【2025年最新版】ものづくり補助金20次|審査項目の徹底的解説と採択される事業計画書の書き方
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2025年も注目を集めている「ものづくり補助金」。2025年4月25日に第19次公募が締め切られてすぐに、第20次公募がスタートしました。
申請者の多いものづくり補助金の申請を検討している中小企業・小規模事業者の皆さまにとって、採択のカギを握るのが“審査項目”の理解と対応です。
本記事では、ものづくり補助金の基本情報はもちろん、実際の審査で見られている具体的な評価基準や、加点・減点のポイントを徹底解説。
採択率を高めたい方、事業計画書をこれから作る方に役立つ「審査員目線での通過ポイント」も余すことなく紹介します。
実務経験にもとづいた記載例や注意点を参考に、採択される事業計画書の作成にお役立てください。
ものづくり補助金2025とは?
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)とは、成長志向の中小企業者等が、物価高や賃上げ・最低賃金引上げ等の事業環境変 化に対応し、”稼ぐ力”を強化するために、革新的な新製品・新サービス開発や 海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等に要する経費の一部を補助 する事業を行うことで、中小企業者等の生産性向上を促進し経済活性化を実現することを目的とします。
ざっくり解説!ものづくり補助金はこんな補助金
中小企業・小規模事業者の
- 革新的な新製品・新サービス開発を支援
- 海外需要開拓のための設備投資を支援
- 物価高・賃上げ対応など、経営課題に取り組む企業の支援策
- 成長志向の中小企業の“稼ぐ力”強化を目的とした補助金

対象となる企業は?|業種・規模・創業年数に関係なくチャレンジ可能!
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者を対象とした制度です。製造業だけでなく、サービス業や飲食業、小売業など幅広い業種が対象になります。
また、法人だけでなく個人事業主や創業1年未満の企業でも申請が可能です。スタートアップや新規事業にも活用できる柔軟な制度設計となっています。
ーーーこんな企業におすすめーーーー
- 製造業・サービス業・飲食業・小売業など、幅広い業種の中小企業
- 新商品・新サービスの開発にチャレンジしたい企業
- 海外展開やグローバル市場に挑戦したい企業(グローバル枠)
- 業務効率化や生産性向上のために設備投資を検討している企業
- 従業員の賃上げに積極的に取り組む企業
ものづくり補助金は、賃上げが必須の補助金になり、未達成の場合は返還義務もあります。下記基本要件を確認して、賃上げの実現が可能かどうかなどしっかり考えてから申請するようにしましょう。

ものづくり補助金20次の基本情報|申請スケジュール・補助額・枠の違いを解説
ものづくり補助金20次のスケジュール
公募開始日:2025年4月25日(金)
申請開始日:2025年7月1日(火)17:00
申請締切日:2025年7月25日(金)17:00
採択発表:2025年10月下旬頃

ものづくり補助金20次公募ガイドラインP2)
今後のものづくり補助金21次・22次スケジュールは?
6月5日の事務局説明会で、今年度の公募実施回数は年4回を予定と説明がありました。おそらく21次・22次と3ヵ月ごとに公募が行われるものと思われます。
補助額・補助率
補助額は企業規模(従業員数)によって決まり、賃上げ要件に取り組むことで上限の引き上げも可能です。
製品・サービス高付加価値化枠
補助額
- 5人以下:750万円
- 6~20人:1,000万円
- 21~50人:1,500万円
- 51人以上:2,500万円
大幅な賃上げに取り組む事業者は、補助上限額を100~1,000万円上乗せ!
補助率
中小企業1/2
小規模企業・ 小規模事業者及び 再生事業者2/3
最低賃金の引き上げに取り組む事業者は、補助率を2/3に引き上げ!
グローバル枠
補助額
最大3,000万円
※従業員規模毎の 区切り無し
大幅な賃上げに取り組む事業者は、補助上限額を100~1,000万円上乗せ!
補助率
中小企業1/2
小規模企業・ 小規模事業者2/3
最低賃金の引き上げに取り組む事業者は、補助率を2/3に引き上げ!
申請枠の違い
製品・サービス高付加価値化枠
この枠は、革新的な新製品や新サービスの開発に取り組む中小企業を支援するためのものです。
ポイントは、単なる設備更新ではなく、「革新性」があるかどうかです。ここで悩まれて対象になりますか?というお問い合わせを多くいただきます。
「革新的な新製品・新サービス」とは?
