ベンダー必見!2026年予測「デジタル化・AI導入補助金」審査突破の実務対策【行政書士独自の視点で解説】

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なぜ2026年は「デジタル化・AI導入補助金」なのか?

(令和7年度補正予算(中小企業・小規模事業者等関連予算)

2026年度に向けた国の支援制度の議論において、従来の「IT導入補助金」から、より踏み込んだ「デジタル化・AI導入補助金(仮称)」へと枠組みがシフトする予測が強まっています。
これまでの採択支援現場の経験から断言できることは、制度名に「AI」と冠される以上、審査基準は「単なるツールの導入」から「AIによる具体的な変革効果」へと変化するということです。

本記事では、AIツールベンダーが新制度で直面しやすい

  • 審査でつまずくポイント
  • AI特有の評価リスク
  • 今から準備すべき実務対策

を、行政書士の実務視点で整理します。


この記事の監修者

行政書士 保利 一晶
IT導入補助金制度開始当初から申請サポートに従事し、2025年度においては採択率8割を達成。 IT導入補助金ツール登録、申請、ものづくり補助金等の採択支援および事業計画策定サポートを専門とする。


デジタル化・AI導入補助金2026でどう変わるのか?

これまでのIT導入補助金では、汎用的な会計ソフトや勤怠管理システムも広く採択されてきました。しかし、2026年のデジタル化・AI導入補助金では、「ただ便利になる」だけでは不十分です。

ChatGPTのラッパーは評価されない可能性も

生成AI(LLM)の普及により、OpenAI等のAPIを単に接続しただけの「ラッパーツール」が急増しています。 あくまで予測ですが、審査員は「これは企業が直接ChatGPTを契約すれば済む話ではないか?」という点を厳しくチェックするはずです。独自性の薄いツールは、補助対象としての妥当性を欠くと判断されるリスクがあります。

対策①|対策 API利用+αの「業務特化性」を言語化する

APIを利用すること自体は問題ありません。重要なのは、そこに「その業種・業務だからこそ必要な付加価値」があるかです。以下の観点で自社ツールを再定義し、説明資料に落とし込みましょう。

●独自データによるファインチューニング(RAG等)
「汎用AIではなく、〇〇業界特有の専門用語や商習慣を学習させたモデルであるため、実務で即座に使える回答精度がある」という点は強力な加点要素です。

●業務プロセスへの深いレベルでの組み込み
「チャットで相談して終わり」ではなく、「生成結果をワンクリックで自社基幹システムに登録できる」など、AIが業務フローの一部として機能することをアピールします。

対策②|ITベンダーは「投資対効果」を数字で証明する

AIツールは、従来の業務ソフトに比べて導入効果がブラックボックスになりがちです。そのため審査では、「導入費用は妥当か?」「本当にこの高額なAIツールに見合う効果があるのか」という疑念を晴らす必要があります。

導入費用は積み上げで示す

導入コストの積み上げ計算および価格設定を行う際には、事務局の審査基準である「経済的合理性」と「算出根拠の透明性」を満たすため、以下の点に留意することが重要です。

まず、費用項目の網羅的な洗い出しとカテゴリの明確化を行います。ソフトウェアライセンス、ハードウェア、導入支援、コンサルティング、保守運用など、発生する全ての費用を漏れなくリストアップし、それぞれの区分を明確に分けます。異なるカテゴリーの費用を混在させることは不備となるため、厳密に切り分けます。

次に、算出根拠(積算根拠)の具体化です。それぞれの費用項目について「一式」などの概算見積もりは避け、計算式と内訳を提示します。特に人件費(役務)に関しては、「時間単価(円)× 作業時間(h)× 人数(人)」の形式で詳細な内訳を明示することが必須です。その際、設定した時間単価が補助事業における上限目安(例:1万円/時間)等の規定と整合しているか、また作業時間が実態に即しているかを確認します。

さらに、価格の妥当性と経済的合理性を客観的に示します。同様の機能を持つ他のAIツールや代替手段となるサービスの市場価格と比較・分析を行い、自社の価格設定が市場相場から著しく乖離していないことを確認します。高機能ゆえに高額となる場合は、機能比較表を用いるなどしてその付加価値を論理的に説明し、価格が妥当である根拠を揃えます。なお、価格は「◯◯円〜」といった幅を持たせた表記ではなく、確定した金額(または上限額)を提示する必要があります。

対策③|DXアピールだけでは足りない

「AI導入で業務が楽になります」「最新技術でDXが進みます」といった定性的なアピールは、もはや通用しません。国の予算を投じる以上、数字に基づいた「労働生産性の向上率」のエビデンスが不可欠です。
顧客への提案時、そしてツール審査の提出書類として、論理的な投資効果シミュレーションを提示できるように準備しましょう。私は以下の構成での算出を推奨しています。

まずは、そのツールが寄与する、対象業務(例:問い合わせ対応や議事録作成)にかかっている「月間総工数(時間)× 人件費単価」を算出します。AI導入後のコストの予測 「月額ライセンス費用 + AIが代替できない残存業務の工数コスト」を算出します。AIは100%の自動化ではないため、人の手による確認作業などのコストも正直に計上する方が信頼性が増します。(現状コスト − 導入後コスト)= 月間の削減効果額を出し、「初期導入費用 ÷ 月間の削減効果額 = 投資回収期間(〇ヶ月)」を明示します。
このシミュレーションを、モデルケース(例:従業員数20名の卸売業)を用いて具体的に示せると、審査員の納得感が大きく変わります。

対策④|AIは「定着」してこそ意味がある

AIツールは「導入して終わり」ではありません。むしろ、現場が使いこなし、データが蓄積されてからが本番です。「デジタル化・AI導入補助金」の趣旨は、単なる購入支援ではなく、企業の変革支援にあります。
AIなどの新技術は、「難しそう」「仕事を奪われる」といった現場の心理的抵抗も強く、導入しても使われないまま放置されるケースが散見されます。事務局はこの「死に金」になるリスクを最も恐れます。
ツールの機能だけでなく、導入後の運用支援体制(カスタマーサクセス)が整っていることをアピールしましょう。これは、有償の導入支援費用(役務)の妥当性を補強する材料にもなります。
「売るまで」ではなく「AIが定着し、成果が出るまで」を支援する姿勢を見せることで、ベンダーとしての信頼性が高まり、審査での評価にも繋がります。

まとめ

2026年の「デジタル化・AI導入補助金」は、AIツールベンダーにとって大きなチャンスですが、中身の伴わないツールが淘汰される転換点でもあります。

既存の情報で語られている「AIの定義」や「機能要件」を満たすのは最低ラインです。そこから一歩踏み込み、「API利用+αの独自価値」「定量的なROIのエビデンス」「導入後の定着化支援」までを具体的に提示できるベンダーこそが、審査を突破し、顧客からも選ばれる存在となるでしょう。

行政書士としての経験上、制度が始まってから動くのではなく、今から準備を深めていくことを強く推奨します。

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