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特定技能の定期面談とは?3か月に1回の実施方法・オンラインの条件・報告書

特定技能の定期面談とは、1号特定技能外国人本人と、その人を監督する立場にある上司などの双方に、支援責任者または支援担当者が3か月に1回以上会って、労働と生活の状況を確認する義務的支援です。本人と監督者の同意があればオンラインでも行えますが、1号特定技能外国人支援に関する運用要領は、オンラインで行った面談の録画を雇用契約の終了日から1年以上保管することを求めています。

混同されやすいのが、2026年4月から年1回になった定期届出です。定期届出は、1年間(4月1日から翌年3月31日まで)の受入れと支援の状況を翌年5月31日までに入管へ報告する手続で、面談の頻度とは関係がありません。届出が年1回になっても、面談は3か月に1回以上のままです。届出の年1回化は【2026年】特定技能の定期届出とは?年1回化・新様式の書き方と提出期限をわかりやすく解説で扱っており、ここでは面談そのものの実施方法と記録に絞ります。

この記事でわかること

  • 定期面談の相手(本人と監督者)と、面談できる人(支援責任者・支援担当者)
  • 「3か月に1回以上」の数え方と、面談だけを外部に委託できない理由
  • オンライン面談の条件(同意・録画・1年以上の保管・対面への切替え)
  • 面談で確認すること、違反を知ったときの通報先
  • 面談の記録・報告書と、年1回の定期届出との関係

定期面談は支援計画の9番目の義務的支援

特定技能1号の外国人を雇う会社(特定技能所属機関)は、1号特定技能外国人支援計画を作り、その中の支援を実施しなければなりません。ここでいう義務的支援とは、支援計画のうち、会社が必ず行わなければならない支援を指します。定期面談は、特定技能基準省令3条1項1号ヌに定められた義務的支援で、支援計画書(参考様式第1-17号)ではIV欄の「9 定期的な面談の実施」にあたります(18の3-152)。

定期面談は二つの基準に顔を出します。一つは支援計画の内容としての面談そのもの(基準省令3条1項1号ヌ)、もう一つは自社で支援する会社が面談を実施できる体制を持っていること(基準省令2条2項6号)です。審査要領は後者について、所属機関が外国人とその監督者と定期的に面談できる体制を持つことで「安定的な就労活動を確保する」と趣旨を書いています(18の3-124)。

面談の相手は本人と監督者の二人

面談は、外国人本人とだけ行えば足りるものではありません。本人と、本人を監督する立場にある人の両方と行います。

審査要領ではこう書かれている

「監督をする立場にある者」とは、特定技能外国人に対し直接指導を行う者のみならず、間接的にも当該外国人に対し影響を及ぼし得る者を含む。

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第18節の3 18の3-124

典型は直接の上司や雇用先の代表者です。派遣形態の場合は、派遣先で監督的立場にある人と面談します(18の3-151)。特定技能で派遣が認められているのは農業分野と漁業分野だけなので(特定技能外国人受入れに関する運用要領)、派遣先の監督者との面談が問題になるのもこの二分野です。

本人と監督者に別々に話を聞く意味は、同じ出来事を両側から確かめられる点にあります。残業時間や休日の取り方について本人の説明と監督者の説明が食い違えば、それ自体が確認すべき論点になります。筆者は、同じ週のうちに両者と面談し、記録を並べて読むことを勧めています。

面談できるのは支援責任者か支援担当者だけ

面談を行う人は、基準省令の条文で決まっています。ここで重要なのは、面談の部分委託ができないという論点です。

審査要領ではこう書かれている

当該定期的な面談等の支援については、主体が支援責任者又は支援担当者と規定されており、支援責任者又は支援担当者が実施する必要があるため、特定技能所属機関が登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する場合を除き、第三者への委託は認められない。

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第18節の3 18の3-151

支援の全部を登録支援機関に委託していれば、面談は登録支援機関の支援責任者・支援担当者が行います。自社で支援している会社が「面談だけ外部の通訳会社や社労士事務所に任せる」ことはできません。通訳人を同席させること自体は、記録簿に「実施担当者(通訳人を含む。)」の欄があることからも想定されています(18の3-121)。面談を行うのはあくまで支援責任者か支援担当者で、通訳人はその補助という位置づけです。

