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配偶者ビザの身元保証書の書き方|保証人は誰がなる?責任の範囲と記入例

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の身元保証書は、出入国在留管理庁の「各申請共通(永住許可申請は除く)」の様式を使い、日本に住む日本人配偶者が身元保証人になって書きます。出入国在留管理庁は、認定・変更・更新のどの申請でも「身元保証人には、日本に居住する配偶者(日本人)になっていただきます」と案内しています。保証する事項は「滞在費」「帰国旅費」「法令の遵守」の3つで、その責任は、入管庁のQ&Aで法的な強制力のない「いわば道義的責任」と説明されています。日本人配偶者に収入がなくても保証人は日本人配偶者のままで、生活費の裏付けは、身元保証書とは別の資料で示すことになります。

配偶者ビザの身元保証書とは

ここでいう身元保証書とは、外国人配偶者が日本で安定して暮らせるよう、必要に応じて経済的な支えや法令を守るための生活上の助言をすることを、身元保証人が法務大臣に約束する書面を指します。出入国在留管理庁の「出入国審査・在留審査Q&A」問53は、身元保証人を、外国人が日本で安定的・継続的に入国の目的を達成できるよう、必要に応じて経済的な保証や法令の遵守などの生活指導を行うことを法務大臣に約束する人と説明しています。

配偶者ビザでは、身元保証書は次のすべての申請で提出書類になっています。

  • 在留資格認定証明書交付申請(海外にいる配偶者を呼ぶとき)
  • 在留資格変更許可申請(日本にいる配偶者の在留資格を切り替えるとき)
  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格取得許可申請(日本で生まれた子などが在留資格を取るとき)

更新のたびに新しく書くものなので、住所や勤務先が変わっていれば、その時点の内容で作り直します。更新で求められる書類の全体像は配偶者ビザ更新の必要書類|住民税の証明書・身元保証書と審査で見られる点で扱っています。

身元保証書には、永住許可申請用と、それ以外の申請用の2種類があります。配偶者ビザで使うのは「各申請共通(永住許可申請は除く)」のほうで、保証事項が違います。永住許可申請用は、法令の遵守と公的義務の履行への支援を約束する内容です。配偶者ビザの人が後に永住を申請するときは、様式を取り違えないよう注意してください。

身元保証人は誰がなるか|原則は日本人配偶者

配偶者ビザの身元保証人は、日本に住む日本人配偶者です。出入国在留管理庁の「日本人の配偶者等」のページは、4種類の申請すべてで同じ注記を置いており、配偶者以外の人を保証人にする選択肢は案内していません。

これは、この在留資格が日本人との婚姻という身分関係に基づくもので、生活の基盤も夫婦の世帯にあるという考え方によるものです。滞在費と帰国旅費を保証し、法令を守るよう支えるのに最もふさわしいのは、同じ世帯で暮らす配偶者だということです。

日本人配偶者に収入がない場合

よくある質問が、日本人配偶者が無職、学生、専業主婦(夫)などで収入がない場合に、誰を保証人にすればよいかというものです。この場合も、身元保証人は日本人配偶者のままで構いません。

ここで重要なのは、身元保証書と生活費の立証が別の書類だという点です。出入国在留管理庁は、収入の資料として「申請人の滞在費用を支弁する方」の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書と納税証明書を求めています。支弁する方、つまり生活費を出す人は、日本人配偶者に限られていません。日本人配偶者に収入がない場合は、次のような資料で、夫婦の生活が成り立つことを示します。

  • 生活費を援助する親族(日本人配偶者の親など)の課税証明書・納税証明書
  • 預貯金通帳の写し(ウェブ通帳の画面は、加工できない状態で印刷したもの)
  • 日本の会社の雇用予定証明書や採用内定通知書(どちらかが就職予定の場合)
  • 外国人配偶者自身の収入の資料(更新で、申請人が自ら支弁する場合)

親族に生活費の援助を頼む場合、その親族に身元保証書を追加で書いてもらう例もあります。ただし、入管の案内上の保証人は日本人配偶者で、親族の身元保証書は任意の補強資料という位置づけです。筆者は、親族の身元保証書を増やすことより、援助の実態(仕送りの振込記録、同居なら住民票)と親族の課税証明書で、お金の流れを具体的に示すほうが審査では伝わりやすいと考えています。在留期間の更新で公租公課の納付がどう見られるかは在留期間更新の「相当の理由」とはで解説しています。

日本人配偶者が海外に住んでいる場合

夫婦がそろって海外に住んでいて、これから一緒に日本へ移る場合は、「日本に居住する配偶者」という案内の前提に当てはまりません。この場合の保証人の扱いは、出入国在留管理庁のページに記載がありません(公式資料では未確認)。考えられるのは、日本人配偶者が帰国後の住所・就職先の見込みを示したうえで保証人になる方法と、日本に住む親族に保証人を頼む方法です。どちらで出すかは、申請先の地方出入国在留管理局に事前に確認するのが確実です。

身元保証書の書き方と記入例

様式は出入国在留管理庁の「日本人の配偶者等」のページからPDFで入手できます(英語版もあります)。A4の用紙に印刷し、次の欄を埋めます。

欄 書き方 記入例
年月日 作成した日 2026年10月1日
宛先 印字済み(法務大臣殿) 記入不要
被保証人の国籍・地域 外国人配偶者の国籍 ベトナム
被保証人の氏名 旅券と同じつづり NGUYEN THI HOA
身元保証人の氏名 日本人配偶者が自筆で署名 福岡 太郎
住所 住民票どおり 福岡市南区〇〇1-2-3
電話番号 日中につながる番号 090-xxxx-xxxx
職業(勤務先名・電話番号) 勤務先と代表番号。無職なら「無職」 会社員(株式会社〇〇、092-xxx-xxxx)
国籍・地域 保証人の国籍 日本
在留資格・在留期間 保証人が外国人の場合のみ 日本人は空欄
被保証人との関係 保証人から見た続柄 夫(または妻)

