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技能実習計画の認定申請|必要書類・審査期間と認定通知書の使い方

技能実習計画とは、実習実施者(受入れ企業)が技能実習生ごとに作る、何を・どの期間で・どの水準まで修得させるかを定めた計画で、外国人技能実習機構の認定を受けなければ技能実習生を受け入れられません。団体監理型では、監理団体の指導を受けて作成し、機構の地方事務所・支所の認定課に申請します。1号の申請は実習開始予定日の6か月前から可能で、原則として4か月前までに出す必要があり、手数料は計画1件につき3,900円です(技能実習制度運用要領、令和8年4月版)。2027年4月1日の育成就労制度の施行に伴い、施行日以降は新たな認定申請ができなくなるため、機構は1号の計画認定申請を2027年2月までに行うよう求めています。

技能実習計画とは|受け入れる前に機構の認定を受ける計画

技能実習法8条1項は、技能実習を行わせようとする者(実習実施者)が、技能実習生ごとに技能実習計画を作成し、その計画が適当である旨の認定を受けることができると定めています。認定の事務は、法律上は出入国在留管理庁長官と厚生労働大臣の権限ですが、実際の審査は外国人技能実習機構が行います。

計画を作るのは、技能実習生を雇用する実習実施者です。ただし団体監理型の場合、実習実施者は監理団体の指導を受けて計画を作成しなければなりません(法8条4項)。監理団体の側で指導にあたるのが「技能実習計画作成指導者」で、運用要領は、監理団体の役職員(常勤・非常勤は問わない)であって、取扱職種について5年以上の実務経験を持つ人か、旧制度で取扱職種の計画作成経験を持つ人であることを求めています。監理団体と雇用契約のない外部の人を作成指導者にして指導させると、名義貸し(法38条)に当たるおそれがあります。

計画は技能実習の段階ごとに作ります。1号(1年目)、2号(2・3年目)、3号(4・5年目)のそれぞれで新しい計画を作り、それぞれ認定を受けます。同じ人を5年間受け入れる場合でも、認定申請は3回行うことになります。

審査基準|技能実習法9条の11項目

機構は、申請された計画が法9条の各号にすべて適合するかを審査します。条文の骨格は次のとおりです。

号 審査される内容
1号 修得させる技能が、技能実習生の本国で修得困難なものであること
2号 目標と内容が、段階ごとの省令の基準に合っていること(移行対象職種・作業の必須業務など)
3号 期間が1号は1年以内、2号・3号は2年以内であること
4号 2号・3号の場合、前の段階の計画で定めた技能検定等の合格目標を達成していること
5号 修了までに技能検定・技能実習評価試験などで評価を行うこと
6号 実習を行わせる体制と事業所の設備が基準に合っていること
7号 事業所ごとに技能実習責任者が選任されていること
8号 団体監理型の場合、計画作成を指導した監理団体の実習監理を受けること(3号は一般監理団体に限る)
9号 報酬が日本人と同等額以上であることなど、待遇が基準に合っていること
10号 3号の場合、実習実施者が優良な基準に適合していること
11号 受け入れる人数が、省令の人数枠を超えないこと

このほかに、法10条の欠格事由(労働関係法令の違反で罰金刑を受けてから5年を経過していない場合など)に当たらないことも求められます。実務で差し戻しや追加資料の原因になりやすいのは、2号(業務の内容が必須業務・関連業務・周辺業務の時間配分を満たしているか)、9号(報酬の比較対象となる日本人の賃金の説明)、11号(常勤職員数に応じた人数枠)です。

介護職種には、日本語能力(1号入国時N4相当、2号移行時N3相当)や、技能実習指導員のうち1名以上を介護福祉士等とすること、技能実習生5名につき1名以上の指導員の選任など、上乗せの基準があります。監理団体側の計画作成指導者にも、介護職種では介護福祉士等の資格と実務経験を求める上乗せがあります(詳細は介護職種の告示と機構の案内で確認してください(公式資料では未確認))。

申請時期|1号は4か月前、2号は3か月前まで

運用要領が示す申請時期は、段階ごとに次のとおりです。

段階 申請できる時期 申請の期限(原則)
1号 開始予定日の6か月前から 開始予定日の4か月前まで
2号 開始予定日の6か月前から 開始予定日の3か月前まで(技能検定等の合否判明後)
3号 開始予定日の6か月前から 開始予定日の4か月前まで(2号修了後すぐに3号を始める場合は2号修了予定の3か月前まで)

