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永住許可申請書の記入例|経歴・滞在年数・扶養家族欄の書き方

永住許可申請書は、入管法施行規則の別記第34号様式で、「その1」と「その2」の2枚からなり、出入国在留管理庁のウェブサイトからPDFとExcelで入手でき、公式の記載例も公開されています。書き方で注意が必要なのは、16番の経歴欄と「今回入国後の滞在年数」、13番の犯罪歴、17番の年収、18番の在日親族の4つです。いずれも住民票・課税証明書・出入国記録などの添付資料や入管が持つ記録と照らし合わせられる欄で、数字や人数が食い違うと、その理由を確かめるために審査が止まります。

永住許可申請書の様式と入手先

様式は出入国在留管理庁の「永住許可申請」のページに、PDF版とExcel版が掲載されています。記載例(PDF)も同じページから入手できます。記載例では「NYUKAN JAMES」という架空の米国人が、日本人の配偶者等の在留資格から申請する設定で全欄が埋められており、本記事の記入例もこの公式記載例に沿って説明します。

申請書は2枚とも申請人本人が作成します。Excel版に入力して印刷してもかまいませんが、その2の末尾にある署名と申請書作成年月日は申請人(法定代理人による申請の場合は法定代理人)が自署します。作成後、申請までに内容が変わった場合は、変更箇所を申請人が訂正して署名するよう様式に注記があります。

申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で、福岡県に住む人なら福岡出入国在留管理局です。在留申請オンラインシステムは永住許可申請に対応していないため、窓口に出します。手数料は許可時に収入印紙で納め、2026年9月30日までに受け付けた申請は10,000円、2026年10月1日以降に受け付けた申請は200,000円です。改定の詳細は【2026年10月確定】在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?で解説しています。

その1の記入例|1番から12番の基本情報

1番から12番は、旅券と在留カードを見ながら書き写す欄です。公式記載例の記入内容を整理すると次のとおりです。

項番 欄 公式記載例の記入 注意点
1 国籍・地域 米国 在留カードの表記に合わせる
3 氏名 NYUKAN JAMES 有効な旅券の身分事項ページのとおりに書く(様式の注記)
5 出生地 米国○○州 都市名まで書くのが一般的
7 職業 会社員 経営者は「会社役員」など実態に合わせる
8 本国における居住地 米国○○州 本国に住所がなければ最後の住所
11 現に有する在留資格 日本人の配偶者等/在留期間5年 最長の在留期間を持っているかが審査される
12 在留カード番号 AB○○○○○○○○CD 12桁を正確に

11番の在留期間には注意が必要です。2026年6月14日以降に交付された新様式の在留カードは、券面に「在留期間(3年・5年など)」が記載されず、ICチップにのみ記録されています。公式記載例の欄外注記も、在留期間は「在留カード等読取アプリケーション」で確認でき、アプリを使えず自分の在留期間が分からない場合は「不明」と記載するよう案内しています。永住許可に関するガイドラインは、現に有する在留資格で最長の在留期間を持っていることを求めているため(2027年3月31日までは在留期間3年でも可とする経過措置あり)、ここは推測で書かずに確認してから記入してください。

13番から15番|犯罪歴・申請理由・異なる身分事項での出入国

13番は「犯罪を理由とする処分を受けたことの有無(日本国外におけるものを含む。)」です。有の場合、記載例の欄外注記は「罪名及び処分内容等を具体的に記載」するよう求めています。罰金刑や執行猶予付きの判決は、刑の執行が終わっていても「有」に当たります。

迷いやすいのが交通違反です。反則金を納めて終わる違反(交通反則通告制度)は刑事処分に当たらないため、欄の文言だけを見れば含まれないと読めます。ただ、永住の審査では素行善良要件の判断材料として運転記録証明書などで違反歴を見られることがあり、筆者は、罰金刑になった違反(酒気帯び運転や大幅な速度超過など)は必ず「有」として記載し、反則金のみの違反が多い人は理由書で状況を説明しておくことを勧めています。ここで「無」と書いて記録と食い違うと、違反そのものより虚偽の申告として重く評価されるおそれがあるからです。

14番の「永住許可を申請する理由」は、記載例では「(例)今後も日本で生活するため。」の一文です。就労資格や家族滞在などから申請する人は別に理由書を出すため、この欄は短くてかまいません。理由書の書き方は永住申請の理由書の書き方と例文|必要な人・不要な人と就労・定住者別に書く内容で扱います。

