特定技能の必要書類は、出入国在留管理庁が公表する「『特定技能1号』に係る提出書類一覧表」で決まります。最新版は令和8年(2026年)8月20日改定で、申請人に関する第1表、所属機関に関する第2表(第2表の1〜3のいずれか)、分野に関する第3表(1号は第3表の1〜17のいずれか)の3枚を組み合わせて使います。所属機関の書類は、上場企業や3年間の受入れ実績がある機関なら第2表の1に切り替えて大きく省略でき、同じ年度内にすでに特定技能外国人を受け入れている機関は第2表そのものが不要です。
提出書類一覧表は「3枚を組み合わせる」構造
提出書類一覧表は、申請の種類ごとに別のファイルになっています。在留資格認定証明書交付申請用(海外から呼ぶ場合)、在留資格変更許可申請用(国内在住者を雇う場合)、在留期間更新許可申請用の3種類で、それぞれに1号用と2号用があります。
どの申請でも、一覧表の最初の項目で「該当書類」として次の組合せを指定しています。
| 表 | 内容 | 選び方 |
|---|---|---|
| 第1表(表紙を含む) | 申請人(外国人本人)と雇用契約・支援計画に関する書類 | 全員が提出 |
| 第2表の1〜3のいずれか | 所属機関(受入れ企業)に関する書類 | 機関の区分で1つを選ぶ |
| 第3表の1〜17のいずれか | 特定産業分野に関する書類 | 従事する分野で1つを選ぶ |
更新申請では第2表は不要で、第1表と第3表だけを出します。更新の書類は特定技能更新の手続き|1号の在留期間3年化・必要書類と2026年10月の手数料で扱っています。
一覧表は単なる案内ではなく、それ自体が提出書類です。認定申請用の第1表では項番3に一覧表そのものが挙げられ、各行の「提出確認欄」に丸を付けて申請書と一緒に出します。過去に提出した書類を省略する場合は、「過去に提出した申請情報」の欄に申請年月日と受付番号(または在留カード番号)を書き込みます。この欄を空けたまま省略すると、書類の不足として扱われます。
第1表|申請人に関する書類
認定申請と変更申請に共通する書類
認定申請用・変更申請用の第1表(いずれも令和8年8月20日改定)で、共通して求められる主な書類は次のとおりです。
- 申請書(写真縦4cm×横3cm、申請前6か月以内に撮影したもの)
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)と、賃金規程に基づいて報酬を決めた場合の賃金規程の写し
- 特定技能雇用契約書の写し(参考様式第1-5号)
- 雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)と賃金の支払(同別紙)
- 1年単位の変形労働時間制をとる場合は、年間カレンダーと労使協定書の写し
- 雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16号)と、職業紹介事業者があっせんした場合の厚生労働省「人材サービス総合サイト」の画面の印刷
- 健康診断個人票(参考様式第1-3号)と受診者の申告書
- 1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)
- 支援の全部を登録支援機関に委託する場合は、支援委託契約に関する説明書(参考様式第1-25号)
- 二国間取決で定められた手続の書類(該当国籍の場合)
雇用契約書、雇用条件書、雇用の経緯に係る説明書、支援計画書には、申請人の署名と、申請人が十分に理解できる言語での記載が必要です。日本語だけで作った書類は差し戻しの対象になります。報酬に関する説明書の書き方は特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)の書き方と記入例、健康診断は特定技能外国人の健康診断は必要?で解説しています。
二国間取決の対象国は申請の種類で違う
二国間取決で定められた手続の書類が必要な国籍は、令和8年8月現在、認定申請用の第1表ではカンボジアとベトナム、変更申請用の第1表ではカンボジア、タイ、ベトナムと書かれています。同じ国籍でも、海外から呼ぶ場合と国内在住者を雇う場合で扱いが異なることがあるため、申請の種類に対応した一覧表で確認する必要があります。
変更申請だけに加わる書類|税金・保険・年金
変更申請用の第1表には、日本に住んでいる申請人の公的義務の履行を確かめる書類が加わります。
- 全ての納期が経過している直近1年度分の個人住民税の納税証明書
- それと同じ年度の個人住民税の課税証明書
- 課税証明書と同じ年の給与所得の源泉徴収票の写し
- 国民健康保険の被保険者である場合は、医療保険の資格情報の写し(マイナポータルからダウンロードしたもの)または資格確認書の写しと、直近1年度分の国民健康保険料(税)の納付証明書
- 国民年金の被保険者である場合は、被保険者記録照会回答票と、被保険者記録照会(納付Ⅱ)または申請月の前々月までの24か月分の国民年金保険料領収証書の写し
- いずれかに滞納がある場合は、公的義務履行に関する誓約書(参考様式第1-26号)
国民健康保険と年金の書類は、保険者番号・被保険者記号番号や基礎年金番号を黒塗りしたものを出します。これらの書類は、過去1年以内の申請で提出済みで内容に変更がなければ省略できます。
留学生や技能実習生から特定技能に変わる人は、ここで引っかかることが多くなります。特に留学中の国民年金の未納は、24か月分の納付状況がそのまま見られます。未納があるときの扱いは特定技能と国民年金・国民健康保険の未納で整理しています。
技能試験と日本語試験の合格証は第3表にある
見落としやすいのが、技能試験と日本語試験の合格証明書の位置です。現在の一覧表では、これらは第1表ではなく、分野ごとの第3表に置かれています。たとえばビルクリーニング分野の第3表では、技能実習2号を良好に修了した人は技能検定3級の実技試験の合格証明書の写しか技能実習生に関する評価調書、それ以外の人は1号評価試験の合格証明書の写しと、日本語能力試験N4以上の合格証明書か国際交流基金日本語基礎テストの判定結果通知書の写しを出す構成になっています。
第2表|所属機関に関する書類と省略の仕組み
第2表は、所属機関の区分に応じて3種類から1つを選びます。
- 第2表の1:一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関
- 第2表の2:法人
- 第2表の3:個人事業主
第2表の2(法人)で出す書類
一般の法人が出す第2表の2(令和8年8月20日改定)の主な書類は次のとおりです。
