育成就労の監理支援機関の許可申請は、制度が始まる2027年4月1日より前から「施行日前申請」として受け付けられています。受付期間は2026年4月15日から2027年3月31日までで、外国人技能実習機構は、施行日から監理支援事業を始めたい場合は2026年9月30日までに申請するよう求めてきました。申請先は全国どこの団体でも機構本部審査課分室(東京都港区)の1か所で、地方事務所では受け付けません。
受付は2026年4月15日(水)に始まっています(機構「監理支援機関の許可申請手続【施行日前申請用】」)。この記事では、機構の提出書類一覧・確認表(2026年5月27日版)をもとに、申請書類の要点、9月30日の目安を過ぎた場合の考え方、申請後に内容が変わったときの手続を整理します。監理支援機関の許可要件そのものは育成就労の監理支援機関とは?監理団体との違いと許可要件・手数料で解説しています。
施行日前申請の日程|受付期間・目安日・変更申出の期限
機構の案内から、判断に必要な日付を並べると次のとおりです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月15日 | 監理支援機関の施行日前申請の受付開始 |
| 2026年9月30日 | 施行日以降早期に監理支援事業を行いたい場合の申請の目安。技能実習の監理団体の新規許可申請の目安日も同じ |
| 2026年12月28日 | 施行日前申請の後に申請内容が変わった場合の変更申出書の機構必着日 |
| 2027年3月31日 | 施行日前申請の受付終了 |
| 2027年4月1日 | 育成就労法の施行。許可証は2027年4月以降に郵送(8月31日までの申請の一部は3月着の場合あり) |
ここで重要なのは、機構が「監理支援事業を開始する6か月以上前までに」申請するよう求めていることです。9月30日という日付は、2027年4月1日から逆算した6か月の区切りです。機構は、9月30日までに申請しても2027年4月1日の許可を確約するものではない、とも明記しています。
9月30日を過ぎたらどうなるか
9月30日を過ぎても、2027年3月31日までは施行日前申請ができます。ただし、事業開始の6か月以上前という目安からすると、10月以降の申請は、許可が施行日に間に合わない可能性を織り込む必要があります。
監理支援機関の許可が出るまでは、その団体は育成就労の監理支援を行えません。傘下の企業が育成就労計画の認定を受けるには監理支援機関が決まっている必要があるため、許可の遅れは企業側の受入れ時期にも響きます。育成就労計画の施行日前申請の日程は育成就労計画の認定申請|記載事項・作成指導者の要件と施行日前申請の時期で扱っています。
技能実習の監理団体の新規許可を考えていた団体への案内も出ています。機構は、技能実習制度に基づく監理団体の新規許可申請は2026年9月30日までに行うよう求め、10月1日以後の申請は技能実習法の終了(2027年3月31日)までに審査を終えられず、許可できない可能性が高いとしています。そのうえで、監理団体の許可を受けても育成就労外国人は受け入れられないため、10月以後に検討する団体は監理支援機関の許可申請を検討するよう案内しています。
申請の方法|提出先・郵送方法・申請単位
施行日前申請の方法は、機構のリーフレットで次のように定められています。
- 提出先:外国人技能実習機構本部審査課分室(〒108-0022 東京都港区海岸三丁目2番12号 安田芝浦第2ビル5階)。本部の住所とは違う
- 提出方法:書留やレターパックプラス(赤)など、対面で手渡され受領印か署名があり、信書を送れる方式で郵送
- 部数:申請書(正本1通)と添付書類(正本1通)。片面印刷で、ホッチキスやクリップで綴じず、付箋の見出しも付けない
- 申請単位:許可証は監理支援事業所ごとに交付されるが、事業所が複数あっても申請を分ける必要はない
申請書は機構のホームページのExcel様式に入力して印刷したものを出します。別記様式第15号(監理支援機関許可申請書)には記載例の動画が用意されています。申請が受理されると申請受理票が送られ、結果も郵送で通知されます。そのため、長形3号の返信用封筒(110円切手)と、結果通知用のレターパック(赤)または530円分の切手を貼った角形2号封筒を同封します。
手数料は1事業所で合計106,600円
費用は、国に納める申請手数料10,600円、機構に払う調査手数料81,000円、登録免許税15,000円の3種類で、監理支援事業所が1か所なら合計106,600円です。事業所が2か所以上あるときは、申請手数料が1か所増えるごとに4,400円、調査手数料が57,600円加算されます。調査手数料は機構から払込票を取り寄せて払い込み、施行日前申請用の「調査手数料払込申告書」「登録免許税納付申告書」(機構様式)に納付の証明を付けて出します。監理団体用の口座に誤って振り込まないよう、機構は注意を呼びかけています。
必要書類|提出書類一覧・確認表の要点
機構の「監理支援機関許可申請に係る提出書類一覧・確認表」(2026年5月27日版)には、①から㊵までの番号が付いた書類と、条件付きの追加書類が並んでいます。確認表そのものを一式の一番上に綴じ、番号順に並べて出すことが求められています。
書類の性格で分けると、次の6つのまとまりになります。
