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特定技能の住居基準|1人7.5㎡・寝室4.5㎡と社宅の条件

特定技能1号の外国人に会社が住居を用意する場合、居室の広さは1人当たり7.5㎡以上が求められます(入国・在留審査要領 18の3-135)。ここでいう居室は建築基準法上の「居室」で、ロフト等は含みません。

例外は、技能実習2号や留学などから特定技能1号に変更する人が、会社がすでに確保している社宅等に住み続けたい場合です。このときは7.5㎡を満たさなくてもかまいませんが、本人が技能実習生であれば、少なくとも寝室について1人当たり4.5㎡以上が必要です。本人が自分で住居を確保していて支援を望まない場合は、広さは問題になりません。

この記事でわかること

  • 7.5㎡の基準と「居室」に含まれる範囲
  • 寝室4.5㎡でよい例外の条件と、帰国後に呼び戻す場合の扱い
  • 住居確保支援の3つの方法と、それぞれの家賃の条件
  • 支援計画書で確認されるチェック欄
  • 口座・携帯電話・ライフラインの契約支援と、令和9年4月の支援体制改正

住居の確保は義務的支援の一つ

特定技能1号の外国人を受け入れる会社は、1号特定技能外国人支援計画を作り、その計画に沿って支援を行います。ここでいう1号特定技能外国人支援計画とは、入国前の事前ガイダンスから在留中の相談対応まで、受入れ企業が行う職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援の内容を定めた計画を指します。計画に必ず入れなければならない支援を、義務的支援と呼びます。

住居の確保は義務的支援の一つです。特定技能基準省令第3条第1項第1号ハは、2つの支援を計画に記載する事項としています(18の3-134)。1つは賃貸借契約の保証人となることその他の適切な住居の確保に係る支援で、もう1つは預金口座の開設や携帯電話の利用契約など生活に必要な契約に係る支援です。審査要領は、この2つの支援をいずれも行わなければならないとしています。そのうえで、本人が他の在留資格ですでに自分で住居を確保し、口座開設等も済ませているなど、支援が客観的に明らかに不要な場合は実施しなくてよいとしています(18の3-135)。

支援は、登録支援機関に全部を委託することもできます。委託先の選び方は登録支援機関とは?選び方・費用相場・自社支援との違いをわかりやすく解説で扱っています。

1人7.5㎡以上:基準の中身

広さの基準について、審査要領は次のように書いています。

居室の広さは、一般的に我が国に相当数存在する居室の面積等を考慮し、1人当たり7.5㎡以上を満たすことが求められる

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第18節の3 18の3-135

「居室」の意味も、同じ箇所で定義されています。建築基準法第2条第4号の居室、つまり居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいい、ロフト等はこれに含まれません(18の3-135)。延床面積を入居人数で割るのではなく、居室に当たる部屋の面積を人数で割って考える必要があります。

人数との関係を並べると、次のようになります。

入居人数 居室の広さの合計(原則)
1人 7.5㎡以上
2人 15㎡以上
3人 22.5㎡以上
4人 30㎡以上

2段ベッドを置いてロフト部分を寝床にしても、ロフトの面積は計算に入りません。筆者は、社宅を探す段階で間取り図から居室部分の面積を拾い、人数で割った数字を支援計画書の作成前に確かめておくことを勧めています。

寝室4.5㎡でよい場合

7.5㎡の基準には、かっこ書きの例外があります。技能実習2号や留学等から特定技能1号へ在留資格を変更する場合などで、会社がすでに確保している社宅等の住居に住むことを本人が希望する場合です。この場合は7.5㎡を満たさなくても基準に反しません。ただし審査要領は、その場合であっても、申請人が技能実習生であれば少なくとも寝室について1人当たり4.5㎡以上を満たしていなければならないとしています(18の3-135)。

ここで重要なのは、4.5㎡の例外が「新しく用意する住居」には使えない、という論点です。例外の前提は、会社が申請の時点ですでに確保している社宅等に住み続けることであり、特定技能への切替えを機に別の部屋を借りるなら、原則どおり7.5㎡が必要です。

技能実習を修了していったん帰国し、改めて在留資格認定証明書の交付を申請する人についても、注記があります。

特定技能所属機関が既に確保している社宅等(技能実習生として居住していたもの)が当該外国人の生活の本拠として継続しており、当該社宅等に引き続き居住することを希望する場合に限り、寝室が4.5㎡以上を満たしていれば要件を満たすものとして取り扱う。

