在留申請オンラインシステムは、出入国在留管理庁が運営する、在留資格の認定・変更・更新などの申請をインターネットで行う仕組みで、企業の職員が使うには「利用申出」をして地方出入国在留管理官署の承認を受ける必要があります。承認までの期間は出入国在留管理庁のQ&Aで「1週間から2週間程度」とされ、承認の有効期間は承認日から3年間、継続して使うには有効期限の1か月前までに定期報告を出します。永住許可申請と在留カードに関する手続はこのシステムではできません。2026年10月1日以降の申請からは、オンライン申請の手数料がコンビニ決済・銀行決済での納付に変わります。
在留申請オンラインシステムとは
ここでいう在留申請オンラインシステムとは、これまで地方出入国在留管理官署の窓口に出向いて紙で提出していた在留関係の申請を、パソコン上で入力・提出できるシステムを指します。申請の受付は24時間可能で、審査結果はメールで通知され、新しい在留カードは郵送でも受け取れます。
オンラインで申請できる手続は、出入国在留管理庁の資料(2026年1月5日時点)で次の7種類です。
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格取得許可申請
- 就労資格証明書交付申請
- 2〜4と同時に行う再入国許可申請
- 2〜4と同時に行う資格外活動許可申請
「外交」「短期滞在」「特定活動(出国準備期間)」の在留資格を持つ人や、これらへの変更を希望する人は対象外です。永住許可申請と在留カードに関する手続(住居地以外の記載事項の変更、有効期間の更新、紛失時の再交付など)もこのシステムではできません。
「在留申請オンラインシステム及び電子届出システム」と並べて呼ばれることがありますが、両者は別のシステムです。所属機関等に関する届出、特定技能の定期届出・随時届出、中長期在留者の受入れに関する届出などは「出入国在留管理庁電子届出システム」で行います。申請はオンライン申請システム、届出は電子届出システム、と分けて覚えておくと混乱しません。
誰が使えるか|7つの利用者区分
出入国在留管理庁は、利用者を次の7つに区分しています。
- 所属機関の職員(技能実習の団体監理型では監理団体の職員。実習実施者の職員は対象外)
- 弁護士または行政書士
- 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
- 登録支援機関の職員
- 外国人本人
- 法定代理人
- 親族(配偶者、子、父または母)
ここでいう所属機関とは、外国人を受け入れている、または受け入れようとする日本の公私の機関(企業、学校、監理団体など)を指します。所属機関の職員は、申請等取次者としての承認を受けているか、その承認要件を満たしている必要があります。公益法人と登録支援機関の職員は、所属機関から依頼を受けていることが前提です。
外国人本人が使う場合は、中長期在留者であって15歳以上であることが条件で、マイナンバーカードを使ってマイナポータル経由で利用申出を行います。本人の利用申出は数分で完了しますが、企業の職員が使う場合は書類審査を経た承認が必要で、手続の重さがまったく違います。
企業が使うまでの流れ|3つのステップ
所属機関の職員が在留申請オンラインシステムを使い始めるまでの手続は、次の3段階です。
STEP1 利用者登録
システムの画面でメールアドレスを登録すると、24時間以内に登録画面のURLが届きます。利用者区分で「所属機関の職員」を選んで登録を完了すると、「利用者ID」が記載されたメールが届きます。入管からのメールは「@rasens-immi.moj.go.jp」のドメインから送られるため、社内のメールフィルタで受信できるよう設定しておいてください。
STEP2 利用申出(承認申請)
次に、システムの利用を申し出て承認を受けます。提出方法はオンライン、郵送、窓口のいずれかで、提出先は機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署です。福岡市内の企業であれば福岡出入国在留管理局が提出先になります。九州の他県の企業は、所在地を管轄する官署(出張所を含む)がどこかを出入国在留管理庁の管轄一覧で確認してください。
新規の利用申出に必要な書類は、出入国在留管理庁の案内で次のとおりです。
- 在留申請オンラインシステム利用申出書
- 利用申出人(職員)の本人確認資料の写し
- 申請等取次者証明書の写し、または申請取次に関する研修の修了証書
- 利用申出人の在職証明書
- 誓約書
- 所属機関のカテゴリーを立証する資料(該当する機関のみ)
承認の要件として、出入国在留管理庁は次の点を挙げています。
- 利用申出人が申請等取次者証明書を持っているか、承認要件を満たしていること
- 所属機関が申請等取次者の要件を満たしていること
- 対象となる機関が、外国人の受入れの開始・終了に関する届出や、ハローワークへの外国人雇用状況の届出を提出していること
- 誓約書を提出していること
- カテゴリー3の機関がカテゴリー2と同様の資料の提出を希望する場合は、経営の安定性を立証すること