15番は、1番から3番と異なる国籍・氏名・生年月日で出入国したことがあるかを問う欄です。婚姻による改姓や、旅券の氏名表記の変更(ミドルネームの有無など)で出入国記録の身分事項が今と違う人は「有」を選び、その時の氏名などを書きます。

16番の経歴と「今回入国後の滞在年数」の書き方

様式の16番は「経歴(今回の入国後の学歴・職歴,本欄で記入できない場合は別紙に記載)」です。この欄の右下に「今回入国後の滞在年数」と「婚姻年月日」の記入欄があります。

経歴欄は「今回の入国後」を空白なく書く

公式記載例の経歴は次のとおりです。

  • 2010年4月 ○○大学入学
  • 2014年3月 ○○大学卒業
  • 2014年4月 株式会社△△入社
  • 2017年9月 株式会社△△退社
  • 2017年10月 ××株式会社入社

書くのは今回の入国後の学歴と職歴で、本国での経歴は書きません。転職の間に無職期間があれば、その期間も「○年○月 株式会社△△退社」「○年○月 ××株式会社入社」の間隔として読み取れるように書きます。日本語学校、専門学校、アルバイトのみの期間、育児による離職なども省かないのが原則です。在職証明書や課税証明書、在留期間更新の際に出した資料と照らし合わせたときに、空白や矛盾が見つからない状態にしておくことが目的です。

書ききれないときは別紙に

経歴欄は左右で10行程度しかありません。転職が多い人や、留学から就職まで細かく書く必要がある人は、欄に「別紙のとおり」と書き、A4の用紙に「年」「月」「経歴」の3列で同じ形式の一覧を作って添付します。別紙の上部には申請人の氏名と生年月日を入れ、申請書と別紙が分かれても誰の書類か分かるようにしておきます。

今回入国後の滞在年数は「今の在留が始まった入国」から数える

公式記載例では、2010年4月に大学に入学した人の滞在年数が「15年」と記入されています。2010年の入国から記載例作成時点までの年数を、1回の入国として数えていることになります。

ここでいう「今回入国」とは、現在の在留が始まった入国を指すと筆者は理解しています。再入国許可やみなし再入国許可で一時帰国し、同じ在留資格のまま戻ってきた場合は在留が継続しているため、その再入国から数え直す必要はありません。反対に、再入国許可を受けずに出国して在留資格を失い、改めて在留資格認定証明書などで入国した人は、その新しい入国の日から数えます。一時帰国と在留資格の関係は再入国許可とみなし再入国許可の違いで解説しています。

1年未満の端数を切り捨てるか、「9年6か月」のように書くかは、様式にも記載例にも示されていません(公式資料では未確認)。筆者は、満年数を記入し、10年要件の境目にいる人は理由書で入国年月日を明記して、年数の根拠を審査官が確かめられるようにしておくことを勧めています。

出国歴は申請書に書く欄がない

申請書には、出国の回数や日数を書く欄はありません。出入国の記録は入管が持っており、審査ではそちらが参照されます。そのため、滞在年数の欄に実態と合わない数字を書いても隠せるものはなく、かえって疑義を招きます。長期の出国や出国の多い年がある人は、出国の理由(本国の親の介護、会社命令の出張など)と日本での生活の本拠が維持されていたことを理由書で説明するのが実務的です。出国日数について出入国在留管理庁は基準を公表しておらず、個別の事情で判断が変わる点は付け加えておきます。

婚姻年月日

既婚者は婚姻年月日を書きます。記載例では2015年4月1日です。日本人の配偶者等から申請する人は、戸籍謄本の婚姻の日と一致させてください。本国で先に婚姻した国際結婚では、本国の婚姻証明書の日付と日本の戸籍への報告的届出の日付が異なることがあり、書くのは婚姻が成立した日です。

その2の記入例|生計維持者・在日親族・身元保証人

17番 主たる生計維持者と年収

(1)で申請人との関係にチェックを入れ、(2)に勤務先の名称・支店名・所在地・電話番号、(3)に年収を書きます。記載例では本人が生計維持者です。専業主婦(主夫)の配偶者が申請する場合などは、働いている配偶者にチェックを入れ、その人の勤務先と年収を書きます。

年収は、筆者は提出する直近年度の課税証明書(住民税の課税・非課税証明書)の給与収入の額にそろえることを勧めています。申請書の年収と課税証明書の数字が離れていると、その差の説明を求められます。今年から昇給した場合は、申請書には課税証明書の額を書き、見込みの年収は在職証明書や理由書で補う、という分担にすると矛盾が生じません。

