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中国人の親族訪問ビザ|必要書類・代理申請機関・身元保証人の要件

中国に住む親や兄弟を日本に呼ぶ「親族訪問ビザ」は、中国側で戸口簿の写しと親族関係公証書などを、日本側で身元保証書・住民票・在職証明書・課税証明書などを揃え、中国の日本大使館・総領事館が指定する代理申請機関を通して申請します。在中国日本国大使館の案内(2026年7月1日更新)では、査証手数料は715元、発給までの目安は申請日の翌日から4業務日です。他国籍と比べて中国籍の手続で特に注意が要るのは、日本側の身元保証人になれる人の範囲が在留資格と在留期間で絞られている点です。

中国人の親族訪問ビザとは|短期滞在査証の「親族訪問」目的

ここでいう親族訪問ビザとは、日本の在外公館が発給する短期滞在査証のうち、日本に住む親族を訪ねる目的で申請するものを指します。在留資格としては「短期滞在」で、日本で報酬を受ける活動はできません。滞在期間は15日・30日・90日のいずれかが上陸時に決まります。

中国は日本の査証免除の対象国ではないため、観光でも親族訪問でも、中国籍の人は来日前に査証を取る必要があります。ネットで「中国 親族訪問 ビザ」と検索すると、中国政府が発給する「Q1・Q2ビザ」の解説が多く出てきますが、あれは日本人などが中国に住む家族を訪ねるときの中国側の査証です。中国人の親を日本に呼ぶ手続とは、申請先も書類もまったく別物です。

親族の範囲について、外務省の「1次有効の短期滞在査証を申請する手続きの概要(中国国籍)」(2025年4月)は「配偶者及び三親等内の血族並びに姻族」と定めています。在中国日本国大使館のページも「原則として血族及び姻族3親等以内」としています。父母、祖父母、兄弟姉妹、おじ・おば、甥・姪までが入り、配偶者の親や兄弟も姻族として含まれます。いとこ(4親等)は親族訪問の範囲から外れるため、知人訪問として申請することになります。

必要書類|中国側(申請人)が用意するもの

在中国日本国大使館の「親族・知人訪問一次査証」のページ(2026年7月1日更新)が挙げる申請人側の書類は次の5点です。

  1. 査証申請書(写真貼付)
  2. 旅券
  3. 戸口簿の写し
  4. 居住証等の居住証明書(戸籍所在地と違う地域に住んでいる場合)
  5. 在日親族との関係を証する書類

5の関係書類として、外務省の手続概要は「親族関係公証書、出生医学証明等」を例に挙げています。親族関係公証書は、中国の公証処が戸籍や档案をもとに「甲は乙の子である」といった関係を証明する書類で、日本の戸籍謄本の役割を果たします。親子であれば親族関係公証書1通で足りますが、兄弟姉妹やおじ・おばを呼ぶ場合は、共通の親を介して関係をたどれるように作ってもらう必要があります。

ここで重要なのは、日本側の書類と「つながる」関係書類を用意することです。日本に住む子が日本人と結婚して日本国籍の戸籍に入っている場合、戸籍謄本で子の婚姻を示し、親族関係公証書で子と親の関係を示す、という2段構えになります。子が帰化して日本国籍になっている場合も、帰化前の中国名と帰化後の日本名が同一人物であることを戸籍謄本の帰化事項で示すことになります。氏名の表記が書類ごとに違うと確認に時間がかかるため、漢字・ピンイン・日本名の対応を招へい理由書の中で一言説明しておくと審査が滞りにくくなります。

外務省の書類一覧は、提出書類を「発行後3か月以内(有効期間の記載がある書類は有効期間内)」としています。公証書の作成には日数がかかるため、日本側の書類を送る時期と合わせて逆算してください。

必要書類|日本側(身元保証人・招へい人)が用意するもの

中国籍の親族訪問では、日本側の書類を「身元保証人」と「招へい人」に分けて整理しています。

区分 書類(在中国日本国大使館・2026年7月1日更新)
身元保証人 身元保証書、住民票(世帯全員・続柄記載)、在職証明書、直近の総所得が記載された課税(所得)証明書または納税証明書(様式その2)のいずれか1点、在留カード表裏の写し(外国人のみ)
招へい人 招へい理由書、滞在予定表、住民票(世帯全員・続柄記載)、在職証明書または在学証明書、在留カード表裏の写し(外国人のみ)、渡航目的を裏付ける資料(必要に応じ)