| まとまり | 主な書類 |
|---|---|
| 申請書・計画 | 許可申請書(別記様式第15号)、監理支援事業計画書(別記様式第16号、事業所ごと)と同別紙 |
| 法人の基礎 | 申請者の概要書、会員・組合員等一覧表、登記事項証明書、定款、組織体系図、誓約書(21項目) |
| 財務 | 直近2事業年度の貸借対照表・損益計算書、法人税の確定申告書(別表1)、納税証明書(その2)、預金通帳の写し、運営経費の支出が分かる書類 |
| 事業所 | 建物の不動産登記事項証明書、賃貸借契約書、建物と事業所の平面図、写真、育成就労実施場所までの移動時間が分かる書類 |
| 人 | 役職員の業務体制、役員の住民票・履歴書、監理支援責任者の就任承諾書・住民票・講習受講証明書・常勤性の資料、外部監査人の就任承諾書・講習受講証明書、育成就労計画作成指導者の履歴書、通訳人の確保が分かる書類 |
| 規程・送出し | 個人情報適正管理規程、業務運営規程(監理支援費表を含む)、認定送出機関リストの写し、送出機関との取次契約書、入国前講習の委託契約書 |
以下、準備に時間がかかる書類と、確認表の留意事項で注意が促されている点を取り上げます。
定款に「育成就労の監理支援事業」を明記する
定款または寄附行為の事業内容に、育成就労制度の監理支援事業を行う団体であることが明記されている必要があります。技能実習の監理事業だけが書かれた定款のままでは足りません。事業協同組合の場合、定款の変更には総会の議決と行政庁の認可が必要です(中小企業等協同組合法51条)。確認表も、定款変更の手続は設立に関係する各省庁などに確認するよう求めています。団体の外の手続を待つ書類なので、筆者は最初に着手すべき書類だと考えています。
財務書類と運営経費の支出実績
直近の事業年度で債務超過だった場合は、申請時に直近の月次試算表を付けるなどして、債務超過が解消されていることを示す必要があります。預金通帳の写しは、団体名・口座番号・金融機関名が分かるページと直近3か月分の取引のページを、黒塗りなしで出します。通帳から事業所の水道光熱費・賃料や役職員の給料・社会保険料の支出が確認できない場合は、直近3か月分の領収書などで支出実績を示します。
事業所の図面と写真
事業所関係の書類は、確認表の中で最も細かく指定されています。平面図には建物入口から事業所入口までの動線、面談スペース、家具とドアの配置を書き込み、写真の撮影方向を矢印と番号で示します。写真は建物の全景、動線に沿った各所、看板や郵便受け、事業所内部の全景(2方向から)、施錠した個人情報の保管場所、覗かれない構造の面談スペースなどが求められています。
事業所から育成就労実施場所まで業務時間内に日帰りで往復できることが明らかでない場合は、乗換案内アプリの検索結果などで移動時間を示します。離島などで日帰りの対応ができない場合は、役職員が着くまでの一時的な避難先を示す必要があり、その県や隣接県に事業所がなければ保護体制が不十分と判断されることがあるとされています。
人に関する書類|講習は「申請時点で過去3年以内」
監理支援責任者と外部監査人の講習受講証明書は、申請時点で過去3年以内に受講したものが必要です。経過措置として、育成就労法の施行前に受講した技能実習制度の監理責任者等講習の受講証明書も有効とされています。監理支援責任者は申請時点で常勤の人を選任する必要があり、社会保険の加入を示す書類と、賃金台帳・出勤簿の写しで常勤性を示します。
育成就労計画作成指導者の履歴書は、監理支援機関が扱う業務区分のすべてについて出します。技能実習計画の作成指導の経験は、申請時点で直近3年以内のものを、監理団体名・職種・年月・会社名・件数とともに書きます。補助者として手伝った程度の経験は含まれません。
外部監査人の氏名(法人なら法人名)は機構のホームページで公表されるため、就任承諾の時点で公表への同意を得ておく必要があります。
送出機関との契約は育成就労用に結び直す
送出機関は、機構ホームページの外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)に載っていることが前提です。一覧を印刷し、該当する送出機関の番号に丸を付けて出します。二国間取決めの協議中の国は、暫定送出機関リストで代えます。
送出機関との取次契約書は、日本語版と現地語か英語版の両方が必要で、送出管理費の支払いに使う双方の法人名義口座を記載し、育成就労外国人やその親族の財産を管理せず違約金契約を結ばないことを確認する旨(育成就労法施行規則67条5号)を書き込みます。技能実習の送出しの契約をそのまま出すことはできず、原則として育成就労用の契約を新たに結ぶ必要があります。違約金を受け取ることや、監理支援費以外の手数料を受け取る定めは育成就労法違反で、許可の取消しなどの対象になると確認表は注記しています。
業務運営規程と監理支援費表は許可後に公開する
業務運営規程には監理支援費表を必ず付け、監理支援費は育成就労外国人1人当たりの1年間の金額で書きます。講習費として送出機関に払う費用は、取次契約書の金額と一致させなければなりません。規程と監理支援費表は、許可後にインターネットで公開する必要があります。受入れ企業にとっては、この公開された監理支援費表が監理支援機関を比べる材料になります。
