本文へ移動
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室
保利国際法務事務所の外国人採用・就労ビザLPへ 電話で無料相談 050-5526-5506 いますぐ無料相談フォームへ
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室

家族滞在ビザ申請の必要書類|外国人社員の家族を海外から呼ぶ手順と在職証明書の書き方

海外にいる配偶者や子を家族滞在ビザで日本に呼ぶときの必要書類は、在留資格認定証明書交付申請書、写真、家族関係を証明する公的書類、扶養者(日本で働く外国人社員)の在留カードの写し、扶養者の職業と収入を証明する書類の5つが中心です。このうち会社が関わるのは在職証明書で、ここに何を書くかで審査の進み方が変わります。出入国在留管理庁が公表した2026年7月許可分の統計では、家族滞在の認定証明書は申請から交付まで平均70.0日かかっており、書類の不備で追加資料を求められると、この日数はさらに延びます。

家族滞在ビザの申請は4種類、海外から呼ぶなら「認定」

家族滞在の申請は、家族がいまどこにいて、どの在留資格を持っているかによって4つに分かれます。

  • 在留資格認定証明書交付申請:海外にいる家族を新たに日本に呼ぶ場合
  • 在留資格変更許可申請:留学など別の在留資格で日本にいる家族が、家族滞在に切り替える場合
  • 在留期間更新許可申請:家族滞在の在留期間を延長する場合
  • 在留資格取得許可申請:日本で子が生まれた場合など

外国人社員の家族を本国から呼ぶ場面で使うのは、1つ目の認定証明書交付申請です。ここでいう在留資格認定証明書(COE)とは、日本に来て行う活動が在留資格の条件に合っていることを、入国前に法務大臣があらかじめ認める書類を指します。家族はこの証明書を本国の日本大使館・総領事館に出して査証(ビザ)を受け、来日します。

家族滞在で呼べるのは、扶養者の「配偶者」と「子」だけです。親や兄弟姉妹は対象外で、扶養者が特定技能1号や技能実習の場合も家族滞在では呼べません。対象の範囲は家族滞在ビザとは?対象となる家族・扶養者の条件と呼べない在留資格で詳しく整理しています。

必要書類の一覧(在留資格認定証明書交付申請)

出入国在留管理庁の「在留資格『家族滞在』」のページは、認定証明書交付申請の提出書類を次のように定めています。

書類 通数 取得先
在留資格認定証明書交付申請書 1通 出入国在留管理庁のサイト(PDF・Excel)、地方出入国在留管理局の窓口
写真(縦4cm×横3cm) 1葉 申請前6か月以内に撮影したもの
返信用封筒(簡易書留用の切手を貼付) 1通 申請者が用意
申請人と扶養者の身分関係を証する文書 1通 戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書(写し)、出生証明書(写し)のいずれか
扶養者の在留カードまたは旅券の写し 1通 扶養者本人
扶養者の職業と収入を証する文書 各1通 勤務先(在職証明書)、市区町村(住民税の課税・納税証明書)

同じページの留意事項には、日本で発行される証明書は発行日から3か月以内のものを出すこと、外国語の書類には日本語訳を付けること、提出書類が揃っていない申請は審査が大幅に遅れるか不利益な処分になり得ることが書かれています。訳文を誰が作るかについて指定はなく、実務では扶養者本人が訳し、訳者の氏名を添える形も広く使われています。

申請書のダウンロードと書き方

申請書は、出入国在留管理庁の家族滞在のページからPDFかExcelで取得できます。A4で片面1枚ずつ印刷し、両面印刷はしないよう指定されています。記載例も同じページに掲載されています。

