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育成就労計画の認定申請|記載事項・作成指導者の要件と施行日前申請の時期

育成就労計画は、受入れ企業(育成就労実施者)が外国人ごとに作成し、外国人技能実習機構(施行後は外国人育成就労機構)の認定を受ける3年間の計画です。監理型では、監理支援機関の「育成就労計画作成指導者」の指導に基づいて作成することが法律上の義務になっています。2027年4月1日の施行に先立ち、機構は2026年9月1日から施行日前申請を受け付けており、申請は育成就労の開始予定日の7か月前から5か月前までに出すよう求められています。2027年4月1日に開始したい企業にとって、申請の目安期間はすでに始まっています。

育成就労計画とは|外国人ごとに作る「3年一本」の計画

ここでいう育成就労計画とは、育成就労法8条1項に基づき、育成就労を行わせようとする個人または法人が、対象となる外国人ごとに作成して認定を受ける計画を指します。育成就労制度運用要領(令和8年4月、出入国在留管理庁・厚生労働省編)第4章は、計画が「育成就労の目標や内容、修得した技能・日本語能力の評価、育成就労を行わせる体制、育成就労外国人の待遇等に関する基準を全て満たしている必要があり」と説明しています。

技能実習計画と比べたときの最大の違いは、計画の単位です。技能実習では1号・2号・3号ごとに計画を作り、号が上がるたびに試験に合格して次の計画の認定を受け直していました(技能実習2号の認定申請は、開始予定日の原則3か月前までに出す運用です)。育成就労では、法9条3号が「育成就労の期間が三年以内であること」と定め、3年間を1本の計画で認定します。2026年8月に改正された運用要領第4章は、育成就労の期間を「原則として3年です」とし、「3年を下回る育成就労計画は、適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性があります」と書いています。改正前の令和8年4月版は「3年を6か月以上下回る」計画としていたので、8月改正で基準が厳しく読める表現に変わりました。短期間だけ受け入れる計画は、原則として想定されていないということです。

計画の認定そのものには法的効果がない点も、運用要領に明記されています。認定は「育成就労計画が認定基準等に照らして適当であるか否かを確認する事実行為」であり、処分には当たりません。在留資格「育成就労」の許可は、この認定を前提に地方出入国在留管理局が別途判断します。運用要領は、在留期間の決定では「必ずしも育成就労計画認定通知書どおりの期間が付与されるとは限りません」としており、計画期間内でも在留期限が先に来れば更新申請が必要です。

目標は「3級+A2」、1年目に中間評価が入る

育成就労計画の中心は、3年後に到達すべき目標の設定です。育成就労法施行規則13条1項は、目標として次の2つを定めることを求めています。

  • 技能:修得させる技能に係る3級の技能検定、またはこれに相当する育成就労評価試験に合格すること(分野によっては特定技能1号評価試験も育成就労評価試験に該当し得る)
  • 日本語:本邦での生活と従事させる業務に必要な日本語能力を、試験その他の評価方法で証明すること

日本語の目標水準は、運用要領が「原則として日本語教育の参照枠のA2相当水準」と説明しています。分野別運用方針でこれより高い水準を定めた分野(介護、鉄道の運輸係員など)では、その水準が目標になります。分野別の日本語水準は育成就労の日本語要件|入国時A1・1年目・転籍・特定技能移行時に必要なレベルで一覧にしています。

技能実習との違いとして見落としやすいのが、1年目の評価です。規則14条1項1号は、育成就労の期間が通算1年に達するまでに、基礎級の技能検定(またはこれに相当する育成就労評価試験)と、日本語能力を「一定程度有していること」を証明する試験等による評価を行うことを求めています。技能実習では1号修了時の基礎級が次の号への関門でしたが、育成就労では計画の中に中間評価として組み込まれた形です。日本語については、1年以内にA1相当の試験を受験させる義務があり、合格までは求められていません(育成就労制度Q&A)。

入国後講習の時間数も計画に書き込みます。就労開始前にA1相当の試験に合格していない場合は320時間以上(うちA1相当講習100時間)、合格していれば220時間以上です。計画作成の段階で、本人がA1に合格済みかどうかを確認しておかないと、講習の予定表(省令様式第1号第3面)が書けません。

