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国際結婚の婚姻届の書き方|婚姻要件具備証明書が出ない国の代替書類と受理証明書

外国人と日本で結婚するときの婚姻届は、日本人同士と同じ様式の用紙を使いますが、相手の「婚姻要件具備証明書」とその日本語訳を添えなければ受理されません。相手の国がこの証明書を発行していない場合は、領事の署名がある宣誓書や本国の法律の写しなどで代えることになり、どの書類で足りるかは提出先の市区町村と法務局の判断によります。受理された後、配偶者ビザを申請する段階で「婚姻届受理証明書」が必要になる場面があるため、届出の日程はビザ申請から逆算して決めるのが実務的です。

国際結婚の婚姻届は「日本の方式」と「相手国の方式」のどちらかで成立する

国際結婚の成立は、「法の適用に関する通則法」24条で決まります。結婚できる条件(年齢、独身であること、近親婚でないことなど)は、日本人は日本の民法、相手は相手国の法律で判断されます。一方、どういう手続で結婚を成立させるか(方式)は、結婚する場所の法律か、どちらかの本国法によります。

ここで重要なのは、日本国内で結婚し、当事者の一方が日本人である場合は、日本の方式、つまり市区町村への婚姻届によらなければならないという点です(同条3項ただし書)。相手国の大使館で挙式や登録をしても、日本国内で日本人が結婚する場合には、それだけでは日本法上の婚姻は成立しません。

整理すると、手続の順番は次の2通りです。

  • 日本で先に婚姻届を出す(日本の方式)。その後、相手国の大使館や本国の役所に婚姻を報告する
  • 相手国で先に結婚する(外国の方式)。その後、婚姻成立の日から3か月以内に、相手国の結婚証明書と日本語訳を在外公館か本籍地の市区町村に届け出る(戸籍法41条)

どちらを先にするかは、相手国がどちらの順番を受け入れるか、必要書類がどちらのほうがそろえやすいかで決めます。流れの全体は国際結婚の手続きの流れ|日本で先に結婚する場合・相手国が先の場合とビザ申請で扱っているので、本記事では日本の役所に婚姻届を出す場面に絞って説明します。

婚姻届の書き方|日本人同士と違う欄は5か所

婚姻届の用紙は全国共通で、市区町村の戸籍窓口でもらえます。2021年9月1日の様式変更で押印は任意になり、父母欄に加えて養父母欄ができました。外国人と結婚する場合に、日本人同士と書き方が変わるのは主に次の欄です。

欄 日本人 外国人
氏名 戸籍どおりの漢字 カタカナで記入し、窓口の指示に応じてアルファベットを併記。氏・名の順
生年月日 和暦 西暦
本籍 戸籍の本籍・筆頭者 国籍のみを記入
婚姻後の夫婦の氏・新しい本籍 原則として記入しない(下記) 記入しない
届出人署名 本人が署名 本人が署名(アルファベットのサインでよい)

氏名はカタカナで、ミドルネームの扱いは窓口で確認する

外国人の氏名は、戸籍の身分事項欄にカタカナで記載されます。婚姻届にもカタカナで書き、パスポートのアルファベット表記と一致させます。読み方はできるだけ本国での発音に近い表記にします。ミドルネームは、名の一部として続けて書くか、名とは分けて書くかで戸籍の記載が変わるため、書く前に届出先の窓口で確認してください。一度戸籍に記載されたカタカナ表記は、その後の住民票、子の出生届、配偶者ビザの申請書類にまで引き継がれます。パスポートや婚姻要件具備証明書の訳文と表記がずれていると、入管から本人確認のための追加資料を求められることがあります。

「婚姻後の夫婦の氏・新しい本籍」は空欄が原則

日本人同士の婚姻では夫婦のどちらかの氏を選びますが、外国人との婚姻では民法750条の夫婦同氏の規定が適用されず、夫婦はそれぞれ婚姻前の氏のままです。そのため、この欄は原則として記入しません。日本人が戸籍の筆頭者でない場合(親の戸籍に入っている場合)は、婚姻によって日本人を筆頭者とする新しい戸籍がつくられるため、新しい本籍を書く必要があります。

