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特定技能試験とは?分野別の試験一覧と合格から在留資格申請までの流れ

特定技能試験とは、在留資格「特定技能」を取るために合格が必要な、分野ごとの技能試験と日本語試験の総称です。特定技能1号では、原則として分野別の技能評価試験と、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上の両方に合格する必要があります。技能試験は分野ごとに別の団体が実施しており、日程も申込み方法もばらばらです。国内で受験できるのは満17歳以上で在留資格を持っている人(短期滞在を含む)で、合格した後は、雇用契約を結んで在留資格の変更または在留資格認定証明書の交付を申請する流れになります。

特定技能試験とは|技能試験と日本語試験の2本立て

特定技能1号の在留資格を得るには、その分野で働くのに必要な技能と、日本での生活や仕事に必要な日本語能力の両方を示す必要があります。これを確かめる手段が試験で、次の2種類があります。

  • 技能試験:分野ごとに作られた「特定技能1号評価試験」「技能測定試験」など。学科と実技で構成され、多くはCBT方式(パソコンで解答する方式)で実施されます
  • 日本語試験:国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)でA2レベル以上、または日本語能力試験N4以上。介護分野は、これに加えて介護日本語評価試験の合格も必要です

出入国在留管理庁の特定技能制度Q&Aによれば、日本語試験は、JFT-Basicと日本語能力試験のほか、日本語教育の参照枠に基づく基準を満たす試験も認められています。

試験に合格しなくても1号を取れる道が1つあります。技能実習2号を良好に修了した人は、修了した職種・作業と特定技能の業務に関連性があれば、技能試験と日本語試験の両方が免除されます。この「良好に修了」の判断と、2027年4月の育成就労制度開始に伴う変更点は技能実習から特定技能への移行は可能?で解説しています。

特定技能2号には、分野ごとの2号評価試験や技能検定1級などの合格が求められ、分野によっては日本語能力試験N3以上も必要です。2号の要件は特定技能2号の条件とは?で扱っています。本記事では、企業の採用で最も関わりの深い1号の試験を中心に説明します。

分野別の特定技能1号試験一覧

技能試験の実施機関は分野ごとに異なります。出入国在留管理庁の特定技能総合支援サイトの試験情報をもとに、主な分野を整理すると次のとおりです。

分野 技能試験の主な実施機関 備考
介護 プロメトリック(厚生労働省の事業) 介護技能評価試験に加え、介護日本語評価試験が必要
ビルクリーニング 全国ビルメンテナンス協会
工業製品製造業 工業製品製造技能人材機構(JAIM) 2026年6月に対象区分が拡大
建設 建設技能人材機構(JAC) 受入れには国土交通省の受入計画認定も必要
造船・舶用工業 日本海事協会(ClassNK)
自動車整備 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)
航空 日本航空技術協会
宿泊 宿泊業技能試験センター
自動車運送業 日本海事協会(ClassNK) トラック・タクシー・バスで区分。運転免許の要件が別にある
農業 全国農業会議所 耕種農業・畜産農業の区分
漁業 大日本水産会 漁業・養殖業の区分
飲食料品製造業 外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)
外食業 外国人食品産業技能評価機構(OTAFF) 2026年4月13日以降、新規受入れを停止
鉄道、林業、木材産業 各分野の試験実施機関 分野所管省庁の案内を参照

外食業分野は、2026年4月13日以降に新規の受入れが停止されています。試験が実施されていても、合格しただけで新たに外食業で特定技能の許可を受けられるとは限らないため、停止の範囲は特定技能「外食業」の新規受入れ停止で確認してください。分野ごとの業務の範囲と受入れ見込数は特定技能の分野・職種一覧で整理しています。2026年に追加された物流倉庫・資源循環・リネンサプライの試験の実施状況は、各分野の所管省庁の発表を確認する必要があります(公式資料では未確認)。

試験の多くはCBT方式で、国内ではプロメトリックなどのテストセンターで随時または定期的に実施されています。日程は分野ごとに公表されるため、出入国在留管理庁の「試験関係」のページと特定技能総合支援サイトの試験日程の一覧から、各実施機関のページに進んで確認するのが確実です。