支援責任者・支援担当者は外国人を監督する立場にない人でなければならず、代表取締役や所属部署を監督する長など、組織図の縦のラインにいる人はなれません(18の3-122)。面談の相手である監督者と、面談する支援担当者が同じ人になることは、この基準からもありえません。さらに2027年(令和9年)4月1日からは、支援責任者と支援担当者を常勤の役員・職員から選ぶ改正が施行されます。あわせて、支援業務に従事できる人を支援責任者等に限ります(1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について)。自社支援の要件全体は特定技能の自社支援の要件とは?受入れ実績・支援責任者の条件と2027年4月の改正で整理しています。

「3か月に1回以上」の数え方

審査要領は「定期的な面談」を「3か月に1回以上の頻度で面談を行うことをいう」と定義しています(18の3-124)。審査では、支援計画書に3か月に1回以上行う旨が書かれているかが確認されます(18の3-125)。

四半期ごとに1回、という理解で大きく外れることはありません。ただ、根拠資料は起算日や、四半期の区切りと面談日の間隔の関係までは定めていません。筆者は、前回の面談日から3か月を超えないように次の面談日を決め、支援計画書に書いた頻度と実績がずれないように管理する方法を勧めています。入社直後や転職直後、配置換えの直後は問題が起きやすい時期でもあり、3か月を待たずに面談を入れることは妨げられていません。

オンライン面談の条件

面談は対面が原則ですが、オンラインも認められています。審査要領(開示版)と、1号特定技能外国人支援に関する運用要領(制定履歴の最後は令和7年4月1日の一部改正)の記載を並べると、次のとおりです。

項目 審査要領 支援運用要領
可否 面談対象者の同意によるオンライン面談も認められる(18の3-124〜125) 双方の同意があればオンライン面談も可
同意の確認 1号の外国人の同意は支援計画書(参考様式第1-17号)で確認 ―
録画 記載なし 録画を雇用契約の終了日から1年以上保管し、閲覧を求められたら応じる
対面への切替え 記載なし 問題や第三者の介入が疑われる場合は、改めて対面で行う
対面の頻度 記載なし オンラインでも1年に1回以上は対面が望ましい

二つの資料は矛盾していませんが、実務で守るべき条件は支援運用要領のほうが細かく、筆者はこちらを基準に運用することを勧めます。録画の保管期間は面談日からではなく、雇用契約の終了日から1年以上です。3年勤めた人なら、1年目の面談の録画を4年以上持ち続けることになります。社内のどこに保存し、退職者のデータをいつ消すかまで決めておかないと、閲覧を求められたときに出せません。

審査要領は、面談を効果的に行う準備として、質問予定の項目についてあらかじめアンケートを取ることも差し支えないとしています(18の3-125)。オンライン面談では、事前アンケートで話題を絞ってから画面越しに確認するほうが、時間を有効に使えます。ただ、アンケートは面談の準備であり、アンケートの回収で面談に代えることはできません。

言語は本人が十分に理解できるもので

基準省令4条3号は、外国人との定期面談を、外国人が十分に理解できる言語で行うことを求めています(18の3-151)。審査では、支援計画書IV欄「9 定期的な面談の実施」の「イ 実施言語」欄に、雇用条件書(参考様式第1-6号)等の翻訳言語が含まれているかが確認されます(18の3-152)。監督者との面談は日本語で行うのが通常ですが、本人との面談は、雇用条件書を翻訳した言語で対応できる体制が必要です。

面談で確認することと、伝え直すこと

審査要領は、定期面談の支援内容をaからdの4つに分け、すべてを義務的支援としています(18の3-151)。支援計画書では、この4つすべてに「実施予定:有」のチェックが必要です(18の3-152)。