- 特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)
- 支援を自社で行う場合は、受け入れた中長期在留者リストや生活相談業務を行った中長期在留者リスト、支援責任者・支援担当者の履歴書など、支援体制を示す書類
- 登記事項証明書
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し(マイナンバーの記載がなく、本籍地の記載があるもの)
- 業務執行に関与しない役員がいる場合は、役員に関する誓約書(参考様式第1-23号)
- 労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
- 社会保険料納入状況回答票、または申請月の前々月までの24か月分の健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
- 納税証明書(その3):源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税
- 直近2年度分の法人住民税の納税証明書
自社支援の書類は、支援の全部を登録支援機関に委託しない場合にだけ必要です。自社支援の要件は特定技能の自社支援の要件とは?、概要書の書き方は特定技能所属機関概要書の書き方|記入例と離職・行方不明・欠格事由の確認欄で扱う予定です。
第2表の1に切り替えられる機関
第2表の1を使えるのは、まず前提として、過去3年間に指導勧告書の交付または改善命令処分を受けておらず、在留諸申請をオンライン申請で、各種届出を電子届出で行っている機関です。そのうえで、次のいずれかに当てはまる必要があります。
- 日本の証券取引所に上場している企業、または保険業を営む相互会社
- 高度専門職省令の特別加算の対象企業(イノベーション創出企業)
- 一定の条件を満たす企業等(ユースエール、くるみん、えるぼし、健康経営優良法人、地域未来牽引企業などの認定を受けた企業)
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表で、源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
- 特定技能所属機関として3年間の継続した受入れ実績があり、過去3年間に債務超過になっていない法人
第2表の1で出す書類は、該当することを証明する書類(四季報の写し、認定証の写し、法定調書合計表の写しなど)と、書類省略に当たっての誓約書(参考様式第1-29号)です。5の受入れ実績による場合は、特定技能所属機関概要書の「決算状況」欄だけを書き、3年間継続して受け入れている外国人の申請年月日と受付番号(または在留カード番号)を記入します。
ここで重要なのは、前提条件に「オンライン申請」と「電子届出」が入っている点です。上場企業であっても、窓口で申請し紙で届出を出している限り、第2表の1は使えません。1から4の区分に当てはまらない中小企業でも、3年間の継続受入れと債務超過なしの実績を積めば5の区分に入れます。書類の負担を減らしたい会社にとって、オンライン申請への切替えは手数料の面だけでなく、書類の面でも効果があります。在留申請オンラインシステムの利用方法は在留申請オンラインシステムとは?企業の利用申出から申請までの流れで扱う予定です。
同一年度内の2人目以降は第2表が不要
一覧表の各表には、同一年度内に特定技能外国人をすでに受け入れている機関は、第2表の1〜3の書類は提出不要と書かれています。第1表の報酬に関する説明書と雇用の経緯に係る説明書も、同一年度内の受入れ済み機関と第2表の1の機関は省略できます。
実務上は、同じ年度に複数の外国人を採用する予定があるなら、1人目の申請で第2表をそろえ、2人目以降は第1表と第3表で申請する流れになります。年度をまたぐと第2表がもう一度必要になるので、採用の時期を年度内にまとめるかどうかも、書類の手間を左右します。
第3表|分野に関する書類
第3表は分野ごとに分かれ、1号の認定申請・変更申請では第3表の1〜17があります。出入国在留管理庁のページには、介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業の17分野の表が並んでいます。特定産業分野は2026年1月23日の閣議決定で物流倉庫と資源循環が加わって19分野になりましたが、この2分野は1号評価試験の開始前で、8月20日改定の一覧表には第3表が置かれていません。2号は第3表の1〜11です。
どの分野でもほぼ共通するのは、その分野の受入れに関する誓約書(分野参考様式)と、協議会の構成員であることの証明書です。これに分野ごとの許認可の書類が加わります。ビルクリーニング分野なら建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録証明書の写し、建設分野なら建設特定技能受入計画の認定証の写し、といった形です。分野の許認可の書類は、過去3年以内の申請で提出済みなら省略できる場合があります。
分野参考様式は、出入国在留管理庁の各分野別運用要領のページに掲載されています。同じ受入れ機関で複数の人を同時に申請する場合、分野の誓約書は「立証資料の対象となる申請人の名簿」に全員を記載すれば1通で足ります。
2026年の改定で注意する点
提出書類一覧表は、2025年9月30日、2026年3月24日、4月1日、8月20日と改定が続いており、現在の最新版は令和8年8月20日改定です。改定のたびに、過去版をもとに作った社内のチェックリストが古くなります。
2026年8月20日版で目につく変更点は、健康保険証の廃止に合わせて「医療保険の資格情報の写し」または「資格確認書の写し」を求める形になっていることと、二国間取決の対象国の記載が令和8年8月現在に更新されていることです。それぞれの記載がどの改定で入ったかは、出入国在留管理庁が改定の新旧対照を公表していないため、本記事では特定していません(公式資料では未確認)。
参考様式にも見直しが入っています。様式一覧のページでは、参考様式第1-32号「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」について、指導対象者の考え方を含め内容の見直しを検討していると告知されています。2号の申請を予定している会社は、申請直前に様式を取り直してください。
よくある質問
特定技能1号に係る提出書類一覧表の更新はいつですか?
