IT導入補助金とは?

IT導入補助金は、2017年(平成29年)から始まり、例年公募が行われている人気の補助金です。この制度は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際にかかる費用の一部を補助することで、業務効率化や売上拡大を支援することを目的としています。ここでは、発表された概要を詳しく解説していきます。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開(登録)されているものとなります。また、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象に含まれます。
POINT
事前に登録されているツールから選んで申請
対象になる企業は?
対象は「中小企業・小規模事業者」(日本国内所在が条件)
2025年度のIT導入補助金は、日本国内に本社を持つ中小企業および小規模事業者が原則対象です。以下の要件を、資本金または従業員数のいずれか一方で満たしていればOKです。
個人事業主についても対象(従業員ゼロも可)ですが、開業から1年未満の新規開業者は申請対象外となるため注意が必要です。
●中小企業の定義
業種分類 | 資本金上限 | 従業員数上限 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア・情報処理業 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
その他サービス業(ソフト業・旅館を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
こんなケースは対象外に
「みなし大企業」に該当する場合
→ 大企業が50%を超える株式を保有している企業などは対象外 。
他の公的補助金と重複する場合
→ 同じ経費について重複申請できないケースあり。
申請枠別の補助率・補助額
申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠となっています。
通常枠
ITツールを導⼊して、業務効率化やDXを推進⽣産性向上に取り組む
対象経費
●ソフトウェア
ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)
●導⼊関連費(オプション)
機能拡張やデータ連携ツールの導⼊、セキュリティ対策実施に係る費⽤
●導⼊関連費(役務の提供)
導⼊・活⽤コンサルティング、導⼊設定・マニュアル作成・導⼊研修、保守サポートに係る費⽤
補助額
●ITツールの業務プロセスが
1〜3つまで︓5万円〜150万円
4つ以上︓150万円〜450万円
補助率
●中⼩企業︓1/2
●最低賃⾦近傍の事業者︓2/3
(3か⽉以上地域別最低賃⾦+50円以内で雇⽤している従業員が全従業員の30%以上であることを⽰した事業者)
インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス制度に対応した「会計」・「受発注」・「決済」の機能を有するソフトウェア、PC・ハードウェア等を導入し、インボイス制度への対応をサポート
対象経費

補助額
ITツール︓「会計」・「受発注」・「決済」のうち何機能以上を有するか
1機能 ︓50万円以下
2機能以上︓50万円~350万円以下
PC・タブレット等︓10万円以下
レジ・券売機等︓20万円以下
補助率
中小企業は3/4以内、小規模事業者は4/5以内
PC・ハードは1/2以内
インボイス枠(電⼦取引類型)
インボイス制度に対応した「受発注」の機能を有するソフトウェアを導入し、労働生産性の向上およびインボイス制度への対応をサポート
対象経費
受発注ソフト(クラウド利⽤料最⼤2年分)
=インボイス制度に対応した「受発注」の機能を有しているものであり、かつ取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入する者が、当該取引関係における受注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできる機能を有するクラウド型のソフトウェア。
補助金額
350万円以下
補助率
中⼩企業・⼩規模事業者等が申請する場合:2/3以内
⼤企業等が申請する場合:1/2以内
セキュリティ対策推進枠
サイバー攻撃の増加に伴う潜在的なリスクに対処するため、サイバーインシデントに関する様々なリスク低減策をサポート
対象経費
ITツールの導⼊費⽤(サービス利⽤料の最⼤2年分)
補助額
5万円〜150万円以下
補助率
中⼩企業が申請する場合: 1/2以内
⼩規模事業者が申請する場合︓2/3以内
他にも 複数社連携 IT導⼊枠 があります。
IT導入補助金の基本的な流れ
IT導入補助金の申請には、事前準備から導入・実績報告まで、いくつかのステップがあります。初めて申請する方でも安心して取り組めるよう、全体の流れを整理しました。

Step1:IT導入支援事業者を選ぶ(※最初の重要ポイント)
補助金の申請は、登録された「IT導入支援事業者」経由でしか行えません。
まずは、自社に合った支援事業者(ITベンダー・コンサルなど)を探し、補助金対象となるITツールの選定・相談を行います。
Step2:GビズIDの取得(無料)
補助金申請には、Gビズプライムアカウントが必要です。(エントリーアカウントではなくプライムアカウントが必要です)
これは法人・個人事業主向けの政府共通認証IDで、マイナンバーカードがあれば即日取得が可能です。
Step3:SECURITY ACTIONの宣言
セキュリティ対策を行っている企業であることを示すため、「SECURITY ACTION(★一つ星)」の宣言が必要です。オンラインで数分程度で完了します。※当事務所にてサポートいたします
Step4:申請書類の作成と提出(支援事業者と連携)
支援事業者と相談しながら、事業計画書やITツールの見積書などを作成し、オンライン上で申請します。申請締切日は回ごとに設定されているため、早めにスケジュールを確認しておきましょう。
※当事務所にてサポートいたします
Step5:交付決定通知を待つ
申請が完了すると、事務局による審査が行われます。
無事採択された場合、「交付決定通知」が届きます。この通知前に契約・発注してしまうと補助対象外になるため注意!

Step6:ITツールの導入・運用開始
交付決定後に、ITツールの契約・導入作業に着手します。
事業の実施中も、支援事業者と連携しながら進めることで、補助対象要件から外れるリスクを防げます。
Step7:実績報告・補助金請求
導入が完了したら、導入の実績を報告(成果物の提出など)し、補助金の交付申請を行います。
実績報告が認められれば、補助金が交付されます(後払いです)。
※当事務所にてサポートいたします
Step7:補助金額の確認・承認・入金
ITツールの導入と実績報告が完了したら、いよいよ補助金の受け取りに向けた最終ステップに入ります。
この段階では、実際に交付される補助金額の確定(=精算確認)と承認手続き、入金処理が行われます。
まとめ
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のIT化・業務効率化を強力にサポートする制度です。
導入費用の一部を補助してもらえるだけでなく、申請要件や補助率の優遇も拡大しており、活用できるチャンスが広がっています。
「申請してみたいけど、どう進めたらいいかわからない…」
「自社のITツールを補助対象として登録したい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
当事務所では、IT導入補助金の申請支援からツール登録、実績報告まで、トータルでご対応可能です。
ご状況に合わせたサポートプランをご提案いたしますので、まずはお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡をお待ちしております。