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1号特定技能外国人支援計画書の書き方|10項目の義務的支援と記入例

1号特定技能外国人支援計画書は、受入れ機関が1号特定技能外国人に対して行う義務的支援について、項目ごとに「実施するか」「いつ」「誰が」「どの言語・方法で」行うかを書き込む書類で、出入国在留管理庁の参考様式第1-17号を使います。記載すべき事項は「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(以下、基準省令)3条が定めており、様式の支援内容欄は、事前ガイダンスから定期面談までの支援を9つの欄に分けて書く構成です。書き方で最も迷うのは、登録支援機関に全部を委託する場合、自社で支援する場合、一部だけ委託する場合で記入欄がどう変わるかという点です。この記事では、入管庁が公表している「全部委託」「自社支援」の記載例を並べて、その違いを具体的に示します。

支援計画書とは|基準省令3条が記載事項を定める

ここでいう支援計画とは、1号特定技能外国人が職業生活・日常生活・社会生活を安定して送れるように、受入れ機関(特定技能所属機関)が行う支援の計画を指します。入管法2条の5第6項が作成を義務づけ、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請の際に、雇用契約書などと一緒に提出します。

基準省令3条1項は、支援計画に次の事項を書くよう求めています。

  1. 職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援の内容(1号イ〜ヌ)
  2. 支援の全部を登録支援機関に委託する場合は、その登録支援機関の登録事項と委託契約の内容(2号)
  3. 支援の一部を他の者に委託する場合は、委託先の氏名・名称、住所と契約の内容(3号)
  4. 支援責任者・支援担当者の氏名と役職名(4号)
  5. 分野ごとに告示で定める事項(5号)

さらに3条2項は、支援計画を日本語と、本人が十分に理解できる言語の両方で作成し、本人に写しを交付することを求めています。日本語版だけを作って提出し、本人には口頭で説明しただけ、という運用は基準を満たしません。

「適合1号特定技能外国人支援計画」の意味

申請書や省令には「適合1号特定技能外国人支援計画」という言葉が出てきます。これは、基準省令4条の基準に適合した支援計画のことです。4条が定める基準は次のとおりです。

  • 支援の内容が本人の適正な在留に役立ち、受入れ機関や委託先が、地方公共団体の共生社会の実現のための施策を踏まえて適切に実施できるものであること(1号)
  • 事前ガイダンスを、対面またはテレビ電話装置などで行うこと(2号)
  • 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応、定期面談を、本人が十分理解できる言語で行うこと(3号)
  • 一部を委託する場合は、委託の範囲を明示すること(4号)

計画書を作ること自体がゴールではなく、この基準に適合した計画を作り、その計画どおりに実施することが受入れ機関の義務です(入管法19条の22第1項)。

義務的支援の10項目と様式の欄の対応

義務的支援は一般に「10項目」と呼ばれます。基準省令3条1項1号のイからヌまでの10個の支援がその数え方の元です。参考様式第1-17号の「Ⅳ 支援内容」欄は、このうち生活オリエンテーション(ニ)と公的手続等への同行(ホ)の一部を組み合わせるなどして、9つの欄で構成されています。

省令3条1項1号 支援の内容 様式Ⅳ欄
イ 事前ガイダンス(申請前の情報提供) 1
ロ 出入国する際の送迎 2
ハ 住居の確保・生活に必要な契約の支援 3
ニ・ホ 生活オリエンテーション、公的手続等への同行 3・4
ヘ 日本語学習の機会の提供 5
ト 相談・苦情への対応 6
チ 日本人との交流の促進 7
リ 非自発的離職時の転職支援 8
ヌ 定期的な面談、行政機関への通報 9

記載例では、公的手続(住民登録などの官公庁への届出)への同行は、3欄の「生活に必要な契約に係る支援」の中で「官公庁への届出」として扱われています。10項目のうち何かを「書き忘れる」ミスは、この対応関係を知らずに様式の欄を埋めていくと起こりやすくなります。

全部委託・自社支援・一部委託で何が変わるか

入管庁は参考様式第1-17号について、「全部委託」「自社支援」「複数人」の3つの記載例を公表しています。ここでは前の2つを比べます。

様式の構成

支援計画書は大きく次の欄に分かれています。

  • Ⅰ 支援対象者(氏名・生年月日・国籍など)
  • Ⅱ 特定技能所属機関(名称、支援責任者・支援担当者、支援体制)
  • Ⅲ 登録支援機関(登録番号、支援責任者・支援担当者、支援事務所など)
  • Ⅳ 支援内容(1〜9の各支援について、実施予定、委託の有無、実施言語・通訳者、実施方法、実施者)
  • Ⅴ 共生施策関係
  • 本人の署名欄、作成責任者欄

