技能実習生の受け入れ人数枠は、実習実施者の常勤職員の総数で決まり、団体監理型で常勤職員30人以下の会社なら、第1号技能実習生3人、第2号技能実習生6人が基本の上限です。実習実施者と監理団体の両方が優良と認められると、第1号6人、第2号12人に倍増し、第3号18人の枠も加わります。ここで数える常勤職員には技能実習生自身を含めず、どの区分でも常勤職員の総数(第2号は2倍、第3号は3倍)を超えて受け入れることはできません。
技能実習生の受け入れ人数枠の根拠
人数枠の根拠は、技能実習法9条11号と、同法施行規則16条です。法9条11号は、技能実習計画の認定基準の一つとして、同時に複数の技能実習生に技能実習を行わせる場合はその数が主務省令で定める数を超えないことを求めています。その「主務省令で定める数」を具体的に定めているのが規則16条です。
人数枠は、技能実習計画の認定の段階で審査されます。技能実習計画認定申請書と申請者の概要書に常勤職員数と受入れ中の技能実習生数を書き、枠を超えていれば計画は認定されません。在留資格の申請より前の段階で止まる要件だということです。
出入国在留管理庁・厚生労働省の技能実習制度運用要領(令和8年4月版)は、人数枠の趣旨を、技能実習の適正な実施と技能実習生の保護の観点から設けた上限であり、実習実施者の指導体制の目安だと説明しています。1人の日本人職員が指導できる実習生の数には限りがある、という考え方が数字の背後にあります。
基本人数枠|常勤職員数ごとの人数
規則16条1項が定める基本人数枠は次のとおりです。
- 常勤職員301人以上:常勤職員の総数の20分の1
- 201人以上300人以下:15人
- 101人以上200人以下:10人
- 51人以上100人以下:6人
- 41人以上50人以下:5人
- 31人以上40人以下:4人
- 30人以下:3人
この基本人数枠が、団体監理型の第1号技能実習生の上限になります。第2号は基本人数枠の2倍です。第1号は1年間、第2号は2年間なので、通常の実習実施者が第1号と第2号を同時に抱える状態では、30人以下の会社で最大9人(第1号3人+第2号6人)が在籍することになります。
常勤職員数別の早見表(団体監理型)
区分ごとの人数枠を常勤職員数別に並べると、次のようになります。優良の欄は、実習実施者が優良要件に適合し、かつ監理団体が一般監理事業の許可を受けている場合です。
| 常勤職員の総数 | 第1号 | 第2号 | 優良・第1号 | 優良・第2号 | 優良・第3号 |
|---|---|---|---|---|---|
| 301人以上 | 総数の1/20 | 総数の1/10 | 総数の1/10 | 総数の1/5 | 総数の3/10 |
| 201〜300人 | 15人 | 30人 | 30人 | 60人 | 90人 |
| 101〜200人 | 10人 | 20人 | 20人 | 40人 | 60人 |
| 51〜100人 | 6人 | 12人 | 12人 | 24人 | 36人 |
| 41〜50人 | 5人 | 10人 | 10人 | 20人 | 30人 |
| 31〜40人 | 4人 | 8人 | 8人 | 16人 | 24人 |
| 30人以下 | 3人 | 6人 | 6人 | 12人 | 18人 |
この表の数字には、もう一段の上限がかかります。規則16条と運用要領は、団体監理型・企業単独型のいずれでも、第1号は常勤職員の総数、第2号は常勤職員の総数の2倍、第3号は常勤職員の総数の3倍を超えてはならないとしています。
小さな事業者では、この上限のほうが先に効きます。たとえば常勤職員が2人の会社は、表の上では第1号3人ですが、実際に受け入れられる第1号は2人、第2号は4人までです。優良と認められても、第1号は2人のまま、第2号は4人、第3号は6人が上限になります。家族経営の農家や小規模な工場では、表だけを見て計画を立てないよう注意してください。
第3号の枠は、優良な実習実施者と監理団体にしか認められていません。優良でなければ第3号技能実習そのものを行えないためです。運用要領は、第3号の人数枠を第1号の2倍ではなく3倍(基本人数枠の6倍)まで設定した理由として、他の実習実施者から第3号の技能実習生を受け入れられるようにする趣旨を挙げています。
企業単独型の人数枠
企業単独型技能実習は、海外の子会社や取引先の職員を受け入れる形態です。人数枠は、出入国在留管理庁長官と厚生労働大臣が「継続的かつ安定的に企業単独型技能実習を行わせることができる体制を有する」と認めた企業かどうかで分かれます。
認められた企業は、団体監理型と同じ基本人数枠を使えます。認められていない企業の枠は、第1号が常勤職員の総数の20分の1、第2号が10分の1で、優良であれば第1号10分の1、第2号5分の1、第3号10分の3です。たとえば常勤職員40人の企業で認定を受けていなければ、第1号は2人までになります。
運用要領は、この体制の認定を受けられる企業として、中小企業基本法上の大企業に当たるもの(製造業・建設業等なら資本金3億円以上または常勤職員301人以上)と、それ以外で受入れ実績があり、過去1年間に改善命令を受けておらず、常勤職員が原則60人以上いるものなどを挙げています。認定の有効期間は、技能実習計画が認定された日から3年間です。