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第18節の3 18の3-135

さらに、在留資格変更許可申請(または在留資格認定証明書交付申請)の時点で本人がすでに確保している住居に住むことを希望する場合などで、本人が支援を望まないときがあります。このときは居室の広さは問題にならず、特定技能基準省令に適合しないとはいえないとされています(18の3-135)。

状況 広さの基準 根拠
会社が新たに住居を用意する 1人当たり7.5㎡以上 18の3-135〜136
技能実習2号等から変更し、会社が確保済みの社宅に住み続ける 7.5㎡の例外。寝室1人当たり4.5㎡以上 18の3-135
留学等から変更し、会社が確保済みの社宅に住み続ける 7.5㎡の例外 18の3-135
技能実習修了後に帰国し、実習中の社宅に戻る(生活の本拠が継続) 寝室4.5㎡以上なら要件を満たす 18の3-135
本人が自分で確保した住居に住み、支援を望まない 広さは問題とならない 18の3-135

審査要領上、4.5㎡の下限が明記されているのは申請人が技能実習生の場合です。旧制度の技能実習修了者を呼び戻すケースでは、令和9年4月1日以降に上陸許可等を受けると技能試験と日本語試験の両方の合格が必要になるという入管庁の公表(令和8年7月28日)もあわせて確認してください。

住居確保支援の3つの方法

住居の確保の支援は、次の3つのいずれかで行います(18の3-135〜136)。方法ごとに家賃と広さの条件が付いています。

方法 支援の内容 家賃・広さの条件
(a)本人が借りる 不動産仲介業者や物件の情報を提供し、必要に応じて同行して住居探しを補助する。連帯保証人が必要で適当な者がいなければ、会社等が連帯保証人になるか、家賃債務保証業者を確保して会社等が緊急連絡先になる 情報提供の段階でも、7.5㎡以上など適切な住居についての情報提供が求められる(18の3-137)
(b)会社が借りて提供 会社等が借主として賃貸借契約を結び、本人の合意の下で住居として提供する 家賃は契約上の賃料(共益費を含み、同居人がいれば人数で割った額)を超えない。近隣の同程度の民間賃貸住宅の賃料相場も超えない。1人当たり7.5㎡以上(例外あり)
(c)自社所有の社宅を提供 会社が所有する社宅等を、本人の合意の下で住居として提供する 他の入居者の家賃の額と同等。1人当たり7.5㎡以上(例外あり)

(b)の家賃条件は、原価(契約賃料の頭割り)と相場の両方を上限にしています。(c)では、同じ社宅に住む他の入居者と同じ家賃であることが求められます。寮費の具体的な算定方法は特定技能の寮費・家賃の決め方|審査要領が認めない「家賃相場での徴収」で詳しく扱っています。

支援計画書で確認されること

入管は、1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)の「3 適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援」欄で、住居の支援を確認します(18の3-137〜138)。

  • 「ア 適切な住居の確保に係る支援」で、支援内容a〜cのいずれかの「実施予定」に「有」のチェックがあること
  • a〜cの全てが「無」の場合は、括弧内に書いた実施しない理由が合理的であること(他の在留資格で在留し、すでに自ら確保した住居に住み続けるなど)
  • 「d 情報提供する又は住居として提供する住居の概要」の「居室の広さ」で、aを実施する場合は「1人当たり7.5㎡以上を確保」にチェックがあること
  • bまたはcを実施する場合は、「1人当たり7.5㎡以上を確保」か、「1人当たり4.5㎡以上を確保」にチェックがあること。4.5㎡を選んだときは、「在留資格変更許可申請(又は在留資格認定証明書交付申請)の時点で確保しているもの」にもチェックがあること

4.5㎡の欄にチェックしながら、申請時点で確保している住居の欄にチェックがなければ、例外の前提を満たしていないと読まれます。居住費を控除する場合は、支援計画書の居住費と雇用条件書別紙1の控除額が同じであることも確認されます(18の3-26)。

口座・携帯電話・ライフラインの契約支援

住居と同じ項目で、生活に必要な契約の支援も求められます。対象は次の3つで、全てについて必要な書類の提供と窓口の案内を行い、必要に応じて本人に同行するなど手続を補助しなければなりません(18の3-136〜137)。

  • 銀行その他の金融機関における預金口座または貯金口座の開設
  • 携帯電話の利用に関する契約
  • 電気・ガス・水道等のライフラインの契約

支援計画書では、3つ全ての「実施予定」に「有」のチェックがあり、実施予定日から入国後速やかに行うことになっているかが確認されます。あわせて、「実施方法」で3つ全てに「必要に応じて手続に同行」のチェックがあるかが確認されます(18の3-138)。技能実習2号等から変更する人がすでに口座を開設しているなど、支援が客観的に明らかに不要な場合は「無」でもかまいませんが、その理由を括弧内に書く必要があります。