18番 在日親族及び同居者

日本にいる父・母・配偶者・子・兄弟姉妹・祖父母・叔父・叔母などと、同居者を書きます。親族でない同居者(ルームメイトなど)も対象である点は見落とされがちです。記載例では、日本人の妻(在留カード番号欄は「なし」)と、米国籍の長男(在留カード番号を記入)の2人が書かれています。

住民票と照らし合わせられる欄なので、世帯全員の住民票に載っている人が漏れていないかを必ず確認してください。欄が足りなければ別紙に続けます。扶養家族の人数は独立生計要件の判断にも関わるため、本国に住む扶養親族(税の扶養控除の対象にしている親など)がいる場合は、この欄には書かずに理由書や課税証明書の扶養人数で説明することになります。

19番 在日身元保証人

身元保証人の氏名、国籍、住所、電話番号、職業、申請人との関係を書きます。記載例では日本人の妻が身元保証人です。関係の選択肢には「雇用主」もあり、配偶者がいない就労資格の人は勤務先の社長や上司に頼むことが多くなります。出入国在留管理庁は、身元保証人には通常、日本人、永住者または特別永住者になってもらうとしています。身元保証人の署名する身元保証書は別の様式で、申請書の19番とは氏名・住所の表記をそろえておきます。

20番の代理人と署名欄・取次者欄

20番は、申請人が16歳未満の場合などに法定代理人(親権者など)が申請するときだけ記入します。申請取次行政書士に依頼する場合は、末尾の取次者欄に行政書士の氏名・住所・所属などを行政書士側で記入します。

添付書類と食い違うと疑義になる欄

ここまでの注意点を、照合される資料ごとに整理します。

申請書の欄 照合される資料・記録 食い違いの例
11 在留期間 在留カードのICチップ、入管の許可記録 在留期間3年なのに5年と書く
13 犯罪歴 入管が照会できる記録、運転記録 罰金刑があるのに「無」
16 経歴・滞在年数 在職証明書、過去の申請書、出入国記録 転職の空白期間を書かない、年数の数え誤り
17 年収 課税証明書 見込み年収を書いて課税額と合わない
18 在日親族 世帯全員の住民票 同居者の書き漏れ

過去の在留期間更新や在留資格変更の申請書に書いた経歴と、今回の経歴が違っていると、どちらが正しいのかを確かめる必要が生じます。更新のたびに出した申請書の控えが手元にあれば、それを見ながら書くのが確実です。

よくある質問

婚姻年月日は永住許可申請書に記入するのですか?

既婚者は記入します。16番の経歴欄の右下に「婚姻年月日」の欄があり、公式記載例でも記入されています。日本人の配偶者等から申請する人は戸籍謄本の婚姻の日、国際結婚で本国の手続が先の人は婚姻が成立した日を書き、添付する婚姻証明書と日付を一致させてください。

永住許可申請書はどこでもらえますか?

出入国在留管理庁のウェブサイトの「永住許可申請」のページからPDF版とExcel版をダウンロードできます。地方出入国在留管理官署の窓口でも入手できます。様式は申請人の在留資格にかかわらず共通の別記第34号様式です。

永住許可申請書のExcel版はどこでダウンロードできますか?

同じ「永住許可申請」のページに、PDF版と並んでExcel版(.xls)が掲載されています。入力して印刷する場合も、署名と申請書作成年月日は申請人が手書きで記入します。

永住許可申請にはどんな書類が必要ですか?

申請書のほか、写真、住民票、在職証明書、住民税の課税・納税証明書、年金と医療保険の納付資料、身元保証書、了解書などが必要で、年数は在留資格によって異なります。在留資格別の一覧と取得先は永住申請の必要書類一覧|就労ビザ・配偶者ビザ別の提出書類と取得先で整理しています。

申請書は「説明のいらない書類」を目指して書く

永住許可申請書そのものは2枚だけで、書く内容の大半は旅券と在留カードの転記です。それでも書き方に神経を使うのは、この2枚が、提出する数十枚の添付資料と入管が持つ過去の記録を束ねる「目次」の役割を果たしているからです。目次と本文が食い違えば、審査官はその理由を確かめずには先に進めません。

書き始める前に、住民票、課税証明書、在職証明書、過去の申請書の控え、在留カード(読取アプリの表示)を手元にそろえ、その数字を申請書に写す順番で作業すると、食い違いの大半は防げます。滞在年数が10年の境目にある人、出国の多い年がある人、交通違反の記録がある人は、申請書の欄だけで説明しようとせず、理由書で補う前提で準備してください。永住許可の要件と2026年10月以降の運用の変化は【2026年10月改定】永住許可の要件厳格化で何が変わる?で解説しています。

根拠資料


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