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外国人採用の方法|国内在住者・留学生・海外人材の採用ルートとビザの選び方

外国人採用の方法は、どこから人を探すか(採用ルート)と、採用後にどの在留資格で働いてもらうかの組み合わせで決まります。国内で働いている外国人を中途採用するなら入管の手続が要らない場合もありますが、日本の留学生を新卒で採るなら在留資格の変更、海外から呼ぶなら在留資格認定証明書の交付申請が必要になり、入社までの期間が数週間から数か月単位で変わります。出入国在留管理庁が公表している2026年7月の平均処理日数では、技術・人文知識・国際業務の在留資格認定証明書は49.8日、留学からの在留資格変更は72.9日です。採用ルートを決める前に、職務内容に合う在留資格と、入社希望日から逆算した期間を確認するのが外国人採用の出発点になります。

外国人採用は「職務内容」から在留資格を決める

日本で外国人を雇う場合、その人が持っている在留資格で認められた範囲の仕事しかさせることができません。ここでいう在留資格とは、入管法が定める、日本で行える活動の類型を指します。そのため外国人採用では、日本人の採用とは順番が逆になり、「どんな人がいるか」より先に「この仕事はどの在留資格で認められるか」を確認する必要があります。

企業の採用で使われる主な在留資格は、次の3つのグループに分かれます。

  • 専門的な仕事をする就労資格:技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)、企業内転勤、高度専門職など。大学卒業などの学歴や実務経験が要件になり、単純作業は認められません
  • 現場の仕事を含む就労資格:特定技能1号・2号。分野ごとの技能試験と日本語試験(または技能実習2号の良好な修了)が要件になります
  • 活動に制限のない身分系の在留資格:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者。職種の制限がなく、日本人と同じように採用できます

飲食店のホールや工場のライン作業を技人国で任せることはできず、逆に特定技能は分野ごとに決められた業務の範囲に限られます。在留資格の全体像は外国人を採用できる在留資格の種類一覧で整理しています。

職務内容と在留資格の対応が決まると、採用ルートごとに必要な手続と期間が自然に決まってきます。

採用ルート別の在留資格と入社までの期間

採用ルートを、候補者がいまどこにいて、どの在留資格を持っているかで4つに分けると、次のようになります。期間は、出入国在留管理庁が公表する在留審査処理期間(2026年7月許可分の全国平均)を目安にしています。

採用ルート 主な募集経路 想定される在留資格 必要な入管手続 入管手続の目安(平均処理日数)
国内在住の転職者 ハローワーク、求人サイト、人材紹介会社 技人国などの就労資格、身分系 同じ在留資格の範囲内なら許可は不要(本人の所属機関に関する届出) 不要。職務の適合性を確かめたい場合は就労資格証明書の交付申請
日本の留学生(新卒) 大学・専門学校のキャリアセンター、合同説明会、外国人雇用サービスセンター 留学から技人国へ変更 在留資格変更許可申請 技人国への変更 72.9日
海外在住者 海外の大学、現地の人材紹介会社、自社の海外拠点 技人国、企業内転勤など 在留資格認定証明書交付申請→査証申請→入国 認定証明書(技人国)49.8日+査証・渡航
特定技能 国内の試験合格者・技能実習修了者、海外の送出機関 特定技能1号 国内在住者は在留資格変更、海外在住者は認定証明書 変更 59.5日、認定証明書 64.1日

平均処理日数は審査が終わった案件の平均で、書類の不備や追加資料の提出があれば延びます。入社希望日から逆算するときは、表の日数に書類の準備期間を1か月程度上乗せして考えるのが安全だと筆者は考えます。

国内在住の転職者を採用する

最も早く入社できるのが、すでに日本で働いている外国人の中途採用です。前職でも技人国で働いていて、新しい会社でも技人国に当たる仕事をするなら、在留資格を変える許可は必要ありません。本人は転職から14日以内に、出入国在留管理庁に所属機関に関する届出を出します(入管法19条の16)。