2026年9月時点の最新版は、令和8年(2026年)8月20日改定です。出入国在留管理庁の「在留資格『特定技能』」のページで、申請の種類ごとの一覧表をダウンロードできます。改定が多いため、申請の直前に最新版を確認してください。
特定技能の申請に必要な書類は何ですか?
申請人に関する第1表、所属機関に関する第2表(第2表の1〜3のいずれか)、分野に関する第3表の3つを組み合わせた書類です。主なものは、申請書、雇用契約書と雇用条件書、報酬に関する説明書、健康診断個人票、支援計画書、会社の登記事項証明書と納税・社会保険料の証明書、試験の合格証、協議会の構成員証明書です。
特定技能を自社支援にするための必要書類は何ですか?
第2表の2(法人)で、支援体制を示す書類を出します。過去2年間に中長期在留者を適正に受け入れた実績がある場合は受け入れた中長期在留者リスト、生活相談業務の経験者を選ぶ場合は生活相談業務を行った中長期在留者リスト、それに支援責任者と支援担当者の履歴書です。
技能実習生から特定技能への変更に必要な書類は何ですか?
変更申請用の一覧表の第1表・第2表・第3表を使います。技能実習2号を良好に修了した人は、第3表で技能試験・日本語試験の合格証に代えて、技能検定3級の実技試験の合格証明書の写しか技能実習生に関する評価調書を出します。自社で実習生として受け入れていた人で、過去1年以内に改善命令などを受けていない場合は、評価調書を省略できる分野があります。
特定技能の申請書類の提出先はどこですか?
受入れ機関の所在地または申請人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。福岡県内であれば福岡出入国在留管理局が窓口です。オンライン申請を利用する場合は、在留申請オンラインシステムから提出します。
一覧表を「社内の書式」にしない
特定技能の書類は数が多く、会社ごとにチェックリストを作りたくなります。しかし一覧表は年に数回改定され、省略できる条件や対象国の記載も変わります。社内の書式として固定するのではなく、申請のたびに出入国在留管理庁のページから最新版を取り直し、その一覧表に直接丸を付けて提出するのが、漏れを防ぐ最も確実な方法です。
書類の負担を減らす手段として、会社が自分で選べるものは3つあります。同じ年度に採用をまとめること、オンライン申請と電子届出に切り替えること、3年間の継続受入れの実績を積むことです。どれを使えるかは会社の状況で変わるので、次の採用計画を立てる前に、自社がどの第2表を使う立場にあるかを確かめておいてください。届出の実務は特定技能の定期届出とは?で解説しています。
関連するコラム
- 特定技能の雇用契約書・雇用条件書の書き方|参考様式の記入例と注意点
- 特定技能の随時届出とは?届出が必要な場面の早見表と14日以内の提出方法
- 特定技能の協力確認書とは?提出先の市区町村・提出時期と福岡市・北九州市の手順
根拠資料
- 在留資格「特定技能」(出入国在留管理庁)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留資格認定証明書交付申請用)第1表(出入国在留管理庁・令和8年8月20日改定)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留資格変更許可申請用)第1表(出入国在留管理庁・令和8年8月20日改定)
- 所属機関に関する必要書類(一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関)第2表の1(出入国在留管理庁)
- 所属機関に関する必要書類(特定技能1号・法人)第2表の2(出入国在留管理庁)
- ビルクリーニング分野に関する必要な書類 第3表(出入国在留管理庁)
- 一定の条件を満たす企業等について(出入国在留管理庁)
- 特定技能関係の申請・届出様式一覧(出入国在留管理庁)
在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。