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高度専門職の配偶者の就労と親の帯同|条件と審査要領の記載

高度専門職の外国人は、配偶者の就労、親の帯同、家事使用人の帯同という家族に関する優遇措置を受けられます。いずれも本人の在留資格「高度専門職」とは別に、配偶者や親がそれぞれ在留資格「特定活動」の許可を受ける仕組みです。入管庁の高度人材ポイント制Q&Aは、親の帯同に世帯年収800万円以上、家事使用人の帯同に世帯年収1,000万円以上などの条件を挙げています。また、就労する配偶者には学歴・職歴の要件がない(同居と、日本人と同等額以上の報酬は必要)としています。

入国・在留審査要領の高度専門職の節(第9節)には、この3つの措置について「引き続き『特定活動』の在留資格が許可される」という記述があるだけで、要件の詳細は書かれていません。一方で審査要領は、高度専門職1号から永住者になった人が、親を呼び寄せるために高度専門職2号へ変更する場面を例に挙げています。親の帯同は永住者には用意されていない、高度人材に固有の措置だということです。

なお、入管庁のポイント制のページには、旧来の「高度人材上陸告示」「高度人材在留指針」が令和8年3月に廃止された旨の表示があり、家族に関する措置との関係は公表資料からは読み取れません【要確認】。呼寄せを予定している人は、申請前に入管庁の最新の案内を確認してください。

この記事でわかること

  • 家族に関する優遇措置が「特定活動」で許可される仕組み
  • 就労する配偶者の条件と、家族滞在・本人の就労資格との違い
  • 親の帯同・家事使用人の帯同の年収条件
  • 永住者が親を呼び寄せるために2号へ変更するケース
  • 特別高度人材(J-Skip)の配偶者・家事使用人の扱い

家族の優遇措置は「特定活動」で許可される

高度専門職の在留資格は、平成27年4月1日に創設されました。それ以前は、ポイントを満たした高度人材に在留資格「特定活動」を付与し、家事使用人の帯同などの優遇措置を講じていました(平成24年5月7日施行の高度人材上陸告示・高度人材在留指針)。高度専門職ができた後も、家族に関する措置は特定活動の枠組みで残されています。

審査要領ではこう書かれている

優遇措置として認められていた「就労する配偶者」、「入国帯同型の家事使用人」及び「親」については、引き続き「特定活動」の在留資格が許可される。

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第9節 9-1

ここでいう特定活動とは、法務大臣が個々の外国人について活動を指定して許可する在留資格を指します。配偶者も親も家事使用人も、本人の「高度専門職」に含まれて在留するわけではありません。それぞれが自分の特定活動の許可を受けます。そのため、申請も審査も一人ずつ行われ、許可された活動の範囲を超えることはできません。

第9節が触れているのはここまでで、各優遇措置の要件の詳細は第9節(9-1〜9-58)のどこにも書かれていません。家族の特定活動の審査基準は、審査要領の特定活動の節に置かれていると考えられますが、その部分は本記事の根拠資料に含まれていません【要確認】。以下の要件は、入管庁が公表しているQ&Aをもとにしています。高度専門職の制度全体は高度専門職ビザとは?1号イ・ロ・ハの違い・ポイント制・優遇措置を審査要領で解説で整理しています。

優遇措置 在留資格 公表されている主な条件(入管庁 高度人材ポイント制Q&A)
就労する配偶者 特定活動 学歴・職歴の要件は不要。同居と、日本人と同等額以上の報酬が必要
親の帯同 特定活動 世帯年収800万円以上など
家事使用人の帯同 特定活動 世帯年収1,000万円以上など

就労する配偶者

高度専門職の配偶者が日本で働く方法は、制度上3つあります。

方法 在留資格 学歴・職歴の要件 働ける範囲
自分で就労資格を取る 技術・人文知識・国際業務など その在留資格の基準どおり必要 その在留資格の範囲
家族滞在で在留する 家族滞在 ― 就労活動は不可(資格外活動許可を受けた範囲に限る)
就労する配偶者として在留する 特定活動 不要(同居と同等報酬が必要) 指定された活動の範囲