1号の4か月前という期限は、機構の審査と、その後の在留資格認定証明書の交付申請・査証の手続にかかる時間を見込んだものです。運用要領も、4か月前を過ぎてからの申請は開始が予定日より遅れる可能性があるとしています。

2号・3号の申請は、前の段階の技能検定等の合否が判明し、書類がそろってから行います。2号に進むための基礎級の受検申込みは1号修了の6か月前までに、受検は1号修了の2〜3か月前に行うことが推奨されています。3か月前を過ぎても受検日程が決まらない場合など、やむを得ない事情があるときは、事前に機構に相談します。在留期間の満了日の3か月前を過ぎてからの申請は、在留期限までに変更許可を受けられない可能性がある点にも注意が必要です。

審査期間の目安

機構は、計画の認定について標準処理期間を公表していません(公式資料では未確認)。筆者は、1号の「4か月前まで」という期限が、機構の審査に1〜2か月、在留資格認定証明書の審査と査証の手続に残りの期間を充てる設計だと読んでいます。書類の不備があると追加の照会で審査が止まるため、期限ぎりぎりの申請は避けるのが実務の鉄則です。

必要書類|提出書類一覧・確認表に沿ってそろえる

機構は、企業単独型用、団体監理型用、介護職種用の「提出書類一覧・確認表」を公表しており、申請はこの確認表の順に書類をそろえて行います。主な書類は次のとおりです。

  • 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)
  • 申請者の概要書、申請者の誓約書
  • 技能実習生の履歴書、送出国の推薦状(二国間取決めのある国の場合など)
  • 雇用契約書および雇用条件書(技能実習生が理解できる言語との併記)
  • 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の履歴書と就任承諾書
  • 訓練実施表(入国後講習と実習の内容・時間配分)
  • 技能実習生の報酬・宿泊施設・徴収費用についての説明書
  • 登記事項証明書、決算書類など申請者の事業の状況を示す資料
  • 手数料の払込みを証する書類

認定の手数料は計画1件につき3,900円で、機構の口座に振り込んで納付します(規則9条)。納付した手数料は、不認定になっても返還されません。申請は機構の地方事務所・支所の認定課に郵送または持参で行い、郵送の場合は機構に到着した日が申請日になります。

初めて技能実習生を受け入れる実習実施者は、認定を受けて技能実習を開始した後、遅滞なく実習実施者届出書(省令様式第7号)を出す必要があります。届出を忘れると、次回以降の計画認定申請の審査で確認に時間がかかり、開始予定日までに認定を受けられないことがあります。届出受理書に書かれた受理番号は、以後の申請で使うので保管しておきます。

福岡・九州の申請先

申請先は、申請者(法人は本店)の住所地を担当する機構の地方事務所・支所です。九州では、福岡事務所が福岡・佐賀・長崎・大分・沖縄を、熊本支所が熊本・宮崎・鹿児島を担当しています。福岡事務所の所在地と手続の注意点は外国人技能実習機構 福岡事務所の場所・管轄と申請手続きの注意点|熊本支所との分担で扱っています。認定を受けた後の在留資格認定証明書の申請は、別に福岡出入国在留管理局などの地方出入国在留管理官署に行います。

認定通知書の使い方|入管の申請に添付する

審査の結果、認定が決まると機構から技能実習計画認定通知書(別記様式第2号)が交付されます。不認定の場合も通知書が交付されます。認定通知書が使われる場面は、次の3つです。

  1. 1号で海外から呼ぶ場合:認定通知書を添付して、地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行う。交付後、本人が現地の日本大使館・総領事館で査証を申請する
  2. 1号から2号、2号から3号に進む場合:各段階の認定通知書を添付して、在留資格変更許可申請を行う
  3. 計画の内容を変える場合:認定を受けた計画の変更には、軽微な変更の届出と変更認定の申請がある。どちらに当たるかは公式案内をご確認くださいで整理している

注意したいのは、認定通知書どおりの在留期間が入管で必ず付与されるとは限らない点です。運用要領は、地方出入国在留管理局での在留期間の決定には必要に応じて調整が行われ、認定通知書どおりの期間が付与されるとは限らないとしています。また、在留資格認定証明書の審査は入管が独自に行うため、計画の認定を受けても、証明書が交付されないことはあり得ます。証明書が交付された後の流れは在留資格認定証明書が交付されたら?入国までの流れと企業の手続きで説明しています。

