配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の更新に必要な書類は、在留期間更新許可申請書、写真、日本人配偶者の戸籍謄本、住民税の課税証明書と納税証明書、日本人配偶者の身元保証書、世帯全員の記載がある住民票の6点で、窓口でパスポートと在留カードを提示します。書類の数は初回の申請より少ないものの、審査で見られるのは、夫婦が一緒に暮らしているか、生活を維持できる収入があり税金を納めているか、という2点です。住民税の証明書と住民票は、まさにこの2点を確かめるための書類です。
配偶者ビザ更新の必要書類一覧
出入国在留管理庁が「日本人の配偶者等」(外国人の方が日本人の配偶者である場合)の在留期間更新許可申請について示している提出書類は、次のとおりです(2026年9月29日確認)。
| No. | 書類 | 取得先・注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 在留期間更新許可申請書 | 出入国在留管理庁のサイトからT様式をダウンロード |
| 2 | 写真(縦4cm×横3cm) | 申請前6か月以内に撮影した無帽・無背景のもの |
| 3 | 日本人配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書) | 本籍地の市区町村。申請人との婚姻の記載があるもの |
| 4 | 住民税の課税(または非課税)証明書と納税証明書 | 1月1日時点の住所地の市区町村。滞在費用を支弁する人の直近1年分 |
| 5 | 日本人配偶者の身元保証書 | 出入国在留管理庁の様式。身元保証人は日本に住む日本人配偶者 |
| 6 | 世帯全員の記載がある住民票の写し | 住所地の市区町村。マイナンバーは省略、他の事項は省略しない |
このほか、申請時にパスポートと在留カードを提示します。日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のものを提出します。
初回に在留資格の変更や認定証明書の申請をしたときに求められた、結婚証明書、質問書、夫婦のスナップ写真などは、更新では原則として求められません。初回の申請の書類は配偶者ビザの必要書類一覧|海外から呼ぶ場合と国内で変更する場合の違いで扱っています。ただし、出入国在留管理庁は審査の過程で記載外の資料を求めることがあると明記しており、夫婦の状況によっては追加の提出を求められます。
写真の要件は2026年6月14日に変わりました。この日以降に交付される在留カードから、写真が不要なのは在留カードの交付の日に1歳未満の人に限られます。配偶者本人の写真は以前から必要ですが、子どもの更新を同時にする場合は子どもの写真も用意してください。
住民税の課税証明書・納税証明書で見られること
住民税の証明書は、滞在費用を支弁する人、つまり家計を主に支えている人のものを提出します。日本人配偶者が主に家計を支えていれば日本人配偶者の証明書を、外国人配偶者本人が自分で生計を立てていれば本人の証明書を出します。出入国在留管理庁は、1年間の総所得と納税状況の両方が記載されている証明書であれば、どちらか一方でよいとしています。
課税証明書で審査されるのは、夫婦の生活を維持できる収入があるかどうかです。入管法やガイドラインに年収の基準額は書かれていません。出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(最終改正2026年6月)は、更新の考慮要素として「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」を挙げ、これは「世帯単位で認められれば足ります」としたうえで、仮に公共の負担となっている場合でも、在留を認めるべき人道上の理由があればその理由を十分勘案して判断するとしています。夫婦のどちらかに収入があれば、世帯として判断されるということです。収入が少ないことだけで直ちに不許可になるわけではありませんが、世帯の人数に対して収入が少ないと、次に述べる補足資料で生活が成り立っていることを説明する必要が出てきます。
納税証明書で審査されるのは、住民税を期限どおりに納めているかです。同じガイドラインは「納税義務等を履行していること」を考慮要素に挙げ、履行していない場合には消極的な要素として評価されるとしています。刑を受けていなくても、高額の未納や長期間の未納で悪質なものは同様に扱われ、国民健康保険料の未納も対象です。会社員で住民税が給与から天引きされていれば未納は生じにくい一方、退職後に普通徴収に切り替わった期間や、自営業の期間に未納が残っていることがあります。更新の前に市区町村で納付状況を確認し、未納があれば申請前に納めておいてください。ただし、納付の時期は市区町村の記録に残り、審査で確認されることもあるため、次の更新まで同じことを繰り返さないことが大切です。
証明書の年度にも注意が必要です。住民税の課税証明書は、その年の1月1日に住んでいた市区町村が、前年1年間の所得について発行します。新しい年度の証明書は、多くの市区町村で6月頃から発行されます。4月・5月に申請する場合は前年度の証明書になり、年度が切り替わった後に申請する場合は新年度の証明書を出すことになります。1月1日の時点で日本に住んでいなかった場合や、転居して前の住所地でしか発行されない場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署に確認するよう案内されています。