育成就労計画の記載事項

記載事項は、法8条3項の各号と、施行規則7条に列挙されています。運用要領第4章第1節第2から主な項目を整理すると、次のとおりです。

区分 主な記載事項 根拠
申請者 氏名・名称・住所、代表者、役員の氏名・住所・役職名、法人番号、業種 法8条3項1・2号、規則7条2・3号
事業所・外国人 事業所の名称・所在地、外国人の氏名・国籍・生年月日・性別 法8条3項3・4号、規則7条7号
区分・目標 単独型か監理型か、従事させる業務・技能・日本語の目標と内容、開始日・終了日 法8条3項5・6号
体制 事業所ごとの育成就労責任者、育成就労指導員・生活相談員の氏名・役職名 法8条3項7号、規則7条5・6号
監理支援 監理支援機関の名称・住所・代表者、許可番号、監理支援責任者、計画作成の指導担当者の氏名、取次送出機関 法8条3項9号、規則7条9号
待遇 報酬(月額)、労働時間、休日、休暇、宿泊施設、食費・居住費の負担 法8条3項10号、規則7条8号
分野関係 加入している分野別協議会の名称、転籍制限期間が1年を超える分野で1年と定める場合はその旨 規則7条4・10号

表の最後の行は、技能実習計画にはなかった項目です。本人の意向による転籍を制限できる期間は分野ごとに1年または2年で定められており、2年の分野であっても企業が1年と定めることができます。この選択は計画に記載する事項で、同じ企業の中で外国人ごとに異なる制限期間を定めることは不当な取扱いに当たるとされています(運用要領第4章、2026年8月改正)。また、1年を超える制限期間を置く場合には昇給など待遇向上の措置も認定基準になります(運用要領第4章第2節第10(8))。転籍への備えは育成就労の転籍とは?で解説しています。

もう一つ、監理支援の欄に「育成就労計画の作成に関する指導を担当する者の氏名」を書く点にも注意が必要です。作成指導者は、監理支援機関の許可申請の段階で届け出た人でなければならず、計画の記載と許可申請の内容が一致しているかが審査で照合されます。

育成就労計画作成指導者の要件は「5年の実務経験」か「3年以内の作成指導経験」

育成就労計画作成指導者とは、監理支援機関の役職員のうち、育成就労実施者が計画を作る際に、技能の修得の観点から指導を担当する者を指します。法8条5項は、監理型の申請者に「監理支援を受ける監理支援機関の指導に基づき、育成就労計画を作成すること」を義務付け、監理支援機関には計画の作成に関する情報提供・助言・指示などの指導を義務付けています。要件は施行規則67条9号に置かれ、運用要領第5章の留意事項が具体化しています。

運用要領が示す要件は、監理支援機関の役職員(常勤・非常勤は問わない)であって、次のどちらかに当たる人です。

  1. 取扱職種(育成就労を行わせる業務区分)について5年以上の実務経験を有する者
  2. 直近過去3年以内に、技能実習法に基づく技能実習制度で、取扱職種に係る技能実習計画の作成指導経験を有する者

5年の実務経験は「主たる技能の単位まで一致する経験を求められるわけではなく、業務区分単位で一致する経験であれば」認められます。「直近過去3年以内」は申請時から遡った3年間です。技能実習計画の作成を補助者として手伝ったり助言したりしただけでは、2の経験には当たりません。これ以外に特段の資格は求められていませんが、分野ごとに条件が設けられている場合があります。

実務で問題になりやすいのは、次の3点です。

  • 監理支援機関と雇用契約のない外部の人を作成指導者とした場合は法違反になる。指導は監理支援機関が自ら行わなければならない
  • 受入れ企業の現役・過去5年以内の役職員、その配偶者・二親等以内の親族など「密接な関係を有する者」は、その企業の計画の作成指導をできない
  • 監理支援機関の許可申請書に記載した全ての取扱職種について、作成指導者が確保されている必要がある(1人で全職種を担当する必要はなく、分担も可)

受入れ企業の側から見ると、監理支援機関を選ぶ段階で「自社の業務区分について要件を満たす作成指導者がいるか」を確認することになります。監理支援機関そのものの許可要件は育成就労の監理支援機関申請|施行日前申請の期限・必要書類と準備の順番で扱っています。

作成指導者の仕事は書類の体裁を整えることにとどまりません。運用要領は、作成指導者が事業所で通常行われている業務であることを確認し、分野別運用方針や審査基準を丁寧に説明したうえで、計画上の業務が業務区分の必須業務として実施可能かを「必ず確認しなければなりません」としています。監理支援機関は、事業所と宿泊施設を実地に確認したうえで指導する必要もあります。

