配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の審査期間は、出入国在留管理庁が公表する実績で、2026年7月に許可された分の平均が、海外から呼び寄せる在留資格認定証明書で106.5日、日本国内での在留資格変更で57.4日、在留期間更新で45.2日でした。標準処理期間として示されている「認定1か月〜3か月」を、呼び寄せの手続はすでに超えています。しかも認定の日数は、1年前の2025年4月許可分の63.3日から40日以上延びています。申請の時期を決めるには、標準処理期間より月別の実績を見る必要があります。
配偶者ビザの審査期間|標準処理期間と実績の違い
出入国在留管理庁は、手続ごとに「標準処理期間」を示しています。これは、申請を受理してから処分するまでに通常要する期間の目安です。なお、外国人の出入国に関する処分は行政手続法の申請処理の規定の適用除外とされており(同法3条1項10号)、標準処理期間を過ぎても手続上の違法になるわけではありません。配偶者ビザに関係する手続の標準処理期間は、2026年9月29日時点で次のとおりです。
- 在留資格認定証明書交付申請(海外から呼び寄せる場合):1か月〜3か月
- 在留資格変更許可申請(日本にいる人が配偶者ビザに切り替える場合):1か月〜2か月
- 在留期間更新許可申請(配偶者ビザを延長する場合):2週間〜1か月
一方、出入国在留管理庁は「在留審査処理期間」として、在留資格ごと・手続ごとの平均処理日数を毎月公表しています。こちらは実際に許可された案件の平均で、標準処理期間より現実に近い数字です。本記事の数字は、この月別の公表資料から「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」の行を抜き出したものです。
公表資料の注記によれば、この日数は申請の受理から許可の告知までの期間で、追加資料の提出を求めた場合は、その資料が提出されるまでの日数も含まれます。不許可や申請の取下げは含まれません。つまり、許可された案件だけの平均であり、追加資料の往復にかかった日数も平均を押し上げる要素に入っているということです。
月別の審査期間実績(2025年4月〜2026年7月許可分)
「日本人の配偶者等」の平均処理日数を月別に並べると、次のようになります。更新と変更は、入管に許可を受けに行った日(処分の告知日)までの日数です。
| 許可月 | 認定(呼び寄せ) | 変更 | 更新 |
|---|---|---|---|
| 2025年4月 | 63.3日 | 49.0日 | 40.7日 |
| 2025年5月 | 68.9日 | 57.2日 | 44.5日 |
| 2025年6月 | 67.0日 | 55.0日 | 46.3日 |
| 2025年7月 | 78.1日 | 54.0日 | 46.2日 |
| 2025年8月 | 69.9日 | 50.3日 | 46.4日 |
| 2025年9月 | 84.4日 | 53.8日 | 46.4日 |
| 2025年10月 | 88.4日 | 53.8日 | 47.2日 |
| 2025年11月 | 84.5日 | 58.9日 | 44.9日 |
| 2025年12月 | 93.6日 | 52.7日 | 42.1日 |
| 2026年1月 | 98.1日 | 53.2日 | 45.6日 |
| 2026年2月 | 100.0日 | 50.2日 | 41.4日 |
| 2026年3月 | 96.9日 | 49.6日 | 44.6日 |
| 2026年4月 | 89.7日 | 50.2日 | 43.0日 |
| 2026年5月 | 111.5日 | 51.2日 | 47.0日 |
| 2026年6月 | 111.5日 | 55.7日 | 49.8日 |
| 2026年7月 | 106.5日 | 57.4日 | 45.2日 |
この表から読み取れることは3つあります。
1つ目は、呼び寄せ(認定)だけが一方的に長くなっていることです。2025年度(2025年4月〜2026年3月許可分)の12か月の単純平均は約82.8日でしたが、2026年度の4か月(4月〜7月)の単純平均は104.8日で、2026年5月以降は3か月連続で100日を超えています。3か月は約90日なので、標準処理期間の上限を平均で超えている状態です。
2つ目は、変更と更新はほとんど動いていないことです。2025年度の単純平均は変更が約53.1日、更新が約44.7日で、2026年度に入っても同じ水準にあります。更新の標準処理期間は「2週間〜1か月」ですが、実績は常に40日を超えています。
3つ目は、永住者の配偶者の方が長い傾向があることです。「永住者の配偶者等」の認定は、2025年度の単純平均が約89.3日、2026年5月許可分は137.5日でした。永住者と結婚した人を海外から呼ぶ場合は、日本人の配偶者よりさらに長めに見込んでおく必要があります。
なお、出入国在留管理庁は全国の平均しか公表しておらず、福岡出入国在留管理局など地方局ごとの処理日数は公表されていません。申請先によって差が出ることはあり得ますが、それを数字で示す公式の資料はない、というのが正確なところです。