分野別の上乗せ基準と委任状
介護、工業製品製造業、自動車整備、物流倉庫、漁業の各分野は、分野所管大臣が告示で監理支援機関の許可基準に上乗せの基準を定めています。これらの分野の監理支援を行う場合は、確認表とは別の追加書類が必要です。
申請書の提出や許可証の受領を他人に任せる場合は委任状を付けます。確認表は、2026年1月1日施行の改正行政書士法により、行政書士または行政書士法人でない者が他人の依頼を受け報酬を得て官公署に出す書類を作ることはできない、と注意を添えています。監理団体の許可を受けている法人は、全監理事業所の監理団体許可証と許可条件通知書の写しも出します。
申請後に内容が変わったとき|12月28日までに変更申出
施行日前申請の後に、役員、監理支援責任者、事業所、送出機関などの記載事項が変わった場合は、「監理支援機関許可申請書記載事項等の変更申出書(施行日前申請用)」と添付書類を、速やかに機構本部審査課分室に郵送します。育成就労計画作成指導者は申請書の記載事項ではありませんが、変わった場合は同じく申出が必要です。
2026年12月28日(機構必着)までに申出がなければ、変更前の内容で審査されます。変更前の内容で許可を受けた場合は、施行日以降かつ許可を受けた日から1か月以内に、変更届出(許可証の書換えを含む)を行うことになります。
機構は、申請後の変更申出が集中すると審査全体に影響が出るおそれがあるとして、変更を予定している事項は変更を済ませてから申請するよう求めています。役員改選や事務所移転が控えている団体は、その後に申請するほうが、結果として許可が早くなる場合があると筆者はみています。
許可の基準は、申請から許可までの間だけでなく許可後も満たし続ける必要があり、基準を満たさなくなったことが実地検査で分かれば許可が取り消されることがあります。常勤役職員数の基準のように、監理支援する企業や外国人の数が増えると満たせなくなる基準は、許可後の運営計画の中で管理する必要があります。
よくある質問
監理支援機関の申請費用はいくらですか?
監理支援事業所が1か所の場合、申請手数料10,600円、調査手数料81,000円、登録免許税15,000円の合計106,600円です。事業所が1か所増えるごとに、申請手数料4,400円と調査手数料57,600円が加わります。書類作成を行政書士に依頼する場合は、その報酬が別にかかります。
育成就労の監理支援機関の申請はいつからできますか?
施行日前申請として2026年4月15日から受け付けています。受付期間は2027年3月31日までです。施行日から事業を始めたい場合の目安は2026年9月30日で、事業開始の6か月以上前の申請が求められています。
監理支援機関の許可申請先はどこですか?
外国人技能実習機構本部審査課分室(東京都港区海岸3-2-12 安田芝浦第2ビル5階)です。所在地にかかわらず全国の申請をここで受け付け、地方事務所では受け付けません。書留やレターパックプラスなど、対面で受け取りが確認できる方法で郵送します。
監理団体の許可があれば監理支援機関の申請は不要ですか?
必要です。技能実習の監理団体の許可を受けていても、育成就労の監理支援機関にはなりません。新たに監理支援機関の許可を受ける必要があり、送出機関との契約や定款の事業目的も育成就労用に整える必要があります。
優良な監理支援機関の認定も同時に申請できますか?
できません。優良な監理支援機関の認定は、施行後の一定期間の業務の実施状況に基づいて評価するため、施行日前申請と施行直後の申請は受け付けないとされています。
申請を控えた監理団体が今週決めること
監理支援機関の施行日前申請は、9月30日という目安日を境に、許可が施行日に間に合うかどうかの見通しが変わる手続です。この日を過ぎた団体、あるいは書類が整わない団体にとって現実的なのは、不備のない書類を一度で出すことです。機構は、不備があれば追加提出と再確認の時間がかかると繰り返し注意しています。
準備の順番として筆者が勧めるのは、定款の変更と送出機関との育成就労用契約の締結を最初に始め、並行して講習の受講状況と監理支援責任者の常勤性を確認し、最後に図面・写真と財務書類をそろえる流れです。前の二つは団体の外の相手の手続を待つ必要があり、時間の読めない書類だからです。傘下の企業には、許可の見通しと育成就労計画の申請時期を早めに共有してください。制度全体の準備は【2027年4月施行】育成就労制度とは?技能実習からの移行で企業がやるべき準備で、転籍への備えは育成就労の転籍とは?で扱っています。
根拠資料
- 監理支援機関の許可申請手続【施行日前申請用】リーフレット(外国人技能実習機構・PDF)
- 監理支援機関許可申請に係る提出書類一覧・確認表(外国人技能実習機構、2026年5月27日・PDF)
- 監理支援機関許可申請書記載事項等の変更【施行日前申請】(外国人技能実習機構・PDF)
- 技能実習制度に基づく監理団体の新規許可の申請は令和8年9月30日までに(外国人技能実習機構・PDF)
- 育成就労制度に係る施行日前申請(出入国在留管理庁)
- 育成就労制度 運用要領 第5章 監理支援機関の許可等(出入国在留管理庁)
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