受入れ企業側の体制|育成就労責任者・指導員・生活相談員

計画には、事業所ごとに選任する3つの役割を記載します。施行規則15条・16条の要件を並べると次のとおりです。

  • 育成就労責任者:常勤の役職員で、指導員・生活相談員などを監督できる立場にあり、過去3年以内に育成就労責任者講習を修了した者。事業所に所属している必要はない。新人職員など業務経験の少ない者は認められない
  • 育成就労指導員:事業所に所属する常勤の役職員で、従事させる業務の技能について計画認定申請の時点で5年以上の経験を有し、講習を修了した者
  • 生活相談員:事業所に所属する常勤の役職員で、講習を修了した者

いずれも欠格事由(拘禁刑以上の刑の執行後5年を経過していない者など)に該当しないこと、未成年でないことが共通の条件です。講習については経過措置があり、技能実習法施行規則13条の技能実習責任者講習を修了した人は、当分の間、育成就労責任者講習を修了した者とみなされます(規則附則4条2項)。指導員・生活相談員の講習も、当分の間は「相当と認める講習」で足りるとされています(同条1項)。技能実習で責任者講習を受けた担当者がいる企業は、まず修了日が3年以内かを確認するとよいでしょう。

施行日前申請の時期と手続き【2026年9月1日受付開始】

外国人技能実習機構の「育成就労計画の認定申請手続(施行日前申請用)」(2026年8月版)と施行日前申請の案内(2026年9月3日掲載)によると、受付と審査の日程は次のとおりです。

  • 受付期間:2026年9月1日(火)から2027年3月31日(水)まで
  • 申請時期:原則として、育成就労を開始する予定日の7か月前から5か月前までの間
  • 結果通知:2027年4月1日以降、順次郵送
  • 申請先:申請者の住所地(法人は本店所在地)を担当する機構の地方事務所・支所。本部ではない

機構が示す例では、2027年6月1日に開始する場合の申請期間は2026年11月1日から2027年1月1日までです。同じ数え方をすると、施行日の2027年4月1日に開始したい場合は2026年9月1日から11月1日ごろまでが申請の目安になります。本稿の公開日(2026年9月29日)時点で、4月開始を狙う企業に残された時間はおよそ1か月です。

監理型の施行日前申請には、前提条件があります。 監理支援を行う法人が、技能実習法の監理団体許可を受けていて、かつ監理支援機関の許可の施行日前申請をしていなければなりません。申請時には監理支援機関許可申請の受理票の写しを提出し、監理支援機関の許可が出なければ計画も認定されません。さらに、送出機関は機構の「暫定送出機関リスト」に掲載された機関で申請できますが、認定の時点で「認定送出機関リスト」に載っていない場合は送出機関の変更が必要になることがあります。

申請書は、原則として2027年4月1日以降の育成就労開始時点の状況に基づいて作成します。合併・分割や個人事業主の法人化を予定している場合は、その手続を済ませてから申請するよう案内されています。

福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・沖縄県の企業の申請先は機構の福岡事務所(福岡市博多区古門戸町1-1 日刊工業新聞社西部支社ビル7階)、熊本県・宮崎県・鹿児島県は熊本支所です。

必要書類と手数料|申請書は4種類、添付書類は最大92番

申請書の省令様式は4種類あり、最初の計画(法8条1項)は別記様式第1号、転籍の場合(法8条の5)は第2号、旧技能実習生などの再度の育成就労(法8条の6)は第3号(1)・(2)を使います。申請書は正本1通と写し(副本)1通で、副本は在留資格認定証明書の交付申請や本人意向の転籍手続で使われます。添付書類は正本にだけ付ければ足ります。