受験資格|国内受験と国外受験で何が違うか

受験資格の大枠は、出入国在留管理庁が定める「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」(2025年3月11日施行)が分野横断で決めています。方針は、受験者を基本的に満17歳以上とし、国内で受験する場合は在留資格を持つ人に受験を認めることとしています。

ここで重要なのは、この「在留資格を持つ人」に短期滞在も含まれる点です。たとえば飲食料品製造業分野の1号評価試験の案内は、受験資格を「在留資格を保有していること(短期滞在者も含む)」としています。観光などの短期滞在で来日して国内で受験することも、制度上は可能です。一方、在留資格を持たない人(オーバーステイの人や仮放免中の人)は国内で受験できません。

国籍による制限もあります。方針は、退去強制令書の円滑な執行に協力する外国政府として法務大臣が告示で定める国以外の国の人については受験を認めないとしています。各試験の案内では、イラン・イスラム共和国の旅券を持つ人が対象外とされています。

国内受験と国外受験の違いを企業の目線で整理すると、次の3点になります。

  1. 受験できる人:国内は在留資格を持つ人、国外は試験実施国で受験できる人。国外試験は分野ごとに実施国が限られます。出入国在留管理庁のQ&Aは、試験実施国以外の国籍の人が近隣国で受験することを妨げるものではないとしています
  2. 合格後の在留手続:国内の合格者は、現在の在留資格から特定技能への在留資格変更許可申請になります。国外の合格者は、会社が在留資格認定証明書の交付を申請し、本人が現地で査証を取って入国します
  3. 送出国の手続:国外から採用する場合、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど二国間の協力覚書を結んだ国では、相手国側の登録や推薦の手続が別に必要になることがあります

受験資格があることと、合格後に在留資格の変更が認められることは別の問題です。たとえば留学生が在学中に試験に合格しても、特定技能への変更には学業との関係や資格外活動の状況などが審査されます。技能実習生が実習の途中で試験に合格しても、実習計画の途中で特定技能に移ることは原則として予定されていません。受験を勧める前に、本人の現在の在留資格から特定技能への変更が見込めるかを確認しておく必要があります。

合格証明書の有効期間と不正行為への対応

在留資格の申請では、技能試験と日本語試験の合格を証明する書類を提出します。試験の方針は、各分野の試験実施要領に合格証明書等の有効期限を記載することを求めていますが、有効期限の長さは方針自体には書かれておらず、分野と試験実施機関ごとに定められています。たとえば飲食料品製造業の1号評価試験の結果通知書は受験日から10年間(2026年1月までの受験は発行日から10年間)有効で(外国人食品産業技能評価機構)、自動車運送業(タクシー)の評価試験や鉄道(軌道整備)の評価試験も合格の有効期間を10年としています。それ以外の分野は、各分野の試験実施要領で確認してください。合格から時間が経ってから採用する場合は、合格証明書に記載された有効期限と、発行手続(実施機関によっては合格後に証明書の発行申請が必要)を確認しておくべきです。

日本語試験の結果にも同じ注意が要ります。日本語能力試験の認定結果には有効期限の定めがない一方、JFT-Basicの判定結果や、分野ごとの取扱いは試験によって異なります。在留資格申請の時点でどの証明書が使えるかは、分野別の運用要領で確認してください。

不正行為への対応は厳しく定められています。試験の方針は、不正が行われた場合、試験実施機関がその人の受験を禁止し、合格の決定を取り消し、期間を定めて受験できないようにできるとしています。飲食料品製造業の1号評価試験の案内では、不正行為をした人は最長5年間受験できなくなる可能性があるとされています。出入国在留管理庁のQ&Aは、不正が発覚した場合は合格が認められず、在留資格の取消し等の措置が執られるとしています。替え玉受験などの不正は、合格者本人だけでなく、その人を採用した会社の申請にも影響します。

