企業内転勤ビザは、海外の本社・支店・グループ会社で1年以上、技人国に当たる仕事をしてきた社員を、期間を決めて日本の事業所に転勤させるための在留資格です。上陸許可基準は「直前1年以上の継続勤務」と「日本人と同等額以上の報酬」の2つだけで、技人国のような学歴要件はありません。
その代わりに、二つの制約がつきます。日本での勤務は一定期間に限られること、そして転勤した特定の事業所でしか働けないことです。入管の内部基準である入国・在留審査要領は、この2点を技人国との違いとして明記しています。海外で採用したばかりの社員や、日本で長く働いてもらう予定の社員には、企業内転勤ではなく技人国のほうが合う場面があります。
以下では、情報公開請求で開示された審査要領の第12編第16節(16-1〜16-12)と、出入国在留管理庁の公表資料をもとに整理します。扱うのは、要件の中身、「転勤」と認められる会社の範囲、技人国との使い分け、申請書類と在留期間です。審査要領には一部黒塗りがあり、在留期間の表のように原本の確認が必要な箇所はその旨を書いています。
この記事でわかること
- 審査要領が確認する企業内転勤の要件と、「期間を定めて転勤」の意味
- 親会社・子会社・関連会社のどこまでが「転勤」になるか
- 技人国との違い(学歴・契約・勤務先の変更)と使い分け
- 令和8年4月からの提出書類一覧、処理期間、10月からの手数料
- 来日後の国内異動・転職の扱いと、企業内転勤2号の予定
企業内転勤ビザとは何か
入管法別表第一の二の表は、企業内転勤の活動を「本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う」技人国の項の下欄に掲げる活動、と定めています。日本でする仕事の中身は技人国と同じです。違うのは、その仕事をする人が「同じ企業グループの中で動いてきた人」であるという点にあります。
「企業活動の国際化に対応し、人事異動により外国の事業所から本邦の事業所に転勤する外国人を受け入れるために設けられたものである。」
出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第16節 16-1
ここでいう人事異動とは、企業が自らの判断で社員の配置を変えることを指します。企業内転勤は、その配置転換の行き先が日本の事業所になる場合の受け皿です。審査要領は続けて、活動内容は技人国に係る活動であり、同一企業等の中の転勤者として日本で限られた期間だけ勤務する点が技人国と異なる、と整理しています(16-1)。
日本で従事する業務は、自然科学の分野の技術・知識、人文科学の分野の知識、外国の文化に基盤を有する思考・感受性のうち、少なくとも一つを必要とするものでなければなりません(16-1)。工場のライン作業や店舗での販売が中心になる転勤は、企業内転勤の対象になりません。
審査で確認される要件
審査要領の「審査のポイント」(16-4)と「留意事項」(16-2)を並べると、企業内転勤の許否は次の事項で判断されます。上陸許可基準(入管法7条1項2号の基準省令で定める条件)に当たるのは、このうち直前1年以上の継続勤務と報酬の2つです。
| 確認事項 | 中身 | 審査要領 |
|---|---|---|
| 事業所の関係 | 外国の事業所と日本の事業所が、本店・支店、親会社・子会社、関連会社などの関係にあること | 16-4、16-9〜16-11 |
| 期間を定めた転勤 | 日本の事業所での勤務が一定期間に限られていること | 16-2、16-4 |
| 日本での活動 | 技人国の項の下欄に掲げる活動であること | 16-1、16-4 |
| 直前1年以上の勤務(基準1号) | 転勤の直前に外国の事業所で技人国相当の業務に継続して1年以上従事していたこと | 16-3、16-4 |
| 報酬(基準2号) | 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上 | 16-4 |
| 日本の事業所 | 事業が適正・安定的に行われ、施設が確保されていること | 16-2 |
直前1年以上の継続勤務
ここで重要なのは、1年要件が何を防ぐための規定なのかという論点です。審査要領は趣旨をはっきり書いています。
「新たに採用した職員を直ちに本邦に転勤させることは認めないという規定であり、これは外国企業が本邦における労働力を確保しようという目的だけのために、その企業において何ら在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行ったことがない新規採用職員を本邦に転勤させることを防止する趣旨である。」
