一般社団法人の非営利型と普通型の違いとは?特徴や見分け方を徹底解説
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一般社団法人と聞くと「非営利団体」をイメージする方が多いかもしれませんが、実は一般社団法人には「非営利型」と「普通型(営利型)」の2つのタイプが存在します。この違いをしっかり理解していないと、設立後の運営や税務面で思わぬトラブルを招く可能性も。
そこで本記事では、一般社団法人の非営利型と普通型の特徴や違いをわかりやすく解説します。また、それぞれの法人を選ぶ際のポイントや注意点についても詳しくご紹介します。設立を検討している方や運営中の方にとって役立つ情報満載です!ぜひ最後までご覧ください。
利益の分配についての違い
一般社団法人を設立する際、「利益の分配」に関する違いをしっかり理解しておくことは非常に重要です。非営利型と普通型では、利益の取り扱い方が根本的に異なり、これが法人の運営方針や構成員への影響を大きく左右します。
非営利型一般社団法人では、得た利益を構成員に分配することが禁止されており、その利益はすべて法人の活動資金として再投資されます。一方、普通型一般社団法人では、構成員への利益分配が認められており、営利活動を通じて構成員に還元することも可能です。このため、法人の目的や運営方針に応じて適切な形態を選ぶ必要があります。
例えば、社会貢献活動を主目的とする法人の場合、非営利型が適しています。この場合、得た利益を次年度の活動資金や事業拡大に再投資できるためです。一方、構成員や出資者に利益を還元したい場合は普通型が適しており、収益事業を行いながら構成員に利益を分配することが可能です。
非営利型一般社団法人
利益分配不可:法人が得た利益を構成員(社員や役員など)に分配できません。
活動資金に充当:利益は法人の活動資金として再投資されます。
普通型一般社団法人
利益分配可能:法人が得た利益を構成員に分配することができます。
営利活動可能:普通型は営利活動を行い、構成員に利益を還元することが可能です。
このように、非営利型と普通型では利益分配に大きな違いがあります。設立目的に合った法人形態を選択することが、運営の成功に直結します。利益の取り扱い方をしっかり理解した上で、最適な選択を行いましょう。
法人税法上の取り扱い
一般社団法人の法人税法上の取り扱いは、非営利型と普通型で大きく異なります。特に、課税対象や税制優遇の有無が法人運営に直接影響を与えるため、形態選択時に十分な検討が必要です。
非営利型一般社団法人は、公益的活動に対して税制優遇を受けることができます。具体的には、これらの活動に基づく収益には法人税が課されません。ただし、営利活動による収益については課税対象となります。一方、普通型一般社団法人では、全ての事業活動が法人税の課税対象となり、税制面での特別な優遇措置はありません。
例えば、非営利型の一般社団法人が福祉や教育活動を行い、その活動で得た収益については法人税が免除されますが、物品販売などの営利的な活動により得た収益には法人税が課されます。一方、普通型の一般社団法人が同じ活動を行った場合、公益性の有無にかかわらず全ての収益に法人税が課されます。
非営利型一般社団法人
税制優遇:法人税法上、非営利型法人は公益的活動に対しては課税されません。ただし、営利活動に対しては課税されます。
普通型一般社団法人
法人税の適用:普通型法人は、全ての事業活動に対して法人税が課せられます。税制面での優遇はありません。
このように、非営利型は税制面で公益的活動が保護されている一方、普通型ではそのような優遇がありません。法人税法上の違いを理解し、法人の目的や活動内容に合った形態を選択することが重要です。
定款の規定
定款は法人の運営方針や活動の指針を明示した書類です。一般社団法人の定款の内容は、その法人が非営利型か普通型かを判断する重要な基準となります。特に、利益分配や解散時の財産処分に関する規定が大きな違いとなります。
非営利型一般社団法人では、定款に「利益分配を行わない」ことや、「解散時の残余財産を他の非営利法人に譲渡する」ことが明記されています。これにより、法人の公益性を確保し、営利目的での運営を防ぐ仕組みが整っています。一方、普通型一般社団法人の定款では、利益分配に関して特別な制約はなく、構成員への利益還元を可能にする柔軟性が特徴です。
例えば、非営利型の一般社団法人を設立する場合、定款に「利益の分配は行わない」と記載しなければ、非営利型として認められません。また、解散時に残る財産についても、特定の非営利法人や公益目的に使用されるよう定める必要があります。一方、普通型ではこれらの制約がなく、定款で利益分配や財産の処分方法を自由に設定できます。
のように、非営利型と普通型では定款に規定すべき内容が大きく異なります。法人の目的や運営方針に応じて適切な定款を作成することが、スムーズな運営につながります。設立前に必要な規定をしっかり確認しましょう。
メリット・デメリット
一般社団法人を選ぶ際には、非営利型と普通型それぞれのメリット・デメリットを理解することが重要です。法人形態による特徴を把握することで、自社の目的に合った選択が可能になります。