再受験の間隔も分野ごとに決まっています。飲食料品製造業の1号評価試験では、前回の試験日の翌日から45日間を空けなければ再受験できません。受験料もこの試験では8,000円(税込み)で、分野によって異なります。

合格から在留資格申請までの流れ

試験に合格した人を特定技能1号で雇うまでの流れは、次のとおりです。

  1. 合格証明書の取得:技能試験と日本語試験の合格を証明する書類をそろえます
  2. 雇用契約の締結:日本人と同等額以上の報酬など、特定技能雇用契約の基準を満たす契約を結びます
  3. 支援計画の作成:1号特定技能外国人支援計画を作成します。登録支援機関に委託することもできます
  4. 分野ごとの要件の確認:建設分野の受入計画認定、工業製品製造業分野のJAIM加入など、分野によって申請前に必要な手続があります
  5. 在留資格の申請:国内在住者は在留資格変更許可申請、海外在住者は在留資格認定証明書交付申請を行います

出入国在留管理庁の在留審査処理期間(2026年7月許可分の全国平均)では、特定技能1号の在留資格変更は59.5日、在留資格認定証明書の交付は64.1日でした。国外の合格者の場合は、これに査証の申請と渡航の期間が加わります。

在留資格の変更を申請する前に、試験合格者が現在の在留期限を迎えてしまう場合には、特定技能への移行準備のための「特定活動」を利用できる場合があります。要件は特定活動から特定技能へ|移行準備の特定活動(6か月・就労可)の要件と試験未合格時の扱いで扱います。日本語の要件を分野ごとに比べたい場合は特定技能の日本語レベルはN4で足りる?分野別の日本語要件一覧とN3が必要な仕事を参照してください。

よくある質問

特定技能試験は誰でも受けられますか?

国内で受験する場合は、試験日に満17歳以上で、在留資格を持っている人が対象です。短期滞在も含まれます。在留資格を持たない人や、法務大臣の告示で定める国以外の国の人(各試験の案内ではイランの旅券を持つ人)は受験できません。海外で受験する場合は、その分野の試験が実施されている国で受験します。

特定技能試験は年に何回ありますか?

分野によって違います。CBT方式の試験は国内のテストセンターで毎月のように実施されているものもあれば、年に数回の分野もあります。日程は実施機関ごとに公表されるため、特定技能総合支援サイトの試験日程の一覧から確認してください。

特定技能試験の日本語レベルはどのくらいですか?

1号の日本語試験は、JFT-BasicでA2レベル以上、または日本語能力試験N4以上です。日本語能力試験のN4は、基本的な日本語を理解できるレベルとされています。介護分野では、これに加えて介護日本語評価試験の合格が必要です。2号では、分野によってN3以上が求められます。

特定技能試験の合格率は?

合格率は試験ごとに公表されています。出入国在留管理庁の「試験関係」のページには、分野別の試験実施状況報告書が掲載されており、受験者数と合格者数を確認できます。分野や国内・国外の別によって合格率には大きな差があります。

プロメトリックの特定技能試験とは何ですか?

プロメトリックは、介護、外食業、飲食料品製造業、工業製品製造業など複数の分野で、特定技能試験のCBT方式の実施を担っている試験運営会社です。試験の内容を決めるのは各分野の試験実施機関や所管省庁で、プロメトリックは会場の運営と受験の申込み受付を行っています。

企業が確認すべきは「合格」の先にある要件

特定技能試験は、分野ごとに実施機関も日程も違うため、情報を探すだけで手間がかかります。それでも企業の側で押さえるべき点は多くありません。候補者が受験できる立場にあるか(在留資格と国籍)、合格証明書が申請時点で有効か、合格した分野で受入れが続いているか、の3点です。

試験の合格は特定技能の入口にすぎず、許可を左右するのは、その先の雇用契約、支援体制、分野ごとの手続です。採用の予定が決まった段階で、候補者の在留資格から特定技能への変更が見込めるか、分野の受入れ状況とあわせて確認しておくと、合格後の手続が滞りません。候補者の経歴や在留状況によって個別の事情で判断が変わるため、迷うときは申請前に専門家に相談してください。

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根拠資料


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