常勤職員の数え方|技能実習生は除外する
人数枠の計算で最も誤りが出やすいのが、分母になる常勤職員の数え方です。運用要領は次のように整理しています。
ここでいう常勤職員とは、実習実施者に継続的に雇用されている職員(いわゆる正社員。正社員と同様の就業時間で継続的に勤務している日給月給者を含む)を指します。運用要領は、次のどちらかに当たれば常勤職員として差し支えないとしています。
- 所定労働日数が週5日以上かつ年間217日以上で、週所定労働時間が30時間以上
- 雇用保険の被保険者で、週所定労働時間が30時間以上
一方で、外国にある事業所に所属する常勤の職員と、技能実習生は、常勤の職員に含まれません。運用要領はその理由を、技能実習生は技能等を修得する立場にあるため、指導体制の目安である人数枠の算出根拠には含めないと説明しています。特定技能外国人や技術・人文知識・国際業務の外国人社員は、上の条件を満たせば常勤職員に数えられますが、技能実習生は第1号から第3号まで一律に除外されます。
そのほか、運用要領が示す数え方の要点は次のとおりです。
- 役員は原則として職員に数えないが、取締役部長のように法人から労働の対価として報酬を受けて使用されている人は、上の1か2に当たれば含めてよい
- 派遣労働者は、実習実施者と雇用契約がないため、派遣先の常勤職員に数えられない
- 常勤職員の総数は、本社・支社・事業所を含む法人全体で数え、事業所ごとには数えない
- 個人事業の農家では、確定申告の収支内訳書(農業所得用)の事業専従者欄に記載があるかなどを確認し、個人事業主本人を含めて常勤と認めるか判断する
経営・管理の在留資格でも常勤職員の数え方が問題になりますが、そちらは入管法上の基準で、技能実習の人数枠とは定義が異なります。比較したい場合は経営管理ビザの「常勤職員」とはを参照してください。
優良認定で人数枠が拡大する条件
人数枠が倍になる優良の扱いを受けるには、団体監理型の場合、実習実施者が規則15条の優良要件に適合し、かつ監理団体が一般監理事業の許可を受けていることが必要です。実習実施者だけが優良でも、監理団体が特定監理事業の許可しか持っていなければ、枠は広がりません。
実習実施者の優良要件は、技能等の修得の実績、技能実習を行わせる体制、待遇、法令違反・問題の発生状況、相談・支援体制、地域社会との共生の各項目を点数化し、満点150点の6割以上で適合とする仕組みです。技能検定の合格実績の配点が大きく、改善命令を受けていると大きく減点されます。優良要件の配点は、厚生労働省の「技能実習制度における優良な実習実施者及び監理団体(一般監理事業)の要件」で確認できます。
介護職種の人数枠は事業所単位
介護職種は、規則16条3項に基づく告示で、ほかの職種とは別の人数枠が定められています。違いは2点です。1つは、法人全体ではなく事業所単位で数えること。もう1つは、分母が介護等を主たる業務として行う常勤職員(常勤介護職員)で、その総数が受入れ全体の上限になることです。
外国人技能実習機構の「介護職種における技能実習計画の認定基準の概要」による団体監理型の人数枠は、次のとおりです。
| 事業所の常勤介護職員数 | 一般・第1号 | 一般・全体(1・2号) | 優良・第1号 | 優良・全体(1・2・3号) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 |
| 2人 | 1人 | 2人 | 2人 | 2人 |
| 3〜10人 | 1人 | 3人 | 2人 | 3〜10人 |
| 11〜20人 | 2人 | 6人 | 4人 | 11〜20人 |
| 21〜30人 | 3人 | 9人 | 6人 | 21〜30人 |
| 31〜40人 | 4人 | 12人 | 8人 | 31〜40人 |
| 41〜50人 | 5人 | 15人 | 10人 | 41〜50人 |
| 51〜71人 | 6人 | 18人 | 12人 | 51〜71人 |
| 72〜100人 | 6人 | 18人 | 12人 | 72人 |
| 101〜119人 | 10人 | 30人 | 20人 | 101〜119人 |
| 120〜200人 | 10人 | 30人 | 20人 | 120人 |
| 201〜300人 | 15人 | 45人 | 30人 | 180人 |
| 301人以上 | 1/20 | 3/20 | 1/10 | 3/5 |
表の「全体」は、同時に在籍できる技能実習生の合計です。一般の実習実施者で常勤介護職員が10人の事業所なら、第1号は1人、第1号と第2号の合計で3人までになります。介護職種では、このほかに技能実習生5人につき1人以上の技能実習指導員の選任、開設後3年以上の事業所であること、訪問系サービスは対象外であることなどの固有要件もかかります。
建設関係職種は常勤職員数が上限
建設関係職種等については、令和元年国土交通省告示第269号により、2022年4月1日から、技能実習生の総数が常勤の職員の総数を超えてはならないという上限が設けられています。基本人数枠の範囲内であっても、実習生の合計が常勤職員数を上回る計画は認定されません。JITCOの案内によれば、この上限は、企業単独型では実習実施者が優良な場合、団体監理型では実習実施者と監理団体の両方が優良な場合には適用されません。