証人は2人、外国人でもなれる

証人は成年者2人が必要です(民法739条2項)。国籍の制限はなく、外国人でも証人になれます。外国人の証人は本籍欄に国籍を書きます。

同居を始めたとき・職業の欄は、ビザ申請と矛盾させない

「同居を始めたとき」は、結婚式を挙げたとき、または同居を始めたときのうち早いほうを書く欄です。この日付は戸籍には載りませんが、婚姻届の記載事項証明書を取れば確認できます。配偶者ビザの申請では、質問書に交際の経緯や同居開始の時期を書きます。婚姻届と質問書で同居の時期が食い違っていると説明を求められるため、記入するときに事実どおりの日付を控えておいてください。質問書の書き方は配偶者ビザの質問書の書き方|交際経緯・紹介者欄の記入例と矛盾の防ぎ方で扱います。

役所で求められる書類|婚姻要件具備証明書と日本語訳

日本で婚姻届を出すときに一般的に必要になる書類は次のとおりです。

  • 婚姻届(証人2人の署名があるもの)
  • 日本人の本人確認書類
  • 外国人のパスポート(国籍と身分の確認用)
  • 外国人の婚姻要件具備証明書と日本語訳
  • 相手国によっては出生証明書と日本語訳

日本人の戸籍謄本は、2024年3月1日の改正戸籍法の施行で、本籍地以外の市区町村に婚姻届を出す場合も添付が原則不要になりました。ただし、外国人との婚姻では添付書類の審査に時間がかかることがあるため、届出先に事前に確認してから出向くほうが確実です。日本語訳には翻訳者の氏名を記載します。翻訳者の資格は問われず、本人や日本人配偶者が訳しても受け付けられます。

婚姻要件具備証明書とは

法務省の「国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A」は、婚姻要件具備証明書を「婚姻をしようとする外国人の本国の大使、公使又は領事など権限を持っている者が本国法上その婚姻に必要な要件を備えていることを証明する書面」と説明しています。ここでいう要件とは、結婚できる年齢に達していること、独身であること、近親婚に当たらないことなど、相手国の法律が定める結婚の条件を指します。

多くの国では在日大使館・領事館で発行されますが、本国の役所で取得しなければならない国もあります。取得に必要な書類、日数、手数料は国ごとに違い、同じ国でも時期によって運用が変わるため、相手国の大使館に直接確認するのが確実です。証明書には有効期限が記載されている場合があり、記載がなくても市区町村が発行後一定期間内のものを求めることがあります。

婚姻要件具備証明書が出ない国の代替書類

国によっては、制度として婚姻要件具備証明書を発行していません。この場合について、法務省の戸籍Q&Aは2つの方法を示しています。

1つは宣誓書です。外国人が、本国の法律で定める結婚年齢に達していること、日本人との結婚について法律上の障害がないことを宣誓し、領事が署名した宣誓書が、婚姻要件具備証明書に代わるものとして認められる場合があります。

もう1つは、本国の法律の写しと身分関係の書類を組み合わせる方法です。婚姻の要件を定めた本国法の条文の写しに、パスポート、身分登録簿の写し、出生証明書などを添えて、市区町村が要件を一つずつ確認できるようにします。どの書類にも日本語訳が必要です。

これに加えて、市区町村や法務局の窓口では「申述書」の提出を求められることがあります。ここでいう申述書とは、外国人本人が独身であることや本国法上の婚姻の要件を満たしていることを、窓口の担当者の前で申し述べて署名する書面を指します。申述書の様式や提出を求めるかどうかは、法令ではなく届出先の運用で決まるため、事前相談の段階で確認してください。

