中小企業省力化投資補助金とは?

新しく登場した「中小企業省力化投資補助金」。本制度には、自由度の高い「一般型」と、カタログ方選んで簡易的に申請できる「カタログ型」の2種類があります。
本記事では、それぞれの特徴や違い、どんな企業に向いているのかをわかりやすく解説します。
省力化投資補助金とは?
「省力化投資補助金」は、中小企業・小規模事業者が人手不足に対応するための省力化設備を導入する際に、国が補助金を支給する制度です。「カタログ注文型」「一般型」2つの類型で申請可能とっています。


カタログ注文型と一般型の違い
省力化投資補助金には「一般型」と「カタログ型」の2種類がありますが、大きな違いは「設備の選び方」と「審査の進み方」にあります。
一般型は、企業が自社の課題に合わせて自由に設備を選定できるのが特長です。たとえば、オーダーメイドの機械を導入したい場合や、複数の機器を一括で導入したい場合に適しています。
一方、カタログ型は、国があらかじめ認定した設備(カタログに掲載されているもの)の中から選んで申請する方式です。選択肢は限られますが、審査が簡易で申請から採択までのスピードが早いというメリットがあります。申請の手間も比較的少ないため、補助金申請が初めての企業や、スピード重視で設備を導入したい企業に向いています。
また、補助金の上限金額も異なります。一般型では最大1,000万円程度の補助が受けられる可能性があるのに対し、カタログ型は中小企業で最大150万円、小規模事業者で最大200万円程度となっており、補助の規模感にも違いがあります。
それぞれの型を詳しく解説していきます。
カタログ注文型とは?
カタログ注文型とは、国が事前に「省力化に資する設備」として認定した機器やシステムの中から、導入したいものを選んで申請する方式です。登録された設備は「カタログサイト(デジタルカタログ)」で検索・閲覧が可能で、そこに掲載されている機器のみが補助対象になります。
カテゴリやカタログ製品は日々更新されており、それぞれ検索することが可能です。

(カテゴリ・カタログ検索はこちらから)
補助金額と補助率
企業の規模や従業員数によって補助上限額が段階的に設定されています。最大1,500万円で補助率が1/2となっており、比較的簡易的に申請ができ、導入する設備費用の1/2(50%)が補助されるため、自己負担額が半分に抑えられるのが特徴です。

カタログ型の特徴
審査が簡易でスピード感がある
採択までの期間が短く、申請から導入まで2ヵ月程度と結果が早く出る傾向にあります。
随時募集でいつでも申請できる
一般的な補助金は公募期間が限られていますが、カタログ型は通年で随時申請が可能です。準備が整い次第、タイミングを逃さず申請できるのも大きな魅力です。
書類作成の負担が軽い
カタログの情報を活用できるため、補助金申請が初めての事業者でも取り組みやすいです。
一般型とは?
一般型は、自社の業務内容や課題に合わせて、自由に設備を選定できる補助金の申請方式です。オーダーメイドの機器や、自社のニーズに特化した構成で複数の設備を組み合わせて導入できるため、「汎用品では対応しきれない現場」や「他社と差別化した業務改善」を求める企業に適しています。
補助金額と補助率
企業の規模や従業員数によって補助上限額が段階的に設定されています。
補助金額は最大1億円と大規模なのが特徴です。
一般型の採択事例一覧
自由度の高い設備選定が可能な一般型では、多様な業種での導入実績があります。以下は実際の採択事例の一部です。
①オーダーメイド性の高い設備を導入することで、高い省力化効果が見込まれる事例
現場の課題に特化した専用設備やシステムを導入し、属人的な作業や手間を大幅に削減したケース。
- 製造業(溶接工程)
→ 3Dスキャナー付きロボットを導入し、熟練工の技術を再現。
→ 生産性向上と品質の安定化を実現。 - 自動車整備業(塗装工程)
→ クリーンな塗装ブース+赤外線乾燥システムを導入。
→ ゴミ取りや乾燥時間を短縮し、処理能力を強化。
② 一連の業務プロセスをすべて自動化することで、省力化効果が見込まれる事例
受付から業務処理、引き渡しまでの工程をシームレスに自動化し、業務効率を最大化したケース。
- 建設業(鉄筋加工)
→ CAD+QR+自動加工機を連携。
→ 人的ミスの削減と工期短縮を実現。 - 宿泊業
→ 予約・会計・顧客管理の一元管理システムを導入。
→ 接客の質向上とリピート増加に貢献。 - クリーニング業
→ 受付・引き渡しロボット+キャッシュレスレジ導入。
→ 24時間無人対応+集配強化で競争力をアップ。
③複数の汎用設備を組み合わせて導入することで、高い省力化効果が見込まれる事例
市販の設備を複数導入・連携し、全体の工程を効率化したケース。
- 小売業(青果加工)
→ 自動カッター+ラベラーを導入。
→ 加工業務を自動化し、商品開発に注力可能に。 - 飲食業
→ フライヤー+ドゥメイクマシン+ベーカリースキャン等を導入。
→ 調理の効率化+品質安定+人件費削減を実現。 - 運輸・郵便業
→ QR読取+自動仕分け設備を導入。
→ 作業時間短縮+スペース有効活用+売上増へ。
まとめ
省力化投資補助金には「カタログ型」と「一般型」の2つの申請方式があり、それぞれに明確な特徴があります。
カタログ型は、国が認定した設備から選んで申請するため、手続きが簡単で、審査スピードも早いのが特長です。特に初めて補助金に挑戦する企業や、スピード重視で設備導入を進めたい企業には非常に適しています。一方で、選べる設備が登録しているものに限られるため、まだ登録されていない設備には使えないというデメリットもあります。
一方、一般型は設備の選定に自由度があり、自社の課題に最適な機器を導入できる点が最大の魅力です。複数の設備を組み合わせた導入や、オーダーメイド性の高い機器にも対応でき、補助上限額も最大1億円と非常に大きなスケールで活用可能です。その分、事業計画の精度や書類の完成度が問われるため、準備には時間と専門的な知識が求められます。
どちらを選ぶにしても、「自社の現場課題にどうアプローチするか」「補助金を使ってどう改善につなげるか」という視点が不可欠です。
申請はプロにお任せください。
当事務所では、これまで数多くの補助金申請をサポートしており、
省力化投資補助金(一般型)第1回では採択率100%を達成しています。
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