この中で見落とされやすいのが、外国人雇用状況の届出です。ハローワークへの届出が漏れていると承認されないため、利用申出の前に自社の届出状況を確認しておいてください。届出の仕組みは外国人雇用状況の届出とは?ハローワークへの届出が入管の在留審査でどう使われるかで解説しています。
承認までの期間について、出入国在留管理庁のQ&Aは「1週間から2週間程度」としています。福岡局管内に限った目安は公表されていませんが、書類に不備があれば補正のやり取りでその分延びます。更新申請の時期から逆算して、少なくとも1か月の余裕をもって利用申出を出すことをお勧めします。
STEP3 在留申請
承認を受けたら、システムにログインして申請内容を入力し、顔写真と添付資料をアップロードして提出します。添付資料はPDF形式で、弁護士・行政書士向けの案内では最大20ファイル、合計25MB以下、解像度は200dpi相当以上が推奨とされています。容量を超える場合は「資料添付に係る申告書(参考様式9)」と一緒に25MB分を添付し、入管から追完依頼のメールが届いた後に残りを提出する方法が案内されています。
特定技能のように申請人数が多い機関のために、エクセル形式のテンプレートで複数人をまとめて入力する一括申請の機能もあります。
申請等取次者の承認との関係
企業の職員がオンライン申請を使う前提になっているのが、申請等取次制度です。申請等取次者とは、外国人本人に代わって入管に申請書類を提出することを地方出入国在留管理局長から承認された人を指します。所属機関の職員が承認を受けるには、出入国在留管理庁が指定する研修を受けるなどの要件があります。
オンライン申請の利用申出では、申請等取次者証明書を持っていなくても、承認要件を満たしていれば申出ができます。ただし、要件を満たしているかの判断には研修の修了証書などが必要になるため、社内に取次の経験者がいない会社は、研修の受講から始めることになります。申請取次の仕組みと、行政書士に依頼する場合との違いは【2026年法改正】在留資格の申請は行政書士に依頼すべき?申請取次とは何かで扱っています。
有効期間3年と定期報告|承認は放っておくと切れる
利用申出の承認の有効期間は、承認日から3年間です(出入国在留管理庁Q&A)。有効期間が満了した後も続けて使うには、定期報告を出さなければなりません。
出入国在留管理庁の案内では、有効期限の2か月前にメールで知らせが届き、有効期限の1か月前までに定期報告を行うよう求められています。定期報告は法人単位で、所属機関の利用者のうち1名が提出すれば足ります。提出書類は、必要書類チェックシート、定期報告書、利用者リストなどです。期限までに受付が完了しないと、有効期間の満了をもってシステムにログインできなくなります。
利用者が退職したときは、「離職報告書」を管轄の官署に郵送または持参で提出する必要があります。担当者の異動や退職が多い会社は、利用者を複数名登録しておき、社内の誰が利用者で、有効期限がいつなのかを一覧にして管理しておくと、更新申請の直前にログインできないという事態を避けられます。
使う前に知っておきたい制限
在留期限の最終日は申請できない
出入国在留管理庁は、在留期限の最終日(在留期間満了日の当日)には在留申請オンラインシステムで申請できないと明記しています。当日に申請する必要がある場合は、管轄の地方出入国在留管理官署の窓口に出向くことになります。オンライン申請は24時間受け付けているからといって、満了日の直前まで待つのは危険です。申請期限の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?申請期限と標準処理期間を参考にしてください。
申請人が海外にいるときは使えない
在留資格の変更・更新などは、申請人が日本にいることが前提です。出入国在留管理庁のQ&Aでも、海外からの申請はできないとされています。一時帰国中の社員の更新申請は、帰国後に行う必要があります。
2026年10月1日からの手数料と納付方法
2026年10月1日以降にオンラインで申請する分から、手数料の額と納付方法が変わります。出入国在留管理庁の案内によれば、オンライン申請の手数料は許可される在留期間に応じて1万円から6万5,000円まで7段階に分かれ、別に330円または550円の決済手数料がかかります。たとえば在留期間1年の許可では手数料2万7,000円と決済手数料330円、5年以上では6万5,000円と550円です。
納付方法はコンビニ決済または銀行決済に変わり、クレジットカード、QRコード決済、収入印紙は使えません。窓口での申請は引き続き収入印紙で納付します。手数料改定の全体像と、会社が負担する場合の考え方は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?で解説しています。
在留カードの受け取り
変更・更新が許可されると、新しい在留カードは郵送で受け取るか、地方出入国在留管理官署の窓口で受け取るかを選べます。郵送を選んだ場合は、旧カードの返送など所定の手続が必要になります。在留資格認定証明書は電子メールで受け取ることもでき、海外にいる本人にメールで転送して査証申請に使う運用が広がっています。
よくある質問
在留申請オンラインシステムを利用するには、どのような書類が必要ですか?
