません。「教育」で認められているのは学校等で教育をする活動だけです。就労系の在留資格の人が単純な労働を目的に資格外活動許可を受けるのは難しく、許可なく働くと本人は資格外活動違反、雇った店は不法就労助長罪の対象になります。

大学を卒業していなくてもALTになれますか?

1号イは、大学卒業のほかに、日本の専修学校の専門課程の修了(告示の要件に当たる場合)や、教えようとする教育に係る免許の保有でも満たせます。ただし、ALTは外国語12年以上の教育(ロ)も必要です。どちらも満たさない場合は「教育」の基準に合いません。

幼稚園の英語講師は教育ビザを取れますか?

取れません。「教育」の別表に幼稚園は列挙されていないためです。幼稚園で英語を教える場合は、雇用主との契約に基づく語学の指導として、技人国での申請を検討することになります。

インターナショナルスクールの先生に12年の外国語教育の要件はかかりますか?

外交・公用・家族滞在の在留資格で在留する子どもに外国語で初等・中等教育を行う目的の各種学校等であれば、かかりません。大学卒業などのイの要件だけで足ります。ただし、その学校が各種学校の認可を受けているか、それに準ずる設備・編制を持つかが前提になります。

採用前に「教える場所」と「職名」を確定させる

教育ビザの要件は、どこで教えるかと、どの職で教えるかの2つで決まります。小中高校の常勤教員なら報酬だけ、ALTや各種学校の教員なら学歴と外国語12年、インターナショナルスクールの特例に当たれば学歴だけ、という違いは、採用の段階で候補者に求める証明書類をそのまま左右します。

ALTを受け入れる自治体と派遣会社は、配置予定の学校の種類、常勤か非常勤か、契約形態を先に固めてから申請書類をそろえてください。個別の学校が「準ずる教育機関」に当たるかなど、個別の事情で判断が変わる点は、申請前に確認しておくと手戻りを防げます。

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