比較表

欄 全部委託の記載例 自社支援の記載例
Ⅱ 所属機関 支援責任者・支援担当者は記入。「支援業務を行う体制の概要」は記載不要 支援責任者・支援担当者と支援体制を記入。支援責任者・担当者が本人に指揮命令権を持たないことを確認する欄に「有」
Ⅲ 登録支援機関 登録番号、登録年月日、名称、代表者、支援責任者、支援担当者数、支援事務所の所在地などを記入 記載不要
Ⅳ 委託の有無 すべて「無」(登録支援機関は支援を再委託できないため) すべて「無」
Ⅳ 実施者 登録支援機関の担当者を記入 自社の支援担当者を記入
Ⅴ 共生施策 記入 記入

全部委託の場合に「委託の有無」をすべて「無」とする点は、よく間違えられます。受入れ機関から見れば支援を委託しているので「有」と書きたくなりますが、この欄は実施者がさらに別の者に委託するかを問う欄です。全部委託の記載例は、登録支援機関は支援の再委託ができないので「委託の有無」はすべて「無」になる、と注記しています。

自社支援で求められる「中立性」

自社支援の場合、支援責任者と支援担当者は、支援対象者と異なる部署の職員であるなど、本人に指揮命令権を持たない者でなければなりません。現場の班長や直属の上司を支援担当者にすると、この基準を満たしません。職場の問題を相談できる相手が、その問題を起こしている上司本人では、相談の仕組みとして機能しないからです。

また、自社支援には、過去2年間に中長期在留者の受入れ実績があることなど、受入れ機関の体制の基準(基準省令2条2項)を満たす必要があります。要件の詳細と2027年4月の改正は特定技能の自社支援の要件とは?で整理しています。

一部委託の場合

一部だけを他の者(登録支援機関に限らない)に委託する場合、記載例は公表されていませんが、基準省令から書き方が決まります。3条1項3号により委託先の氏名・名称、住所、契約内容を記載し、4条4号により委託の範囲を明示します。Ⅳ欄では、委託する項目だけ「委託の有無」を「有」とし、委託先と実施者を書くことになります。

一部委託は、たとえば空港送迎だけを外部に頼む、通訳だけを翻訳会社に頼むといった形で使われます。ただし、通訳者を付けるだけであれば、記載例のとおり「実施言語」「通訳者」欄に翻訳会社と通訳者名を書く扱いで、実施者は自社の担当者のままです。どこからが「委託」に当たるかは、その者が支援の実施そのものを担うかどうかで判断します。

項目別の書き方と記入例

以下、記載例の記入内容をもとに、項目ごとの要点を示します。

1 事前ガイダンスの提供

在留資格認定証明書交付申請や変更申請の前に、雇用契約の内容、日本でできる活動、入国手続、保証金・違約金の禁止、支援の費用を本人に負担させないことなどを説明します。記載例の注意書きは「在留諸申請よりも前に実施してください」としています。実施方法は対面かテレビ電話装置などで、書面の郵送やメールだけでは足りません(基準省令4条2号)。記載例では、テレビ電話で合計5時間、通訳者名を記入しています。

チェック項目aからjまでをすべて説明する前提で、実施日(予定日)、実施言語、通訳者、実施方法、実施時間、実施者を書きます。

2 出入国する際の送迎

入国時の空港での出迎えと、契約終了後の出国時の送り出しを書きます。国内在住者が変更申請する場合、入国時の出迎えは「無」とし、その理由(既に入国済み)を括弧内に書きます。

注意書きでは、登録支援機関などが道路運送法上の許可を持たずに車で送迎すると同法違反になる可能性が高いため、公共の交通機関を使うよう求めています。

3 住居の確保・生活に必要な契約の支援

住居は、情報提供と契約の補助、機関が借主となって借り上げる物件の提供、社宅の提供などから方法を選び、居室の広さ(1人当たり7.5㎡以上)や居住費を記入します。記載例では、月額13万円で借り上げた物件に最大10人が住む前提で、1人当たり月額約1万3,000円の居住費を徴収し、「居住人数を踏まえると上記居住費は適正である」と説明を付けています。居住費を徴収する場合は、記載例と同じく実費に基づく根拠を書くことになります。