支援内容 中身
a 面談 労働状況と生活状況を確認するため、本人と監督者(直接の上司や雇用先の代表者等)と3か月に1回以上面談する
b 情報の再提供 生活オリエンテーションで伝えた生活一般、防災・防犯、急病など緊急時の対応などの情報を、必要に応じて改めて伝える
c 労働法令違反の通報 長時間労働、賃金不払残業などの労働基準法違反や、最低賃金法・労働安全衛生法などの違反を知ったときは、労働基準監督署などに通報する
d 入管法違反等の通報 資格外活動などの入管法違反、旅券や在留カードの取上げなどの問題を知ったときは、地方出入国在留管理局に通報する

面談で聞く項目を審査要領は細かく列挙していませんが、cとdに挙がっている違反の類型が、そのまま確認の軸になります。実際の労働時間と残業代の支払い、給与からの控除、休日と休暇の取り方、職場での安全、旅券と在留カードを自分で持っているか、副業をしていないか、といった点です。生活面では、住居、体調、日本語学習、地域での困りごとが話題になります。bの情報の再提供は、入社直後の生活オリエンテーションで伝えた内容が定着しているかを確かめる機会でもあります。生活オリエンテーションの内容は特定技能の生活オリエンテーションとは?必要な時間(8時間)と説明事項、事前ガイダンスとの違いを参照してください。

違反を知ったら、届出と通報の両方が要る

面談を通じて労働関係法令違反や入管法違反、旅券・在留カードの取上げなどの問題を知ったときは、届出が必要です。提出するのは「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出書」(参考様式第8-5号)です。あわせて、労働基準監督機関その他の関係行政機関への通報が求められます(18の3-125)。入管への届出と、労基署などへの通報は別の手続です。

通報を怠った場合の扱いも書かれています。外国人からの申告や労働基準監督署などからの通報を受けると、入管は必要に応じて所属機関から事情を聴き、面談記録の提示を求めます。その結果、面談が行われておらず体制も改善されない場合は基準不適合となります。所属機関が不正行為を認知していた、または認知し得たのに適切な措置を講じていない場合も基準不適合として扱われます(18の3-125)。「面談で聞いたが何もしなかった」は、「面談をしなかった」と同じ評価を受けうるということです。

面談の記録と「定期面談報告書」

自社で支援する会社は、支援の状況に関する帳簿を作り、雇用契約の終了日から1年以上、支援を行う事業所に備え置かなければなりません(18の3-118)。定期面談について帳簿に含めるべき項目は、次のとおりです(18の3-121)。

  • 1号特定技能外国人の氏名、生年月日、国籍・地域、性別、在留カード番号
  • 外国人を監督する立場にある人の氏名と役職
  • 面談日時
  • 面談内容と対応内容(面談記録、対応記録)
  • 実施担当者(通訳人を含む)の氏名と所属

記録を作らないことには、帳簿の不備にとどまらない重さがあります。審査要領は、受入れ機関の欠格事由となる不正行為の類型を挙げています。その中には、定期面談などで法令違反を隠す目的で外国人の意思表示を妨げる行為や、「基準不適合に該当し得る内容等について相談記録書や定期面談報告書を作成しない場合」が含まれます(18の3-83)。不正行為は、雇用契約の締結日前5年以内とその後にあれば欠格事由になるため(18の3-78)、面談報告書の欠落は、その後5年間の受入れを止める理由になりえます。欠格事由については特定技能の受入れ機関の欠格事由|刑罰歴・不正行為5年・役員の確認で詳しく扱っています。

なお、定期面談報告書の様式番号や記載欄の構成は、筆者が読んだ根拠資料の範囲では確認できませんでした。現行の様式は出入国在留管理庁の届出のページで確認してください【要確認】。

年1回の定期届出とは何が違うか

定期面談と定期届出は、名前が似ているだけで役割が違います。

定期面談 定期届出
性格 支援計画に基づく義務的支援(外国人と監督者に会う行為) 受入れ・活動・支援の実施状況を入管に報告する手続
頻度 3か月に1回以上 年1回(2026年4月から)
期限・対象期間 前回から3か月を超えない間隔で実施 4月1日〜翌年3月31日の分を、翌年5月31日までに提出
行う人 支援責任者・支援担当者(全部委託なら登録支援機関の担当者) 所属機関(全部委託の場合、登録支援機関の支援実施状況も所属機関がまとめて提出)

