特定技能1号の在留期間は、2025年9月30日施行の法務省令改正で「3年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」に変わり、それまでの「1年を超えない範囲」から上限が延びました。更新の手続そのものは変わらず、在留期間満了のおおむね3か月前から、本人または申請取次者が地方出入国在留管理局に申請します。変わったのは費用で、2026年10月1日以降に受け付ける申請から、手数料が許可される在留期間の長さに応じて1万円から7万5,000円(窓口)の幅で決まるようになりました。特定技能の更新は、在留期間の上限、通算5年の残り、手数料の3つを合わせて計画するものになっています。
特定技能1号の在留期間は「最長3年」、通算は原則5年
ここでいう在留期間とは、1回の許可で在留カードに記載される期間を指し、通算在留期間とは、特定技能1号で日本に在留した期間の合計を指します。この2つは別の概念です。
在留期間の上限は、出入国管理及び難民認定法施行規則の別表第二で定められています。2025年9月5日時点の規則では「一年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」でしたが、令和7年法務省令第47号(2025年9月30日公布・施行)により「三年を超えない範囲内」に改められました。出入国在留管理庁の「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月版)も、1号特定技能外国人には「3年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間」が付与されると記載しています。
通算在留期間の上限は原則5年のままです。通算には、特定産業分野を問わず過去に特定技能1号で在留した期間が含まれ、失業中の期間、再入国許可での出国期間、更新申請中の特例期間も数えられます。一方、産前産後休業・育児休業の期間や、1か月を超える病気・怪我による休業期間は、所定の申請をすれば通算から除かれます。数え方の詳細は特定技能1号の5年後はどうなる?で解説しています。2号評価試験で合格基準点の8割以上を取った人は、2025年9月30日から通算6年まで在留できる取扱いがあります。
特定技能2号の在留期間は、運用要領上「3年、2年、1年又は6月」で、通算の上限はありません。2号も更新は必要ですが、本記事では1号を中心に扱います。
3年が出るかどうかは申請で選べない
在留期間の上限が3年になっても、申請者が「3年」を選べるわけではありません。規則の文言は「法務大臣が個々の外国人について指定する期間」で、何年を付与するかは審査の結果として決まります。出入国在留管理庁は、1号の在留期間を3年・1年などに振り分ける基準を公表していません(公式資料では未確認)。
実務の感覚として、筆者は次の事情が付与期間に影響すると考えています。1つは雇用契約の期間です。雇用契約の終期が1年後なら、それを超える在留期間は付与されにくくなります。3年の在留期間を想定するなら、特定技能雇用契約の期間もそれに見合う長さにしておくのが自然です。もう1つは通算5年の残りで、通算4年目の人に3年が付与されることはありません。残りが1年2か月なら、付与されるのは最長でもその期間です。3つ目は、本人の公的義務の履行状況と、受入れ機関の届出・支援の実績です。
更新申請の時期と審査期間
在留期間更新許可申請は、在留期間の満了日までに行います。出入国在留管理庁の手続案内では、6か月以上の在留期間を持つ人は、満了日のおおむね3か月前から申請できるとされています。標準処理期間は2週間から1か月です。
満了日までに申請していれば、審査が長引いて満了日を過ぎても、処分がされる日か満了日から2か月を経過する日のいずれか早い日までは、従前の在留資格で適法に在留し、働き続けることができます(入管法20条6項、21条4項)。この期間を特例期間と呼びます。特例期間の注意点は在留期間の特例期間とは?更新中に期限が過ぎても働ける期間と注意点で説明しています。
申請は、在留カードを持つ本人が地方出入国在留管理局に出頭して行うのが原則で、申請取次者(登録支援機関の職員や行政書士など)による取次も認められています。所属機関が利用申出をしていれば、在留申請オンラインシステムでの申請もできます。福岡出入国在留管理局の管内では、福岡市中央区舞鶴の本局のほか九州各県の出張所でも受け付けています。
準備は満了の4か月前から始めるのが安全です。住民税の証明書は市区町村で取得し、年金の記録は年金事務所で取り寄せるため、書類がそろうまでに時間がかかります。
更新の必要書類|第1表と第3表だけでよい
特定技能1号の更新で出す書類は、出入国在留管理庁の「『特定技能1号』に係る提出書類一覧表(在留期間更新許可申請用)」(令和8年8月20日改定)で確認します。一覧表の項番2は、更新で提出するのは「第1表(表紙を含む)」と「第3表の1~3のいずれか」で、「更新は第2表不要」と明記しています。認定申請や変更申請で求められる所属機関に関する書類(第2表)は、更新では出しません。
第1表(申請人に関する書類)
| 項番 | 書類 | 提出が必要な場合 |
|---|---|---|
| 3 | 在留期間更新許可申請書(写真4cm×3cm貼付) | 全員 |