生活に必要な契約として、銀行口座の開設、携帯電話の契約、電気・ガス・水道の手続、官公庁への届出について、情報提供と同行のどちらを行うかを書きます。

4 生活オリエンテーション

入国後(国内在住者は変更許可後)に、日本での生活一般、法令上の届出、相談窓口の連絡先、母国語で受診できる医療機関、防災・防犯・緊急時の対応、法的保護に必要な事項を説明します。記載例の注意書きは「在留資格変更許可後(又は上陸許可後)に実施してください」としており、事前ガイダンスと実施のタイミングが逆になる点に注意が必要です。

全部委託の記載例では合計8時間と記入されています。実施後は、生活オリエンテーションの確認書(参考様式第5-8号)を支援を行う事務所に備えておく必要があります。時間数と内容の詳細は特定技能の生活オリエンテーションとは?で解説しています。

5 日本語学習の機会の提供

日本語教室の案内、自主学習教材やオンライン講座の情報提供、日本語教師との契約の支援から、実施するものを選びます。すべてを実施する必要はなく、記載例(全部委託)では教室の案内と教材の提供を「有」、日本語教師との契約を「無(上記a又はbの方法で実施予定)」としています。

6 相談・苦情への対応

相談の方法(面談・電話・メール)、対応する時間帯、緊急時の連絡方法、実施言語を書きます。記載例の注意書きは、通常の相談は可能な限り複数の職員を確保し、本人の就業時間外にも対応できることを求め、緊急時には基本的にいつでも連絡が受けられる体制が望ましいとしています。記載例が平日17時から20時と書いているのは、日中に働く本人が相談できる時間帯を意識したものです。

7 日本人との交流の促進

地域の交流の場や自治会の案内、地域行事の案内と参加の補助から選びます。記載例ではいずれか一方を「有」としています。

8 非自発的離職時の転職支援

会社都合で雇用契約を解除する場合に行う支援で、受入れ先の情報提供、ハローワークの案内、推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与、離職時の行政手続の情報提供などを書きます。職業紹介は、職業紹介事業の許可がなければ「無」とし、その理由を括弧内に書きます。実施予定は「非自発的離職時に適宜実施」と記入します。

9 定期的な面談・行政機関への通報

支援責任者または支援担当者が、本人と、本人を監督する立場の者の双方と、3か月に1回以上面談します。記載例では「1月、4月、7月、10月に実施」と具体的な月を書いています。労働関係法令や入管法の違反を知ったときに労働基準監督署や地方出入国在留管理局へ通報することも、この欄に書きます。

面談の方法はオンラインを選べますが、本人がオンラインに同意していない場合や対面を希望する場合は対面で行います。本人の署名欄の近くに、面談の方法について説明を受け、オンラインか対面のどちらを希望するかをチェックする欄があります。詳細は特定技能の定期面談とは?をご覧ください。

見落としやすい「Ⅴ 共生施策関係」欄

基準省令4条1号は、支援を「地方公共団体が実施する共生社会の実現のための施策を踏まえ」て実施できることを求めています。これを受けて、様式にはⅤ欄として共生施策関係の欄が設けられています。

記入するのは、支援対象者が働く事業所の所在地の市区町村と、その共生施策を確認した日と方法(ホームページなど)です。住居地が事業所と別の市区町村にある場合は、住居地の市区町村についても確認日と方法を書きます。そのうえで、「上記の支援は、地方公共団体が実施する共生社会の実現のための施策を踏まえ、適切に実施します」という宣言にチェックを入れる構成です。

福岡市で働き、隣の春日市に住む人であれば、福岡市と春日市の両方のホームページで外国人向けの相談窓口や日本語教室の情報を確認し、その日付を書くことになります。確認した内容は、生活オリエンテーションや日本語学習の支援の中身に反映させると、計画全体の整合性がとれます。市区町村に提出する協力確認書との関係は特定技能の協力確認書とは?提出先の市区町村・提出時期と福岡市・北九州市の手順で扱います。