代替書類で婚姻届を出す場合、市区町村だけで受理を判断できず、管轄の法務局に受理してよいかを照会する手続(受理照会)に回ることがあります。この場合、届出の日から受理が決まるまで時間がかかり、その間はまだ婚姻が成立していないため、配偶者ビザの申請にも進めません。照会にかかる期間の公表された目安は確認できず現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。相手国ごとにどの書類で受理されるかの一覧も法務省は公表していないため、国名を伝えて届出先に事前相談するのが最初の手順になります。

日本人が相手国で結婚する場合の婚姻要件具備証明書

相手国で先に結婚する場合は、逆に日本人の婚姻要件具備証明書(独身証明書と呼ばれることもあります)を相手国の役所から求められることが多くなります。法務省の戸籍Q&Aによれば、日本人の婚姻要件具備証明書は、日本の在外公館、本籍地の市区町村、最寄りの法務局・地方法務局で取得できます。

東京法務局の案内(2025年5月26日更新)では、請求には戸籍全部事項証明書または個人事項証明書と写真付きの公的身分証明書が必要で、交付は翌日以降になる場合もあるとされています。また、提出先の国によっては市区町村で交付された証明書が認められない場合があるとも注記しています。相手国がどの機関の証明書を求めるか、外務省の公印確認や大使館の認証まで必要かは、相手国の大使館で確認してください。

受理証明書が配偶者ビザ申請で必要になる理由

婚姻届が受理されると、日本人の戸籍に婚姻の事実が記載されます。ただし、戸籍への記載は受理と同時ではありません。本籍地以外の市区町村に届け出た場合は届書が本籍地に送られてから記載されるため、受理から戸籍に載るまでに日数がかかります。

出入国在留管理庁の「日本人の配偶者等」の提出書類一覧は、日本人配偶者の戸籍謄本について「申請人との婚姻事実の記載があるもの」としたうえで、「婚姻事実の記載がない場合には、戸籍謄本に加え婚姻届出受理証明書の提出をしていただきます」と定めています。つまり、戸籍への記載を待たずにビザを申請したい場合に、婚姻が成立していることを証明する書類として受理証明書を使うということです。

受理証明書は、婚姻届を受理した市区町村でしか発行されません。大阪市の案内(2026年3月16日更新)では、手数料は普通紙1通350円、法務省令で定める様式の上質紙1通1,400円で、上質紙は届出を受理した区役所でのみ交付するとされています。請求できるのは届出人本人か委任を受けた代理人です。ビザ申請に使うなら普通紙で足ります。

相手国の手続でも受理証明書は使われます。日本で先に結婚した場合、相手国の大使館に婚姻を報告する際に、婚姻届受理証明書か婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるのが一般的です。国によっては外務省の公印確認(アポスティーユ)を付けるよう指定されるため、報告先の指示を確認してから取得すると二度手間を避けられます。

ビザ申請で求められるもう1つの書類|相手国の結婚証明書

入管庁の提出書類一覧は、在留資格認定証明書交付申請でも変更申請でも「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」を求めています。日本で婚姻届が受理されただけでは足りず、相手国にも婚姻を報告して、相手国の結婚証明書を取得する必要があるということです。韓国籍など戸籍謄本が発行される国の場合は、婚姻が記載された外国機関発行の戸籍謄本でも差し支えないとされています。

日本の婚姻届、相手国への報告、配偶者ビザの申請という3つの手続は、それぞれ別の役所が別の書類で審査します。婚姻届が受理されたからといって配偶者ビザが許可されるわけではなく、入管は婚姻の実体を交際の経緯や同居の状況から改めて審査します。相手が海外にいる場合の在留資格認定証明書が交付された後の流れは在留資格認定証明書が交付されたら?入国までの流れと企業の手続きを参照してください。