書き方で迷いやすいのは次の欄です。

  • 「経費支弁者」の欄:扶養者(日本で働く外国人社員)の氏名、住所、年収、勤務先を書く。ここに書く年収は、在職証明書や課税証明書の金額と一致させる
  • 「在日親族及び同居者」の欄:扶養者本人のほか、すでに日本にいる子なども漏れなく書く
  • 「過去の出入国歴」「過去の在留資格認定証明書交付申請歴」:短期滞在で来日したことがあれば回数と直近の日付を書く。過去の申請と食い違うと、そこから確認が入る

申請人が16歳未満の子の場合、申請書の署名は法定代理人(多くは扶養者)が行います。

扶養者の職業と収入を証する書類|会社が関わる部分

扶養者が会社員として給与を受けている場合、出入国在留管理庁が求めるのは次の2つです。

  1. 在職証明書(扶養者の職業がわかる証明書)
  2. 住民税の課税(または非課税)証明書と納税証明書(1年間の総所得と納税状況が記載されたもの)

課税証明書と納税証明書は、1年間の総所得と納税状況の両方が1枚に記載されていれば、どちらか一方でよいとされています。証明書は1月1日時点で住んでいた市区町村が発行します。福岡市であれば各区役所の窓口か、マイナンバーカードを使ったコンビニ交付で取得できます。

在職証明書に書く項目

出入国在留管理庁は在職証明書の様式を定めていません。会社の書式で作ってかまいませんが、審査官が扶養能力を判断するうえで必要な情報を過不足なく入れることが要点です。筆者は次の項目を入れるよう勧めています。

  • 会社の名称、所在地、電話番号、代表者名、会社印
  • 社員の氏名(旅券と同じローマ字表記)、生年月日、国籍
  • 入社年月日と雇用期間の定め(無期雇用か、有期なら契約期間)
  • 所属部署、役職、職務内容
  • 雇用形態(正社員・契約社員など)と所定労働時間
  • 年収または月額給与(賞与・手当の有無)
  • 証明書の発行日と作成担当者名

年収を書くことに抵抗を示す会社もありますが、家族滞在の審査の中心は「扶養者が家族を養えるか」です。在職証明書に給与額がなく、課税証明書もまだ出ない状態だと、入管は収入を確かめる手段を持てません。追加資料の通知が届いてから給与額を書き直すより、最初から入れておくほうが審査は早く進みます。追加資料の通知への対応は入管から資料提出通知書が届いたら?で解説しています。

入社1年目で課税証明書が出ない場合

住民税の課税証明書は前年1年間の所得をもとに作られます。社員が来日して1年も経っていない場合、日本での所得の記載がない、あるいは証明書そのものが発行されないことがあります。出入国在留管理庁のページも、入国後間もない場合や転居で発行されない場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署に問い合わせるよう案内しています。

実務では、課税証明書の代わりに次の書類で見込み年収を示すのが通常の方法です。

  • 雇用契約書または労働条件通知書の写し(給与額と雇用期間が書かれたもの)
  • 直近数か月分の給与明細書の写し
  • 扶養者名義の預金残高証明書(当面の生活費があることを示す)

社員本人が「家族を早く呼びたい」と考えるのは入社直後であることが多く、会社としては、この時期に雇用契約書や給与明細の写しを出してほしいと頼まれる前提で準備しておくと手続が滞りません。

扶養者の年収はいくら必要か

家族滞在の審査で扶養者の年収について具体的な金額の基準は、出入国在留管理庁の公表資料にも、情報公開で開示された入国・在留審査要領にも示されていません。審査では、扶養者の収入、呼び寄せる家族の人数、住居の広さなどを合わせて、日本で家族が暮らしていけるかが判断されます。年収の考え方は家族滞在ビザの年収要件|扶養者の収入はいくら必要?審査の目安と試算例で扱います。

家族関係を証明する書類|国別の主な公的証明

身分関係を証する文書として出入国在留管理庁が挙げているのは、戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書(写し)、出生証明書(写し)、それらに準ずる文書です。外国籍の家族には戸籍がないため、実際には本国の機関が発行する婚姻と出生の証明書を出すことになります。

