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留学ビザ(日本)とは?要件・在留期間・経費支弁と就労の制限

日本の留学ビザは、正式には在留資格「留学」といい、日本の大学、短期大学、大学院、高等専門学校、専修学校(専門学校)、日本語教育機関、高校、中学校、小学校などで教育を受ける外国人のための在留資格です。取得の要件は上陸基準省令が定めており、中心になるのは「受け入れる教育機関の種類と適格性」「在留中の生活費を支払える資力(経費支弁)」「教育を受けるのに足りる日本語能力」の3つです。在留期間は4年3月を超えない範囲で個別に指定され、就労は原則としてできず、資格外活動許可を受けて週28時間以内のアルバイトに限って認められます。2026年には、日本語教育機関に入学する人の日本語能力の確認方法と、学校による留学生のアルバイト状況の把握が厳しくなりました。

留学ビザとは|在留資格「留学」の範囲

入管法別表第一の四の表は、「留学」の活動を「本邦の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(中略)若しくは特別支援学校の中学部、小学校(中略)若しくは特別支援学校の小学部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動」と定めています。

ここでいう「ビザ」は、本来は在外公館が発給する査証(入国のための推薦)を指し、日本で在留するための資格は在留資格といいます。日常的には両者をまとめて「留学ビザ」と呼ぶことが多く、本記事もその用法に従います。

留学ビザは、教育機関の種類によって細かく名前が分かれているわけではありません。大学生も日本語学校の学生も同じ「留学」です。ただし、次に述べる上陸基準省令の要件は教育機関の種類ごとに異なり、どの学校に入るかで準備すべき書類も変わります。在留資格の全体像は外国人を採用できる在留資格の種類一覧で整理しています。

留学ビザの要件|上陸基準省令の8つの号

在留資格「留学」で入国するための基準は、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(上陸基準省令)の留学の項に書かれています。整理すると次の構造です。

号 内容
1号 受け入れる教育機関の種類(大学・専門学校等、夜間大学院、日本語教育・高校・中学・小学校等)
2号 在留中の生活費を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段があること
2号の2 教育機関が出席状況・資格外活動の遵守状況・学習状況を適正に管理する体制を整えていること
3号 研究生・聴講生は入学選考を経て、週10時間以上聴講すること
4号 高校は20歳以下で、1年以上の日本語教育または日本語による教育を受けていること
4号の2 中学は17歳以下、小学校は14歳以下で、監護者・生活指導担当職員・宿泊施設があること
5号 専門学校・各種学校は日本語能力の要件と生活指導担当の常勤職員
6号 専ら日本語教育を受ける場合は、告示日本語教育機関または認定日本語教育機関であること

教育機関の要件|日本語学校は「告示校」か「認定校」に限られる

1号は受け入れ先を3つに分けています。大学、専門学校の専門課程などで教育を受ける場合(イ)、夜間の大学院で学ぶ場合(ロ)、日本語教育を受ける場合や高校・中学・小学校・専修学校の高等課程などで学ぶ場合(ハ)です。いずれも、専ら夜間に通学する場合と通信教育は、夜間大学院を除いて対象外です。

日本語だけを学ぶ場合、6号により、学校が法務大臣の告示で定められた日本語教育機関(いわゆる告示校)か、日本語教育機関認定法に基づく認定日本語教育機関でなければなりません。認定日本語教育機関は2024年4月に始まった文部科学大臣の認定制度で、留学生を受け入れるには「留学のための課程」を置いている必要があります。無認可の日本語スクールに入学しても、留学ビザは取れません。

2号の2は、学校側の管理体制を求める基準です。大学で多数の留学生の所在不明者が出たことを受けて出入国在留管理庁と文部科学省が2019年6月11日に公表した在籍管理の対応方針に沿って整備された基準で、学校が出席や資格外活動を管理できない状態にあれば、個々の留学生に問題がなくても基準を満たしません。

年齢の要件は高校・中学・小学校だけ

4号と4号の2により、高校に入学する場合は20歳以下、中学は17歳以下、小学校は14歳以下という年齢の上限があります。国や学校法人などが策定した学生交換計画に基づく場合は例外です。一方、大学、専門学校、日本語学校には年齢の上限がありません。日本語学校について「30歳を超えると留学ビザが取れない」といった話を聞くことがありますが、上陸基準省令にそのような規定はありません。年齢と学歴・職歴の関係から勉学の意思が合理的に説明できるかが、審査で見られる点です。

経費支弁|誰が、どうやって学費と生活費を払うか

2号は「申請人がその本邦に在留する期間中の生活に要する費用を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段を有すること」を求め、ただし書で「申請人以外の者が申請人の生活費用を支弁する場合は、この限りでない」としています。本人に資産がなくても、親などの支弁者が十分な資力を持っていれば足りるという意味です。

ここでいう経費支弁とは、学費と日本での生活費を誰がどのように負担するかを示すことを指します。出入国在留管理庁の「申請に当たっての留意事項」は、申請人以外の者が経費を支弁する場合には「その者の支弁能力を証する文書及びその者が支弁するに至った経緯を明らかにする文書」を求めています。具体的には、次のような資料を出します。