身元保証書の書き方と責任の範囲
身元保証書は、出入国在留管理庁の様式(「各申請共通(永住許可申請は除く)」)を使います。身元保証人は、日本に住む日本人配偶者です。
様式に書くのは、日付、被保証人(外国人配偶者)の国籍・地域と氏名、身元保証人の氏名(自筆)・住所・電話番号・職業(勤務先)、国籍・地域、被保証人との関係です。日本人配偶者の場合、国籍欄は「日本」、関係は「夫」または「妻」と書きます。押印欄はありません。
身元保証書で保証する事項は、「滞在費」「帰国旅費」「法令の遵守」の3つです。ここでいう保証は、身元保証人がこれらについて配慮するという道義的な約束を指し、保証人が法的な支払義務を負う連帯保証とは性質が異なると一般に解されています。とはいえ、保証人としての責任を果たしていないと判断された場合は、以後の申請で保証人としての適格性を疑われることがあります。
世帯全員の住民票が示すもの
住民票は、夫婦が同じ住所で暮らしているかを確認するための書類です。世帯全員の記載があるもので、個人番号(マイナンバー)は省略し、続柄など他の事項は省略しないよう指定されています。
同居は、日本人の配偶者等の在留資格の前提となる事実です。入管法22条の4第1項7号は、日本人の配偶者等の在留資格で在留する配偶者が、正当な理由なく配偶者としての活動を継続して6か月以上行わないで在留していることを、在留資格の取消事由としています。更新の審査でも、住民票で夫婦の住所が別になっていれば、別居の理由が確認されます。
住民票の住所と在留カードの住居地は一致している必要があります。引っ越したのに住居地の届出をしていない場合、入管法上の届出義務の不履行として消極的に評価されます。住居地の届出は転入から14日以内に市区町村で行います。
別居・無職・収入減のときの補足資料
基本の6点で夫婦の生活の実態を説明しきれないときは、補足資料を付けます。何を付けるかは事情によって変わるため、典型的な場面ごとに考え方を示します。
別居している場合
仕事の都合で単身赴任している、配偶者の親の介護のために一時的に別に住んでいる、といった正当な理由があれば、別居そのものが直ちに問題になるわけではありません。説明の材料としては、別居の理由と期間、今後同居に戻る予定を書いた理由書、会社の辞令や転勤の通知、定期的な仕送りの記録(振込の履歴)、行き来している記録(交通機関の利用履歴、通話やメッセージの記録)などが考えられます。
夫婦関係が悪化して別居している場合や、離婚調停中の場合は、事情がまったく異なります。更新で短い在留期間になる、あるいは婚姻の実体がないと判断されて不許可になる可能性があり、離婚が成立すれば「定住者」への変更などを検討する場面になります。この種の事情は個別の事情で判断が変わるため、申請前に専門家に相談してください。なお、離婚・死別したときは、14日以内に「配偶者に関する届出」(入管法19条の16第3号)を出す必要があります。
無職・収入が減った場合
日本人配偶者と外国人配偶者のどちらも収入がない、または大きく減った場合は、生活が成り立っていることを別の資料で示します。出入国在留管理庁が「その他」として挙げているのは、預貯金通帳の写し(ウェブ通帳の画面を加工できない状態で印刷したものも可)、雇用予定証明書または採用内定通知書(日本の会社が発行したもの)、これらに準ずるものです。親族から援助を受けている場合は、援助する親族の身元保証や収入の資料、送金の記録を付けることもあります。
育児休業中で収入が減っている場合は、育児休業の期間と復職予定が分かる会社の証明書が有効です。転職したばかりで課税証明書の所得が前年の職場のものになっている場合は、現在の勤務先の在職証明書と給与明細で、今の収入を示すことができます。
自営業の場合
日本人配偶者または外国人配偶者が個人事業主として家計を支えている場合も、提出する基本の書類は住民税の課税証明書と納税証明書です。自営業の所得は確定申告の内容がそのまま課税証明書に表れるため、経費を多く計上して所得を低く申告していると、実際の生活水準より収入が少なく見えます。確定申告書の控えや帳簿の写し、事業用の預金通帳を付けて、事業が継続していることと生活費をまかなえていることを補足すると、審査で状況が伝わりやすくなります。国民健康保険料と国民年金保険料の納付状況も、ガイドラインの考慮要素に関わるため、未納がないか確認しておきます。
理由書を付けるべき場面
更新の申請書には「更新の理由」の欄がありますが、別居、収入の大きな減少、転職直後、長期の海外出張など、基本の書類だけでは事情が伝わらない場面では、別紙の理由書を付けるのが有効です。理由書には、事情が生じた時期と原因、現在の生活の状況、今後の見通しを、事実に即して時系列で書きます。書類と食い違う説明は、かえって審査で疑念を招くため、理由書の内容は添付資料で裏付けられる範囲にとどめるべきだと筆者は考えます。
更新はいつから・どこで・手数料はいくらか
更新の申請は、在留期間の満了日の3か月前から、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署でできます。在留期間が6か月の場合は、満了日までに申請します。福岡県にお住まいであれば福岡出入国在留管理局が申請先です。本人が申請するほか、行政書士などの申請取次者に依頼すれば本人の出頭は不要です(日本にいることは必要です)。在留申請オンラインシステムでも申請できます。申請期限と特例期間の考え方は在留資格の変更・更新はいつまでに申請する?で整理しています。