注意すべきは、同じ「技術・人文知識・国際業務」でも、前職と新しい職務で要件の判断が変わり得ることです。前職が通訳で、新しい仕事がシステム開発なら、学歴と職務の関連性をあらためて見られます。その場合は、入社前に就労資格証明書の交付を申請して、新しい職務が現在の在留資格で認められることを確認しておく方法があります。

特定技能の人が転職する場合は、同じ分野でも在留資格変更許可が必要です。特定技能の在留資格には受入れ機関を指定する指定書が付いているため、会社が変われば許可を取り直すことになります。

永住者や日本人の配偶者等の身分系の在留資格の人は、職種の制限がないため、日本人と同じ手順で採用できます。

日本の留学生を新卒で採用する

留学生は「留学」の在留資格で在留しており、卒業後に働くには就労資格への変更が必要です。出入国在留管理庁は、4月からの就労を希望する場合は12月1日から1月末までの間に変更申請をするよう求めています。審査が終わると、卒業証明書を受け取った後に地方出入国在留管理局で新しい在留カードを受け取る流れです。

大学卒業者で日本語能力試験N1相当の日本語力がある人は、技人国では認められない接客などを含む仕事に、特定活動46号で就くこともできます。留学生の変更手続の詳細は留学から技術・人文知識・国際業務への在留資格変更ガイドで扱っています。

海外在住者を採用する

海外にいる人を採用する場合は、会社が代理人となって、地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付を申請します。交付された証明書を本人に送り、本人が現地の日本大使館・総領事館で査証を申請し、査証を受けて入国すると空港で在留カードが交付されます。認定証明書の平均処理日数に加えて、郵送、査証の審査、渡航の手配が入るため、入社まで3か月以上を見込むのが現実的です。

海外の人材紹介会社を使う場合は、日本の職業安定法上の許可を持つ事業者かどうかを、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で確認できます。

特定技能で採用する

特定技能1号は、分野別の技能試験と日本語試験に合格しているか、技能実習2号を良好に修了していることが要件です。国内には、試験に合格した留学生や、技能実習を終えた人がいます。海外から採用する場合は、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど、日本と二国間の協力覚書を結んでいる国ごとに、送出しの手続が別に定められている場合があります。

特定技能では、受入れ機関に1号特定技能外国人への支援の義務があり、登録支援機関に委託することもできます。試験の種類と受験の流れは特定技能試験とは?分野別の試験一覧と合格から在留資格申請までの流れで扱います。

ハローワーク・紹介会社・求人サイト・大学の使い分け

採用ルートを決めたら、実際にどこで人を探すかを選びます。費用と、集まる人材の層に違いがあります。

ハローワークと外国人雇用サービスセンター

ハローワークでは、外国人の求職者を対象にした求人も無料で出せます。専門的・技術的分野の仕事を探す外国人や留学生については、厚生労働省が東京・名古屋・大阪・福岡に外国人雇用サービスセンターを置いています。福岡外国人雇用サービスセンター(福岡市博多区博多駅東2-11-1 福岡合同庁舎)は、外国人留学生の就職フェアやミニ面接会を開いています。九州で留学生を採用したい企業にとって、費用をかけずに候補者と会える場です。

人材紹介会社

成功報酬型の人材紹介会社は、候補者の選別と日程調整を任せられる代わりに、採用が決まったときに紹介手数料がかかります。外国人専門の紹介会社は、在留資格の見込みまで確認したうえで候補者を出してくれることが多いものの、最終的に在留資格の許可を判断するのは入管です。紹介会社が「ビザは取れます」と言っていても、職務内容と学歴の関連性などの要件は、会社自身でも確かめておく必要があります。

外国人向けの求人サイト

外国人向けの求人サイトは、多言語で求人を出せ、在日外国人の登録者に直接届く点が強みです。応募者の在留資格はさまざまなので、応募の段階で在留資格と在留期限を確認できる項目を設けておくと、選考の手戻りが減ります。

大学・専門学校

留学生の新卒採用では、大学のキャリアセンターや留学生向けの学内説明会が主な経路になります。専門学校の卒業生は、大学卒業者より専攻と職務の関連性が厳しく見られるため、募集の段階で専攻を確認しておくことが大切です。