記入で間違いやすいのは次の点です。

  • 被保証人の氏名:旅券のローマ字表記と一字一句そろえます。結婚後に姓が変わった場合は、旅券の表記に合わせます
  • 身元保証人の氏名:自筆の署名が必要です。押印欄はなく、印鑑は不要です
  • 住所:住民票・課税証明書と同じ表記にします。書類同士の住所の食い違いは、同居の実態を疑われるきっかけになります
  • 職業欄:無職や専業主婦(夫)であっても、事実どおりに書きます。収入がないことは、支弁者の資料で補えば足ります
  • 被保証人との関係:「配偶者」でもかまいませんが、「夫」「妻」と書くのが一般的です

年月日は、申請日に近い日付にします。書いてから数か月たった身元保証書を出すと、その間に住所や勤務先が変わっていないかを確認されることがあります。

身元保証人の責任の範囲|道義的責任にとどまる

身元保証書の3つの保証事項は、読み方によっては重く見えます。

  • 滞在費:外国人配偶者の日本での生活費
  • 帰国旅費:外国人配偶者が帰国するときの費用
  • 法令の遵守:外国人配偶者が日本の法令を守るよう配慮すること

この責任の性質について、出入国在留管理庁のQ&A問53は、保証事項について身元保証人に対する法的な強制力はなく、履行しない場合でも当局から約束を果たすよう指導するにとどまると説明しています。そのうえで、責任を果たさなかった人は、以後の入国・在留申請で身元保証人としての適格性を欠くとされるなど社会的な信用を失うことから、「いわば道義的責任を課すもの」としています。

整理すると、次のようになります。

  1. 外国人配偶者が借金を残したり税金を滞納したりしても、身元保証人が代わりに支払う法的な義務はない
  2. 入管から、保証した内容を果たすよう指導を受けることはありうる
  3. 責任を果たさなかった場合、以後の申請で身元保証人として認められにくくなる

民法の保証(446条)は、債権者との契約で他人の債務を代わりに払う義務を負うものです。入管の身元保証書は法務大臣への約束で、特定の債務を引き受けるものではありません。賃貸住宅の連帯保証人とも、雇用の際の身元保証とも別物です。

ただし、法的な責任が軽いことは、書類の中身を軽く扱ってよいという意味ではありません。筆者は、身元保証書も婚姻の実体を示す書類の一つとして読まれていると考えています。事実と異なる内容を書けば、虚偽の申請の問題になります。

離婚・別居したら身元保証はどうなるか

身元保証書は申請のたびに出すもので、一度書けば永久に続く契約ではありません。離婚した後に元の配偶者の身元保証人であり続ける義務はなく、次の申請では新しい身元保証人が必要になります。

離婚した外国人配偶者は、「日本人の配偶者等」の在留資格に当たらなくなり、14日以内に入管へ届け出る必要があります。その後も日本に残るには、定住者など別の在留資格への変更を検討することになります。離婚後の在留資格の扱いは配偶者ビザで離婚したらどうなる?14日以内の届出と6か月以内の変更の目安で整理しています。別居中の更新でも、日本人配偶者が身元保証書を書いてくれるかどうかは、夫婦関係が続いていることを示す材料の一つとして見られます。

よくある質問

身元保証書は配偶者でも書けますか?

書けます。配偶者ビザでは、むしろ日本に住む日本人配偶者が身元保証人になるのが原則です。出入国在留管理庁は、認定・変更・更新・取得のすべての申請で、日本人配偶者を身元保証人とするよう案内しています。

日本人配偶者の身元保証書は誰が作成するのですか?

身元保証人である日本人配偶者が作成し、氏名欄に自筆で署名します。記入の代行は可能ですが、署名は本人が行います。行政書士に申請を依頼する場合も、署名は日本人配偶者本人のものが必要です。

身元保証人に収入の条件はありますか?

出入国在留管理庁の案内に、身元保証人の収入の基準は書かれていません。生活費の裏付けは、滞在費用を支弁する人の課税証明書・納税証明書や預貯金の資料で別に示します。日本人配偶者に収入がなければ、援助する親族の資料や預貯金で補います。

身元保証人は1人でないといけませんか?

様式は1人分ですが、親族などに追加で身元保証書を書いてもらって提出することは妨げられていません。入管の案内上の保証人は日本人配偶者なので、追加の保証書は補強資料という扱いです。

身元保証書に印鑑は必要ですか?

不要です。現在の様式には押印欄がなく、自筆の署名で足ります。

身元保証書は「覚悟の表明」ではなく「世帯の説明」

配偶者ビザの身元保証書は、欄の数も少なく、10分もあれば書き終えます。それでも審査で意味を持つのは、書かれた内容がほかの書類と矛盾なくつながっているかどうかです。保証人の住所は住民票と、職業は課税証明書と、被保証人の氏名は旅券と一致していることが前提になります。

日本人配偶者に収入がない、夫婦が海外に住んでいる、といった事情がある場合も、保証人を別の人に替えることで解決しようとするより、世帯の生活費がどこから出ているかを資料で説明するほうが筋のよい対応です。個別の事情で判断が変わるため、支弁者や保証人の組み方に迷う場合は、申請前に専門家に相談してください。在留資格の審査で書類の整合性がなぜ重視されるかは最判平成14年10月17日と「活動の実体」でも解説しています。

根拠資料


在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。