本文へ移動
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室
保利国際法務事務所の外国人採用・就労ビザLPへ 電話で無料相談 050-5526-5506 いますぐ無料相談フォームへ
保利国際法務事務所 外国人採用・就労ビザ相談室

ワーホリから就労ビザへ切り替えできる?国内変更の可否と帰国後COEの手続き

ワーキングホリデー(ワーホリ)で日本にいる外国人を正社員として雇い続けることは可能ですが、切り替え先の就労資格の要件を満たしていることが前提で、そのうえで「日本国内で在留資格を変更できるか」「いったん帰国して在留資格認定証明書(COE)で入り直すか」の2つのルートを選ぶことになります。どちらのルートを取れるかは、本人の国籍と日本との取決めの内容によって扱いが分かれるとされています。会社として先に確認すべきなのは、国籍よりも、用意する仕事が就労資格の範囲に収まっているかどうかです。

ワーホリの在留資格は「特定活動」|就労ビザとは目的が違う

ワーキングホリデーで入国した人の在留資格は「特定活動」です。根拠は、出入国在留管理庁が定める特定活動告示の5号(台湾は5号の2)で、ワーキング・ホリデー査証の発給を受けた人が、日本文化と日本の一般的な生活様式を理解するため、1年を超えない期間、休暇を過ごす活動と、その旅行資金を補うために必要な範囲内の報酬を受ける活動を行う、と定められています。告示の最新改正は令和8年4月8日法務省告示第31号です。

ここで押さえておきたいのは、ワーホリで働けるのは「休暇の資金を補うため」という位置づけだという点です。就労の範囲は風俗営業に当たる仕事を除けば職種や時間の制限がないため、雇う側から見ると就労ビザと似た使い勝手がありますが、制度の目的は休暇です。技術・人文知識・国際業務(技人国)などの就労資格は、特定の専門的な活動に従事することそのものが在留の目的なので、同じ「働ける在留資格」でも審査の出発点が違います。

外務省の「ワーキング・ホリデー制度」のページ(2026年4月1日更新)によると、日本とワーホリの取決めがある国・地域は32です。2026年にはマルタとイタリアが加わりました。年齢の上限は原則30歳以下で、オーストラリア、カナダ、韓国、アイルランドは原則25歳以下(各国政府が認める場合は30歳以下)です。協定国の一覧や、雇う時点で確認する在留カード・指定書の見方はワーキングホリデーで日本で働く条件|外国人を雇う企業の確認書類・期間・協定国32か国で扱っています。

国内で就労ビザに変更できるかは国籍ごとの取決めで分かれる

ワーホリから就労資格への切り替えを国内で行う手続は、入管法20条の在留資格変更許可申請です。法務大臣は「在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるとき」に限って許可できる(20条3項)とされており、変更が当然に認められるわけではありません。

ワーホリの場合、この「相当の理由」の判断に、日本と相手国・地域との取決め(口上書や協定・覚書)の内容が関わってきます。ワーホリは相手国との相互の約束で成り立つ制度で、本国の日本大使館・総領事館で査証を受けて入国することが前提になっているためです。取決めの中で、滞在中に他の在留資格へ変更しないことを確認している国・地域については、国内での変更が認められにくいと専門家の間では説明されています。台湾については、日本との合意により国内で就労資格への変更を認めない扱いだとする行政書士事務所の解説が複数あります。

一方で、国籍ごとに「国内変更ができる/できない」を並べた一覧は、出入国在留管理庁・外務省の公表資料では確認できませんでした。入国・在留審査要領(入管の内部基準)に該当する記載があるとされていますが、原文は確認できておらず現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。実務では、申請を出す前に福岡出入国在留管理局など管轄の地方局に、本人の国籍で国内変更の申請を受け付けるかを確認してから進めるのが確実です。

国内変更が認められる国籍であっても、就労資格の要件を満たさなければ不許可になります。国籍の問題と要件の問題は別々に判定される、と整理しておくと判断を誤りません。

就労ビザ(技人国)に切り替えるための要件

ワーホリの人の切り替え先として最も多いのが技人国です。要件の骨格は、学歴・実務経験、業務内容、報酬の3つです。

要件 内容
学歴・実務経験 業務に関連する科目を専攻して大学を卒業(または日本の専修学校専門課程を修了し専門士等)。学歴がない場合は技術・人文知識の業務で10年、国際業務(翻訳・通訳・語学指導・広報・海外取引等)で3年の実務経験。大卒者が翻訳・通訳・語学指導に従事する場合は実務経験不要
業務内容 自然科学・人文科学の知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考・感受性を要する業務
報酬 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上

