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家族滞在の子どもは定住者・特定活動に変更できる?日本の高校卒業後の就職

家族滞在で日本に住む子どもは、日本の小学校と中学校を修了し、日本の高校を卒業(見込みを含む)して就職先が決まっていれば、「定住者」に変更できます。中学校の途中や高校から日本に来た子どもでも、日本の高校を卒業し、入国時に18歳未満であったことなどの条件を満たせば「特定活動」に変更でき、特定活動で5年以上働いた後には定住者への変更も認められています。いずれも、技術・人文知識・国際業務のような学歴・職種の要件を問わずに日本で就職するための特例です。この記事では、出入国在留管理庁の案内をもとに、定住者と特定活動の条件の違い、申請の時期、親が永住者になった場合のもう一つの定住者のルートを整理します。

家族滞在の子どもが高校卒業後に就職するときの3つのルート

家族滞在の子どもは、資格外活動許可を受ければ週28時間以内のアルバイトはできますが、高校を出て正社員として働くには在留資格の変更が必要です。一般的な就労ビザである技人国は大学または日本の専門学校の卒業が学歴要件なので、高校卒業の時点では使えません。そこで出入国在留管理庁は、「家族滞在」の在留資格をもって在留し、高等学校卒業後に日本での就労を希望する方へ、という案内を設け、次の2つの変更先を示しています。

比較 定住者 特定活動
日本での義務教育 小学校・中学校を修了していること 要件なし
日本の高校 卒業または卒業見込み 卒業または卒業見込み(編入した場合はJLPT N2程度またはBJT400点以上)
入国時の年齢 18歳未満 18歳未満
入国後の在留 引き続き家族滞在 引き続き家族滞在
扶養者 要件なし 扶養者が身元保証人として在留していること
就労先 決定(内定を含む) 決定(内定を含む)
公的義務 住居地の届出などを履行 住居地の届出などを履行

3つ目のルートは、特定活動で就職した人が、一定期間働いた後に定住者へ移る道です。入管庁は2024年7月24日にこの変更の要件を案内に追記しました。以下、順に見ていきます。家族滞在から就労系の在留資格(技人国・特定技能など)へ変更する一般的な方法は家族滞在ビザから就労ビザへ切り替える方法|技人国・特定技能への変更条件で扱っています。

定住者への変更|日本の小学校・中学校を修了していること

定住者に変更できるのは、次のすべてに当てはまる人です(出入国在留管理庁の案内、2024年9月30日更新)。

  • 日本の義務教育(小学校及び中学校)を修了していること
  • 日本の高校を卒業していること、または卒業見込みであること
  • 入国後、引き続き家族滞在で日本に在留していること
  • 入国時に18歳未満であること
  • 就労先が決定(内定を含む)していること
  • 住居地の届出など、公的義務を履行していること

ここで重要なのは、小学校から日本の学校で学んだかどうかという論点です。案内は「小学校及び中学校」の修了を求めているため、中学校から日本に来た子どもはこの類型に当たらず、次の特定活動の類型を検討することになります。学校は学校教育法1条に定める学校(いわゆる1条校)が前提とされており、インターナショナルスクールや外国人学校で学んだ期間の扱いは案内に記載がありません。1条校以外の学校に通っていた期間がある場合の扱いは現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。

定住者は、就労の種類や時間に制限のない在留資格です。製造業、小売、飲食、介護など、職種を問わず正社員として働けます。この類型は定住者告示に列挙されたものではなく、法務大臣が個別に認める「告示外」の定住者に当たり、在留期間は入管法施行規則別表第二により5年を超えない範囲で個別に指定されます。

特定活動への変更|高校から来日した子どもも対象

特定活動に変更できるのは、次のすべてに当てはまる人です。

  • 日本の高校を卒業していること、または卒業見込みであること
  • 扶養者が身元保証人として日本に在留していること
  • 入国後、引き続き家族滞在で日本に在留していること
  • 入国時に18歳未満であること
  • 就労先が決定(内定を含む)していること
  • 住居地の届出など、公的義務を履行していること

高校に編入学した場合は、日本語能力試験N2程度、またはBJTビジネス日本語能力テスト400点以上の日本語能力が必要です。高校の途中で来日した子どもは、日本語での学習期間が短いため、卒業だけでは日本語力の裏付けとして足りないと考えられているのでしょう。高校1年の入学時から日本の高校に在籍していれば、この日本語要件はかかりません。

定住者との大きな違いは、扶養者(通常は親)が身元保証人として日本に在留していることが条件になる点です。変更申請でも更新申請でも、扶養者を保証人とする身元保証書を提出します。親が帰国する予定がある家庭では、特定活動を得た後の更新で条件を満たせなくなるおそれがあるため、親の在留の見通しも含めて検討しておく必要があります。

入管庁の案内は、この特例が資格外活動許可の範囲(週28時間)を超えて就労する場合に対象となると説明しています。週28時間以内のアルバイトで足りる場合は、家族滞在のままでかまいません。特定活動で就労できる具体的な範囲は、許可の際に交付される指定書に記載されます。職種の制限の有無を案内の本文から確かめることはできなかったため、指定書の記載で確認してください(公式資料では未確認)。指定書はパスポートに添付される書面で、在留カードの裏面だけでは就労の範囲がわからない点に注意してください。

特定活動で5年働いたら定住者へ変更できる

特定活動で就職した人には、その後に定住者へ移る道があります。入管庁が公表している案内資料(「高等学校卒業後に日本での就労を考えている外国籍を有する方へ」)によれば、要件は次のとおりです。