更新・変更は「審査終了」と「許可の告知」で10日以上の差がある
更新と変更の数字を読むときに、見落とされやすい点があります。公表資料は、更新と変更について「処分(告知)までの日数」と「審査終了までの日数」を分けて載せています。2026年7月許可分の「日本人の配偶者等」では、更新が告知まで45.2日・審査終了まで33.2日、変更が告知まで57.4日・審査終了まで47.3日でした。
注記によれば、更新と変更の処分日は許可の告知時、つまり本人が入管に出向いて新しい在留カードを受け取る日です。審査が終わってからハガキ(通知書)が届き、本人が入管に行くまでの期間が、告知までの日数に含まれています。更新では約12日、変更では約10日の差があり、この部分は申請する側の動き方で縮められます。
通知書が届いたら早めに受け取りに行くこと、窓口で納める手数料分の収入印紙を事前に用意しておくことが、実務上の短縮策になります。2026年10月1日以降に受け付けた申請からは手数料が改定され、許可される在留期間に応じて窓口で1万円から7万5,000円になります(2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降でも改定前の手数料です)。金額の詳細は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?を参照してください。
配偶者ビザの審査が長引く理由
平均の数字が延びている理由について、出入国在留管理庁は配偶者ビザに関する説明を出していません。公表資料の注記で触れられているのは、留学生の入学時期や4月の就職時期に向けて申請が増えることだけです。以下は、制度の仕組みから見て審査期間が延びやすい要因です。
追加資料の提出を求められた
申請後に入管から「資料提出通知書」が届き、追加の資料を求められることがあります。公表資料の日数には、この資料が提出されるまでの期間が含まれるため、通知を受けてから提出までに2週間かかれば、その分だけ審査期間も延びます。通知書が届いたときの対応は入管から資料提出通知書が届いたら?で解説しています。
婚姻の実体を慎重に確認する必要がある
配偶者ビザの審査の中心は、法律上の婚姻が成立していることに加えて、夫婦として共同生活を営む実体があるかどうかです。最高裁は平成14年10月17日の判決で、「日本人の配偶者」の在留資格は、日本人との間に婚姻が法律上存続しているだけでは足りず、夫婦としての共同生活を営むことを本質とする活動を行う者に与えられるとの考え方を示しています。この判決の意味は最判平成14年10月17日と「活動の実体」で扱っています。
そのため、認定と変更の申請では、夫婦の出会いから結婚までの経緯を記載する「質問書」の提出が求められます。交際期間が短い、出会ってから結婚までに会った回数が少ない、年齢差が大きい、共通の言語での意思疎通が難しい、紹介所を通じた結婚である、といった事情があると、入管はその経緯を裏付ける資料をより多く確認することになります。こうした事情があること自体で不許可になるわけではありませんが、確認の手順が増えれば、それだけ審査は長くなりやすいと筆者は考えます。質問書の書き方は配偶者ビザの質問書の書き方|交際経緯・紹介者欄の記入例と矛盾の防ぎ方で取り上げます。
過去の申請内容との食い違い
日本人配偶者や申請人が、過去に別の外国人と結婚して配偶者ビザを申請したことがある場合や、申請人が以前に別の在留資格で来日していた場合、入管は過去の申請書類と今回の記載を突き合わせます。交際開始時期や住所、職歴の記載が過去の申請と食い違えば、その説明を求められることになります。
扶養者の収入・納税状況の確認
配偶者ビザには年収の金額基準はありませんが、日本での生活費をどう賄うかは審査されます。更新の申請では、滞在費用を支弁する人の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書と納税証明書が提出書類になっています。転職直後や無職の期間がある、住民税に未納がある、といった場合は、預貯金の資料や雇用予定証明書などで説明を補う必要があり、その確認の分だけ時間がかかります。
在留期間の決定
配偶者ビザの在留期間は5年、3年、1年、6月のいずれかです。どの期間を付与するかも審査の一部で、婚姻の継続期間や同居の状況、納税・届出義務の履行状況などを踏まえて決められます。在留期間の決まり方は配偶者ビザの在留期間1年・3年・5年はどう決まる?3年が出にくい理由で解説します。
審査期間中に気をつけること|特例期間と申請中の出国
更新や変更を申請した人は、在留期間の満了日を過ぎても、処分がされる時か、満了日から2か月を経過する日のいずれか早い時まで、それまでの在留資格で日本に適法に在留できます(入管法20条6項、21条4項)。これを特例期間といいます。更新の実績が45日前後であることを考えると、満了日の直前に申請した場合でも2か月以内に結果が出ることが多いと見込めますが、追加資料を求められて長引けば2か月に近づいていきます。