優遇措置の中身は、学歴・職歴の要件が外れる点にあります。たとえば技術・人文知識・国際業務で働くには、原則として大学卒業などの学歴か、一定年数の実務経験が求められます。就労する配偶者であれば、この要件を満たさなくても、高度専門職の配偶者として同居していること、日本人と同等額以上の報酬を受けることを条件に就労が認められます(入管庁 高度人材ポイント制Q&A)。ただし、従事できる業務の範囲の詳細は、本記事の根拠資料には書かれていません【要確認】。

家族滞在は、扶養を受ける配偶者や子のための在留資格で、就労を目的とした活動はできません。働くには資格外活動許可が必要で、許可された範囲を超えれば資格外活動になります。フルタイムで働く予定があるなら、家族滞在ではなく就労する配偶者を検討するのが筋です。

婚姻の実体が前提になる

配偶者としての在留は、婚姻が法律上存続しているだけでは足りません。最高裁平成14年10月17日判決は、婚姻が法律上存続していても、実体を失い修復の見込みがなければ「日本人の配偶者等」の活動に当たらないと判断しました。身分系の在留資格についての判例ですが、在留資格を名目でなく実体で判断するという考え方は共通します。就労する配偶者に同居が求められているのも、同じ考え方の延長にあると筆者は考えます。判例の中身は最判平成14年10月17日と「活動の実体」|在留資格は名目でなく実態で判断されるで扱っています。

本人の高度専門職の在留を前提とした許可である以上、本人が出国したり、在留資格を失ったりすれば、配偶者の在留の前提も崩れます。本人が転職で在留資格の変更を受ける場合も、配偶者の在留に影響がないかを確認しておくべきです。

親の帯同

親の帯同は、高度人材の親が特定活動の許可を受けて日本に在留するための措置です。入管庁のQ&Aは、条件の一つとして世帯年収800万円以上を挙げています。呼寄せの目的や同居など、そのほかの条件は、公表されているQ&Aの要点としては「など」とされるにとどまり、本記事の根拠資料では確認できません【要確認】。

世帯年収という基準である以上、本人の年収だけで判断するものではないと読めます。年収の数え方の細部(賞与や手当の扱いを含む)が高度専門職のポイント計算と同じかどうかは、根拠資料からは断定できません【要確認】。

親の帯同を検討するうえで押さえておきたいのは、これが高度人材である間だけの措置だという点です。本人が永住者になると、親の帯同の対象から外れます。この点は、次の章で詳しく扱います。

家事使用人の帯同

家事使用人の帯同は、高度専門職の外国人が家事使用人を雇用して日本で生活するための措置です。入管庁のQ&Aは、世帯年収1,000万円以上などを条件に挙げています。審査要領は、この措置を「入国帯同型の家事使用人」と呼び、特定活動として許可するとしています(9-1)。雇用の形態や人数などの詳細は、根拠資料には書かれていません【要確認】。

永住者は親を呼べない:2号への変更という選択肢

高度専門職1号から永住者になると、活動の制限がなくなり、在留期間も無期限になります。その代わり、親の帯同などの高度人材の優遇措置は受けられなくなります。審査要領は、この問題に対する一つの答えを示しています。

審査要領ではこう書かれている

例えば、「高度専門職1号」の在留資格で5年間在留し、「永住者」を取得した者が、親を呼び寄せたいとして「高度専門職2号」の在留資格への在留資格変更申請を希望することが考えられる。

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第9節 9-49

過去に1号で3年以上在留して活動していた人は、その後に別の在留資格を取得していても、2号への変更申請が排除されていません(9-49)。ただし、要件は1号から2号に変更する場合と同じです。変更申請の時点でポイント70点以上(1号ロ・1号ハだった人は年収300万円以上も)であることと、素行が善良であることが求められます。在留が日本国の利益に合すると認められること、そして今も1号の活動に当たる仕事をしていることも必要です(9-47〜9-50)。2号への変更では、所属企業がカテゴリー1・2であっても、住民税の課税(または非課税)証明書と納税証明書の提出が求められます(9-51〜9-52)。

2号に変更すれば、在留資格は永住者から2号に変わり、研究・専門的業務・経営管理のいずれかを主たる活動として続けることが前提になります。親を呼び寄せる目的と、活動の制限を受け入れる負担を比べて決めるべき選択です。2号と永住者の違いは高度専門職2号とは?要件・永住権との違い・永住者から2号へ変更するケースで比べています。