学歴要件の細部は技術・人文知識・国際業務ビザの要件とは?で解説しています。

ワーホリからの切り替えでつまずきやすいのは、2つ目の業務内容です。ワーホリの間は飲食店のホール、ホテルの清掃、農作業、スキー場のリフト係など、何でもできました。技人国に切り替えた後は、学歴や職歴と結びついた専門的な業務に限られます。ワーホリで接客をしていた人を、同じ接客の仕事のまま技人国に切り替えることはできません。インバウンド客向けの通訳・翻訳、海外取引の事務、外国語サイトの運用など、職務内容を組み立て直す必要があります。

2026年4月15日以降は、カテゴリー3・4の企業が、主に言語能力を用いて対人業務に従事する人を技人国で受け入れる場合、CEFRのB2相当の日本語能力を示す資料などが求められるようになりました。通訳や接客寄りの業務でワーホリの人を採用する場合は影響を受けます。詳しくは通訳・翻訳・接客の技人国にCEFR B2が必要にを参照してください。

現場の仕事を続けてもらいたい場合は、技人国にこだわらず、特定技能1号を検討する余地があります。特定技能は分野ごとの技能試験と日本語試験(多くの分野でJFT-BasicまたはJLPT N4以上)に合格することが要件で、学歴は問いません。ただし外食業のように新規受入れが停止されている分野もあるため、分野の状況は申請前に確認が必要です。

国内変更の手続きと時期

国内変更が可能な場合の流れは次のとおりです。

  1. 会社が雇用契約を結び、業務内容を就労資格の範囲に合わせて確定する
  2. 本人(または申請取次者)が在留期限までに在留資格変更許可申請を出す
  3. 審査(標準処理期間は1か月〜2か月)
  4. 許可されれば新しい在留カードを受け取り、就労資格での勤務を始める

申請書の会社作成欄の書き方は在留資格変更許可申請書の書き方で扱っています。手数料は許可される在留期間に応じて決まり、2026年10月1日以降の受付分は、在留期間1年なら窓口33,000円・オンライン27,000円、3年なら窓口64,000円・オンライン56,000円です(9月30日までの受付分は窓口6,000円・オンライン5,500円)。

時期について注意したいのは、ワーホリの在留期限が迫ってから動くと選択肢が狭まることです。在留期限までに変更申請を出していれば、審査中に期限を過ぎても、処分がされる時か期限から2か月を経過する日のいずれか早い日までは在留できます(入管法20条6項の特例期間)。とはいえ、不許可になった場合には出国の準備期間がほとんど残りません。雇用を続けたいと考えた時点、目安として在留期限の3〜4か月前には、国内変更か帰国後COEかの方針を決めておくことをお勧めします。

国内変更が難しいときは帰国後のCOEルート

国内変更が認められない国籍、または認められるか不確かな場合の現実的なルートが、在留資格認定証明書(COE)による呼び寄せです。

ここでいうCOEとは、日本に入国しようとする外国人が就労資格などの要件に適合していることを、法務大臣があらかじめ証明する書面を指します。手続は次の順番になります。

  1. 会社が代理人として、管轄の地方出入国在留管理局にCOE交付申請をする(本人がワーホリで日本にいる間でも申請できます)
  2. COEが交付されたら、電子メール(電子COE)または書面で本人に送る
  3. 本人がワーホリの在留期限までに出国し、本国の日本大使館・総領事館でCOEを添えて査証を申請する
  4. 査証を受けて、COEの交付日から3か月以内に日本に入国する

1の申請を本人の滞在中に進めておけば、帰国から再入国までの空白を短くできます。ただし、COE交付の審査期間は案件によって1か月から3か月程度かかることがあり、ワーホリの在留期限内に交付されるとは限りません。交付前に在留期限が来た場合は、本人はいったん出国して交付を待つことになります。入国後の手続は在留資格認定証明書が交付されたら?で確認できます。

帰国後ルートを選ぶ場合は、雇用契約書の始期を再入国の見込み時期に合わせて設定しておく必要があります。ワーホリ期間中のアルバイト契約をそのまま正社員の契約に切り替える形にすると、就労資格を得る前に就労資格の業務を始めていると誤解されるおそれがあるため、契約は分けて作るほうが安全です。

