【68.5%が採択】2025年度 省力化投資補助金〈一般型〉採択結果を読み解く|採択事例・傾向分析まとめ

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2025年6月16日、「省力化投資補助金〈一般型〉」第1回公募の採択結果が公表されました。
注目の第1回では、申請1,809件に対し、採択は1,240件採択率はなんと68.5%という高水準に。

本記事では、公開された統計データをもとに、採択されやすい業種・事業規模・金額帯などの傾向をわかりやすく解説。さらに、実際の採択事例をもとに、今後の申請に活かせる「勝ちパターン」もご紹介します。

次回以降の申請を検討している方や、補助金を活用して業務改善や投資を進めたい中小企業の方にとって、ぜひ参考になる内容です。

申請数・採択数から見る全体傾向|採択率は68.5%

2025年6月16日に発表された「省力化投資補助金(一般型)」第1回公募の結果によると、申請件数は1,809件、採択件数は1,240件。 その結果、採択率は約68.5%という高い水準となりました。

このように高い採択率となった背景には、補助金制度における一般的な傾向として、「初回公募は採択率が高くなる」という点が挙げられます。
制度の周知がまだ十分でなく、申請件数が伸びづらい初回は、ある程度広く採択されやすい傾向があります。


採択業種の傾向|製造業と建設業が全体の約7割

第1回の採択結果を見ると、特に多かったのは「製造業」で、全体の61.7%を占めました。次いで「建設業」が11.3%。この2業種だけで、全体の約73%を占めています。

ランキングにすると…

順位業種割合
1位製造業61.7%
2位建設業11.3%
3位卸売業5.9%
(中小企業省力化投資補助金一般 採択結果概要(第1回)より)
なぜ製造業・建設業が強いのか?

これらの業種は、現場作業における人手不足や属人化といった課題を抱えており、「設備導入による省力化の効果」を定量的に説明しやすい傾向があります。

  • 製造業:熟練作業(溶接・加工など)の自動化、ロボット導入、検査の省人化
  • 建設業:手入力ミスの削減、CAD連携による加工指示のデジタル化など

こうした明確な省力化の成果が見える業種は、やはり採択されやすいといえるでしょう。

とはいえ、今回の採択結果を見ると、小売業・飲食業・宿泊業・情報通信業・クリーニング業など、他の業種からも幅広く採択されていることがわかります。つまり、業種にかかわらず、「省力化のビフォー・アフター」が明確であれば十分採択は可能です。後ほど業種別の採択事例もご紹介します。


企業規模別の傾向|“中堅クラス”が採択の中心に

省力化投資補助金(一般型)第1回の採択企業(全1,240件)を、従業員数別・資本金別に見ると、「小規模~中堅規模」の企業が中心であることが明らかになりました。

21~30名の割合が最も多くなっています。しかし、注目すべきは、「5名以下」や「6~10名」のいわゆる小規模事業者でもしっかり採択されている点です。

この2区分だけで全体の25.6%(=4社に1社以上)を占めており、規模にかかわらず「省力化の説得力」があれば採択は十分可能であることが分かります。

順位従業員数割合
1位21~30人13.2%
2位6~10人13.1%
3位11~15人12.5%
4位5名以下12.5%
5位31~40人9.4%
(中小企業省力化投資補助金一般 採択結果概要(第1回)より)

補助金申請額の傾向|中心は1,500万~2,000万円未満

申請可能な補助金額は、従業員規模に応じて上限が設定されています。

たとえば、5人以下の企業は最大750万円(特例で1,000万円)、20人以下の企業で1,500万円(特例で2,000万円)など、制度としての枠が明確にあります。

また、補助率は以下のように設定されており、1,500万円を超える部分については補助率が下がる点に注意が必要です。

  • 通常枠の中小企業:
     → 1,500万円まで【1/2】、超える部分は【1/3】
  • 小規模・再生事業者枠:
     → 1,500万円まで【2/3】、超える部分は【1/3】

最大1億円の補助金ではありますが、今回の第1回公募では、「1,500万円~2,000万円未満」の申請が最も多く、全体の17.6%を占めました。
次いで「2,000~3,000万円未満」(14.1%)、「750~1,000万円未満」(12.3%)が続きます。

これはつまり、多くの中小企業が、

  • 制度上の補助率が有利な【1,500万円以下】を意識しつつ
  • 「ギリギリまで使う」=【1,500万円前後】の申請を狙っていることが伺えます。

 狙い目は「制度上の上限ギリギリ+補助率1/2の範囲内」!?

  • 5名以下企業:750万~1,000万円(実際の申請は500~900万円台が多い印象)
  • 6~20名規模の企業:1,250万~1,500万円が現実的ライン
  • 21~30名規模以上:1,750万~2,000万円付近を狙うケースが多い

実際の採択分布を見る限り、“身の丈にあった適正投資”と“補助率の有利範囲”を両立した金額帯が最も多く採択されている傾向です。


業界別の採択事例を解説

省力化投資補助金〈一般型〉の特徴のひとつは、「汎用設備の導入による定型的な改善」だけでなく、現場のリアルな課題を捉えた“個別最適化”の工夫が評価されている点です。

ここでは、採択事例の中から代表的な業界別の傾向と成功パターンを紹介します。

■ 製造業:熟練作業の自動化+検査工程の標準化
  • 課題:属人化した溶接作業で新人の育成に時間がかかる/生産が追いつかない
  • 導入設備:3Dスキャナー搭載溶接ロボット(産業用ロボット・3Dスキャナー・溶接機・ポジショナー)
  • 省力化ポイント:人手に依存した工程を自動化し、生産能力向上と品質安定を実現