国ごとの一般的な書類は次のとおりです。

国 配偶者(婚姻) 子(出生)
中国 結婚公証書(公証処発行) 出生公証書(公証処発行)
韓国 婚姻関係証明書 家族関係証明書・基本証明書
ベトナム 婚姻登録証明書 出生証明書(出生登録の抄本)
フィリピン PSA発行の婚姻証明書 PSA発行の出生証明書
ネパール 婚姻登録証明書 出生登録証明書
インドネシア 婚姻証明書(婚姻手帳・婚姻証書) 出生証明書
インド 婚姻証明書(Marriage Certificate) 出生証明書(Birth Certificate)

発行機関や書類の名称は各国の制度改正で変わることがあります。取得先がわからない場合は、在日大使館・総領事館の案内を確認してください。本国で結婚した夫婦が日本の市区町村にも婚姻を届け出ている場合は、市区町村発行の婚姻届受理証明書も使えます。

ここで重要なのは、書類の種類よりも記載内容の一致です。申請書、在留カード、旅券、婚姻証明書で氏名の綴りや生年月日が一致しているか、扶養者が過去の就労ビザ申請で「未婚」と書いていないかを確認します。以前の申請書に配偶者なしと書いていたのに、今回の婚姻証明書では婚姻日がそれより前になっている、といった食い違いがあると、婚姻の信ぴょう性を説明する資料を求められます。

子を呼ぶ場合は、出生証明書で扶養者との親子関係を示します。養子であれば養子縁組の証明書、配偶者の連れ子であれば扶養者との養子縁組が必要です。養子縁組をしていない連れ子は扶養者の「子」に当たらないため、家族滞在の対象になりません。

申請から来日までの手順

認定証明書交付申請から家族の来日までは、次の順序で進みます。

  1. 書類を集め、扶養者の住所地を管轄する地方出入国在留管理局に申請する(福岡県内なら福岡出入国在留管理局)
  2. 審査を待つ。追加資料を求められたら期限内に出す
  3. 在留資格認定証明書が交付される(紙で郵送されるか、電子メールで受け取る)
  4. 本国の家族が、日本大使館・総領事館で証明書を添えて査証を申請する
  5. 査証の発給を受けて来日し、空港で在留カードを受け取る
  6. 住居地を定めてから14日以内に、市区町村で住居地の届出をする

申請できるのは、日本にいる扶養者本人(申請人の親族として代理人になる)か、申請取次の届出をした行政書士・弁護士などです。申請人は海外にいるため、本人が申請することはできません。福岡出入国在留管理局への行き方や管轄は福岡出入国在留管理局への行き方・予約方法にまとめています。

認定証明書の有効期間は交付から3か月です。この期間内に査証の申請と入国を済ませる必要があります。交付後の流れは在留資格認定証明書が交付されたら?で解説しています。査証手数料は、外務省の2026年6月24日の発表により、2026年7月1日から一次査証で約15,000円に改定されています。

審査期間の目安|2026年7月許可分で平均70.0日

出入国在留管理庁が毎月公表している「在留審査処理期間」によると、家族滞在の在留資格認定証明書は、申請の受理から交付までの平均日数が次のように推移しています。

  • 2025年4月許可分:71.5日
  • 2025年8月許可分:110.0日
  • 2025年9月許可分:109.7日
  • 2026年1月許可分:72.5日
  • 2026年4月許可分:62.3日
  • 2026年7月許可分:70.0日

2025年の夏には110日前後まで延びた時期がありました。この平均日数には、追加資料を求められてから提出するまでの日数も含まれます。家族の来日希望日から逆算すると、少なくとも3か月前、夏から秋にかけて呼ぶなら4か月前には申請しておくのが安全です。

認定証明書の交付申請に入管の手数料はかかりません。2026年10月1日から在留手続の手数料が改定されましたが、対象は変更・更新などの許可で、認定証明書の交付申請は対象外です。