福岡で採用ルートと在留資格の組み合わせを相談したい場合は、福岡で外国人を採用したい企業へ|就労ビザ・特定技能の相談先と手続きの流れにまとめています。

採用が決まってから入社までの手順

採用ルートによって入管手続は違いますが、会社の側で行う手順の骨格は共通です。

  1. 在留カードの確認:国内在住者は、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無を在留カードで確認します。確認の要点は在留カードの確認方法|採用時に見るべき表面・裏面の5か所と写しの保管で扱います
  2. 雇用契約の締結:報酬は日本人が同じ仕事をする場合と同等額以上にする必要があります。労働条件は本人が理解できる言語で説明します
  3. 在留手続:変更申請または認定証明書の交付申請を行い、許可が出るまで就労を始めさせないようにします
  4. 入社後の届出:雇入れの際は、ハローワークに外国人雇用状況の届出を出します。雇用保険の被保険者は資格取得届と併せて(雇入れの翌月10日まで)、被保険者でない人は雇入れの翌月末日までに届け出ます

許可が出る前に働かせてしまうと、本人は資格外活動や不法就労に当たり、会社は不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われる可能性があります。雇用状況の届出が入管の審査でどう使われるかは外国人雇用状況の届出とは?で解説しています。

よくある質問

外国人採用の在留資格は何を選べばいいですか?

職務内容で決まります。企画・営業・設計・通訳などの専門的な仕事は技術・人文知識・国際業務、介護・外食・製造などの現場の仕事を含むなら特定技能、職種を問わないのは永住者や日本人の配偶者等などの身分系の在留資格です。同じ人でも、任せる仕事によって必要な在留資格が変わります。

外国人採用の面接で聞いてはいけないことは?

厚生労働省は、公正な採用選考のために、本籍・出生地、宗教、支持政党、家族の職業など、本人の適性や能力と関係のない事項を面接で尋ねないよう求めています。一方で、在留資格と在留期限、就労制限の有無の確認は、会社が法律上行うべき確認です。国籍そのものを理由に選考で不利に扱うことは避け、在留資格の確認は在留カードで行うのが適切です。

外国人採用で日本語レベルはどのくらい必要ですか?

在留資格によって違います。技術・人文知識・国際業務には一律の日本語要件はありませんが、2026年4月15日からは通訳・翻訳・接客などの業務についてCEFR B2相当の日本語力が求められる運用が始まっています。特定技能1号では、原則として日本語能力試験N4以上か国際交流基金日本語基礎テストの合格が必要で、分野によってはそれ以上の水準が求められます。実務上は、業務に必要な日本語のレベルを職務ごとに決めて募集要項に書いておくことをお勧めします。

外国人採用で在留カードを確認するのはいつですか?

内定を出す前、遅くとも雇用契約を結ぶ前に確認します。在留資格と就労制限の有無によっては、そもそも予定した仕事に就けない場合があるためです。入社後も、在留期間の満了日の前に更新の状況を確認し続ける必要があります。

外国人採用が多い業界はどこですか?

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況では、外国人労働者は製造業が最も多く、サービス業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などが続いています。業界によって使われる在留資格の比率も異なり、製造業では技能実習と特定技能、情報通信業では技術・人文知識・国際業務の比率が高い傾向にあります。

採用ルートは、入社希望日から逆算して選ぶ

外国人採用の方法を比べるとき、費用や候補者の数に目が行きがちですが、実務で差が出るのは入社までの期間です。国内在住の転職者なら数週間、日本の留学生なら4月入社に向けて12月から1月の申請、海外在住者なら3か月以上、と採用ルートによって時間軸が違います。

判断の順番は、まず任せる仕事がどの在留資格に当たるかを確かめ、次に入社希望日までに必要な入管手続が間に合うルートを選び、そのうえで募集経路を決める、という流れです。この順番を守ると、内定を出した後に在留資格が取れないと分かる事態を避けられます。候補者の学歴や職歴によって許可の見通しは個別の事情で判断が変わるため、内定を出す前の段階で専門家に確認することをお勧めします。

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。