標準処理期間は2週間から1か月です。満了日までに申請していれば、審査中に満了日が過ぎても、処分の日か満了日から2か月を経過する日のいずれか早い日までは、それまでの在留資格で在留できます。審査期間の実際の目安は配偶者ビザの審査期間はどのくらい?認定・変更・更新別の実績と長引く理由【2026年7月分まで】で扱います。
手数料は2026年10月1日から変わりました。9月30日までに受け付けた申請は改定前の額(窓口6,000円、オンライン5,500円)ですが、10月1日以降の申請は、許可される在留期間に応じて次の額になります(窓口/オンライン)。
- 6月:18,000円/15,000円
- 1年:33,000円/27,000円
- 3年:64,000円/56,000円
- 5年:75,000円/65,000円
手数料は許可を受けるときに、窓口申請は収入印紙で、オンライン申請はコンビニ決済か銀行決済で納めます。
在留期間は何で決まるか
日本人の配偶者等の在留期間は、入管法施行規則別表第二で5年、3年、1年、6月のいずれかと定められています。初回の許可では1年が出ることが多く、更新を重ねて3年、5年と長くなるのが一般的です。
どの期間を与えるかの基準は、入国・在留審査要領に定められているとされます。審査要領は情報公開請求で開示されていますが、在留期間の決定に関わる部分には黒塗りがあり、外部から具体的な線引きを確かめることはできません。実務で語られる考慮要素は、入管法上の届出義務を果たしていること、学齢期の子どもがいれば学校に通わせていること、世帯の主たる生計維持者が納税義務を果たしていること、婚姻が安定して継続していることなどで、これらはガイドラインの考慮要素とも重なります。長い在留期間を得るための具体的な基準は現時点で公式資料では確定していません。申請前に出入国在留管理庁または所轄官庁の公式案内をご確認ください。審査要領の読み方と黒塗りの限界は入国・在留審査要領とは?で解説しています。
1点だけ付け加えると、2026年10月以降は在留期間が長いほど手数料も高くなります。5年の許可は手数料が最も高い一方、次の更新までの期間が長くなり、永住申請で求められる「最長の在留期間」の要件にもつながります。
よくある質問
配偶者ビザの更新は自分でできますか?
できます。申請人本人が、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に書類を持参して申請します。16歳未満の子どもの更新は親などの法定代理人が申請でき、行政書士などの申請取次者に依頼する方法もあります。
配偶者ビザの更新は何か月前からできますか?
在留期間が6か月を超える場合は、満了日の3か月前から申請できます。海外赴任や出産などやむを得ない事情があれば、3か月より前でも受け付けられることがあり、その場合は事前に申請先の官署に相談します。
配偶者ビザの更新に必要な収入はいくらですか?
法令にもガイドラインにも金額の基準はありません。世帯の人数と住んでいる地域の生活費に照らして、公的な扶助に頼らずに生活できるかが見られます。収入が少ない場合は、預貯金や就職の内定、親族の援助など、生活が成り立っていることを示す資料を付けます。
配偶者ビザの更新が不許可になる理由は何ですか?
典型的なのは、同居の実態がない、婚姻の実体に疑いがある、税金を納めていない、住居地の届出などの義務を果たしていない、といった場合です。不許可の理由と対処は在留資格の更新が不許可になる理由とは?で扱っています。
永住者の配偶者の場合も同じ書類ですか?
永住者の配偶者等は、日本人配偶者の戸籍謄本の代わりに永住者である配偶者の身分を示す資料を出すなど、書類の一部が異なります。出入国在留管理庁の「永住者の配偶者等」のページで確認してください。
書類を集める前に夫婦で確かめること
配偶者ビザの更新は、6点の書類を揃えれば形式上は申請できます。審査の結論を分けるのは、その書類が示す事実のほうです。住民票で同じ住所に住んでいること、課税証明書で生活を維持できる収入があること、納税証明書で税金を期限どおりに納めていること。この3つが揃っていれば、更新で問題になることは多くありません。
書類を集める前に、夫婦で次の3点を確かめてください。前年に住民税の未納や納め遅れがなかったか。住民票と在留カードの住所が今の住まいと一致しているか。前回の更新から、転職、別居、収入の大きな変化がなかったか。どれか1つでも当てはまれば、それを説明する資料を用意したうえで申請するのが、更新を確実にする近道です。
根拠資料
- 在留資格「日本人の配偶者等」(外国人の方が日本人の配偶者である場合)(出入国在留管理庁)
- 「日本人の配偶者等」に係る提出書類一覧(在留期間更新許可申請用)(出入国在留管理庁)
- 身元保証書(出入国在留管理庁)
- 在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン(出入国在留管理庁・2026年6月改正)
- 在留期間更新許可申請(出入国在留管理庁)
- 令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法(e-Gov法令検索)
在留資格の申請・採用のご相談は、保利国際法務事務所の無料相談へ。福岡出入国在留管理局への申請取次に対応しています。