顧客等に新たな価値を提供することを目的に、自社の技術力等を活かして新製品・新サービスを開発することです。
わかりにくいですよね。対象外のものを見ると分かりやすいです。
対象外になる例
- 単に機械装置等を導入する
- 同業者や同一地域において相当程度普及
- 既存工程の効率化(プロセス改善)
グローバル枠
「グローバル枠」は、海外市場への進出や輸出強化など、グローバル展開を目指す中小企業・小規模事業者を対象に、設備投資などを支援する申請枠です。
「製品・サービス高付加価値化枠」とは異なり、海外需要の開拓に向けた事業かどうかが評価のポイントになります。
グローバル枠の申請をするための要件は?
グローバル枠には、基本要件と別に申請するための要件が存在します。少し読み解きにくいですが、解説していきます。
基本要件に加えて、3つを満たす必要があります。
①グローバル要件のうちどれかに該当していること
・海外への直接投資に関する事業
・海外市場開拓(輸出)に関する事業
・インバウンド対応に関する事業
・海外企業と共同で行う事業
②海外事業に関する実現可能性調査を実施すること
③社内に海外事業の専門人材を有すること又は海 外事業に関する外部専門家と連携すること
どれかを満たす必要あり【4つの要件について】
まずは、4つの要件を解説します。この中のどれかを満たす必要があるのでグローバル枠に当てはまっているかな?と思ったらチェックしてみてください。
グローバル要件①:海外への直接投資に関する事業
国内外の拠点が連携し、グローバルな製品・サービス提供体制を構築する事業です。
満たすべき条件
- 本社が申請主体、かつ補助経費の50%以上が海外支店・子会社関連で使われる
- 国内でも海外事業と一体的に設備投資を行う(単価50万円以上)
- 海外子会社の財務情報・株主構成等の資料を提出する
- 委託や貸与に関する契約書と報告書を実績報告時に提出
グローバル要件②:海外市場開拓(輸出)型の事業
海外展開を目的とし、製品・サービスの開発・改良、ブランディングや新規販路開拓等に取り組む事業です。
満たすべき条件
- 補助事業売上の50%以上が海外顧客向けで、補助額以上の売上計画があること
- 海外市場調査報告書(想定顧客が明記されたもの)を応募時に提出
- 実績報告時には、顧客からの評価や試作結果の報告書を提出
グローバル要件③:インバウンド対応型の事業
訪日外国人向けに製品・サービスを提供し、インバウンド需要を取り込む事業です。
満たすべき条件
- 売上の50%以上が訪日外国人向けで、補助額を上回る売上計画があること
- インバウンド市場調査報告書(想定顧客明記)を応募時に提出
- 仮説検証やプロトタイプ評価の報告書を実績報告時に提出
グローバル要件④:海外企業と共同で行う事業
外国法人と共同で研究開発や商品開発を行う事業です。
満たすべき条件
- 設備投資等を伴う共同研究・共同事業であり、成果物の権利が補助事業者に帰属すること
- 応募時に共同研究契約書や業務提携契約書を提出(案でも可)
- 実績報告で契約の進捗状況を示す報告書を提出
申請支援をプロにお願いすべき?採択率のデータから考える
ものづくり補助金の申請は、自社で行うことも可能ですが、実際には申請支援のプロ(士業・コンサルタント等)に依頼する企業が多数あります。では、支援を受けた場合とそうでない場合で、採択率にはどれほどの差があるのでしょうか?
実際のデータをもとに見ていきましょう。

「支援なし」でも採択されるケースはありますが、16次では約34%にとどまっています。一方、支援ありの場合は採択率が50%を超える傾向が見られます。
報酬額の相場は?最も多いのは「成功報酬10%前後」
支援を依頼する際の報酬形態にはさまざまなパターンがありますが、最も多いのは「補助金額の10%」程度の成功報酬型です。
例えば、補助金が1,000万円の場合、報酬は100万円前後というイメージです(※実際の金額は支援内容や契約条件により異なります)。支払う報酬も大きいですので、リソースがある方はまずは自社で挑戦してみるのもよいかと思います。
こんな方には支援依頼がおすすめ
- 補助金申請が初めてで不安な方
- 過去に不採択になった経験がある方
- 忙しくて申請に十分な時間を取れない方
- 採択率をできるだけ高めたいと考えている方
自身で申請をお考えの方には次の採択されるためのポイントをぜひ読んでいただきたいです。
採択されるためのポイントとは?