✔「ベテランの技術を設備化」する構成が強い。

■ 建設業:手入力からの脱却でミス削減と時短
  • 課題:紙図面を見ながらの手入力による加工指示で、人為ミスが多発
  • 導入設備:CAD連携加工システム+QRコード加工指示+自動鉄筋加工機
  • 省力化ポイント:加工指示~加工までの全自動化により、ミス・手戻り削減+納期短縮

✔ 属人化×手作業の工程を全て自動化することで、高い省力化効果が評価◎

■ 小売業(青果卸):複数設備の組み合わせで現場全体を効率化
  • 課題:青果加工に時間がかかり、歩留まりや品質にバラつき
  • 導入設備:フルーツカッター、オートラベラー(ラベル貼付機)

※いずれも汎用品にカスタマイズを加えて既存ラインに組み込み

  • 省力化ポイント:手作業からの脱却により、新商品開発・販路開拓に人的資源を再配置可能に
    – 単一の専用設備ではなく、複数の既製設備を自社オペレーションに合わせて構成
    – 工程ごとの省人化だけでなく、全体最適(=人員再配置・新商品開発への転換)まで視野に入れた構成が評価されたと考えられる

✔ 小売・軽作業系業種では「汎用設備の複合導入+組み合わせ設計」も有効

■ 宿泊業:受付・管理業務の自動化で接客に集中
  • 課題:予約管理・会計が分断されていて手作業が多い/人手不足
  • 導入設備:宿泊一元管理システム
    ※宿泊管理システムを導入。予約管 理・フロント・顧客管理から会計機能 までをシステム連動、リアルタイムで のデータ反映・予約状況の更新を可能 とした
  • 省力化ポイント:予約管理・会計・顧客管理・ HP運用の一元化!空いた人員を付加価値の高い 業務に振り向けることで、宿 泊件数と客単価の増加が見込める!

✔ 定型業務の自動化 → 付加価値業務にリソース集中 という構図。

■ 飲食業:調理工程の簡略化で教育負担も軽減
  • 課題:複数の業態・店舗ごとの調理 工程・サービス基準に差異が ありオペレーションが煩雑化
  • 導入設備:オートフライヤー、ピザ生地形成機、ベーカリースキャン、廃油ろ過装置
  • 省力化ポイント:調理精度とスピードを自動化/少人数でも安定した生産体 制を整備

多店舗展開・多業態の飲食事業者は複数の汎用設備を組み合わせて導入も◎

■ その他(クリーニング業、自動車整備業、物流など)
  • クリーニング業:24時間無人受付・引き渡しロボットの導入で、営業時間外の新規顧客を獲得
  • 自動車板金業:塗装ブース+赤外線乾燥システムで、手作業の削減&品質アップ
  • 物流業:搬入貨物の自動仕分け・数量確認で、航空便対応・空きスペース活用を実現

あとは、驚くべきは「塗装ブース」の採択事例です。オーダーメイド??と思うかもしれませんが、塗装ブース (天井全面フィルターの塗装ブース。 クリーンな環境で作業ができ、仕上が りの向上、ゴミ取り・磨き工程の時間 の大幅な短縮に寄与)

今回の省力化投資補助金(一般型)第1回公募では、採択率68.5%という高水準の結果となりました。
データと事例を分析すると、採択されやすい申請にはいくつかの“共通点”が見えてきます。


採択されやすい申請の共通点

  1. 導入前の課題が具体的かつ共感できる
    – 「属人化」「手作業」「人材不足」「ミス発生」など、誰が見ても明確な業務上の課題を提示
  2. 省力化の効果が数字や業務フローで可視化されている
     - 作業時間の短縮、人員削減、品質の安定、新規リソース創出などを“工程単位”で説明
  3. 設備構成に現実性があり、無理がない
     - 汎用設備の組み合わせ、既存ラインへのカスタマイズ、適正金額帯での申請
  4. “その先”のビジョンがある
     - 人材再配置による新規事業展開、リピート受注率向上、客単価アップ等まで描けている(空いたリソースで●●をするなど)

今回見えた“戦略的アプローチ”とは?

・製造・建設などの“王道業種”はもちろん、

・小売・飲食・宿泊・整備業なども、自社の業務に合った工夫ある組み合わせ提案が評価されている

とくに、「塗装ブース」「ラベル貼付機」「予約管理システム」など、“省力化っぽくないけど、ちゃんと省力化”になっている設備の採択が印象的です。

オーダーメイドでなくても、複数の汎用設備を組み合わせて導入 することで、高い省力化効果が 見込まれる事例 でも採択されるということが分かったのも大きなポイントです。


次回(第3回)公募スケジュールも発表済み!

省力化投資補助金〈一般型〉は、今後も複数回の公募が予定されています。

次回の第3回公募は以下のスケジュールとなっています。


申請を検討中の方へ

省力化補助金は、単なる設備導入支援ではなく、“業務変革と人材活用”を後押しする制度です。
次回以降の公募に向けて、今から準備を進めておくことで、採択の可能性は大きく高まります。省力化投資補助金一般の採択実績のある当事務所では、事業内容に即した具体的な申請支援を行っております。
補助金活用を通じて、「人手不足の克服」「業務の仕組み化」「利益率の改善」を目指す事業者の皆さま、ぜひお気軽にご相談ください。


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