  • 経費支弁書(支弁者が作成する所定の書式)
  • 支弁者の預金残高証明書、在職証明書、収入証明書
  • 支弁者と申請人の関係を示す資料(出生証明書など)
  • 奨学金を受ける場合は給付の証明書

審査で問題になるのは、残高の金額よりも資金の形成過程です。申請の直前に大きな入金があり、それ以前の残高が少ない場合、借入れや一時的な見せ金と疑われます。支弁者の収入と預金額が釣り合っているか、学費と生活費の総額に対して無理がないかという観点で、数年分の収入証明と預金の推移を揃えておくことが大切です。

出身国によって提出書類が変わる

出入国在留管理庁は「別表」で、書類の一部提出を省略できる国・地域を掲げています。アジアでは韓国、シンガポール、タイ、台湾、中国、香港、マカオ、トルコ、ブルネイ、マレーシア、モルディブ、モンゴルの12か国・地域が載っており、ここに載っていない国の出身者(ベトナム、ネパール、スリランカ、ミャンマー、フィリピン、インドネシアなど)は、経費支弁や学歴の立証資料を省略せずに出す必要があります。

また、受け入れる教育機関が在籍管理の状況に応じて「適正校(クラスⅠ・クラスⅡ)」の通知を受けているかどうかでも、提出書類の範囲が変わります。適正校でない学校に入学する場合は、経費支弁の資料や学歴証明を一式出すのが原則です。

日本語能力|学校の種類ごとの基準

日本語能力の要件は、上陸基準省令と出入国在留管理庁の公表資料で、学校の種類ごとに定められています。

入学先 日本語能力の基準
大学・大学院・短大・高専(日本語で授業を受ける場合) 日本語能力試験N2以上、日本留学試験(日本語)200点以上、BJT400点以上、JPT525点以上のいずれかが目安
専門学校・各種学校 告示校・認定校で1年以上の日本語教育、上記の試験による証明、日本の学校で1年以上の教育のいずれか(上陸基準省令5号)
日本語教育機関・日本語別科 「日本語教育の参照枠」のA1相当以上(日本語能力試験N5、JFT-Basic A1など)
高校 1年以上の日本語教育または日本語による教育(上陸基準省令4号)

大学の場合は上陸基準省令の要件ではなく、出入国在留管理庁が「目安」として示す水準です。英語で授業を行う課程に入学する場合は、日本語能力の立証は求められません。

専門学校について出入国在留管理庁は、5号の要件を満たしても「志望学科の教育課程を履修し得る日本語能力を明らかに有していない場合、教育を受ける活動を行う能力がないものとみなされる場合があります」としています。日本語学校を1年修了しただけで日本語能力が伸びていない人は、専門学校への進学時の審査で問題になり得ます。

2026年の運用の見直し|日本語能力の確認とアルバイトの把握

2026年1月23日に関係閣僚会議が決定した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を受け、出入国在留管理庁は「日本語教育機関に入学する者に係る運用の一部見直しについて」を公表しました。変更点は2つです。

1つ目は、日本語教育機関に入学する人の日本語能力の確認です。これまでは150時間以上の日本語学習歴でA1相当の日本語能力を立証できましたが、見直し後は試験の証明書か、学校による面接での確認が必須になりました。学校は所定の「各種確認書」に確認の方法と結果を具体的に書き、申請時に提出します。適用は、在留資格認定証明書交付申請では2026年10月以降に入学する学生から、変更・更新の申請では2026年7月1日以降の申請からです。日本語別科にも適用されます。前回の申請から在籍する学校が変わっていない場合は、各種確認書の提出は不要です。

2つ目は、学校による資格外活動の把握です。学校は3か月に1度、在籍する留学生から、資格外活動許可の有無、アルバイト先の名称(複数あればすべて)、仕事の内容、毎日の勤務時間を確認し、違反があれば指導して記録を残します。雇用主が週28時間を超える勤務をさせているとの申告があった場合や、指導しても改善しない場合は、学校が出入国在留管理官署に報告することとされています。

このほか、2026年3月2日には、留学生の日本語能力を測る試験を追加する際の基準となるガイドラインが策定されました。留学生の受入れ全体の見直しの方向は【2026年1月決定】外国人受入れの総合的対応策で在留審査はどう変わる?で解説しています。

アルバイト先の企業にとって、この見直しの意味は小さくありません。学校が勤務先と勤務時間を定期的に把握し、違反の疑いがあれば入管に報告する仕組みができたため、週28時間を超えるシフトは学校経由でも発覚し得るようになりました。

在留期間|最長4年3月、更新で延ばす

入管法施行規則別表第二は、留学の在留期間を「四年三月を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」と定めています。実際に許可される期間は、課程の修業年限や学校の在籍管理の状況などによって変わり、課程の途中で在留期限が来る場合は更新の申請をします。

更新の審査では、出席率、成績、資格外活動の時間、経費支弁の状況が見られます。出席率が低い、アルバイトの時間が28時間を超えている、学費を滞納しているといった事情があれば、更新が認められないことがあります。更新は在留期限の3か月前から申請でき、申請の時期と特例期間は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?で整理しています。

就労の制限|資格外活動許可と週28時間

留学は就労が認められない在留資格です。アルバイトをするには、資格外活動許可を受ける必要があります。留学生が受ける包括許可では、次の範囲で働けます。

  • 1週について28時間以内(どの曜日から数えても28時間以内)
  • 学則で定める長期休業期間は1日8時間以内
  • 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業などが営まれている営業所での活動は不可

28時間は複数のアルバイトの合計です。2か所で働いている場合、それぞれの勤務先が自社分だけを見ていると合計が超えていることに気づきません。資格外活動許可の仕組みは資格外活動許可とは?包括許可・個別許可の違いと企業の確認点、時間の数え方は留学生アルバイト週28時間の数え方|掛け持ち・長期休暇の1日8時間と証明方法で詳しく扱います。

許可の範囲を超えて働いた場合、本人は資格外活動違反として処罰や退去強制の対象になり、更新も不許可になり得ます。雇った企業も、不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われる可能性があります。

卒業後の扱いにも注意が必要です。包括許可は在籍中の学生を前提としているため、卒業した後は在留期限が残っていてもアルバイトはできません。就職が決まっていれば、在学中から就労の在留資格への変更を準備することになります。

留学から就職するときの在留資格

日本で就職する留学生は、卒業前に在留資格の変更を申請します。代表的な行き先は次のとおりです。

  • 技術・人文知識・国際業務:大学・専門学校で学んだ内容と関連する専門的な業務に就く場合
  • 特定活動46号:日本の大学を卒業し、日本語能力試験N1相当の人が、日本語を使う幅広い業務に就く場合
  • 特定技能1号:分野別の技能試験と日本語試験に合格した人が、特定産業分野で働く場合
  • 特定活動(就職活動):卒業後も就職活動を続ける場合

日本語学校だけを卒業した人は、原則として技術・人文知識・国際業務の学歴要件を満たしません。この点は日本語学校を卒業して技人国は取れる?で、変更の手順は留学から技術・人文知識・国際業務への在留資格変更ガイドで解説しています。

家族を呼べる留学生・呼べない留学生

留学生が配偶者や子を日本に呼ぶ場合、家族は在留資格「家族滞在」で在留します。上陸基準省令の家族滞在の項は、扶養者が「留学」で在留する場合を、1号イまたはロに該当する者、つまり大学、大学に準ずる機関、高専、専門学校の専門課程などで教育を受ける人と夜間大学院生に限っています。日本語学校や高校の留学生は、家族を家族滞在で呼ぶことができません。

よくある質問

留学ビザで就労不可でもアルバイトはできますか?

在留カードの表面に「就労不可」と書かれていても、裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されていれば、その範囲でアルバイトができます。許可の記載がなければ働けません。雇う側は、表面と裏面の両方を確認してください。

留学ビザが不許可になる理由は?

多いのは、経費支弁能力の説明不足(残高の急な増加、支弁者の収入との不釣り合い)、学歴や日本語学習歴の証明の不備、勉学の目的が年齢や経歴から合理的に説明できないこと、過去の在留中の資格外活動違反です。変更や更新では、出席率の低さとアルバイトの時間超過が不許可の原因になります。

留学ビザで正社員になれますか?

留学の在留資格のままでは正社員として働けません。内定を得たら、卒業前に技術・人文知識・国際業務などの就労資格への変更を申請し、許可を受けてから入社します。4月入社であれば、前年の12月ごろから変更申請を受け付けるのが通例です。

留学ビザの取得にかかる費用と期間は?

在留資格認定証明書の交付申請に手数料はかかりません。在外公館での査証の手数料が別にかかります。在留資格認定証明書の審査は、出入国在留管理庁の標準処理期間で1か月から3か月とされています。日本語学校の4月期・10月期の入学に合わせた申請は時期が集中するため、学校が定める出願期限に従って早めに準備します。

留学ビザで日本に滞在できる期間は?

1回に許可される在留期間は最長4年3月で、課程が続く限り更新できます。卒業後は、就職して就労資格に変更するか、就職活動の特定活動に変更するか、在留期限までに出国することになります。

留学生を受け入れる側が押さえておくこと

留学ビザの要件は学生本人のものに見えますが、2026年の見直しで、学校と勤務先の役割が明確になりました。学校は日本語能力の確認と資格外活動の定期的な把握を担い、勤務先は週28時間と長期休業中の1日8時間を守らせる立場にあります。

留学生をアルバイトで雇う企業が決めておくべきことは、採用時に在留カードの表裏を確認して記録すること、他のアルバイト先の有無と時間を申告させること、長期休業期間を学校の学則で確認することの3つです。卒業予定の留学生を正社員として採用する場合は、在留資格の変更にかかる期間を見込んで内定の時期と入社日を決めます。個別の事情で判断が変わるため、在留歴に不安がある学生を採用するときは申請前に専門家へ相談してください。

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。