【採択結果から分析】省力化投資補助金で不採択になった理由とは?次回公募で落とさないための修正点

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【本記事の取り扱いについて】
本記事は、2025年12月時点で公表されている情報および過去の傾向に基づく予測を含みます。実際の申請にあたっては、必ず今後中小企業庁等から発表される最新の公募要領をご確認ください。
【この記事の監修者】
行政書士 保利 一晶
丁寧なヒアリングと計画書の作成支援で関与した省力化補助金の採択率は100%(リベンジ申請含む)。
省力化投資補助金の第3回採択結果をどう読み解くべきか
2025年11月に公表された省力化投資補助金・第3回公募の採択結果では、全国の平均採択率は66.8%となりました。
この数字だけを見ると、「今回も採択されやすかった」と感じるかもしれません。しかし、第3回公募の特徴は、採択率ではなく申請数の急増にあります。
まずは、第1回から第3回までの申請数と採択数の推移を確認してみましょう。
省力化投資補助金 公募回別の申請数・採択数
| 公募回 | 申請数 | 採択数 | 採択率 | 公募回 |
| 第1回 | 1,809 | 1,240 | 約68.5% | 第1回 |
| 第2回 | 1,160 | 707 | 約60.9% | 第2回 |
| 第3回 | 2,775 | 1,854 | 66.8% | 第3回 |
第3回公募では、申請数が2,775件と、第2回公募(1,160件)の約2.4倍に急増しています。一方で、採択率は66.8%と、第1回公募とほぼ同水準を維持しています。
この数字が示しているのは、「不採択が増えた」という単純な話ではありません。
審査の場に持ち込まれる計画書の数が一気に増えたことで、審査はより相対評価に近づき、計画書の完成度によって明確に線が引かれるようになった、という事実です。
実際、売上規模や人手不足といった条件面では問題がなくても、計画書の構成や数値の整合性が弱い申請は、第3回公募で不採択となるケースが目立ちました。
つまり、第3回の採択結果は「この補助金が簡単か難しいか」を示すものではなく、どのような計画書が評価され、どこで不採択になるのかという基準が明確になった回だと言えます。
では、その「線」はどこに引かれているのでしょうか。次に、なぜ省力化投資補助金では不採択理由が教えてもらえないのかを整理します。
なぜ省力化投資補助金では不採択理由を教えてもらえないのか
省力化投資補助金では、不採択となった場合でも、事務局から具体的な不採択理由が個別に開示されることはありません。
これは第3回公募に限った話ではなく、制度上の前提です。 審査はあくまで提出された計画書の内容のみをもとに行われ、 「どこが悪かったのか」を教えてもらえる仕組みは用意されていないのです。
第3回公募では申請数が急増したことで、審査はより相対評価に近い形となり、
計画書同士を比較したうえで「より評価の高いもの」が選ばれました。
その結果、
- 現場の課題は伝わるが、数字の裏付けが弱い
- 省力化の効果が、収益にどうつながるか説明しきれていない
- 賃上げ要件と収益計画の整合性が取れていない
といった計画書は、明確な欠陥がなくても不採択となるケースが増えています。
重要なのは、不採択とは「大きなミスをした結果」ではなく、他の計画書と比べたときに評価が一歩届かなかった結果である場合が多い、という点です。
だからこそ、不採択通知を「今回は運が悪かった」で終わらせてしまうと、次回公募でも同じ構成・同じ論理の計画書を提出し、 同じ結果を繰り返す可能性が高くなります。
次に、こうした不採択計画書に共通して見られる最も典型的な原因について整理していきます。
省力化投資補助金で不採択になる計画書の決定的な特徴
第3回公募で不採択となった計画書を分析すると、
業種や規模に関係なく、共通して見られる特徴があります。
それは、「現場の大変さは書かれているが、数字で説明できていない」という点です。審査において、この差は想像以上に大きな意味を持ちます。
要因① 審査員は現場を見ない。数字が唯一の言語である
不採択となった計画書の多くに共通するのは、現場の忙しさや人手不足を情緒的に訴えてしまっている点です。
審査員は貴社の経営実態に詳しいわけではなく、提出された書類の論理構成のみで判断します。貴社の現場を実際に見に来ることはなく、判断材料は、提出された計画書のみです。
「人が足りなくて困っている」「作業が忙しく、残業が常態化している」「従業員の負担を減らしたい」という言葉は、審査においては情報の価値がゼロに等しいと考えてください。
これらは事実であっても、数字が伴わない限り、審査においては情報価値が極めて低いと判断されます。
審査員が知りたいのは感情ではなく、「どの工程に、どれだけの時間とコストがかかっており、 設備導入によって何がどれだけ改善され、最終的に収益や賃上げにどうつながるのか」という一点です。
そのため、採択される計画書では、現状から導入後までが算数レベルで一貫して説明されています。
採択されるためには、以下にあるような情報の定量化が必須です。
| 項目 | 不採択になる記述(抽象的) | 採択される記述(具体的・定量的) |
| 現状分析 | 梱包作業に多くの時間が取られ、残業が常態化している。 | 梱包工程に1日平均12時間を要し、月間40時間の超過勤務が発生している。 |
| 導入効果 | 自動梱包機の導入により、作業負担が大幅に軽減される。 | 1件あたりの作業時間を5分から2分に短縮し、月間60時間の余力を創出する。 |