婚姻届を出した後の苗字はどうなるか

外国人と結婚しても、何も届け出なければ日本人の氏は変わりません。日本人が外国人配偶者の氏に変えたい場合は、婚姻の日から6か月以内であれば、家庭裁判所の許可なしに市区町村の戸籍窓口に「外国人との婚姻による氏の変更届」を出すだけで変更できます(戸籍法107条2項)。6か月を過ぎた場合は家庭裁判所の許可を得たうえで届け出ることになります。

変更後の氏はカタカナで記載されます。氏を変えると、パスポート、運転免許証、銀行口座、勤務先の登録など日本人側の名義変更が一斉に必要になります。配偶者ビザの審査中に日本人側の氏が変わる場合は、申請書や身元保証書の氏名と戸籍謄本の氏名が一致しなくなるため、氏の変更届をいつ出すかも申請の段取りに組み込んでおくと混乱が起きません。

外国人配偶者の氏が結婚によって変わるかは、相手国の法律によります。婚姻後に相手の氏が変わり、パスポートを更新した場合は、日本に在留していれば在留カードの記載事項変更の届出も必要です。

よくある質問

国際結婚の婚姻届はどこに出せばいいですか?

日本人の本籍地か、夫婦の所在地(住所地や一時的な滞在地を含む)の市区町村に出します。外国人との婚姻では添付書類の確認に時間がかかるため、住所地の市区町村に事前相談してから出すのが一般的です。相手がまだ海外にいて日本に来られない場合でも、日本人が1人で届け出ることはできます。その場合も婚姻届の外国人の署名欄は相手本人が署名します。

国際結婚の婚姻届のサインは代筆できますか?

届出人の署名は本人がします。外国人はアルファベットのサインで構いません。婚姻届を窓口に持参するのは代理の人でもよいですが、署名そのものを他人が書くことはできません。相手が海外にいる場合は、用紙を郵送して署名してもらいます。

国際結婚の婚姻届の受理までどのくらいかかりますか?

必要書類がそろい、市区町村の窓口で要件が確認できれば、当日に受理されるのが通常です。婚姻要件具備証明書がなく代替書類で届け出る場合など、市区町村が管轄の法務局に受理照会をする場合は、受理が決まるまで時間がかかります。戸籍への記載には、受理からさらに日数がかかります。

国際結婚の婚姻届はどちらの国に提出するのですか?

日本で結婚するなら日本の市区町村に婚姻届を出し、その後、相手国の大使館などに婚姻を報告します。相手国で先に結婚した場合は、3か月以内に在外公館か本籍地の市区町村に届け出ます。どちらの場合も、最終的には両国に婚姻が登録された状態にする必要があり、配偶者ビザの申請には日本の戸籍謄本と相手国の結婚証明書の両方が求められます。

国際結婚で婚姻届を出すと苗字はどうなりますか?

夫婦別氏が原則で、日本人の氏はそのままです。日本人が相手の氏に変えたい場合は、婚姻の日から6か月以内に氏の変更届を出せば、家庭裁判所の許可なしに変更できます。

届出の前に、相手国の大使館と届出先の2か所に確認する

国際結婚の婚姻届でつまずく原因の多くは、用紙の書き方よりも添付書類にあります。相手国が婚姻要件具備証明書を発行するか、発行しないならどの代替書類で受理されるかは、国と届出先の組合せで決まるため、ネット上の一般論では答えが出ません。筆者が勧める順番は、まず相手国の大使館に、日本で先に結婚する場合の必要書類と、日本の婚姻を報告する方法を確認することです。次に、婚姻届を出す市区町村に国名を伝えて、その書類で受理できるかを事前相談します。

届出の日は、配偶者ビザの申請時期から逆算します。相手がすでに日本に在留している場合は、今の在留期限までに相手国の結婚証明書までそろうかが判断の基準になり、戸籍への記載を待てなければ受理証明書で申請します。在留資格の変更申請の期限の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?申請期限と標準処理期間で解説しています。個別の事情で判断が変わるため、在留期限が迫っている場合や代替書類での届出になる場合は、早めに専門家に相談してください。

根拠資料


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