非営利型一般社団法人のメリット
- 税制優遇:公益的な事業に対する税制の優遇措置を受けられます。
- 社会的信用:利益を構成員に分配しないため、公共性が高く、社会的信用を得やすいです。
非営利型一般社団法人のデメリット
- 利益分配不可:構成員に利益を分配できないため、メンバーへのインセンティブが限られる。
- 運営資金の制限:利益を分配できないため、法人内での資金運用に限りがあります。
普通型一般社団法人のメリット
- 利益分配可能:構成員に利益を分配でき、モチベーションを高めることができます。
- 柔軟な運営:営利活動が認められており、資金の増加や事業拡大に積極的に取り組めます。
普通型一般社団法人のデメリット
- 税制優遇なし:全ての活動に対して法人税が課せられるため、非営利型よりも税負担が大きくなります。
- 公益性が低く見られる:営利活動が可能なため、非営利型法人と比較して社会的な信用や公共性が低く見られる場合があります。
非営利型一般社団法人は、公益性が高く、税制優遇を受けられる点がメリットですが、構成員への利益分配ができないため、メンバーへのインセンティブや資金運用に制限があります。一方、普通型一般社団法人は、利益分配が可能で柔軟な運営が魅力ですが、税制優遇がなく、社会的信用面で不利になる場合があります。
非営利型の場合、例えば地域福祉活動を目的とする法人であれば、税制優遇を受けながら活動資金を充実させることができますが、活動に参加する構成員へ直接的な経済的利益を提供することはできません。一方、普通型では、営利事業を展開しながら構成員に利益を還元できるため、事業拡大やメンバーのモチベーション向上を図ることが可能です。しかし、全ての収益に法人税が課せられるため、利益率の低下に注意が必要です。
このように、非営利型は公益性や税制優遇を重視する場合に適しており、普通型は事業拡大や構成員への還元を目指す場合に向いています。それぞれの特徴を踏まえ、自社の目的や運営方針に合った形態を選びましょう。
定款の確認方法
一般社団法人が非営利型か普通型かを確認するには、定款を確認することが最も確実な方法です。定款には法人の運営方針や活動の詳細が記載されています。
定款は法人の基本ルールを定めた公的書類であり、利益分配や残余財産の取り扱いなど、法人の形態を判断するための重要な情報が含まれています。これらの記載内容を確認することで、その法人がどのような形態で運営されているかを正確に把握できます。
例えば、非営利型の場合、定款には「利益分配を行わない」ことや、「解散時の残余財産を他の非営利法人に引き継ぐ」旨が記載されています。一方、普通型では、こうした制約はなく、利益分配や残余財産の処分方法に関する自由度が高い内容が記載されています。これらの記載は、法人自体や法務局で確認することが可能です。
定款を確認する方法は次の通りです
法人の定款を請求する 定款の内容を確認するポイント 「利益の分配を行わない」旨の記載があるかどうか。 法人が解散する際に、残余財産が構成員に分配されるのか、他の非営利法人へ引き継がれるのか。詳しくはこちら 法務局での確認 |
定款の確認は、法人の運営形態を理解するために欠かせない手続きです。法人の事務所に直接問い合わせるか、法務局を活用して定款を確認し、非営利型か普通型かを判断しましょう。適切な確認手段を活用することで、法人の活動内容や目的をより深く理解することができます。
よくある質問(FAQ)
Q: 非営利型一般社団法人でも営利活動はできますか?
A: はい、できます。ただし、その利益は構成員に分配されず、法人内の活動資金として使われます。
Q: 普通型一般社団法人を選ぶべき理由は何ですか?
A: 普通型は利益を構成員に分配できるため、事業拡大や営利活動を積極的に行いたい場合に適しています。
Q: 定款はどのように確認できますか?
A: 法人に直接請求するか、法務局で確認することが可能です。定款には利益分配に関する規定が明記されているため、非営利型か普通型かの判断材料になります。
まとめ
一般社団法人には「非営利型」と「普通型(営利型)」の2つの形態があり、それぞれに特徴と役割があります。非営利型は、公益性や社会的信用を重視し、税制優遇を受けられる一方、構成員への利益分配が禁止されています。これに対して普通型は、柔軟な営利活動や利益分配が可能であるため、事業拡大や構成員へのインセンティブ提供に適しています。
また、法人税法上の取り扱いや定款に定める内容が両者で異なるため、法人設立前に十分な検討が必要です。特に、目的や運営方針に合った形態を選ぶことは、法人の長期的な成功につながります。定款の内容を確認することも、設立後のトラブルを防ぐために重要なポイントです。
一般社団法人を設立する際には、自社の活動目的や運営方針に最適な形態を選択し、法人運営の基盤をしっかり整えることが成功への第一歩です。この記事が、形態選びの判断材料としてお役に立てば幸いです。
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