令和9年4月からの支援体制の改正

住居の確保を誰が支援するかについて、ルールが変わります。入管庁の公表(令和8年7月28日)によると、令和9年4月1日から、支援責任者と支援担当者を、支援を行う事業所(登録支援機関は事務所)ごとに常勤の役員・職員から各1名以上選任します。支援業務に従事できるのは、これらの者に限られます。支援責任者には入管法・労働関係法令等の養成講習の受講が義務づけられますが、令和9年4月1日以降も当分の間は未修了でも差し支えないとされています。

登録支援機関の側には、支援担当者の数が「委託を受けている特定技能所属機関の数÷10」を超え、かつ「支援している1号特定技能外国人の数÷50」を超えていることという基準も加わります。開示版の審査要領(18の3-107〜123)は改正前の要件で書かれているため、令和9年4月以降の体制は公表資料に沿って組む必要があります。自社支援の要件は特定技能の自社支援の要件とは?受入れ実績・支援責任者の条件と2027年4月の改正で扱っています。登録支援機関の新しい要件は【2027年4月施行】登録支援機関の要件はどう変わる?現行要件との違いと企業の確認項目を解説で扱っています。

その他の制度変更

対象分野は、開示版の審査要領では16分野ですが(18の3-1〜2)、入管庁の特定技能運用要領(令和8年8月)では19分野で、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環が加わっています。住居の基準は分野を問わず共通です。【要確認】追加3分野の受入れ開始時期は分野別の公表資料で確認してください。

支援の実施状況は、令和8年4月1日から年1回となった定期届出(対象期間は4月1日から翌年3月31日、提出期限は翌年5月31日)で報告します。支援を登録支援機関に全部委託していても、所属機関が登録支援機関の支援実施状況をまとめて提出します。外食業分野では令和8年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止され、外食業1号への変更申請も原則不許可とされています。また、特定技能2号評価試験等で合格基準点の8割以上を取った人は、一定の要件のもとで通算6年まで1号で在留できるようになりました(自動車整備士技能検定2級と航空従事者技能証明は対象外)。在留が延びる人の住居も、同じ基準を満たし続ける必要があります。

よくある質問

Q. ロフトの面積は7.5㎡に含められますか?

含められません。居室は建築基準法第2条第4号に規定する居室をいい、ロフト等はこれに含まれないとされています。

Q. 技能実習生のときに住んでいた寮に、特定技能になってからも住めますか?

技能実習2号等から特定技能1号へ変更し、会社がすでに確保している社宅等に住み続けることを希望する場合は、7.5㎡の基準の例外になります。ただし、寝室は1人当たり4.5㎡以上が必要です。

Q. 本人が自分でアパートを借りている場合も、広さの確認は必要ですか?

申請の時点ですでに確保している住居に住むことを希望し、本人が支援を望まない場合は、居室の広さは問題にならないとされています。

Q. 会社が借りた部屋を提供する場合、家賃はいくらまで受け取れますか?

会社が結んだ賃貸借契約上の賃料(共益費を含み、同居人がいれば人数で割った額)を超えず、近隣の同程度の民間賃貸住宅の賃料相場も超えない額です。

次に確認すること

まず、住居を会社が新たに用意するのか、すでに確保している社宅に住み続けてもらうのか、本人が自分で確保するのかを決めてください。会社が用意するなら、間取り図から居室部分の面積を拾い、入居人数で割って7.5㎡以上あるかを確かめます。確保済みの社宅に元技能実習生が住み続けるなら、寝室の面積を人数で割って4.5㎡以上あるかを確認し、支援計画書の該当欄に漏れなくチェックを入れます。家賃の額は、契約賃料の頭割りと近隣相場の両方を下回っているかを最後に照合してください。

根拠資料

  • 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第18節の3「特定技能」18の3-1〜2(対象分野・16分野時点)、18の3-26(居住費の確認)、18の3-107〜123(支援体制の現行要件)、18の3-134〜138(適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援)
  • 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」https://www.moj.go.jp/isa/10_00263.html
  • 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月)https://www.moj.go.jp/isa/content/001468647.pdf
  • 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri10_00002.html
  • 出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の『技能実習』等を修了した者が『特定技能1号』に移行しようとする場合の取扱いについて」https://www.moj.go.jp/isa/10_00262.html
  • 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」https://www.moj.go.jp/isa/03_00176.html
  • 出入国在留管理庁「通算在留期間」https://www.moj.go.jp/isa/10_00233.html