「小規模事業者持続化補助金って、個人事業主でも使えるの?」
こうしたご質問を、多くの方からいただきます。
結論から言うと、個人事業主やフリーランスの方も申請対象です。

知らずにチャンスを逃してしまう前に、正しい情報を押さえておきましょう。
この記事では、行政書士が制度のポイントをわかりやすく解説します。

個人事業主も使える小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者が販路開拓や業務効率化のために使える補助金制度です。

補助率も高く、建物改装・設備投資・HPやECサイト制作など用途も広いことから例年大変人気の補助金です。

最大で50万円~250万円(枠により異なります)の補助が受けられます。
補助率は基本的に「3分の2(2/3)」です。

なお、対象者は小規模事業者であることが原則条件となります。

小規模事業者とは?

事業者とは、常時使用する従業員の数によって定義されており、業種ごとに基準が異なります。

商業・サービス業 (宿泊業・娯楽業除く)
 常時利用する従業員数 5人以下

宿泊業・娯楽業
 常時利用する従業員数 20人以下

製造業その他
 常時利用する従業員数 20人以下

正社員だけでなく、パートタイムやアルバイトスタッフも含まれます

個人事業主もフリーランスも対象!

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主・フリーランス、さらには開業間もない事業主も対象です。この補助金は、幅広い事業者が利用できる点が特徴で、以下のような事業形態が対象となります。公募要領にもこのように書かれています。

(第18回公募要領より)

開業したばかりの個人事業主も、「開業届」を提出していれば申請可能です。他の補助金では、1回目の確定申告が終了していないと申請できない場合も多いですが、小規模事業者持続化補助金は開業直後から利用しやすい点が魅力です。

ただし、以下の条件に該当する場合は注意が必要です:

  • 同一事業で、同一の個人や法人が複数の事業者として申請することは不可
    (例:代表者が同じ法人や個人事業主として申請)
  • 開業前の経費は申請不可

小規模事業者持続化補助金2025 申請枠

2025年の「小規模事業者持続化補助金」では、5つの申請枠が用意されています。

例年通りの「一般型(通常枠)」に加え、能登半島地震などの被災事業者向けの「災害支援枠」や、創業間もない事業者向けの「創業型」も継続。

新枠の登場により、地域ぐるみの対策や、商工会内部のプロジェクトなども支援対象となるなど、より柔軟で多様な活用が可能になっています。

  • 一般型(通常枠)
    経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者が対象
  • 一般型(災害支援枠)
    令和6年能登半島地震等における被災小規模事業者が対象
  • 創業型
    産競法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者が対象
  • 共同・協業型
    地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関が地域振興等機関となり、参加事業者である10以上の小規模事業者の販路開拓を支援
  • ビジネスコミュニティ型
    商工会・商工会議所の内部組織等(青年部、女性部等)が対象

ただ、一般的に小規模事業者持続化補助金というと「一般型(通常枠)」を指すことが多いです。次に活用していただきやすいのが「創業型」になります。

本ブログでは、第17回でも大変人気だった「一般型(通常枠)」について解説していきます。

一般通常枠

申請数が多く、幅広い業種・課題に対応してます。最もスタンダードな枠になります。

補助額 50万円~250万円

基本的には上限50万円ですが、要件に該当する場合は、最大で250万円まで上がります。

  • インボイス特例対象事業者は50万円上乗せ
  • 賃金引上げ特例対象事業者は150万円上乗せ

補助率 2/3(赤字事業者は3/4)

インボイス特例とは?

免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者への特例です。

対象となるのは、以下の両方を満たす事業者です:

・2021年9月30日から2023年9月30日のリテラシー期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見納め事業者

・2023年10月18日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であること。

賃金引上げ特例とは?

補助事業実施期間に事業場内最低賃金を申請時より+50円以上とした小規模事業者への特例です。※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げ。

=従業員がいない場合は、こちらの特例は活用できません。

創業型とは?