ワーホリの延長はできるか

「ワーキングホリデー ビザ 延長 日本」という検索も多いので、ここで整理しておきます。外務省の案内では、日本での滞在期間は原則1年以内です。入国時に許可される在留期間は1年または6月で、6月で入国した人は、取決めで認められた期間の範囲内で国内の在留期間更新を受けて滞在を続けます。どの国籍が6月で入国し、何回まで更新できるかは取決めごとに異なり、国籍別の具体的な扱いは公表資料で確認できていません(公式資料では未確認)。英国は外務省の一覧でユース・モビリティ・スキームとして最長2年の滞在が認められています。

取決めで決まった期間を超えて、ワーホリのまま滞在を延ばすことはできません。就労を続けるには就労資格への切り替えが必要で、そこで前述の2つのルートの話に戻ります。

ワーホリで日本で働く人の税金と雇用保険

ワーホリの人を雇う間の税金と社会保険にも触れておきます。所得税は、本人が居住者か非居住者かで扱いが変わります。日本に住所がなく、1年以上居所を有しない人は非居住者に当たり、国内で受ける給与は原則として20.42%の税率で源泉徴収されます。滞在予定が1年以内のワーホリの人は非居住者と判断されることが多い一方、住所の有無は生活の実態で判断されるため、雇い入れの時点で滞在予定を確認して区分を決めます。

就労資格に切り替えて日本に住み続けることになった場合は、切り替えの時点から居住者として扱われる可能性が高く、年末調整の対象にもなります。区分の変わり目で源泉徴収の方法を切り替える必要があるので、給与担当者に早めに共有しておいてください。

雇用保険については、ワーホリの人は被保険者にならない扱いです(ハローワーク福岡中央「外国人の雇用に関するQ&A」令和4年7月)。一方、外国人雇用状況の届出は必要で、雇用保険の被保険者にならない人は様式第3号で、雇入れの翌月末日までにハローワークに届け出ます。就労資格に切り替えて雇用保険の被保険者になった段階で、資格取得届で届け出る扱いに変わります。届出の仕組みは外国人雇用状況の届出とは?で解説しています。

よくある質問

ワーキングホリデービザから就労ビザへの変更はできますか?

就労資格の要件(学歴・実務経験、業務内容、報酬)を満たしていれば可能性はあります。ただし、日本国内での在留資格変更が認められるかは国籍ごとの取決めで扱いが分かれるとされ、認められない場合は帰国してCOEで入り直すことになります。申請前に管轄の地方出入国在留管理局に確認してください。

ワーキングホリデービザと就労ビザの違いは何ですか?

ワーホリ(特定活動)は休暇を過ごすことが目的で、旅行資金を補う範囲で職種の制限なく働けます。就労ビザ(技人国など)は特定の専門的な業務に従事することが目的で、学歴・職歴と結びついた業務しかできない代わりに、更新を重ねて長く在留できます。

韓国のワーキングホリデーから就労ビザに切り替えることはできますか?

韓国を含め、国籍別に国内変更の可否を示した公表資料は確認できていません(公式資料では未確認)。韓国籍の人でも、技人国などの要件を満たすことが前提になる点は同じです。国内変更の受付可否を地方局に確認し、難しければCOEのルートを取ります。

ワーホリからの変更申請中も働けますか?

在留期限までに変更申請を出していれば、特例期間中は従前の在留資格(ワーホリ)の範囲で在留でき、ワーホリで認められた就労も続けられます。就労資格の業務は、変更許可を受けて新しい在留カードを受け取ってから始めます。

採用を決める前に会社が決めておくこと

ワーホリの人の切り替えで結果を左右するのは、国籍よりも、会社が用意する仕事の中身です。国内変更ができる国籍でも、接客や清掃の仕事のままでは技人国は許可されません。逆に、国内変更が難しい国籍でも、要件を満たす仕事と雇用条件が整っていれば、COEのルートで確実に呼び戻せます。

判断の順番は、第一に切り替え先の在留資格の要件に合う職務と報酬を決めること、第二に本人の学歴・職歴の証明書類がそろうかを確かめること、第三に国籍に応じて国内変更かCOEかを選ぶこと、です。ワーホリの在留期限から逆算すると、第三の判断は期限の3〜4か月前が一つの目安になります。個別の事情で判断が変わるため、国籍の扱いに不安がある場合は、申請前に専門家や地方局に相談してください。

関連するコラム

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。