| 4・5 | 特定技能雇用契約書の写し、雇用条件書・賃金の支払の写し | 全員(本人の署名と本人が理解できる言語の記載が必要) |
| 6〜8 | 直近1年度分の個人住民税の納税証明書、同じ年度の課税証明書、同じ年の源泉徴収票の写し | 過去1年以内の申請で提出済みなら省略可 |
| 9・10 | 医療保険の資格情報の写し、直近1年度分の国民健康保険料(税)納付証明書 | 国民健康保険の被保険者である場合 |
| 11・12 | 被保険者記録照会回答票、被保険者記録照会(納付Ⅱ)または24か月分の国民年金保険料領収証書の写し | 国民年金の被保険者である場合 |
| 14 | 公的義務履行に関する誓約書(参考様式第1-26号) | 住民税・国保・年金のいずれかに滞納がある場合 |
1年単位の変形労働時間制をとっている会社は、年間カレンダーと労使協定書の写しも必要です。複数人を同時に申請するときは申請人名簿を付けます。国民健康保険の資格情報と年金の書類は、保険者番号や基礎年金番号を黒塗りしたものを出します。
厚生年金・健康保険に加入している会社員であれば、項番9〜12は不要です。更新の書類で差が出るのは、入社前に国民年金・国民健康保険だった期間がある人です。留学生から特定技能に変わった人は、前回の申請から1年以上たつと、在学中の国民年金の納付状況をあらためて示すことになります。未納があるときの扱いは特定技能と国民年金・国民健康保険の未納で整理しています。
第3表(分野に関する書類)
第3表は、農業・漁業を除く分野(第3表の1)、農業(第3表の2)、漁業(第3表の3)に分かれています。多くの分野で求められるのは、その分野の協議会の構成員であることの証明書です。建設分野は申請人の名前が記載された建設特定技能受入計画の認定証の写し、工業製品製造業分野はJAIMの構成員名簿を印刷したもの、宿泊分野は旅館・ホテル営業の営業許可証の写し(過去3年以内に提出済みなら省略可)といったように、分野ごとの許認可の書類が加わります。登録支援機関に支援の全部を委託している場合は、登録支援機関の誓約書や協議会の構成員証明書が必要になる分野もあります。
一覧表は改定が多く、2025年9月30日、2026年3月24日、4月1日、8月20日と改定が続いています。申請の直前に、出入国在留管理庁の「在留資格『特定技能』」のページから最新の様式を取り直してください。
更新前に会社が確認しておくこと
運用要領は、更新が許可されるのは「更新が適当と認めるに足りる相当の理由があるとき」に限られ、その判断は法務大臣の裁量に委ねられるとしたうえで、考慮される事項として入管法上の届出義務の履行と、納税・社会保険料の納付義務の履行を挙げています。更新の審査は書類の形式だけで終わるものではありません。
会社側で確認しておきたいのは次の点です。
- 協力確認書:運用要領は、すでに特定技能外国人を受け入れている機関が変更・更新の申請を行う前に、事業所と住居地の市区町村に協力確認書を提出することを求めています。提出は原則1回で足りますが、事業所の所在地や住居地、担当者の連絡先が変わった場合は出し直しが必要です(特定技能の協力確認書とは?提出先の市区町村・提出時期と福岡市・北九州市の手順)。
- 定期届出・随時届出:2025年4月から定期届出は年1回になり、2026年4月以降に最初の提出が始まっています。未提出のまま更新を迎えると、受入れ機関の届出義務の不履行として問われます。
- 住民税の特別徴収:会社が給与から特別徴収した住民税を納めていなかったために本人の未納が判明した場合、運用要領は、本人の不履行とは評価せず、受入れ機関が租税関係法令を守っていないものとして扱うとしています。
- 報酬:前回の申請時から昇給がないまま日本人の同僚だけが昇給している場合、日本人と同等額以上という基準との関係を説明できるようにしておきます。
個別の事情で判断が変わるため、滞納や届出漏れが見つかった場合は、申請前に対応を決めてください。
2026年10月1日からの更新手数料
在留期間更新許可の手数料は、改正入管法施行令25条1項により2026年10月1日から改定されました。改定前は申請方法を問わず一律(窓口6,000円・オンライン5,500円)でしたが、改定後は許可される在留期間の長さで決まります。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料です。
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
手数料を納めるのは申請時でなく許可を受けるときです。窓口申請なら通知のハガキに記載された額の収入印紙で、オンライン申請なら審査完了後に届く決済メールからコンビニ決済か銀行決済で納めます(オンラインは別途決済手数料がかかります)。どの在留期間が付与されるかは許可まで分からないため、会社の予算は1年と3年の両方の場合で見ておく必要があります。
通算5年でいくらかかるかの試算
特定技能1号の5年間で更新手数料がいくらになるかを、窓口申請の場合で試算します。海外から在留資格認定証明書で入国した場合、最初の許可には在留許可手数料がかからないため、最初の在留期間を1年として、その後の更新だけを数えます。
- 毎回1年が付与される場合:1年の更新を4回で、33,000円×4回=132,000円
- 1年目の後に3年、最後に残り1年が付与される場合:64,000円+33,000円=97,000円