特別高度人材(J-Skip)の配偶者と家事使用人

年収と学歴・職歴だけで高度専門職を認める特別高度人材制度(J-Skip)では、家族に関する措置が拡充されています。

審査要領ではこう書かれている

当該特別高度人材の配偶者については特定活動告示第33号の2を新設することで現行の高度専門職の配偶者と比して幅広い範囲の就労を認め(以下略)

出典:入国・在留審査要領 第12編(開示版)第9節 9-52

審査要領は、特別高度人材を雇用主とする家事使用人(特別高度人材型)についても、特定活動告示第2号の4を新設したとしています(9-52)。入管庁のJ-Skipのページによれば、配偶者や家事使用人の申請の際には、本体者が特別高度人材に当たるかの認定もあわせて行います。ただし、二つの告示の具体的な要件と、特別高度人材の親の扱いは、本記事の根拠資料では確認できません【要確認】。J-Skipの要件は特別高度人材制度(J-Skip)とは?年収2,000万円の要件・優遇措置・永住1年を解説で扱っています。

告示の廃止表示と、確認すべきこと

入管庁の高度人材ポイント制のページには、「高度人材上陸告示(令和8年3月廃止)」「高度人材在留指針(令和8年3月廃止)」という表示があります。この二つは、高度専門職ができる前に特定活動で高度人材を受け入れていた根拠で、審査要領が家族の措置を「引き続き」特定活動で許可するとした背景にあるものです(9-1)。

廃止によって家族の措置の根拠がどこに移ったのか、要件に変更があったのかは、公表資料の該当ページからは読み取れません【要確認】。審査要領の開示版は2025年12月のスキャンで、この廃止より前の内容です。親や家事使用人の呼寄せ、配偶者の就労を予定している人は、申請の直前に入管庁の案内と提出書類を確認してください。

よくある質問

Q. 高度専門職の配偶者は、学歴がなくても日本で働けますか?

就労する配偶者として特定活動の許可を受ければ、学歴・職歴の要件はありません。高度専門職の本人と同居していることと、日本人と同等額以上の報酬を受けることが条件です。従事できる業務の範囲は、申請前に入管庁の案内で確認してください。

Q. 高度専門職の親の帯同には、どのような条件がありますか?

入管庁のQ&Aは、世帯年収800万円以上を条件の一つとして挙げています。親は本人の在留資格に含まれず、親自身が特定活動の許可を受けます。そのほかの条件は、入管庁の最新の案内で確認が必要です。

Q. 永住者になった後でも、高度人材として親を呼び寄せられますか?

永住者は親の帯同の対象になりません。ただし、過去に高度専門職1号で3年以上在留して活動していた人は、高度専門職2号への変更を申請できます。審査要領は、永住者が親を呼び寄せるために2号への変更を希望する例を挙げています。

Q. 特別高度人材(J-Skip)の配偶者は何が違いますか?

特別高度人材の配偶者には特定活動告示第33号の2が新設され、ポイント制の高度専門職の配偶者より幅広い範囲の就労が認められています。具体的な就労の範囲と要件は、入管庁の最新の案内で確認してください。

呼寄せの前に、本人の在留資格から確認する

最初に確認すべきは、本人が今どの在留資格で在留していて、今後もその資格を続けるかです。高度専門職1号・2号であれば、家族の措置の対象になります。永住者であれば、1号での在留歴とポイントを確認したうえで、2号への変更を検討することになります。次に、世帯年収と、配偶者の働き方(家族滞在か、就労する配偶者か、自身の就労資格か)を決めます。告示の廃止表示があるため、書類を集める前に入管庁の最新の案内を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。

根拠資料

  • 入国・在留審査要領 第12編(開示版)第9節 高度専門職 9-1(沿革・特定活動で残る優遇措置)、9-47〜9-52(高度専門職2号)、9-52(特別高度人材の配偶者・家事使用人)
  • 最高裁判所 平成14年10月17日判決
  • 出入国在留管理庁 高度人材ポイント制(トップページ)(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/newimmiact_3_index.html)
  • 出入国在留管理庁 高度人材ポイント制Q&A(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/newimmiact_3_qa.html)
  • 出入国在留管理庁 特別高度人材制度(J-Skip)(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri01_00009.html)