出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第16節 16-3
海外で従事していた業務は技人国の下欄に当たる業務であれば足り、日本で従事する業務と同一または関連する業務である必要まではないとされています(16-3)。海外で経理をしていた社員が、日本では営業企画を担当しても差し支えありません。反対に、海外での仕事が現場作業だった場合は、在籍期間が何年あっても要件を満たしません。
期間の数え方には二つの緩和があります。直前1年以内に企業内転勤で日本の事業所にいた期間は合算できます。また、同種の業務を行う子会社や関連会社で、人事異動が一体的に行える程度の関係があれば、そこでの勤務実績を合算して1年以上と扱ってよいとされています(16-3)。1年に届かない社員をどう呼ぶかは企業内転勤の1年要件|海外勤務1年未満の社員を日本に呼ぶ方法と技人国への切替えで詳しく扱います。
「期間を定めて転勤」の意味
審査要領は「期間を定めて転勤して」を、日本の事業所での勤務が一定期間に限られていることを意味すると定義しています(16-2)。決定時の審査でも、期間を定めた転勤であることが独立した確認事項です(16-4)。申請書の派遣・就労予定期間欄と、転勤命令書や辞令に書かれた期間が一致しているかは、最初に見られる部分になります。期限の定めがない異動、つまり日本に定着させる前提の配置であれば、筆者は技人国での申請を検討すべきと考えます。
報酬は日本人と同等額以上
報酬要件は技人国と同じで、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることです(16-4)。審査要領第1節は、報酬の月額を賞与等を含めた1年分の報酬総額の12分の1で計算し、通勤手当・住宅手当など実費弁償の性格のもの(課税対象となるものを除く)は含めないとしています(1-3〜1-4)。一律の金額基準はなく、その会社の日本人社員の賃金や同業他社の水準と比べて判断されます。
転勤者に特有の論点が、誰が給与を払うかです。審査要領は、日本国内で役務を提供してその対価を受けている場合は、支給する機関が日本にあるかどうかにかかわらず「報酬を受ける活動」に当たるとしています(1-4)。海外の本社が給与を払う形も制度上はあり得ますが、同等額以上かどうかの立証は日本払いの場合より手間がかかります。支払形態ごとの注意は企業内転勤ビザの給与は海外親会社払いでもよい?報酬要件と契約の考え方にまとめました。
「転勤」と認められる会社の範囲
「転勤」は通常は同一会社内の異動を指しますが、系列企業内の出向等も含まれます。ここでいう系列企業とは、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条にいう「親会社」「子会社」「関連会社」を指します(16-1)。範囲を一覧にすると次のとおりです。
| 異動のパターン | 企業内転勤の対象か |
|---|---|
| 本店(本社)⇔支店(支社・営業所) | 対象 |
| 親会社⇔子会社、親会社⇔孫会社(みなし子会社) | 対象 |
| 子会社同士、孫会社同士、子会社⇔孫会社 | 対象 |
| 曾孫会社同士 | 原則対象外(親会社から曾孫会社まで一貫して100%出資なら対象) |
| 会社⇔自社の関連会社 | 対象 |
| 関連会社同士、親会社⇔子会社の関連会社 | 対象外 |
子会社同士の異動が対象になる理由について、審査要領は、企業の分社化が進んでいる状況を考慮し、子会社同士を親会社と一体性を有するものとして扱うと説明しています(16-10)。出資比率がどこから親子会社・関連会社になるのか、曾孫会社の扱いはどうなるのかは企業内転勤の「転勤」の範囲|親会社・子会社・孫会社・関連会社への異動で条文ごとに整理しています。
技人国との違いはどこにあるか
日本でする仕事が同じなら、どちらで申請しても同じではないか。相談の場でよく出る疑問です。答えは、入口の要件と、入国後の自由度が違います。
「「企業内転勤」の在留資格においては、期間を定めて転勤するものであること及び転勤した特定の事業所においてしか活動を行うことができないことが「技術・人文知識・国際業務」の在留資格と相違する。」
出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第15節 15-4
| 企業内転勤 | 技人国 | |
|---|---|---|
| 学歴・実務経験 | 基準に学歴要件なし | 関連科目を専攻した大学卒等、または実務経験10年(国際業務は原則3年) |