創業間もない小規模事業者を対象とした申請枠で、事業の立ち上げ期における販路開拓や経営基盤づくりを支援するための制度です。

「特定創業支援等事業」の支援を受けた事業者が対象となります。

補助額 200万円

インボイス特例対象事業者は50万円上乗せ

補助率 2/3(赤字事業者は3/4)

特定創業支援とは?

産業競争力強化法に基づき、市区町村や支援機関が実施する創業支援制度
=創業に必要な4つの知識(経営・販売路拡大・人材育成)が身につく支援制度。

特定創業支援事業「証明書」の取得方法は?
  1. お住いの自治体が用意している「特定創業支援等事業」を網羅
    (自治体のHPなど)
  2. スケジュールを確認し、予約する
  3. 創業支援プログラム(セミナー・個別相談など)を受講
  4. 市区町村から「特定創業支援等事業受領証明書」を取得

開催が自治体によってはあまりない・予約~受講~証明書発行まで時間がかかるので注意!証明書発行まで間に合うか事前に確認しましょう。

最新公募スケジュール

直近の公募スケジュールは下記の通りです。

一般型第18回・創業型第2回

公募要領公開:2025年 6月 30日(月)
公募受付締切:2025年 10月3日(金)
公募申請受付締切:2025年 11月28日(金)17時
事業支援機関確認書(様式4)発行の受付締切:2025年11月18日(火)

様式4の取得が必要

様式4とは、お近くの商工会/商工会議所にて発行していただく申請に必要な書類です

申請者が作成した「様式2(経営計画書)」及び「様式3(補助事業計画書)」をもとに、商工会議所・商工会が発行します。
メールで対応してくれるところもありますが、1度は訪問しなければならないところ、面談の予約をとらないといけないところなど様々です。早めに様式4の取得方法を調べておきましょう。

補助対象経費科目

小規模事業者持続化補助金では、「どんな経費に補助金が使えるのか」があらかじめ決められています。これを「補助対象経費科目」と呼びます。

経費区分ごとに要件が細かく定められており、事前の確認がとても重要です。ここでは、2025年の公募に基づく補助対象経費科目とその概要を紹介します。

補助対象経費科目活用事例
①機械装置等費補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等
②広報費新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等
③ウェブサイト関連費ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費
補助金交付申請額の1/4(最大50万円)
④展示会等出展費展示会・商談会の出展料等
⑤旅費路探索(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
新商品発費新商品の試作品開発等に伴う経費
⑦借料機器・設備のリース・レンタル料(所有権を移転しないもの)
⑧ 委託・外注費店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須)
小規模事業者持続化補助金ってホームページ制作に使えるの?

活用いただけます。ただし、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)しか対象になりません。

ホームページ制作のみでの申請はできなくなっております。

店舗改装に使えるって本当?

活用いただけます。他補助金のように「建物費」という項目は有りませんので「委託・外注費」での申請となります。

対象となる店舗改装は下記の通りです。

・ 店舗改装・バリアフリー化工事
・利用客向けトイレの改装工事
・製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事
・移動販売等を目的とした車の内装・改造工事
・従業員の作業導線改善のための従業員作業スペースの改装工事

こんなことに使える!業界別採択事例まとめ

過去の採択事例をご紹介します。

飲食店の採択事例

・鍋コース展開による観光客への販路開拓と地元顧客の再発掘事業
・新規顧客獲得及び取引拡大に向けた品質・衛生管理の強化
・ 「足鏡」の生産性向上に向けた新規焼き機の導入
・冷蔵ショーケース導入とテラス席増設による新規顧客獲得と売上増
・イートインスペース新設による新規顧客獲得と売上拡大
・接待の需要獲得に向けた店舗改装
・トイレ改修による集客力の向上
・居酒屋×カラオケルーム設置による売上拡大と顧客満足度向上計画

不動産・工務店の採択事例

・リフォーム工事専門店として地域内外の認知度を向上する取組
・若さと技術で、不動産・測量業界の発展に貢献します!
・リノベーションオフィスショールームによる社会的価値の想像