| 時間の活用 | 空いた時間を営業活動に充て、売上アップを目指す。 | 創出した60時間を新規顧客への訪問(月15件増)に充て、受注額を15パーセント向上させる。 |
このように、現状の課題から導入後の効果、そして最終的な収益への繋がりを算数レベルで整合させる必要があります。
現状 → 改善 → 成果が数字で一本につながっていない計画書は、どれだけ現場の必要性が高くても、審査では評価されません。
第3回公募では、申請数が急増したことで、こうした「数字の弱さ」が、よりはっきりと不採択要因として表面化しました。
次に見ていくのは、 第4回公募以降で特に注意が必要となる賃上げ要件と収益計画の不整合についてです。
理由②:賃上げ要件と収益計画が噛み合っていない
省力化投資補助金では、最低賃金引上げ特例を満たす場合、通常1/2の補助率が2/3に引き上げられる仕組みが設けられています。第4回公募では、最低賃金引上げ特例の対象要件が見直され、最低賃金引上げの影響をより強く受ける中小企業へと対象が絞り込まれました。
- 【第3回公募まで】
- 2023年10月~2024年9月の間で、
3か月以上、地域別最低賃金 +50円以内 で雇用している従業員が
全従業員数の30%以上いる中小企業
- 【第4回公募】
- 2024年10月~2025年9月の間で、
3か月以上、地域別最低賃金 未満 で雇用している従業員が
全従業員数の30%以上いる中小企業
このように、第4回公募では最低賃金引上げ特例の対象が見直され、最低賃金引上げの影響をより強く受ける企業に対象が絞られています。
しかし、ここで多くの事業者が「収益計画との不整合」という罠に陥っています。
単に加点を得るために賃上げを約束しても、その支払原資となる利益がどこから生まれるのかが説明できていなければ、事業の継続性を疑われ、不採択に直結します。
省力化によって直接的に削減される労務費や、効率化によって生まれる付加価値が、賃上げ分を十分に上回っていることを示す必要があります。
審査員が見ているのは、「賃上げをする意思があるか」ではありません。賃上げを続けられるだけの収益構造になっているかどうかです。無理な計画は、審査員にはすぐに見抜かれます。
次章では、不採択となった計画書を次回公募で通る計画書へと組み替えるために、申請前に必ず確認すべき修正チェックポイントを整理します。
再挑戦で勝つ(採択される)ためのセルフチェック
省力化投資補助金で不採択となった場合、次回公募に向けて最も重要なのは、計画書を「部分修正」で済ませないことです。
第3回公募の結果を見る限り、採択・不採択を分けたのは、制度理解や要件の有無ではなく、 計画書全体の論理の精度でした。
不採択の通知を受けたらまずは次の3つを確認してみましょう。
作業工程の細分化
まず確認すべきは、
導入予定の設備やシステムが、どの作業を、どれだけ削減するのかです。
泥臭い数字を拾い上げ、審査をパスするための論理的な武器へと再構成する必要があります。
第3回の結果を失敗で終わらせるか、次回の採択へのステップにするかは、この分析の精度にかかっています。
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自力で不採択理由を特定できない場合の選択肢
省力化補助金の審査において、事務局は不採択の具体的な理由を個別に回答することはありません。そのため、多くの事業者が「何が悪かったのか」を把握できず、次回の公募でも同じミスを繰り返してしまうリスクを抱えています。
こうした場合、第三者の視点で計画書を一度分解し、評価軸に沿って再構成するという選択肢があります。
不採択からの逆転を目指す専用サービス「カチトル」とは
保利国際法務事務所が展開する「カチトル」は、こうした不採択通知を受けた事業者に対して、専門的な知見から計画書を徹底分析し、再申請での採択を勝ち取るための伴走型支援サービスです。

単なる文章修正や形式調整ではなく、審査の考え方を逆算したうえで、計画書全体を組み替えることを重視しています。
カチトルが提供する3つの核心的な支援
不採択となった計画書を単に手直しするのではなく、審査のメカニズムを逆算した抜本的な改善を行います。
- 不採択原因の精密な特定
自社では気づきにくい「論理の飛躍」や「数字の根拠不足」を、行政書士が第三者の視点で洗い出します。審査員が疑問を抱くポイントをあらかじめ潰すことで、計画書の信頼性を底上げします。 - 現場実態の「言語化」と「数値化」
経営者が頭の中で理解している現場の課題を、審査員に伝わる形式へ翻訳します。感覚的な表現を排除し、具体的な作業時間や削減コスト、それに伴う付加価値向上を算式レベルで再構築します。 - 賃上げと収益性の整合性チェック
賃上げの原資となる利益が省力化によってどう生み出されるのか、収益計画との整合性を厳格に精査します。
再申請だからこそ、計画書は「資産」になる
一度不採択となった計画書は、見方を変えれば審査の基準を知るためのヒントが詰まった資料でもあります。
闇雲に書き直すのではなく、 「どこで評価が伸びなかったのか」を正確に把握し、
論理を組み替えることができれば、 再申請は十分に現実的な選択肢となります。
まとめ|第3回の不採択を、次回採択への材料に変える
第3回公募の不採択は、必ずしも事業内容や投資そのものが否定された結果ではありません。
多くの場合、 数字の整合性、収益構造の説明、第三者視点の不足によって、評価が一歩届かなかっただけの可能性もあります。
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