招へい人とは、申請人を日本に呼ぶ理由を持つ人です。身元保証人とは、申請人の滞在費・帰国旅費の負担と法令遵守について日本側で保証する人です。多くの場合、日本に住む子が招へい人と身元保証人を兼ねます。外務省の手続概要によれば、同一人物であれば招へい人としての住民票などは重ねて出す必要がありません。

外務省が示す国籍共通の書類一覧では、身元保証人の資力を示す資料として預金残高証明書も選べます。一方、中国籍向けの一覧に並ぶのは課税(所得)証明書と納税証明書(その2)で、預金残高証明書は挙がっていません。源泉徴収票は不可と明記されています。課税証明書は住民票のある市区町村で、1月1日時点の住所地の市区町村が発行する点に注意してください。年の途中で引っ越した人は、前の住所地に請求することになります。

在職証明書は、身元保証人が会社員なら勤務先の人事担当が発行します。外国人社員から「親を呼ぶので在職証明書がほしい」と頼まれた会社は、会社名・所在地・代表者、入社日、役職、雇用形態、発行日が入っていれば社内様式で構いません。経営者や個人事業主は、在職証明書の代わりに法人の登記事項証明書や確定申告書の控えで職業を示します。

招へい理由書と滞在予定表の書き方は招へい理由書の書き方と例文|家族・友人・恋人を呼ぶときの記入例で例文付きで解説しています。滞在予定表について外務省の手続概要は、入国希望日と出国予定日を明記し、滞在中の行動予定を可能な限り具体的に書くよう求めています。

身元保証人の要件|在留資格と「在留期間3年以上」で絞られる

中国籍の親族訪問で、事前に確かめておくべきなのが身元保証人の資格です。外務省の手続概要(2025年4月)は次のように定めています。

身元保証人は、日本人のほか、原則として次のいずれかの在留資格・地位を有し、かつ、在留期間が3年以上を許可されて、現在日本に在留中の外国人の方がなることができます。

列挙されている在留資格・地位は、外交、公用、高度専門職、教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、技能、永住者、特別永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、特定活動(特定研究活動・特定情報処理活動・高度学術研究活動・高度専門・技術活動・高度経営・管理活動)です。さらに、外交・公用・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者・特定活動・特別永住者であっても「被扶養者である方」は除く、とされています。

この一覧から読み取れる実務上の影響は3つです。

1つ目は、在留期間が1年の人は、上に挙げた在留資格であっても原則として身元保証人になれないことです。技術・人文知識・国際業務で来日して間もない社員は、在留期間1年を許可されていることが少なくありません。在留カードの「在留期間」欄で3年以上かどうかを先に確かめてください。

2つ目は、留学、家族滞在、技能実習、特定技能、介護などの在留資格が一覧に含まれていないことです。特定技能で働く社員が中国の親を呼びたい場合、本人は招へい人にはなれても、身元保証人は別に立てる必要があります。日本人の配偶者がいれば配偶者が、いなければ一覧の在留資格で3年以上の在留期間を持つ親族・知人が候補になります。

3つ目は、配偶者に扶養されている人は除かれることです。日本人の配偶者等で在留する中国人の妻が、専業主婦として夫の扶養に入っている場合は、妻ではなく日本人の夫が身元保証人になるのが通常の形です。

なお、外務省の手続概要には、招へい人が日本国の国費留学生で親族を招へいする場合は身元保証人を不要とする注記があります。私費留学生にはこの扱いはありません。

短期滞在の身元保証書は、申請人が保証事項を守らなかったからといって金銭の支払いを強制されるものではないと一般に解されていますが、査証審査では保証人の資力と申請人との関係が見られます。

代理申請機関を通した申請の流れと期間・手数料

在中国日本国大使館は「当館における査証申請は原則として当館指定の代理申請機関を通じて行うこととなっています」と案内しており、申請人本人が大使館の窓口に直接書類を持ち込むことは原則としてできません。代理申請機関は大使館・総領事館ごとに指定されており、一覧は各公館の査証ページに掲載されています。

申請先は、申請人の住む地域を管轄する公館です。大使館(北京)は北京市・天津市・河北省・河南省・湖北省・湖南省・陝西省・山西省などを管轄し、それ以外の地域に住む人は上海・広州・瀋陽・大連・青島・重慶・香港の各総領事館の管轄になります。代理申請機関も管轄の公館が指定した機関から選びます。

手続の順番は次のとおりです。

  1. 日本側(招へい人・身元保証人)が書類を揃え、原本を国際郵便などで申請人に送る
  2. 申請人が中国側の書類と合わせて、管轄公館が指定する代理申請機関に提出する
  3. 代理申請機関が公館に取り次ぎ、公館が審査する
  4. 発給された査証は代理申請機関を通して申請人に返却される
  5. 申請人が来日し、空港の上陸審査で短期滞在の上陸許可を受ける

在中国日本国大使館のページでは、発給までの目安は申請日の翌日から4業務日、査証の有効期間は3か月です。追加書類を求められたり、内容の確認が必要になったりすれば、これより長くなります。国際郵便の日数と公証書の作成期間を含めると、来日予定日の1か月半から2か月前には日本側で準備を始めるのが現実的です。

査証手数料は、2026年7月1日の改定後、一次有効査証で715元です。これとは別に代理申請機関の手数料がかかり、金額は機関ごとに違います。外務省は2026年6月24日、一次有効査証の手数料を約15,000円、数次有効査証を約30,000円に改定すると公表しており、715元はこの一次有効査証の現地通貨額に当たります。

数次ビザとの関係

親の訪問が年に何度も続く場合は、数次有効の短期滞在査証を検討する余地があります。中国籍向けの数次査証は、一般(経済力要件)、商用目的、文化人・知識人などの類型ごとに要件が定められており、親族訪問の一次査証とは申請人の資格要件が異なります。一定以上の所得がある人やその家族を対象とする類型では、申請人本人の経済力を示す資料が中心になるため、日本側の身元保証書で支える一次査証とは考え方が逆になります。類型ごとの要件と書類は数次ビザとは|日本の商用・文化人・一般の発給条件と有効期間、招へい理由書で整理しています。

よくある質問

中国の親族訪問はビザなしでできますか?

中国籍の人が日本を訪れる場合、査証は必要です。中国は日本の査証免除措置の対象国に入っていません。「ビザなしで行ける」という情報は、日本人が中国を訪れる場合の中国側の査証免除措置を指していることが多く、方向が逆です。

中国人の親族訪問ビザで何日滞在できますか?

短期滞在の在留期間は15日・30日・90日のいずれかで、滞在予定表の内容を踏まえて上陸審査で決まります。出産の手伝いなどで長めに滞在したい場合は、その理由を招へい理由書に具体的に書きます。来日後に病気などやむを得ない事情が生じた場合は、地方出入国在留管理局で在留期間の更新を申請できることがありますが、認められる事情は限られます。

身元保証人と招へい人は別の人でもよいですか?

別の人でも構いません。その場合、招へい人は招へい理由書、滞在予定表、住民票、在職証明書または在学証明書(外国人は在留カードの写しも)を、身元保証人は身元保証書、住民票、在職証明書、課税証明書または納税証明書(外国人は在留カードの写しも)を、それぞれ用意します。特定技能や留学の人が親を呼ぶときは、この形になることが多くなります。

中国人の親族訪問ビザの費用はいくらですか?

大使館に納める査証手数料が一次有効で715元(2026年7月1日以降)、これに代理申請機関の手数料、公証書の作成費用、日本側の証明書の発行手数料、国際郵便の送料が加わります。行政書士に書類作成を依頼する場合は、その報酬が別にかかります。

申請を断られたらすぐに再申請できますか?

査証が発給されなかった場合、同じ目的での再申請は原則として6か月経過後とされています。拒否の理由は開示されないため、再申請の前に、身元保証人の資格、関係書類のつながり、滞在予定表と招へい理由書の整合性を見直してください。

準備の最初に確かめる2点

中国の親族を呼ぶ手続で時間を失いやすいのは、書類の不足よりも、身元保証人の資格と関係書類の設計です。準備を始める前に、身元保証人になる人の在留カードで在留資格と在留期間(3年以上か)を確認し、次に、日本側の戸籍謄本や在留カードと中国側の親族関係公証書が、名前の表記も含めて一本の線でつながるかを確認してください。この2点が固まれば、残りは一覧どおりに書類を揃える作業になります。

外国人社員の親の来日を会社として手伝う場合、会社が用意できるのは在職証明書と、必要に応じた休暇の調整です。社員本人の在留期間が1年で身元保証人になれないときは、誰が保証人になるかを早めに本人と話し合っておくとよいでしょう。個別の事情で判断が変わるため、関係書類の組み立てに迷うときは専門家に相談してください。短期滞在の更新が必要になった場合の窓口は福岡出入国在留管理局への行き方・予約方法、書類作成を依頼する場合の費用の目安は在留資格申請を行政書士に依頼する費用の相場で解説しています。

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