  • 日本の高校卒業以上の学歴を有すること
  • 就労を目的とする特定活動または就労資格で5年以上在留していること(大学、専門学校、高等専門学校、高等学校専攻科で教育を受けた期間の算入も認める)
  • 就職先が決定していること
  • 申請人自身に独立生計維持能力が認められること
  • 入管法上の届出義務、公的義務を履行していること

5年の計算に大学や専門学校で学んだ期間を算入できるという点は、2024年9月30日の更新で明確にされた内容です。たとえば高校卒業後に特定活動で働きながら、あるいは家族滞在のまま専門学校で学んだ期間がある場合、その期間も合わせて5年を数えられる可能性があります。算入の具体的な方法(在学期間の在留資格が問われるか)は現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。

特定活動から定住者に移ると、扶養者を身元保証人とする必要がなくなり、親の帰国後も本人だけで日本に住み続けることができます。自分の家族を持ち、長く日本で働く見通しの人にとっては、5年目を1つの節目として準備しておく価値があります。

親が永住者になった場合の定住者(告示6号)

家族滞在から定住者に変わるもう一つの典型的な場面が、扶養者である親が永住許可を受けたときです。家族滞在は、就労資格などを持つ人の扶養を受ける家族の在留資格で、親が永住者になると子どもは家族滞在の前提を失います。

このとき、日本で生まれた子どもは「永住者の配偶者等」、海外で生まれた子どもは定住者告示6号(永住者などに扶養される未成年で未婚の実子)による「定住者」に変更するのが一般的です。高校卒業の特例と違い、学歴や就職先は条件になりません。親の永住許可の後は、子どもの在留資格も速やかに変更を申請してください。永住者の配偶者等との違いは永住者の配偶者等とは?家族滞在との違いと変更すべきタイミングで詳しく扱っています。

告示6号は「未成年で未婚」であることが条件のため、18歳以上になっていると対象外になり得ます。親の永住許可のタイミングと子どもの年齢が近い場合は、親の永住申請の段階で、子どもを同時に永住申請するか、変更先をどうするかを整理しておくのが安全です。永住許可の要件の見直しについては永住許可の要件厳格化で何が変わる?を参照してください。

申請の時期と必要書類

高校卒業の特例による変更申請は、卒業見込みの段階、つまり就職の内定が出た後から申請できます。高校3年の秋に内定が出たら、年明けには書類をそろえ、卒業後すぐに働き始められるよう準備するのが実務の流れです。許可が出るまでは家族滞在のままなので、フルタイムでの勤務は許可を受け取ってからにします。家族滞在の在留期間の満了日との関係は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?で解説しています。

入管庁の案内が挙げる提出資料は、定住者・特定活動ともにおおむね次のとおりです。

  • 在留資格変更許可申請書(定住者は様式T、特定活動は様式U)、写真
  • 履歴書
  • 卒業証明書または卒業見込証明書(小学校・中学校の卒業を示す資料を含む)
  • 雇用契約書や内定通知書など、就労先が決定していることを示す資料(入管庁が内定通知書の参考様式を公開しています)
  • 身元保証書(特定活動は扶養者を保証人とするもの)
  • 世帯全員が記載された住民票
  • パスポート、在留カード

特定活動の更新では、在職証明書、住民税の課税・納税証明書、扶養者を保証人とする身元保証書、住民票などを提出します。2026年10月1日以降は、変更・更新の手数料が許可される在留期間に応じた額に変わり、1年の許可で窓口33,000円(オンライン27,000円)です(在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?)。

採用する企業の側では、内定通知書に雇用形態、業務内容、賃金、勤務開始日を明記し、本人に早めに渡すことが最も大きな協力になります。高校新卒の外国籍の生徒を採用する場合、学校の進路指導担当と連携して、卒業見込証明書の発行時期と申請の時期を合わせておくと手続が滞りません。

よくある質問

家族滞在の子どもは高校卒業後に就職できますか?

日本の高校を卒業し、入国時18歳未満などの条件を満たせば、「定住者」または「特定活動」に変更して就職できます。小学校と中学校も日本で修了していれば定住者、そうでなければ特定活動が基本です。

中学校から日本に来た場合も定住者になれますか?

高校卒業の特例では、定住者は日本の小学校と中学校の修了が条件のため、原則として特定活動の類型になります。特定活動で就労資格として5年以上在留すれば、その後に定住者への変更を申請できます。

家族滞在のまま就職することはできますか?

週28時間以内のアルバイトやパートであれば、資格外活動許可を受けて家族滞在のまま働けます。それを超えて正社員として働く場合は、定住者・特定活動などへの変更が必要です。

親が永住者になったら子どもはどうなりますか?

家族滞在の前提を失うため、変更申請が必要です。日本で生まれた子どもは永住者の配偶者等、海外で生まれた未成年・未婚の子どもは定住者(告示6号)が一般的な変更先です。

変更先を選ぶのは「中学校をどこで修了したか」と「親の在留の見通し」

家族滞在の子どもの就職で、定住者と特定活動のどちらに進むかを分けるのは、小学校・中学校を日本で修了したかどうかです。そして特定活動を選ぶ場合は、扶養者である親が身元保証人として日本に在留し続けることが条件になるため、親の仕事や帰国の予定が本人の在留に直結します。

筆者は、特定活動で就職する人ほど、就職した時点から5年後の定住者への変更を見据えて、納税や届出の記録を切れ目なく残しておくべきだと考えています。許可の可否は個別の事情で判断が変わるため、1条校以外で学んだ期間がある、親が帰国を予定しているといった事情がある場合は、高校3年の早い時期に相談してください。

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根拠資料


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