- 1年目の後に2年、次に2年が付与される場合:48,000円×2回=96,000円
更新回数が少ないほど総額は下がりますが、3年の在留期間は申請で選べないため、確実に下げられるのはオンライン申請への切替えです。上の3つのケースをオンライン申請に置き換えると、それぞれ108,000円、83,000円、84,000円になります。在留手数料の改定全体は在留資格の変更・更新手数料はいくらになる?で扱っています。
手数料を会社と本人のどちらが負担するかは、法令では決まっていません。会社が負担する運用が多いものの、本人負担として給与から控除する場合は、労働基準法24条の労使協定が必要です。
変更の申請が必要になる場面と、更新が不許可になる場合
転職して特定技能所属機関が変わる場合、同じ会社でも特定産業分野が変わる場合は、更新ではなく在留資格変更許可申請が必要です。指定書に記載された機関と分野が変わるためで、変更申請中は変更予定の就労先で働くことはできません。この場合は第2表の所属機関の書類も必要になります。
更新が不許可になる典型は、住民税や国民年金の滞納を指導後も解消していない場合、所属機関に関する届出や住居地の届出を出していない場合、雇用条件書どおりの報酬が支払われていない場合です。受入れ機関の側に労働関係法令違反や非自発的離職者の発生があると、本人に問題がなくても基準に適合しないと判断されることがあります。不許可の通知を受けたときは、理由を審査担当に確認し、在留期限との関係で出国準備のための特定活動に切り替わっているかを在留カードと通知書で確かめてください。更新不許可の一般的な理由と対処は在留資格の更新が不許可になる理由とは?で扱っています。
よくある質問
特定技能の更新は何年ごとに行いますか?
在留期間の満了ごとに行います。2025年9月30日以降、特定技能1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に指定されるため、1年ごとの人もいれば、3年ごとの人もいます。特定技能2号は3年・2年・1年・6月のいずれかです。
特定技能の更新は何か月前から申請できますか?
在留期間が6か月以上ある人は、満了日のおおむね3か月前から申請できます。満了日を過ぎると更新申請はできず、特例期間も使えなくなります。
特定技能1号の更新費用はいくらですか?
2026年10月1日以降に受け付けた申請は、許可される在留期間が1年なら窓口33,000円・オンライン27,000円、1年超3年未満なら48,000円・42,000円、3年なら64,000円・56,000円です。2026年9月30日までの受付分は窓口6,000円・オンライン5,500円です。行政書士や登録支援機関に書類作成を依頼する場合は、その報酬が別にかかります。
特定技能の更新に収入印紙は必要ですか?
窓口で申請した場合、許可を受けるときに手数料相当額の収入印紙を手数料納付書に貼って納めます。オンライン申請の場合は収入印紙では納付できず、コンビニ決済か銀行決済になります。
特定技能2号の更新に上限はありますか?
通算在留期間の上限はなく、要件を満たしている限り更新を続けられます。在留期間は1回あたり最長3年です。
更新のたびに見直すのは「残り年数」と「契約期間」
在留期間の上限が3年になったことで、特定技能1号の更新は、毎年の定型作業から、残りの通算期間をどう使うかを決める場面に変わりました。更新の申請書を作る前に、通算5年のうち何年が残っているか、雇用契約の終期がいつか、2号試験や他の在留資格への移行をいつまでに判断するかを並べてみてください。雇用契約を1年で更新し続けている会社は、在留期間も1年しか付与されにくく、改定後の手数料を毎年払うことになります。
手数料の改定は、会社にとっては固定費の増加ですが、オンライン申請への切替えと契約期間の見直しで総額はある程度抑えられます。書類の準備では、住民税の証明書と年金の記録の取得に時間がかかるため、満了の4か月前に本人と一緒に確認を始める段取りを社内の標準にしておくと、特例期間に頼らずに済みます。
根拠資料
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(令和7年法務省令第47号による改正・2025年9月30日施行)(e-Gov法令検索)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(出入国在留管理庁・2026年8月)
- 在留資格「特定技能」(出入国在留管理庁)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留期間更新許可申請用)第1表(出入国在留管理庁・令和8年8月20日改定)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留期間更新許可申請用)第3表の1(出入国在留管理庁)
- 在留期間更新許可申請(出入国在留管理庁)
- 2026年10月1日から外国人の在留手続に関する手数料が改定されます(リーフレット)(出入国在留管理庁)
- 令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について(出入国在留管理庁)
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