運用要領によれば、以前は建設業で元請企業が下請企業の職員を常勤職員に数える扱いが認められていましたが、この告示に合わせて2022年4月1日からその扱いはなくなりました。造船業については、一定の条件の下で下請企業の職員を元請企業の常勤職員として数える扱いが残っています。
人数枠の外で受け入れられる技能実習生
規則16条4項は、次の技能実習生については、人数枠を超える場合でも枠に上乗せして受け入れられるとしています。
- 他の実習実施者での実習が困難になった第1号・第2号・第3号技能実習生を引き受け、引き続き実習の機会を与える場合
- 自社の第1号技能実習生に、第1号の開始後に特別な事情が生じたにもかかわらず、自社で引き続き実習を続けることを希望する場合(第2号へ移行するとき)
他社からの受入れは、倒産や不正行為の発覚などで、規則が定める「やむを得ない事情」があり転籍が必要と認められることが前提です。自社の都合で枠を広げるための仕組みではありません。
2027年4月の育成就労への移行と人数枠
育成就労制度は2027年4月1日に施行され、施行日以降は技能実習計画の新たな認定申請ができなくなります。ただし、経過措置により、施行日前に認定を受けた技能実習生は、施行後も第1号から第2号、第2号から第3号への移行を続けられます。第2号から第3号へ移る計画の認定でも規則16条の人数枠は審査されるため、2027年4月以降もしばらくは、この人数枠を意識した管理が続きます。経過措置の詳細は技能実習はいつ廃止?2027年4月以降の経過措置と今の実習生の扱いで扱います。
育成就労の人数枠は、技能実習とは別の数字で定められています。育成就労制度運用要領によれば、監理型の基本人数枠は常勤職員30人以下で9人、51人以上100人以下で18人などとされ、技能実習の第1号の枠より大きな数字になっています。育成就労の人数枠は育成就労の人数枠|常勤職員数別の上限表と優良・地方枠、介護の事業所単位で扱います。制度移行の全体像は【2027年4月施行】育成就労制度とは?を参照してください。
よくある質問
技能実習生の人数は従業員数からカウントするのですか?
従業員数のうち「常勤の職員」の総数で数えます。週30時間以上働く正社員や、雇用保険に加入し週30時間以上働く人などが対象で、パート・派遣労働者・海外事業所の職員・技能実習生は含めません。法人全体で数え、事業所ごとには分けません(介護職種を除く)。
技能実習2号の受け入れ人数は何人ですか?
団体監理型の通常の実習実施者なら、基本人数枠の2倍です。常勤職員30人以下なら6人、51〜100人なら12人になります。ただし常勤職員の総数の2倍が上限で、常勤職員が2人なら4人までです。優良と認められると基本人数枠の4倍(30人以下で12人)に広がります。
技能実習生の受け入れ人数の上限は?
どの形態・区分でも、第1号は常勤職員の総数、第2号はその2倍、第3号はその3倍が上限です。そのうえで、常勤職員数に応じた基本人数枠と、優良かどうかによる倍率がかかります。介護職種は事業所の常勤介護職員数が受入れ全体の上限、建設関係職種は常勤職員の総数が技能実習生全体の上限です。
特定技能には人数制限がありますか?
特定技能は、原則として受入れ機関ごとの人数枠がありません。例外は介護と建設で、介護は事業所の日本人等の常勤介護職員の総数、建設は受入れ企業の常勤職員の総数が上限になります。技能実習との違いは技能実習と特定技能の違いとは?で比較しています。
人数枠は「今いる人数」と「3年後の人数」で確認する
人数枠の確認で見落とされやすいのは、第1号の枠だけを見て採用計画を立ててしまうことです。第1号で3人を受け入れた翌年、その3人が第2号に移り、同時に新しい第1号を3人受け入れると、第2号の枠6人のうち3人が埋まった状態で次の年を迎えます。第3号まで見据えるなら、優良要件を満たせるかどうかで3年後の在籍人数が大きく変わります。
筆者は、技能実習計画を申請する前に、常勤職員数の見込みと、第1号・第2号・第3号の在籍予定人数を年ごとに一覧にして、各年で枠を超えないかを確かめることを勧めます。退職などで常勤職員が減ると、次の計画認定で枠が足りなくなることもあります。人数枠と常勤職員の数え方は法人の構成や雇用形態で結論が変わり、個別の事情で判断が変わるため、判断に迷うときは外国人技能実習機構の地方事務所や専門家に事前に相談してください。
根拠資料
- 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(e-Gov法令検索)
- 技能実習制度 運用要領(令和8年4月)(出入国在留管理庁・厚生労働省)
- 技能実習制度における優良な実習実施者及び監理団体(一般監理事業)の要件(厚生労働省)
- 介護職種における技能実習計画の認定基準の概要(外国人技能実習機構)
- 建設関係職種等の基準(技能実習生の数)について(JITCO・2022年3月15日)
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