作成・提出で注意すること

複数人を同時に受け入れる場合

支援対象者が複数いて、支援の内容と実施予定が同じであれば、1人目の支援計画書に加えて、署名日と署名欄がある任意の名簿を提出すれば、全員分の計画書を出さなくてもよいとされています。Ⅰ欄の氏名に「別紙の名簿のとおり」と書く方法です。

本人の署名と翻訳文の交付

計画書の末尾には、本人が理解できる言語の翻訳文の交付を受け、内容の説明を受けて十分理解したことを確認する本人の署名欄があります。署名をもらう前に、翻訳文を渡して説明する手順を踏む必要があります。

計画を変更したら14日以内に届出

支援計画を変更した場合は、変更の日から14日以内に「支援計画変更に係る届出書」(参考様式第3-2号)を、電子届出システムか、受入れ機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局への書面で届け出ます(入管法19条の18第1項2号、施行規則19条の17)。特定技能運用要領(2026年8月版)の別表は、支援責任者の役職変更・新たな選任・退任、支援担当者数の減少などを届出が必要な例として挙げています。一方、法務省令で定める軽微な変更は届出の対象外で、たとえば支援責任者が婚姻で氏名を変えただけの場合は届出不要とされています(ただし「支援の中立性」欄に影響が出る場合は届出が必要)。登録支援機関との委託契約を締結・変更・終了したときは、別に支援委託契約に係る届出(参考様式第3-3-1号・第3-3-2号)が必要です。随時届出の出し方は特定技能の随時届出とは?届出が必要な場面の早見表と14日以内の提出方法で扱います。

登録支援機関が計画書を作成してよいか

支援の実施を登録支援機関に委託することと、支援計画書を作成してもらうことは別の問題です。支援計画書は受入れ機関が作成する書類で、官公署に提出する書類を他人の依頼を受けて報酬を得て作成することは、行政書士法により行政書士・弁護士の業務とされています。登録支援機関に書類作成まで任せる場合は、この点を確認しておく必要があります。登録支援機関の選び方は登録支援機関とは?で解説しています。

よくある質問

特定技能支援計画書はどこへ提出するのですか?

在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請の添付書類として、受入れ機関の所在地などを管轄する地方出入国在留管理局に提出します。九州であれば福岡出入国在留管理局または各出張所です。計画書だけを単独で提出する手続きはなく、変更した場合に届出書を出す形になります。

登録支援機関に全部委託すれば、受入れ機関は何も書かなくてよいですか?

いいえ。支援計画書の作成者は受入れ機関で、Ⅱ欄の所属機関の情報、Ⅲ欄の登録支援機関の情報、Ⅳ欄の支援内容はすべて埋める必要があります。全部委託で記載不要になるのは、Ⅱ欄の「支援業務を行う体制の概要」です。また、委託しても支援を実施する責任が受入れ機関からなくなるわけではありません。

義務的支援のうち「無」と書いてよい項目はありますか?

入国時の送迎(国内在住者の場合)や、職業紹介(許可がない場合)のように、実施の対象や前提がない項目は、理由を括弧内に書いて「無」とします。事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応、定期面談のように、必ず実施する項目を「無」にすることはできません。日本語学習や交流促進は、選択肢のうち一部を実施すれば足ります。

支援にかかる費用を本人に負担させてもよいですか?

義務的支援の費用は、直接・間接を問わず本人に負担させることはできません。事前ガイダンスの説明項目にも「支援に要する費用を負担させないこと」が含まれています。居住費のように本人が使うものの実費は別で、計画書に根拠を書いて徴収できます。

支援計画書は「審査用の書類」でなく「実施の約束」

支援計画書を書く作業は、様式の欄を埋めることに見えます。しかし、基準省令と記載例の注意書きを読むと、入管庁が見ているのは、書かれた支援が実際に実施できる体制になっているかです。事前ガイダンスを申請前に行ったか、面談を3か月ごとに行っているか、相談を就業時間外に受けられるか。こうした点は、定期届出や更新申請のたびに実施状況として確認されます。

筆者は、計画書を作る段階で、記載した日付・時間・担当者のとおりに実際の予定を社内のカレンダーに入れてしまうことをお勧めしています。計画と実施がずれたときに変更の届出が必要になるのは、計画書が受入れ機関の約束として扱われているからです。全部委託か自社支援かの選択も、費用だけでなく、その約束を誰が守る体制にするかで考えると判断しやすくなります。個別の受入れで基準を満たすかは、事情によって判断が変わります。

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根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。