美容関係の採択事例

・ 10年先の潤う頭皮と美しい髪★ミライ投資型頭皮ケアサービス
・キレイを諦めない介護と美容の調和、笑顔を繋ぐ訪問美容サービス
・脱毛事業の生産性向上と、教育事業の強化と販路開拓
・「男性のトータル美容専門店」に生まれ変わるための設備投資
・社会課題に向き合うためのユニバーサルデザインサロン新設事業
・よもぎ蒸し、ベッド、機械設置による新規顧客獲得

士業の採択事例

・高齢者向け法律問題解決のための業務の立ち上げと販路開拓 
・ 事務所認知拡大のためのDM配布及び事務所紹介動画制作 
・建設業者向けDMはがき配布及び周辺エリア向けチラシ配布事業
・開業広報とWEBサイトによる周知および販促事業
・ 新規顧客獲得のための広報活動とホームページのリニューアル事業

新規顧客獲得のための店舗改装や、認知度向上のためのDM・チラシ・ホームページ制作、新商品・サービス開発の設備投資などに利用されていることが多いです。自分が考えている経費が対象になるかどうか不安な方はお気軽にご相談ください。

個人事業主が小規模事業者持続化補助金に申請する方法

Step① まずは「GビズID」の取得を!

補助金申請の第一歩は、GビズID(gBizIDプライム)の取得から始まります。

現在はオンラインで即日発行も可能になっており、登録は無料です。

このGビズIDは、持続化補助金以外の他の補助金申請でも使いますので申請しておくといいと思います。

Step② 必要書類の準備・計画書の作成

補助金申請には「経営計画書」や「補助事業計画書」などの書類が必要です。

内容をしっかり詰めてから、地域の商工会・商工会議所へ提出しましょう。

その際、担当者から様式4(事業支援計画書)をもらう必要があります。

Step③ 電子申請システムから申請

2025年公募では、郵送での申請は不可となり、すべて電子申請システムからの入力・提出となっています。

(※過去に紙で出していた方はご注意を!)

Step④ 採択発表(目安:申請から約2か月後)

無事に申請が受理されると、約2か月後に「採択結果」が発表されます。

ここまではこれまでと同じですが、今回からは新しい動きがあります。

Step⑤ 交付申請(※今回から様式が変わる可能性)

これまでの公募では、採択と同時に「交付決定通知書」が発行され、すぐに発注が可能でした。

しかし、2025年の公募でははじめて「見積書等の提出」の文言が盛り込まれました。

これは実質的な「交付申請」に相当する可能性があり、見積書を提出した上で審査・承認が必要になるという流れに変わると考えられます。

この時点で補助対象外経費があると、減額になる可能性もあるため、書類の整備が非常に重要です。

Step⑥ 交付決定後 → 発注・納品・支払い

交付決定が正式に出た後、はじめて事業に着手できます。

つまり、「交付決定前に発注したものは対象外」となりますので要注意。

Step⑦ 実績報告書の提出

補助事業が完了したら、経理書類をまとめて「実績報告書」を提出します。

2024年公募ではこの提出期限が短く、断念された事業者様もいらっしゃいました。今回はスケジュールにゆとりがあるのが特徴です。

Step⑧ 補助金額の確定 → 請求・入金

実績報告が審査され、内容が認められると、補助金額が確定されます。

その後、請求手続きを経て、指定口座に補助金が振り込まれます。

全体として、採択から入金までは半年〜1年近くかかるケースもあります。「使いたい時期」から逆算して、できるだけ早めの申請準備を進めていきましょう。

まとめ|申請をご希望の方はお気軽にご相談ください!

「小規模事業者持続化補助金」は、販路開拓や業務効率化を目指す中小規模・小規模事業者向けの、非常に心強い制度です。

  • 選ばれれば最大200万円の補助金が受けられ、

  • 補助率も2/3(最大で3/4)と高く、

  • ホームページ制作、店舗改修、導入設備、広告出稿など、使い道自由度も高いのが特徴です。

「様式の書き方がわからない」「加点項目が判断できない」「忙しくて公募要領を見る時間がない…」という方はまずはお気軽にご相談ください!

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