出入国在留管理庁の届出のページは、「令和8年4月1日から定期届出のルールが大幅に変更」とし、四半期ごとの届出は2025年4月15日提出分が最後だったと案内しています。支援を全部委託している場合に登録支援機関の分が出されなければ、その登録支援機関の登録が取り消されることがあるとも書かれています(特定技能所属機関・登録支援機関による届出)。審査要領の開示版は定期届出による確認の枠組みを書いていますが、年1回化の実際の運用開始と提出期限は公表資料のほうが新しく、こちらが現在のルールです。届出が年1回になったことで、3か月ごとの面談記録は1年分をまとめて整理することになります。四半期ごとの届出がなくなった分、面談の記録を社内で溜めておく管理の比重は、以前より大きくなっています。

面談を怠ると、次の受入れに響く

定期面談を行わなかった場合の影響は、今いる外国人の更新だけにとどまりません。自社で支援する会社には、雇用契約の締結日前5年以内とその後に、支援計画に基づく支援を怠ったことがないという基準があります(基準省令2条2項5号、18の3-123)。面談を行わず、指導を受けても改善しなければ、この基準に抵触し、5年間は自社支援による新しい受入れが難しくなります。登録支援機関に全部委託している場合も、委託先が面談をしていないことを所属機関が知りながら放置してよいわけではありません。委託先の選び方は登録支援機関とは?選び方・費用相場・自社支援との違いをわかりやすく解説を参照してください。

よくある質問

Q. 定期届出が年1回になったので、定期面談も年1回でよいですか?

よくありません。定期面談は3か月に1回以上行う義務的支援で、2026年4月からの定期届出の年1回化とは別の制度です。年1回になったのは入管への報告の頻度で、面談の頻度は変わっていません。

Q. 定期面談はオンラインで行ってもよいですか?

本人と監督者の同意があれば行えます。支援運用要領は、録画を雇用契約の終了日から1年以上保管して閲覧に応じること、問題や第三者の介入が疑われるときは改めて対面で行うことを求め、オンラインでも1年に1回以上は対面が望ましいとしています。

Q. 定期面談だけを外部の会社に委託できますか?

できません。面談の主体は支援責任者または支援担当者と定められているため、登録支援機関に支援計画の全部を委託する場合を除き、第三者への委託は認められません。通訳人の同席は可能です。

Q. 面談の相手は外国人本人だけですか?

本人と、本人を監督する立場にある人の両方です。監督者には直接の上司だけでなく、雇用先の代表者など間接的に影響を及ぼし得る人も含まれます。派遣の場合は派遣先の監督者と面談します。

Q. 面談の記録はいつまで保存しますか?

支援の状況に関する帳簿として、雇用契約の終了日から1年以上、支援を行う事業所に備え置きます。オンライン面談の録画も、雇用契約の終了日から1年以上の保管が求められています。

まず、直近1年分の面談記録を並べ、本人と監督者の両方の記録が3か月を超えない間隔でそろっているか、オンラインで行った回の録画がすぐに取り出せるかを確認してください。欠けている回があれば、次の面談日を前倒しで決め、支援計画書に書いた頻度と実績を一致させることから始めるのが確実です。

根拠資料

  • 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第18節の3 特定技能 18の3-78・83(不正行為・定期面談報告書)、18の3-118〜122(帳簿・中立性)、18の3-123〜125(支援怠慢・定期的な面談の実施体制)、18の3-150〜152(定期的な面談の実施、行政機関への通報)
  • 出入国在留管理庁 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(https://www.moj.go.jp/isa/content/930004553.pdf)
  • 出入国在留管理庁 特定技能所属機関・登録支援機関による届出(https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri10_00002.html)
  • 出入国在留管理庁 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月)(https://www.moj.go.jp/isa/content/001468647.pdf)
  • 出入国在留管理庁 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)(https://www.moj.go.jp/isa/10_00263.html)