特例期間の中で注意すべきなのは出国です。特例期間中にみなし再入国許可で出国した場合、再入国できるのは本来の在留期間の満了日から2か月を経過する日までで、それを過ぎると在留資格を失います。申請中の一時帰国は、戻る日を具体的に決めてから判断してください。
呼び寄せの場合は、特例期間の問題は生じませんが、在留資格認定証明書の有効期間に注意が必要です。証明書は交付日から3か月以内に日本に入国しなければ効力を失うため、交付後は速やかに本国の日本大使館・領事館で査証を申請する必要があります。交付後の流れは在留資格認定証明書が交付されたら?入国までの流れと企業の手続きで解説しています。
審査期間を短くするためにできること
入管の審査そのものを早めてもらう方法はありません。申請する側にできるのは、審査の手順を増やさないことと、審査が終わった後の時間を縮めることです。
最も効果があるのは、追加資料を求められない申請書類を最初から揃えることです。質問書の交際経緯は、日付、場所、会った回数を具体的に書き、写真や通話・メッセージの履歴など、その記載を裏付ける資料を添えます。過去に別の在留資格で申請したことがある場合は、その時の申請書の控えを確認し、住所や職歴の記載を一致させます。扶養者の収入が不安定な場合は、その事情と今後の見通しを説明する書面を最初から付けておきます。
更新の場合は、申請の時期も選べます。在留期間が6か月以上ある人は、満了日の3か月前から更新を申請できます。実績の45日前後に余裕を見て、満了日の2か月以上前に申請しておけば、特例期間に入る前に結果が出る可能性が高くなります。
オンライン申請を使えば、入管の窓口に出向く時間は省けます。ただし、審査期間そのものは窓口とオンラインで区別されておらず、在留カードを郵送で受け取る場合は、審査完了後の郵送にさらに日数がかかります。
よくある質問
配偶者ビザの審査期間は長いですか?
海外から呼び寄せる場合は長くなっています。出入国在留管理庁の実績では、2026年5月から7月に許可された分の平均が106.5日〜111.5日で、標準処理期間の上限の3か月を超えています。国内での変更(50日台)と更新(40日台)は、2025年度からほぼ横ばいです。
配偶者ビザ更新の審査期間はどのくらいですか?
2026年7月許可分の平均は、許可の告知まで45.2日、審査終了まで33.2日でした。標準処理期間は2週間〜1か月ですが、2025年4月以降の実績は毎月40日を超えています。満了日の2か月以上前に申請すると安心です。
配偶者ビザの審査状況はどこに問い合わせればよいですか?
申請した地方出入国在留管理局(九州の場合は福岡出入国在留管理局や各出張所)に問い合わせることになります。ただし、審査中の個別の進み具合や、いつ結果が出るかについては、答えてもらえないことがほとんどです。オンラインで申請した場合は、在留申請オンラインシステム上で申請の状況を確認できます。
配偶者ビザの最短の審査期間は?
公表されているのは平均の日数だけで、最短の日数は公表されていません。更新の場合、審査終了までの平均が30日前後であることを考えると、書類に不足がなく在留状況に問題のない申請であれば、1か月前後で通知書が届くこともあり得ます。個別の事情で判断が変わるため、特定の日までに結果が出ることを前提に予定を組むのは避けてください。
永住者の配偶者ビザの審査期間は?
「永住者の配偶者等」の2026年7月許可分の平均は、認定116.1日、変更60.6日、更新42.8日でした。呼び寄せは日本人の配偶者より長い月が多く、2026年5月許可分は137.5日でした。
呼び寄せの予定は「4か月」で組み直す
配偶者ビザの審査期間を調べる人の多くは、いつ一緒に暮らし始められるか、あるいは在留期限に間に合うかを知りたいはずです。その答えは手続によって違います。国内での変更と更新は、この1年ほど大きく変わっておらず、変更で2か月弱、更新で1か月半を見込めば足ります。
問題は海外からの呼び寄せです。平均が100日を超えている以上、申請から在留資格認定証明書の交付まで3か月半、そこから査証の発給と渡航の準備を加えると、日本での同居が始まるまで4か月以上かかると見ておくのが現実的です。結婚式や出産、配偶者の仕事の開始日など、動かせない予定がある場合は、その日から逆算して申請の時期を決め、追加資料を求められないだけの書類を最初の申請で揃えることが、結果として最も早い道になります。
根拠資料
- 在留審査処理期間(出入国在留管理庁・令和7年4月〜令和8年7月許可分)
- 在留審査処理期間 令和8年7月許可分(出入国在留管理庁)
- 在留資格認定証明書交付申請(出入国在留管理庁)
- 在留資格変更許可申請(出入国在留管理庁)
- 在留期間更新許可申請(出入国在留管理庁)
- 在留資格「日本人の配偶者等」(出入国在留管理庁)
- 2026年10月1日から外国人の在留手続に関する手数料が改定されます(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法(e-Gov法令検索)
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