| その会社での勤務歴 | 転勤直前に継続1年以上 | 不要 |
| 日本での勤務期間 | 一定期間に限られる | 限定なし |
| 働ける場所 | 転勤した特定の事業所 | 契約機関の業務の範囲で限定なし |
| 転職 | 転勤元の変更は転職とされ、該当性が認められない | 業務が技人国の範囲内なら同じ資格で可(届出は必要) |
学歴の点は、企業内転勤を選ぶ最大の理由になります。企業内転勤の上陸許可基準は第1号(直前1年以上の継続勤務)と第2号(報酬)で構成されています(16-3〜16-4)。技人国の基準省令第1号にある「関連する科目を専攻して大学を卒業」や「10年以上の実務経験」に当たる要件はありません。高校卒業後に海外の現地法人で技術者として育った社員でも、1年以上の勤務歴と報酬の要件を満たせば、企業内転勤で日本に呼べます。
契約の扱いも押さえておきたい点です。技人国は「本邦の公私の機関との契約に基づいて」行う活動です。一方、企業内転勤について審査要領は、同一の法人内で異動して企業内転勤で在留する場合は、改めて雇用等の契約を結ぶ必要はないとしています(16-2)。
法人が異なる場合、たとえば海外の親会社から日本の子会社へ出向する場合について、入管庁の提出書類一覧は「労働条件明示書面」を活動内容の資料として挙げています(令和8年4月1日運用開始の一覧)。同じ法人の中の転勤なら転勤命令書・辞令、役員として転勤するなら定款や株主総会議事録、という区分です。
どちらを選ぶかについて、筆者は次のように考えています。学歴要件を満たさない社員を、期間を区切って日本に送るなら企業内転勤。学歴要件を満たし、日本で複数の拠点を担当させる可能性や、長期の定着を見込むなら技人国。勤務先の変更に縛りが少ない技人国は、会社にとって将来の配置の選択肢を残す先行投資の意味を持ちます。
役員として転勤する場合
審査要領は、企業内転勤者が企業の経営又は管理に従事する場合は「経営・管理」の在留資格に該当するとしています(16-2〜16-3)。日本法人の代表取締役や、事業の管理を担う支店長として赴任する場合は、企業内転勤ではなく経営・管理の要件で審査されます。経営・管理は2025年10月16日施行の改正で資本金3,000万円などの新基準が入っているため、肩書きをどうするかは申請前に決めておく必要があります。
受入れ機関と日本の事業所
「本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関」には、民間企業のほか、公社、独立行政法人、JETROや経団連のような団体、外国の政府関係機関や外国の地方公共団体の関係機関も含まれます(16-1)。外国の政府関係機関での活動が「外交」「公用」に当たる場合は、そちらが決定されます。
日本の事業所は、事業が適正かつ安定的に行われ、施設が確保されてそこで事業活動が行われていることが必要です(16-2)。例外として、地方公共団体、独立行政法人、地方公共団体の出資比率が2分の1以上の第三セクターが提供した施設を使って外国企業が支店等の開設準備をする場合は、施設が確保されているものと扱われます。ただし施設は地方公共団体等が保有するものに限られ、借りた施設をまた貸しする形は認められません(16-2)。
申請の流れ・必要書類・処理期間
海外にいる社員を呼ぶ場合は在留資格認定証明書交付申請、すでに日本に別の在留資格でいる社員を切り替える場合は在留資格変更許可申請になります。提出書類は所属機関のカテゴリーで変わり、上場企業などのカテゴリー1・2は簡素化され、カテゴリー3・4では次の資料が求められます(入管庁「企業内転勤」ページの提出書類一覧、令和8年4月1日運用開始)。
- 活動内容の資料(同一法人内なら転勤命令書・辞令、法人が異なるなら労働条件明示書面、役員なら定款・株主総会議事録)
- 転勤前後の事業所の関係を示す資料(支店の登記、出資関係・資本関係の資料)
- 転勤前に勤務していた事業所の存在を明らかにする資料(公的機関の法人登記資料、または納税状況・取引実績・船荷証券・輸出入許可書・広告等)
- 経歴書と、過去1年間の業務内容・地位・報酬を明示した転勤直前の外国機関の文書(社会保険加入証明等)
- 日本の事業内容の資料、登記事項証明書、事業所の存在を示す資料(不動産登記簿、写真・平面図等)、直近の決算書(新規事業は事業計画書)
この一覧のうち、転勤前の外国事業所の実在を示す資料が明記されている点は目を引きます。ただ、これが令和8年4月の変更点なのかどうかは、公表されたページからは特定できません【要確認】。いずれにしても、海外拠点の登記資料や取引実績を日本側で取り寄せるには時間がかかるため、準備は早めに始めてください。