2025年3月以降、対象国から中長期で入国する人には入国前結核スクリーニングが順次導入されており、対象国の技能実習生の在留資格認定証明書交付申請には、結核を発病していないことの証明が必要になります。送出国がどこかによって、準備する書類が変わります。

2027年4月の育成就労施行と申請の期限

育成就労制度は2027年4月1日に施行され、施行日以降は技能実習計画の新たな認定申請ができなくなります。経過措置の要点は次のとおりです(厚生労働省資料、技能実習機構リーフレット2026年2月)。

  • 1号:2027年3月31日までに認定申請を行い、2027年6月30日までに実習を開始する必要がある。機構は1号の認定申請を2027年2月までに行うよう求めている
  • 施行日前に認定と在留資格認定証明書の交付を受けた人は、2027年6月30日までに入国する
  • 施行日以降も、1号から2号、2号から3号への移行は可能
  • 3号に移行できるのは、施行日の時点で2号を1年以上行っている人

1号の「開始予定日の4か月前まで」という原則と、2027年6月30日という開始の期限を重ねると、機構が2027年2月を目安に挙げている理由が分かります。2026年9月時点で技能実習生の新規受入れを考えている会社にとって、残された申請の機会は多くありません。これから新しく外国人を受け入れる計画であれば、育成就労計画の施行日前申請(2026年9月1日受付開始)と比べて判断することになります。技能実習と特定技能の違いは技能実習と特定技能の違いとは?、育成就労の全体像は【2027年4月施行】育成就労制度とは?を参照してください。

よくある質問

技能実習計画は誰が作成するのですか?

実習実施者(技能実習生を雇用する会社)が作成します。団体監理型では、監理団体の技能実習計画作成指導者から指導を受けて作ることが法律上の条件です。監理団体が実習実施者の名前で計画を作り、実習実施者は押印するだけ、という運用は、計画と現場の実態がずれる原因になります。

技能実習計画の認定申請書はどこへ提出するのですか?

申請者の住所地(法人は本店所在地)を担当する外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課です。郵送か窓口への持参で提出し、郵送の場合は到着日が申請日になります。本部事務所の審査課は監理団体の許可申請の窓口で、計画認定の窓口ではありません。

技能実習計画の認定手数料はいくらですか?

計画1件につき3,900円です。技能実習生1人ごとに計画を作るため、3人受け入れるなら3件分の11,700円になります。機構の口座への振込みで納付し、不認定でも返還されません。

技能実習計画の審査期間はどのくらいですか?

機構は標準処理期間を公表していません。運用要領が1号の申請期限を開始予定日の4か月前としているのは、機構の審査とその後の入管・査証の手続にかかる期間を見込んだためで、この期限を守ることが実質的な目安になります。個別の事情で審査期間は変わるため、書類の不備を減らすことが最も確実な短縮策です。

認定を受けた後、計画どおりに実習できなくなったらどうなりますか?

実習の継続が困難になった場合は、技能実習実施困難時届出を機構に出し、技能実習生が継続を希望するなら転籍先の確保に向けた措置を講じる必要があります。認定を受けた計画と実際の実習が大きく異なる場合は、認定の取消し(法16条)の対象になり得ます。転籍が認められる事情は、運用要領の「転籍を認め得るやむを得ない事情」に列挙されています。

計画は「申請書類」である前に、3年間の約束である

技能実習計画は、機構の認定を受けるための書類として扱われがちです。しかし計画に書いた業務の時間配分、指導員の配置、報酬の額は、認定後の実地検査や監理団体の監査で、実際の運用と照合されます。計画と実態のずれは、認定取消しの事由にも、技能実習生の転籍を認める「やむを得ない事情」にもなります。

筆者は、計画を作る段階で、現場の責任者に訓練実施表を読んでもらうことを勧めています。書類を作る監理団体と、実習を行う現場の間で内容が共有されていなければ、どれだけ整った計画でも守られないからです。2027年2月という申請の目安が近づくなか、急いで出す計画ほど、この確認を省かないことが結果として審査を早く通す近道になります。

根拠資料