機構の「提出書類一覧・確認表(監理型)」(2026年9月1日版)は、書類番号1から92までを並べています。主なものは次のとおりです。

  • 育成就労計画認定申請書(第1面)、育成就労計画(第2面)、入国前・入国後講習実施(予定)表(第3面)、育成就労実施計画(第4面)
  • 申請者の誓約書、登記事項証明書、直近2事業年度の貸借対照表・損益計算書、役員の住民票の写し
  • 育成就労外国人の旅券の写し、履歴書、健康診断個人票(申請日前3か月以内の診断。国内在留者の国内受診は1年以内)
  • 雇用契約書・雇用条件書、日本人と同等以上の報酬であることの説明書、定期に負担する費用の内訳
  • 育成就労責任者・指導員・生活相談員の履歴書、就任承諾書、誓約書
  • 取次送出機関の誓約書、送出機関との契約書、本国で支払った費用の申告書(外国通貨は財務省告示の換算率で円換算)
  • 分野別協議会への加入を証明する書類、分野ごとの告示で定める上乗せ基準の書類
  • 二国間取決めで推薦状を発行する国の出身者は、送出国の公的機関の推薦状(機構の案内では、インドネシア、カンボジア、キルギス、ベトナム、ラオスの5か国)

第4面の育成就労実施計画は、分野・業務区分ごとの審査基準やモデル例を参照して、従事させる業務を具体的に書く必要があります。機構は、分野別の上乗せ基準の書類について「技能実習制度と異なる点も多く、見落としや提出漏れが懸念されます」と注意を促しています。

手数料は計画1件につき6,100円です(施行規則9条1項)。収入印紙ではなく、機構の口座への払込み(払込票またはペイジー)で納め、納めた手数料は返還されません(規則91条)。技能実習計画の認定手数料(1件3,900円)より2,200円高くなっています。複数法人の共同実施ではいずれかの法人、派遣形態では派遣元事業主等が納付します。

優良な育成就労実施者として人数枠の拡大などを受けたい場合は、認定申請時(施行日前申請を含む)に優良要件適合申告書と疎明資料を出す必要があります。後から追加するものではないため、申請前に判断しておく事項です。

よくある質問

育成就労計画の作成者は誰ですか?

作成し申請するのは、育成就労を行わせる受入れ企業(育成就労実施者)です。監理型では、監理支援機関の育成就労計画作成指導者の指導に基づいて作成することが法8条5項で義務付けられており、申請書には指導を受けたことについて監理支援機関の証明を受ける必要があります(施行規則4条2項)。行政書士が書類作成を支援することはできますが、作成指導者の役割を代わりに担うことはできません。

育成就労計画の認定手数料はいくらですか?

1件6,100円です。外国人1人につき1件の計画になるため、5人受け入れる場合は30,500円です。払込みは機構が案内する払込票またはペイジーで行い、申請書類と一緒に納付を確認できる書類を送ります。

育成就労計画作成指導者になるには?

監理支援機関の役職員(常勤・非常勤を問わない)であって、担当する業務区分について5年以上の実務経験があるか、申請時から遡って3年以内に技能実習計画の作成指導経験があることが要件です。特段の資格は求められていませんが、監理支援機関の許可申請(施行日前申請を含む)で作成指導者として届け出ている必要があります。

今の技能実習生を育成就労計画に切り替えられますか?

技能実習から育成就労への在留資格変更はできません。技能実習生は経過措置により技能実習のまま続けることになり、1号の技能実習計画の認定申請は2027年2月までに出すよう機構が要請しています。帰国した元技能実習生を改めて育成就労で受け入れる場合は、別記様式第3号(2)で申請します。

4月開始を狙うなら、監理支援機関と「3つの一致」を先に確認する

育成就労計画の認定申請で時間を取られるのは、書類の量よりも、監理支援機関の許可申請と計画の内容を一致させる作業です。取扱職種、作成指導者、取次送出機関の3つが、監理支援機関の施行日前申請に載っていなければ、企業側の計画は前に進みません。筆者は、申請の準備に入る前に、監理支援機関から許可申請の受理票の写しと、届け出た取扱職種・作成指導者・送出機関の一覧を受け取っておくことを勧めます。

そのうえで、3年後の目標(3級とA2相当以上)から逆算して、1年目の基礎級とA1受験、入国後講習の時間数、転籍制限期間を1年にするかどうかを社内で決めておくと、第4面の実施計画が書きやすくなります。育成就労制度の全体像は育成就労制度とは?、技能実習・特定技能との位置づけは技能実習と特定技能の違いで解説しています。

運用要領第4章は2026年8月に一部改正されています。本稿では、申請時期(7か月前から5か月前)、手数料、講習の経過措置、計画期間の記述を8月改正版で照合しました。それ以外の箇所で4月版から変わった点の全体は、新旧対照表が公表されていないため現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。申請前には機構ホームページで最新の第4章を確認してください。

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。