ものづくり補助金の申請で最も大切なこと――
それは、審査項目を正しく理解し、それに沿って申請書を構成することです。
どれだけ良い事業でも、「伝わり方」が悪ければ不採択になることもあります。
審査員に伝わる申請書を書くためには、評価される観点=審査項目に基づいたロジックと構成が欠かせません。
【審査項目①】経営力
審査項目の中でも「経営力」は、事業計画全体の説得力や整合性に直結する非常に重要な評価ポイントです。
ここでは、審査員が見ている3つの視点と、申請書に具体的に記載すべき内容を紹介します。
視点 | 内容 |
① 具体的な経営目標の設定 | 「どんな会社になりたいのか」 「この事業で何を実現したいのか」と いった将来的なビジョンが明確であるか |
② 外部・内部環境分析の徹底 | 市場の動向や競合、自社の強み・弱みなどを 定量・定性の両面から分析できているか |
③ 本事業の位置づけ | 自社の成長戦略の中で、この補助事業が どのような役割を果たすのか明確に説明されているか |
【審査項目②】事業性
事業性の評価では、「この事業が本当に収益を生むのか」「顧客に選ばれる価値があるのか」が問われます。審査員は顧客視点・市場性・差別化・収益性の4方向から、計画の“リアルさ”を厳しくチェックしています。
視点 | 内容 |
① 付加価値・賃上げ目標 | 高い付加価値創出と従業員の賃上げに繋がる、 明確な数値目標の設定 |
② 課題と解決策の明確化 | 現在の経営課題を洗い出し、それに対する有効 な解決策を提示しているか |
③ 市場・顧客分析 | 市場の成長性やターゲット顧客のニーズを データに基づいて分析しているか |
④ 競合優位性 | 競合製品・サービスと比較し、自社の優位性 (価格・機能・品質等)を具体的に示しているか |
【審査項目③】実現可能性
審査項目「実現可能性」では、実際にその事業をやり切れるかどうかが問われます。
どれだけ魅力的な計画でも、「実行体制」「資金調達」「スケジュール」に無理があれば不採択につながる可能性があります。
視点 | 内容 |
① 技術力 | 本事業に必要な技術的スキルや特許等の優位性があるか。 競合他社と比較して技術的に優れているか |
② 実施体制 | 社内に必要な人材がいるか、もしくは外部専門家と連携 して遂行できる体制があるか |
③ 財務状況 | 最近の決算状況に問題がなく、自己資金や融資により 必要資金を調達できるか |
④ 遂行方法・スケジュール | 実施スケジュールが現実的かつ明確で、担当者や役割 分担が見えているか |
⑤ 費用対効果 | 補助金に対してどれだけの売上・収益が見込まれるか。 そのバランスが妥当か |
【審査項目④】政策面
「政策面」の審査では、申請内容が国の重点政策とどれだけマッチしているかが評価されます。
つまり、「社会的に求められている事業かどうか」が問われており、ここで加点を得られると考えられると言えます。
視点 | 内容 |
① 地域経済への貢献 | 地域の特性を活かし、地元産業の活性化や 雇用創出につながる事業か |
② 複数事業者の連携効果 | 異業種・同業者との連携により、1社では 解決困難な課題に取り組んでいるか |
③ イノベーション性 | 先端デジタル技術や低炭素技術の導入、 新たなビジネスモデルの創出があるか |
④ 成長と分配の好循環 | 持続的な賃上げや雇用増加につながる ような構造的な投資内容か |
⑤ 国際競争力への影響 | 国際情勢(例:米国の関税措置)に対応 するような戦略性があるか |
まとめ
ものづくり補助金は、人気も高く「書けば通る補助金」ではありません。
国が求める視点(=審査項目)を正しく理解し、それに対応した申請書を作ることで、初めて採択の可能性が見えてきます。
難しい…と思った方は、まずご相談ください
「どう書けばいいかわからない」「そもそも自社が対象になるか不安」
そんなお悩みをお持ちの方も少なくありません。
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