企業の職員が使う場合は、利用申出書、本人確認資料の写し、申請等取次者証明書の写しまたは研修の修了証書、在職証明書、誓約書が必要で、カテゴリーの立証が必要な機関はその資料も加えます。提出先は機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署です。外国人本人が使う場合は、マイナンバーカードがあればマイナポータル経由で利用申出ができます。
在留申請オンラインシステムはスマホでできますか?
外国人本人の利用申出では、マイナンバーカードとマイナポータルアプリを使うため、スマートフォンが必要になります。一方、申請内容の入力や資料の添付は、出入国在留管理庁が操作マニュアルでパソコンでの利用を想定しているため、パソコンで行うのが現実的です。
在留申請オンラインシステムで永住許可申請はできますか?
できません。出入国在留管理庁のQ&Aは、永住許可申請と在留カードに係る手続はこのシステムでは行えないとしています。永住許可申請は、従来どおり地方出入国在留管理官署の窓口に申請書類を提出します。
在留申請オンラインシステムの審査期間は?
審査期間そのものは、窓口申請とオンライン申請で扱いが分かれているわけではなく、申請の種類ごとの標準処理期間が目安になります。オンライン申請の利点は、入管に出向く時間と待ち時間がなくなること、申請の状況をシステム上で確認できることにあります。
在留申請オンラインシステムの有効期間は?
利用申出の承認の有効期間は、承認された日から3年間です。継続して使うには、有効期限の1か月前までに定期報告を提出します。弁護士・行政書士の利用者IDは、届出済証明書の有効期限までが有効期間とされています。
自社で使うか、専門家に任せるかの判断軸
在留申請オンラインシステムは、外国人社員が数名の会社にとっては、利用申出と定期報告の手間が申請の手間を上回ることがあります。研修の受講、利用申出、3年ごとの定期報告、担当者の退職時の離職報告と、承認を維持するための事務が継続的に発生するからです。
判断の軸は、年間の申請件数と、社内に担当者を置き続けられるかの2点です。特定技能の受入れなどで年に何十件も更新がある会社は、自社で承認を受けて一括申請の機能を使うほうが効率的です。年に数件の会社は、申請取次の届出をした行政書士に任せるか、外国人本人が自分でオンライン申請をするのを会社が資料の準備で支える形のほうが、負担が軽くなります。
どちらを選ぶ場合でも、ハローワークへの外国人雇用状況の届出と、入管への所属機関の届出を期限内に出していることが、オンライン申請を使う前提になります。ログインできないときの原因別の対処は公式案内をご確認くださいで、届出を電子届出システムで出す手順は所属機関に関する届出をオンラインで出す方法|電子届出システムの手順と転職時の出し方で取り上げます。
根拠資料
- 在留申請のオンライン手続(出入国在留管理庁)
- 所属機関等の職員の方の手続の流れ(出入国在留管理庁)
- 弁護士・行政書士の方の手続の流れ(出入国在留管理庁)
- オンラインで申請可能な申請種別及び在留資格(出入国在留管理庁・2026年1月5日時点)
- オンラインによる申請手続に関するQ&A(出入国在留管理庁)
- 定期報告について(出入国在留管理庁)
- オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について(2026年10月1日以降の申請分)(出入国在留管理庁)
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