処理期間について、入管庁は就労資格の標準処理期間を認定1〜3か月、変更1〜2か月、更新2週間〜1か月としています(就労資格のQ&A Q7)。実績の平均では、令和8年7月に許可された企業内転勤は、認定が37.8日、更新が39.6日、変更が13.0日でした(在留審査処理期間、令和8年7月許可分。不許可・取下げは含まない)。同じ月の技人国の認定は49.8日で、企業内転勤のほうが短くなっています。
在留期間と手数料
企業内転勤の在留期間は5年・3年・1年・3月です(入管庁「企業内転勤」ページ)。審査要領の在留期間の表(16-5〜16-6)は技人国とほぼ同じ構成ですが、開示版の該当頁はOCRが大きく崩れており、細部は原本で確認が必要です。読み取れる範囲では、契約機関がカテゴリー1・2であることが5年の条件の一つに挙がっています。3年は就労予定期間が1年を超え3年以内、1年は契約機関がカテゴリー4の場合や就労予定期間が1年以下の場合とされています。注記として、納税などの公的義務を履行していない場合や刑事処分を受けた場合は在留の可否と期間を検討することが書かれています。また、更新時に就労予定期間の残りが3月未満でも中長期在留者から外れないよう、原則1年を決定するとされています(16-6)。
期間を定めて転勤する資格なので、転勤命令に書いた期間が在留期間に直接影響します。審査要領の区切りに当てはめると、就労予定期間が1年を超え3年以内なら3年、1年以下なら1年が目安になり、転勤期間の設定と在留期間がつながっています。
在留期間の変更・更新の許可手数料は、令和8年10月1日から在留期間に応じた額になります。窓口では1年が33,000円、1年超3年未満が48,000円、3年以上5年未満が64,000円、5年以上が75,000円です。オンラインではそれぞれ27,000円、42,000円、56,000円、65,000円です。令和8年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降でも改定前の手数料(窓口6,000円、オンライン5,500円)が適用されます。根拠は入管庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」です。
家族を連れてくる場合
企業内転勤で在留する人の扶養を受ける配偶者と子は、在留資格「家族滞在」の対象です(入管法別表第一の四の表)。家族の申請も、本人と同じく入管への申請が必要です。企業内転勤の要件を満たしているかどうかとは別に、家族の側の書類をそろえることになります。
来日後に勤務先が変わるとき
転勤した特定の事業所でしか働けないという制約は、来日後の人事で問題になります。審査要領は、日本国内で勤務先を変えることを「更なる転勤」と呼び、原則として在留資格該当性を失うとしています(16-12)。更新時にも、申請時と同じ事業所で活動を続けていることが確認されます(16-4)。
ただし、この「更なる転勤」は、転勤元の外国事業所が関与せず、日本の事業所の単独判断で別の事業所へ移すことを指します。転勤元の最終的な判断による命令(日本の事業所と転勤元の連名の辞令や、転勤元の承認がある場合を含む)であれば、帰国せずに同一企業内の別の事業所へ移っても該当性は認められます(16-12)。辞令の出し方ひとつで結論が分かれるため、国内異動を予定している会社は企業内転勤中に日本国内の別の支店・グループ会社へ異動できるかを先に確認してください。
海外の所属会社そのものが変わる場合、つまり転職を伴う場合は、形式上グループ内の転勤に見えても、審査要領は転勤元の変更を転職とみなし、該当性を認めていません(16-12)。
企業内転勤2号【予定】
令和9年4月1日に施行される育成就労制度の導入にあわせて、在留資格「企業内転勤2号」が新たに設けられる予定です。入管庁の育成就労制度Q&A(Q27)は、外国の支店や子会社の社員等を研修等のために比較的短期間、企業単独型の1号技能実習で受け入れているようなものに触れています。そうしたものについて、制度見直し後は一定の要件の下で「企業内転勤2号」により受け入れることを「想定」していると説明しています。期間・報酬・技能水準などの要件は、2026年9月23日時点の公表資料には見当たりません【要確認】。現行の企業内転勤は、この記事で扱った要件のまま運用されています。今後の動きは企業内転勤2号とは?いつから・1号との違い・企業単独型技能実習との関係で追っていきます。
よくある質問
Q. 企業内転勤ビザに学歴は必要ですか?
企業内転勤の上陸許可基準は、転勤直前に外国の事業所で1年以上継続して技人国相当の業務に従事していたことと、日本人と同等額以上の報酬を受けることの2つです。技人国の基準省令第1号のような学歴や10年の実務経験の要件は置かれていません。ただし、日本で行う活動は技人国の業務に当たるものでなければなりません。
Q. 日本法人と改めて雇用契約を結ぶ必要はありますか?
同じ法人の外国の事業所から日本の事業所への転勤であれば、改めて雇用等の契約を結ぶ必要はないと審査要領16-2に書かれています。親会社から子会社への出向のように法人が異なる転勤の場合、入管庁の提出書類一覧では労働条件を明示した書面を出すことになっています。
Q. 海外で働いた期間が1年に満たない社員は呼べませんか?
企業内転勤では呼べませんが、技人国の上陸許可基準に適合すれば技人国で入国できます。審査要領は、企業内転勤の基準に適合しない場合でも直ちに不交付とせず、技人国に当たるかを確認するよう定めています。同一法人内の転勤なら、技人国の場合も新たな雇用契約は不要とされています。
Q. 企業内転勤で来日した社員を、日本国内の別の支店に異動させられますか?
日本の事業所だけの判断で異動させると「更なる転勤」に当たり、原則として在留資格該当性を失います。一方、転勤元である外国の事業所の最終的な判断による命令(連名の辞令や転勤元の承認など)であれば、帰国せずに同一企業内の別の事業所へ移っても該当性が認められます。
Q. 企業内転勤ビザで家族を呼べますか?
呼べます。企業内転勤で在留する人の扶養を受ける配偶者と子は、在留資格「家族滞在」の対象です(入管法別表第一の四の表)。
申請前に確認しておくこと
企業内転勤を検討している会社は、まず転勤させたい社員について三つのことを書き出してください。海外の事業所で技人国に当たる業務を何年何か月続けているか、日本側の受入れ会社と海外の所属会社の資本関係はどうなっているか、日本での勤務期間を何年と定めるか。この三つが埋まれば、企業内転勤で進めるか、技人国に切り替えるかの判断がつきます。
1年要件がぎりぎりの社員、出資関係が複雑なグループ、来日後に複数拠点を回らせる予定がある場合は、辞令と提出書類の組み立てで結果が変わります。申請書を作る前の段階で、専門家に一度確認してもらうことをおすすめします。
根拠資料
- 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第16節「企業内転勤」16-1〜16-12(情報公開請求による開示版。一部黒塗り・OCR不鮮明あり)
- 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第15節「技術・人文知識・国際業務」15-4
- 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第1節 第2「報酬」1-3〜1-4
- 出入国在留管理庁「在留資格「企業内転勤」」・提出書類一覧(令和8年4月1日運用開始)https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/intracompanytransfee.html、https://www.moj.go.jp/isa/content/001457117.pdf
- 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)https://www.moj.go.jp/isa/content/001344550.pdf
- 出入国在留管理庁「在留審査処理期間(令和8年7月許可分)」https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00140.html
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」https://www.moj.go.jp/isa/01_00644.html
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q27 https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
- 出入国管理及び難民認定法 別表第一の二の表「企業内転勤」、別表第一の四の表「家族滞在」