不交付になりやすい場面

認定証明書が交付されない理由は、書類の不足よりも中身の問題であることが多くあります。家族滞在で問題になりやすいのは次の場面です。

  • 扶養者の収入が、呼ぶ家族の人数に対して少ない
  • 扶養者が来日直後で、雇用の継続性を示す資料が乏しい
  • 子が成年に近く、本国で就労していた、または日本で働くことが主な目的と見られる
  • 過去の申請書の記載(婚姻歴・子の有無)と、今回の身分関係書類が食い違っている
  • 扶養者自身が、住民税の未納や入管法上の届出漏れを抱えている

特に子の年齢は、家族滞在の審査で繰り返し論点になります。子であれば年齢の上限は法令にありませんが、「扶養を受ける」状態にあるかどうかが問われるため、18歳を過ぎた子や本国で学校を終えた子を新たに呼ぶ場合は、呼ぶ理由と今後の生活(日本の学校への進学予定など)を理由書で説明しておくことが望まれます。個別の事情で判断が変わる部分なので、年長の子を呼ぶ場合は申請前に専門家に相談するのが確実です。不交付になった場合の再申請の進め方は在留資格認定証明書が不交付になる理由とは?で解説しています。

よくある質問

家族滞在ビザの申請書はPDFでダウンロードできますか?

できます。出入国在留管理庁の「在留資格『家族滞在』」のページに、認定・変更・更新・取得の各申請書がPDFとExcelで掲載されており、記載例とチェックシートも同じページから取得できます。A4に片面で印刷して使います。

家族滞在ビザの申請理由書は必要ですか?

出入国在留管理庁の提出書類一覧には、理由書は含まれていません。ただし、成年に近い子を呼ぶ場合、扶養者が入社直後で収入の証明が弱い場合、過去の申請との食い違いを説明する必要がある場合は、呼び寄せの理由と生活の見通しを書いた理由書を付けると、審査官の疑問に先回りして答えられます。

会社が在職証明書を出さないと申請できませんか?

扶養者が会社員であれば、職業を証明する書類として在職証明書が求められます。会社の書式でかまわず、年収や雇用期間を書いてもらうのが望ましい内容です。会社が発行を拒む理由は多くの場合「給与額を書きたくない」というものですが、給与額がなければ扶養能力を確認できないため、結果として追加資料を求められることになります。

家族滞在ビザの在留期間はどれくらいですか?

入管法施行規則別表第2は、家族滞在の在留期間を「5年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」と定めています。日本人の配偶者等のように5年・3年・1年と刻みが決まっているわけではなく、扶養者の在留期限に合わせた期間が指定されることが多くあります。

家族滞在で来日した配偶者はアルバイトできますか?

家族滞在のままでは働けません。入国後に地方出入国在留管理局で資格外活動許可を受ければ、週28時間以内でアルバイトができます。空港(出入国港)で資格外活動許可を受けられるのは、「留学」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「技能」で新規に上陸許可を受けた人に限られ(留学は包括許可、他の3つは地方公共団体等に雇用される人の活動に限る)、家族滞在は対象外です。

家族を呼ぶ前に、会社と社員で決めておくこと

家族滞在の書類の多くは社員本人が集めるものですが、審査の中心にある「扶養能力」の証明は、会社が出す在職証明書と給与の資料に依存します。社員から家族の呼び寄せを相談されたら、在職証明書に年収と雇用期間を書くこと、入社1年目なら雇用契約書と給与明細の写しを渡すことを、会社として先に決めておくと手続が止まりません。

もう1つの判断軸は時期です。平均70日という審査期間に、査証の発給と渡航の準備を足すと、相談から来日まで4か月前後を見込むことになります。子の入学時期や社員の繁忙期に合わせたいなら、そこから逆算して申請日を決めるのが現実的な進め方です。

関連するコラム

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。